トレーナーとのお泊まり会があった日の昼過ぎ。
アルダンが自分の部屋に戻ってきた。
チヨノオー「あっ、おかえりなさい、アルダンさん!」
アルダン「チヨノオーさん、ただいま戻りました。
ふふっ、お出迎えありがとうございます。」
にこやかに笑い、荷物の整理に入るアルダン。
その様子を見ていたチヨノオーがあることに気づく。
チヨノオー「……アルダンさんから、不思議な匂いがしますね?」
アルダン「…………っ……!?//////」
一瞬、耳をピンと立てたアルダンだったが、平然を装う。
アルダン「……ふふっ、きっと新しいトリートメントの匂いですよ…。」
チヨノオー「うーん…何かこう、温かいお日様のような匂いな気もするんですが~…」
アルダン「(お日様…確かに、トレーナーさんの胸の中は安心して……安らぐ匂いがしましたが……)……うぅ…///」
思い出して恥ずかしくなったのか、アルダンが顔を隠してしまった。
チヨノオー「あの…アルダンさん」
アルダン「……は、はい…?」
チヨノオー「トレーナーさんと何かありましたね?」
アルダン「え、えぇっ……!?///」
チヨノオー「やっぱり…最近のアルダンさんを見てれば自然と分かりますよ」
アルダン「やはり、雰囲気に出てしまうのでしょうか…」
チヨノオー「と言うよりも、目にですね」
アルダン「……目…ですか?」
チヨノオー「自然と追ってるところとかよく見ますよ」
アルダン「……あうぅ……///」
全てお見通しにされたアルダンが再び顔を赤くする。
それを見ていたチヨノオーが、小さく咳払いをする。
チヨノオー「アルダンさん…この際だから言いますね?」
アルダン「……チ、チヨノオー…さん?」
チヨノオー「それは……''恋''ですよ」
アルダン「………………………………。」
アルダン「……っ!?!?!?!?//////」
言葉の意味を理解したアルダンの頭が一瞬爆発したかのように見えた。
アルダン「えっ……ええぇっ……!?///」
普段の慇懃な言葉遣いが崩れ、慌てるメジロアルダン。
否定も出来ないが、受け入れることも出来なかった。
チヨノオー「担当ウマ娘とトレーナーさんがそういう仲になるのは不思議なことではないのですっ。
それに、アルダンさんも、最近の自分を振り返ってみたら自ずと分かるはずですよっ」
アルダン「…………………………。」
言われてみると、思い当たる節しかない。
一緒に出かけたり、ご飯を作ってあげたり、一緒に寝たり。
普通の仲とはとても言い切れない様なことをたくさんしていた。
アルダン「で、ですが…そのような感情を向けては、トレーナーさんのご迷惑になるのでは…///」
チヨノオー「何も今すぐ想いを伝えましょうとは言いませんっ
……ですが、自分の中で決めた方がいいですよ、意外とライバルは多いかもしれませんし」
アルダン「ら、ライバルなんて……そんな…///」
チヨノオー「分からないですよ~?
ラモーヌさんとかたづなさんとか……」
アルダン「えぇっ……!?///」
チヨノオー「とにかくっ!自分の中でここだってタイミングを探すといいですよっ♪
……っと、ちょっと話すぎちゃいましたねっ、お風呂入ってきます~!」
アルダン(……トレーナーさんに……告白…///)
胸を押さえる…ドクンドクンと鼓動が早くなっていた。
アルダン(こんな感情を持つことになるなんて……///
でも…色々な景色を見せてくれたのは、トレーナーさんでもありますし……///)
アルダン「うぅ……明日から、顔なんてみれません…///」
熱くなった顔を冷ますように、頬に手を添えるメジロアルダンだった。
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【次の日】
「よしっ、じゃあ次のメニューは……」
アルダン「………………///」
「……アル?」
アルダン「は、はいっ!!??///」
「……どうしたの、らしくもない声出して…」
アルダン「す、すいません……何も…///」
「何か体調の変化とかあったら言いなよ?」
アルダン「……体調と言うよりも…心の方が…///」
「ん?」
アルダン「い、いえっ……何も…。
それより、トレーナーさん……お話が……。」
「改まって…どうした?」
アルダン「次走についてです。」
「……ほう、聞こうか」
アルダン「無理を承知で…伝えさせていただきます。
次走…皐月賞に出走させてください。」
「…………皐月賞……か」
クラシックGIレースを目指すことは、あるのだろうと予想はしていた。
……が、アルダンからこんなにも真剣な表情で打ち明けられるのは少し予想外だった。
「……理由を聞いても、いいかな?」
アルダン「私の輝き……そして、想い…願いの為です。」
「想い…願い……か……(ラモーヌと自分を重ね合わせてるのかもしれないな)」
アルダン(……GIを勝って…トレーナーさんに、想いを伝える……これが、私の答え……。)
「……簡単な道のりじゃないよ。
ライバルも沢山居るし……何より、キミと親交もある────」
アルダン「チヨノオーさんやヤエノさんが出る……ですよね?」
「……あぁ、それでも進むと決めたんだな?」
アルダン「…………はい。」
グッと力強くこちらに向ける視線には、不退転の覚悟が宿っていた。
「……分かった、アルの想いを汲み取ってこそのトレーナーだもんな」
アルダン「ありがとうございます、トレーナーさん。
……絶対に、勝ちます、から。」
そう言うと、アルダンは尻尾を足に巻きつけてきた。
「……アル?」
アルダン「…………///」
「……やるなら、トレーナー室に戻ってから、な?」
アルダン「い、いいんですか……?///」
「止める理由も無いだろ?」
アルダン「……っ……は、はいっ……♪///」
嬉しそうに笑うアルダン…しかし、場所が悪かった。
他のウマ娘A「わー、アオハルだ~…」
他のウマ娘B「アルダンさんって、あんな顔する時あるんだ~…」
アルダン「……ぁ……っ!……う、ううっ……///」
「さっ、練習しようか」
アルダン「……はい…///」
チヨノオー「いや~、仲良き事はやむごとなし、ですね!」
ヤエノ「チヨノオーさんの格言が出ましたね。
……ですが、横槍を入れるようで申し訳ないのですが」
チヨノオー「?」
ヤエノ「チヨノオーさんも大概ですからね」
チヨノオー「!!?!?!?!?//////」
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