瑠璃色のキミ達と   作:A×K(アツシくん)

19 / 183
第19レース~Fortune Telling~

ジュニア級を走り抜け、迎えた新年。

クラシック級の幕開けとなる今年…

メジロアルダンはというと──────

 

 

アナウンサーA「───トゥインクル・シリーズトレンド速報!

続いて紹介するのはこちらの方!」

 

アナウンサーA「新進気鋭のメジロ家の令嬢

メジロアルダンさ~ん!!」

 

アナウンサーA「昨年デビューされたメジロアルダンさん

メジロ家のウマ娘というだけではなく

なんとあのメジロラモーヌさんの妹なのです!」

アナウンサーB「いや~、生ける伝説と化した姉がいると

走る際のプレッシャーもなかなかでしょうね。

姉に続く活躍を夢見るファンも多いのでは?」

 

アナウンサーA「そうなんです。

SNS上でもメジロラモーヌさんの成績にどれほど

近づけるかと注目が集まっており────」

(…''近づける''…か…)

 

 

アルダン「トレーナーさんっ♪」

テレビを見ていたが、後ろから何か衝撃を受けた。

ふわりと心地の良い匂いと共に、青い髪が目の前で靡いた。

 

「アルダン…新年早々嬉しそうだな」

後ろから抱きしめられた腕に触れるとアルダンも笑った。

 

アルダン「トレーナーさん。

あけましておめでとうございます。」

「あぁ、あけましておめでとう」

 

アルダン「本年もどうぞ、よろしくお願いいたします。

…テレビをご覧になられていたのですね。

これは───────」

 

テレビの音声「──まぁ、厳しいでしょうね。

なにせ史上初のトリプルティアラですから。

それに並ぶとなると、並大抵では─────」

「ごめん、今消すね」

 

アルダン「ふふっ、お気遣いなく。

姉様と比較されるのは慣れていますので。

ああいったお言葉も想定内です。」

 

アルダン「……私の光跡が姉様に遠く

及んでないことも、事実ですしね。

とはいえ……その事実に甘んじるつもりはございません。」

 

「そうだな…でも、俺はアルダンの光跡はしっかり見えてるよ

その……そこに惹かれた…し…」

アルダン「…トレーナーさん…///」

 

アルダン「…はいっ、私自身の光跡をみなさまに刻めるよう

まい進する所存です。」

「……アルダン…」

 

アルダン「…ジュニア級はトレーナーさんのおかげで

着実に''今''を積み上げることができました。」

 

アルダン「誰になんと言われようと…

私は今日までの道行きに誇りを思っています。

ですので─────」

 

アルダン「トレーナーさんも

あまり気になさならいでください♪」

鼻をツンっと触るアルダン。

ここ最近、アルダンの機嫌が良いことに自分も嬉しかった。

 

アルダン「……あの、それでと言ってはなんですが

私から少しよいでしょうか?」

「どうかしたか?」

 

アルダン「私の───いえ、私たちの

クラシック級での道行きについて

お伝えしておきたいことがあります。」

「…あ…っ…」

 

アルダン「……クラシック級で

挑戦したいことがあります。」

アルダン「ただそれは…少し、先の話です。

口にするのは、まだ、少々おこがましいかと。」

 

アルダン「なので春のクラシック路線が間近に迫る頃……

私がGIで戦うための体作りと経験を積む

武者修行を完遂し、なお健在であれば─────」

アルダン「そこでご相談させていただけないでしょうか。」

「…なるほど…''今''では無いんだな」

アルダン「…はい。」

 

 

隣に座って、少し困った顔で笑うアルダン。

アルダン「やはり…変でしたか?

いつも''今''…''今''と言っていたのに

急に少し先のことを話すだなんて─────」

 

「まさか、新しいアルダンを見れて嬉しいよ

未来に目を向けて、言葉にして…俺に伝えてくれって点も、ね」

アルダン「…………。」

参ったと観念するように、アルダンが少し俯いた。

 

アルダン「トレーナーさんは、本当に優しいのですね。

怒ったりすること…ないのでしょうか?」

「…怒って欲しいのか?」

アルダン「…少し…///」

返答に困る答えに、トレーナーも釣られて笑ってしまった。

 

 

 

…………。

 

 

 

その後、メジロアルダンと今後の

トレーニング内容について確認し終えて

ひと息ついたところで────

 

 

アルダン「トレーナーさん。

この後、お時間は空いていますか?

…良ければ少し、お願いしたいことがありまして…。」

「空いてるけど…お願いしたいこと?」

 

アルダン「その…トレーナーさんと一緒に、何か年始らしいことをしたいな……と。」

少々意外な提案だったが、アルダンの息抜きにも良いのかもしれない。

年始らしいことといえば…。

 

「福笑いとかどうだ?」

アルダン「まぁ……!福笑い!

