瑠璃色のキミ達と   作:A×K(アツシくん)

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欲望に逆らえなかった。


第26レース~新たな出会い…?~

皐月賞まで、残り1週間。

調整は順調に進んでいった。

 

アルダン「トレーナーさん。」

「ん?」

アルダン「来週…頑張りましょうね。」

「あぁ、もちろん」

 

アルダンの目には覚悟と自信…そしてこちらの想いを汲んでくれたような優しい目をしていた。

 

「……………………。」

アルダン「トレーナーさん、如何なさいましたか?」

「えっ?……あぁ、うん、なんでも。」

 

ふと、目にピコピコと動く耳が目に入った。

ヒトの耳とは違い、見るからにフサフサそうな耳が。

 

(でもこれって、触ると今の時代コンプライアンス的にまずいよなぁ……)

信頼されてるトレーナーなら触ってもいいとか聞いたような聞いてないような。

 

……しかし、こちらの解釈違いで信頼されてないのにそんなお願いしたら……。

アルダン【トレーナーさん…その…そういうのは些か失望というか…。】

 

「(なんてことに……!!)……うぐぐ…。」

アルダン(トレーナーさん、何を唸っているのでしょうか…。)

 

確かに、尻尾は手入れした。

でもあれは、アルダンからのお願いでこちらから頼み込んだ訳では無いし……。

 

アルダン「ふふっ、なにか悩みの種がありそうなお顔ですね♪」

紅茶を机に置いて、無邪気に笑うアルダン。

 

「ま、まぁ…色々とな」

……もしかして、見透かされてる?

 

アルダン「手伝えることがごさいましたら、微力ながらお手伝い致します。」

「……う、うん…手伝うというか…まぁ、その時はよろしくな」

アルダン「はい♪」

 

……やっぱり見透かされてる気しかしないなぁ。

 

 

 

 

 

……………………………………。

 

 

 

「ってことで、情報収集してるんだけど」

マックイーン「その矛先が何故私たちなのでしょうか…」

ブライト「アルダンさんの怒った姿ですか~」

 

カフェテリアに2人を呼んで、話を聞くことに。

 

「その…アルダンはどこまでちょっかい出しても怒らないのかなって」

マックイーン「……トレーナーさん、案外怖がりですか?」

「マックイーン、限定プリンで手を打とう」

 

マックイーン「……こほん、怒るような姿を見たことはございませんわ」

ブライト「手のひら返しですわ~」

 

「……いきなり耳を触ったりしたら…流石に怒るかなぁ」

ブライト「いいえ~、むしろ…くすぐったくて笑ってしまうかもしれませんわ~」

「……そ、そうなの?」

ブライト「私の想像ではありますけど~」

 

「(……くすぐられるアル…うっ、見てみたいとか思った自分が…)……そ、そっか…ありがとうな」

 

マックイーン「お話くらいは良いですけど…

トレーナーさん、そろそろアルダンさんと向き合った方がよろしいですわよ」

「ちゃ、ちゃんと向き合ってるよ?!」

 

マックイーン「そうではなく…はぁ、これは前途多難になりそうですわ……」

「……?」

 

ブライト「気苦労が絶えませんわ~」

「……???」

 

 

マックイーン「ラモーヌさんに蹴られますわよ」

「な、なんでラモーヌが出てくるの……!?」

マックイーン(アルダンさんが言う頓痴気という意味がよーく分かりましたわ……)

 

 

 

 

 

…………………………………………。

 

 

 

 

 

アルダン(トレーナーさん、何を悩んでおられたのでしょうか…。)

1人、廊下を歩きながら考え込むアルダン。

 

 

アルダン「……いっその事、聞いてみるのも……

いえ、トレーナーさんにもプライベートな部分もありますし…。」

 

 

どうしたものかと考えあぐねている時……。

 

 

 

???「…………………………えっ……と……。」

キョロキョロしながら、困った顔で辺りを見渡すウマ娘が居た。

 

 

アルダン「(……何かあったのでしょうか?)あの、そちらの方」

???「ひっ……!

