瑠璃色のキミ達と   作:A×K(アツシくん)

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キャラエピソード見る度に推しが増えそうな勢い……()


第2レース~呆気~

【室内トレーニングルーム】

 

アルダン「1…2…3…1…1…2…3…4……。」

アルダン「ふぅ……はぁっ…はぁ……。

3セット完了……。さて、負荷は今ので────」

 

(……たづなさんにああ言われて、トレーニングルームには来てみたけど…)

とても話しかけられそうになさそうだった。

ただ、見たところ…トレーニングは負荷を弱めにゆっくり…入念にトレーニングをしているように感じ取れた。

 

その合間合間で、気になる点が1つあった。

(……一体、タブレットで何を見ているんだろう…)

 

もう少し、様子を見よう…と思った時だった。

自分の隣をウマ娘が横切った。

 

ウマ娘A「さーてっ、今日も筋トレ筋トレ!

……って!今日も混んでるな~…えーっと、どこか空いてるスペースはー…。」

無理も無い、外で走る以外にもトレーニングする事はたくさんある。

そんな中、筋トレ出来る場所を探してたウマ娘にメジロアルダンが声をかけた。

 

アルダン「すみません。

よければ、こちらを使われますか?私はもう上がりますので。」

ウマ娘A「えっ、良いんですか先輩!ラッキー!

じゃ、使わせていただきまーすっ!」

アルダン「えぇ、どうぞ。

では、失礼いたします。」

 

 

トレーニングルームを後にしたアルダンを見た複数のウマ娘達が小さく呟いた。

ウマ娘C「もう上がんの?……やば、さっき来たばっかりじゃなかった?」

ウマ娘B「うーん…体の事があるだろうし…無理出来ないってことなんじゃないかなー…やっぱり」

隣にいた担当トレーナー達も口を開いた。

 

新人トレーナーA「''あのメジロの''って事で気にはなってたけど…

さすがに背負ってるハンデが重すぎるよね、メジロアルダン…。」

ベテラントレーナーA「そうね。

危険を押して出走させる事は、必ずしも本人の為にはならない…

あまりにもレースに向かない体だわ……。」

 

 

たづなさんに言われた事が頭を過ぎった。

たづな【───トレーナー陣からの評価も芳しいとは言えません】

(……それどころか、レースに出るべきウマ娘じゃないなんて言われるなんて……)

 

そんな想いが交錯する中、ある事が気になった。

(……アルダン自身はどう思ってるんだろう)

 

聞いてみたい……その一心で、アルダンの後を追うことにした。

(まだそんなに遠くには行ってないはず……!)

 

 

─────────────────────

 

 

【廊下】

 

アルダン「……………………。」

ゆったりとしたペースで歩くアルダンを発見し、声をかけようとしたときだった。

 

アルダン「…っ────────」

「あっ……!!!」

ふらつき、しゃがみ込んだメジロアルダンに急いで駆け寄り、助け起こした。

 

アルダン「……まぁ、お手数おかけしてすいません。

少々、めまいがしただけですので、もう大丈夫です。」

「……よ、良かった…」

 

アルダン「……あら…貴方は…」

「……覚えてるの?」

アルダン「病院と…学園の前でお見かけした…トレーナーさん、ですよね。

お体、大丈夫でしょうか。」

「……う、うん…ちょっと風邪気味だっただけ…俺は大丈夫だよ」

 

……めまいを起こしてもなお、他者を気にかけてるなんて…。

アルダン「お互い、病み上がりなのに張り切って…ふふっ、いけませんね。

……っと……タブレットは─────」

 

(タブレット……これか)

「それなら、ここ──────」

拾った拍子に、触ったからか…映し出された画面が自分の目の前に飛び込んできた。

そして、それを見た自分は……息を呑んでしまった。

 

(……これ、は…)

1つのメニューにつき、細かく記載された何パターンもの情報…。

方法・回数・セット数・負荷・テンポ─────

それは、ひと目見てそうと分かるほど、あまりにも懸命な……試行錯誤の跡だった。

 

アルダン「……拾ってくださり、感謝いたします。

そちら、受け取っても?」

「……あっ……ご、ごめん!!」

 

タブレットを受け取り、メジロアルダンはその場を去っていった。

(……俺、話に来たはずなのに……)

何も出来ないまま、自分はそこに立ち尽くしていた。

 

「……あのタブレットに書かれてたのは…

''最小効率で最大効果を''……」

通常のトレーニングにさえ、危険が伴う脆い体を抱えてもなお

戦い抜くという彼女の覚悟の一端に触れ、ただ……立ち尽くしていた。

 

「……メジロ…アルダン……」

 

 

 

 

 

───────────────────

 

 

【数日後…】

 

たづな「そんな…本当によろしいのですか、アルダンさん!?」

ただならぬ様子のたづなさんとメジロアルダンが居た。

 

アルダン「出走枠はもうその1つきり、なのですよね?

で、あれば、そちらに。」

アルダン「メジロアルダン、次回選抜レースには''ダート1200m''にて出走を希望いたします。」

 

(……ダートの……短、距離…?)

あのやり取りの後、メジロアルダンの基本情報を調べたけど…適性は……。

 

たづな「あなたの適性は本来''芝中距離''のはずです!

可能性がないとは申しませんが、本来の力を発揮することは難しいかと…!

……アルダンさん、数ヶ月待てば、選抜レースは再び開催されます。

そちらで、本来の力を発揮できるレースに参加されては───」

アルダン「その''数ヶ月''の差が肝要なのです。

……たづなさんも、薄々わかっておいでなのではありませんか?」

 

たづな「……!」

アルダン「ウマ娘が最も貴き舞台で輝ける時期には、限りがあります。

''本格化''によって充実した走力は、いずれ必ず衰退の一途を辿る。」

アルダン「入退院を繰り返し、選抜レースに出走さえできず…私は''本格化''を迎えて以降、多くの時を空費しました。」

アルダン「これ以上デビューが遅れれば、トゥインクル・シリーズにて宿願を果たす前に、私の全盛期は終わるでしょう。」

 

アルダン「……それは、それだけは…看過いたしかねます。」

 

たづな「……っ、しかし!」

アルダン「お心遣い痛み入ります、たづなさん。

ですが、もう決めたことなので。」

アルダン「なにとぞ────出走登録手続きのほう、よろしくお願いいたします。」




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