素敵ですね、ぜひやりましょう!……もしかして、これが一式でしょうか……っ!?」

「ず、随分と嬉しそうだな」

 

アルダン「恥ずかしながら、私……何かと独りで過ごしてばかりだったので……

人と遊ぶということが、嬉しく……それに、相手がトレーナーさんだから……///」

「ありがとうな、アルダン……めいっぱい楽しも!」

 

 

 

 

 

その後、トレーナー室にあった

レクリエーション用の福笑いセットを用意し

 

アルダン「これは…鼻でしょうか?

となると……ここにきて……えっと、目の位置は……」

アルダン「……よし。出来ました!」

 

メジロアルダンが目を開けると、元の顔とはかなり懸け離れた

独創的なものが完成していた。

 

アルダン「…っ、く、ふふっ……!

全然違っていますね……っ!」

子供のようにケラケラと笑うアルダンを、ついずっと眺めていた。

 

アルダン「さぁ、次はトレーナーさんの番ですよ。

……トレーナーさん?」

「……えっ?……あ、わ、悪い!!」

 

アルダン「もしかして……退屈、でしたか?」

「そうじゃなくて……その、笑うアルダンが可愛いなって…」

アルダン「……は、早く目隠ししてくださいっ///」

 

アルダン(こんな赤い顔……とても見せられません……っ///)

 

 

 

 

─────────────────────

 

 

新年も明けて、しばらく経ったある日。

トレセン学園内に設立してある……謎のテントの中にメジロアルダンは居た。

 

???「よもやよもや……珍しいお客さんですねぇ」

アルダン「こちらの占いは評判だと……風の噂で聞いたもので

……よろしくお願いしますね、フクキタルさん」

 

フクキタル「ふっふっふ……おまかせあれ…っ!

して、どういった相談でしょう?」

 

訪れていたのは、マチカネフクキタルがやっている占い小屋。

アシスタント……?のメイショウドトウも恐る恐る占いの模様を眺めていた。

 

アルダン「その……想い人が居るのですが……

その方との相性と言いますか…どうすればいいのかアドバイスが欲しくて……///」

想い人の顔を想像したのか、メジロアルダンの顔が赤くなる。

それを聞いたマチカネフクキタルが、うんうんと何度も頷いた。

 

フクキタル「なるほどなるほど……すなわちっ、恋占いということですね!

恋占いは得意中の得意ですからっ!では早速……っ」

 

目を瞑り、水晶玉に向かって両手をかざすフクキタル。

 

フクキタル「ハンニャカ~フンニャカ~フラフラルンルン~……っ」

アルダン「……っ」

ドトウ「救いはあるのですか~……?」

 

短い時間なのに、とてつもなく長い時のような錯覚に陥りそうな時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フクキタル「…………へっ?」

明らかに、水晶玉が眩しく光った。

占っていたはずのフクキタルも、口角をピクピクと怯ませていた。

 

フクキタル「こ、これは……っ……!」

アルダン「……良い、ということなのでしょうか?」

ドトウ「むしろ、良すぎると言いますか~……」

 

フクキタル「今すぐにでもお付き合いすべきです!

運勢で言うのなら……大大大大吉といった具合に!」

アルダン「……は、はぁ……///」

 

 

フクキタル「ラッキーアイテムはハンカチです!

……しかし、想い人…もしや……?」

アルダン「あ……こ、これで失礼いたします……っ///

フクキタルさん、ドトウさん、ありがとうございました……っ///」

 

詮索されないように、急ぎ足で去るメジロアルダン。

フクキタル「なんと神々しい……

これは想いの力が導く光りなので────────」

 

 

 

 

固唾を呑んで水晶玉を見ていたフクキタル…しかし、次の瞬間。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────────ピキっ。

 

 

 

 

 

 

 

フクキタル「……へ?」

ドトウ「あわわわ……っ」

 

水晶玉にヒビが入った。

その一部始終を見ていたフクキタルが断末魔を叫ぶ。

 

フクキタル「にょわぁぁああああぁっ!!?!?!?!?」

ドトウ「こ、これって悪い兆候なのでは~……」

叫んだ姿を見たドトウも焦って目をグルグル回して狼狽えていた。

 

フクキタル「い、いえ……これはきっと…想いの力に水晶玉が耐えきれなかっただけだと思います……多分!!!!」

ドトウ「占い師がそんなアバウトで良いんでしょうか~……!」

 

フクキタル「今すぐ予備の水晶玉をっ!!!」

ドトウ「用意周到ですぅ~…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アルダン(……想い人……ハンカチ……

まさか、こんな風に誰かに相談したりする日がくるなんて……///

でも、そんな風にしないといけないくらい……私の心にはいつも……いつも、あの人が……///)

早く会いたい、と…いつもより少し早足になるメジロアルダンだった。




評価・感想・お気に入り登録
よろしくお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。