……あっ、は、はい……なん、ですか…?」

 

アルダンの顔を見たと同時に、帽子を深く被り、俯くウマ娘。

その様子を見て、アルダンは穏やかな声で喋りかけた。

 

アルダン「どうか警戒しないでくださいまし、何かお困りのようだったのでお声をかけた次第で…。」

???「……ぁ…その……」

 

聞こうか聞くまいか悩んでる様子のウマ娘。

その様子をアルダンは静かに待っていた。

 

 

???「……そ、その……図書室…は……どこ、です…か。」

アルダン「図書室ですね。下の階にありますよ。

…もしよろしければ、案内しましょうか?」

 

???「……っ……!!

い、いえっ……その……ありがとう…ございまし、た……!!」

アルダンと目が合ったウマ娘は、体を大きく震わせて

一目散に走り去っていった。

 

 

 

 

アルダン「あら……まぁ…。」

走り去った方向を見ながら、唖然とするメジロアルダン。

そして、重要なことに気がついた。

 

 

アルダン「……お名前、聞きそびれてしまいました。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???(うぅ……なんでよりによってメジロ家のウマ娘に話しかけられるの……!

僕なんて、恐れ多くて話せないよ……っ。)

 

 

 

 

 

 

 

 

────────────────────────

 

 

【トレーナー室】

 

 

アルダン「……と、言うことがありまして…。」

「へぇ……まぁトレセン学園も広いからなぁ

またどこかで会えるんじゃないかな?」

 

アルダン「ふふっ、今度お会いしたら

ゆっくりと紅茶を飲みながらお話したいものですね♪」

「アルダンは相変わらずだなぁ…」

 

アルダン「時にトレーナーさん。」

穏やかだったはずのアルダンの声に緊張が走る。

……いや、顔とかはいつも通りなんだけど…圧を感じる。

 

アルダン「隠し事…してません?」

「し、してないよ……!?」

 

アルダン「ブライトから、トレーナーさんとお話したと聞いたのですが……。」

「……あっ…」

 

壁に耳あり、なんとやら……。

アルダンはにこやかながらも、こちらの答えを待っていた。

下手に嘘をついたりしたら、とんでもないことになりかねない。

 

 

「……ご、ごめん!」

アルダン「やっぱり……もう隠し事は無しと仰ったのは

トレーナーさんの方ですよ?」

 

 

「返すお言葉も……。」

アルダン「それで、何を隠していたのですか?」

 

 

「……言わなきゃダメ?」

アルダン「ダメです」

 

 

「……ぐぬ…」

アルダン「………………。」

 

 

 

「……アルの耳を触りたい!!」

アルダン「……………………………………。」

 

 

アルダン「………………え???」

打ち明けられたアルダンは、目を丸くしていた。

 

アルダン「……耳…です、か?」

「その……フサフサで触ってみたいな~…って…

で、でも!…耳や尻尾は触ったりしたら怒るって聞いたことあるし…」

 

 

アルダン「…………//////」

意識してしまったのか、アルダンが自分の耳を何度か撫でた。

 

 

アルダン「……良い、ですよ…///」

「……えっ?」

アルダン「で、ですが…強く触ったりするのは無しですからね…?///」

「……あ、あぁ…ありがとう…。」

 

まさかのOKに、キョトンとしてると…アルダンが座ってた自分の足の上に腰掛けた。

 

「……えっ?」

アルダン「こ、この体勢の方が触りやすいですから…///」

「……あ、う、うん……。」

 

呆気に取られながらも、了承を得た耳を恐る恐る触る事に。

 

アルダン「……っ……///」

やはり、触られ慣れてないのか、鋭敏になっているのか…。

アルダンは声を出さないように我慢をしていた。

 

 

「おぉ……フサフサ…」

アルダン「トレー…ナー……さん……っ///」

 

止めて欲しいのか、手を掴むアルダン。

しかし、その声はこちらに聞こえてはいなかった。

 

「……凄いな…」

アルダン「……っ……!!//////」

 

遂には、顔を赤くして俯いてしまったメジロアルダン。

一通り堪能させてもらい…パッと手を離した。

 

「ありがとうな、アル」

アルダン「…………は、い……///」

 

泣きそうな顔でこちらを見るアルダン。

「……もしかして、耳弱い?」

アルダン「………………//////」

 

 

アルダン「言いたく……ありません……///」

(それはもう肯定してるって言ってるようなもんだけど……)

 

 

メジロアルダンの意外な一面を知れつつ……。

次触るのはないだろうと思う俺だった……。




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