(史実改変してます、ご了承ください)
クラシック三冠の先駆け、''皐月賞''開催日────
メジロアルダンの目標は''クラシック戦線を戦うこと''そして
''勝つこと''この2つが大目標として掲げてある。
もちろん、皐月賞も避けては通れないレース。
(結果を残したいという強い気持ち…昔のような
迷ったり、弱々しい目をしてないアルダンの輝き…きっと、今という道を照らしてくれるはず…!)
''今''の彼女の体であれば
''皐月賞''でも戦え、その上で更に
''日本ダービー''にも繋げられるはずだ……!
アルダン「……控え室に居ても、感じられる緊張感。
これが三冠…クラシック級GIの空気なのですね。」
集中させてあげようと、静かに見守っていたが
アルダンがこちらに話しかけてきた。
「大丈夫か?」
アルダン「問題ありません。
心身共に、整っています。」
程々の緊張感を持ちつつも、メジロアルダンの顔は穏やかだった。
しかし、目は本気だった。
アルダン「……この''皐月賞''でも結果を出し…
姉様を光跡を超える1歩目としたく存じます。」
やはり、その目に映るは…偉大なる背中。
アルダン「トレーナーさん、1番近くで……どうか、見ていてください。」
「あぁ、もちろん!」
──────────────────
実況【クラシック三冠の初戦、''皐月賞
その開催は間もなくとなります!】
観客「ワァァアアァアァーーーーッ!!」
アルダン「─────────────」
アルダン「これが…''皐月賞''」
アルダン(熱を帯びた歓声、出走者たちの濃密な気配…
重くのしかかるような空気……)
アルダン(その中で、確かに私の鼓動を感じられる。
この世界に埋没することのない、脈動を──)
アルダン「……この場に立ててること…トレーナーさんに感謝をより一層したいと、何度も感じさせてくれますね。」
アルダン「そして…姉様も、このような舞台に立ったのね。」
アルダン(それでも、私は……っ……)
チヨノオー(アルダンさん…すごい集中力…
だけど、私だって……!
この''皐月賞''で結果を出して
''日本ダービー''に繋げてみせる……!!)
チヨノオー(普段の学園生活は仲良く楽しく過ごしてるけど…
レースとなれば負けません、アルダンさん……っ!!!)
ヤエノ「…チヨノオーさんも、アルダンさんも
仕上がりは上々といった様子。」
チヨノオー「特にアルダンさん…
間近で見ると、あの集中はやはり凄まじい。」
ヤエノ「相手にとって、不足なし!!
だが──────」
ヤエノ(眼中に無いとされてるのは、些か不服です。)
ヤエノ「……いえ、叩きつけてみせます。
私の走りを、その目に……っ!!」
深呼吸したメジロアルダンがゆっくりと瞳を開く。
アルダン「至宝、その輝きに打ち克つべく─────」
アルダン「メジロアルダン、参ります。」
…………………………………………。
ヤエノ「───はぁああああぁッ!!!」
実況【先頭1番、ヤエノムテキ!
ヤエノムテキです!!】
実況「────やりました!!
4戦目のヤエノムテキが勝ちましたっ!!
一冠目の皐月賞戴冠!!」
観客「ワァァアアアアアァーーッ!!」
実況「人気勢だったメジロアルダンは4着!
そしてサクラチヨノオーは7着に終わりました!」
観客A「あー。メジロラモーヌの妹
やっぱり姉のようにはいかないか。」
観客B「やっぱり比較するのは酷だよなぁ~。
ダービーもどうだか……。」
ヤエノ「……はぁ……はぁっ……はぁ…!!!」
ヤエノ「勝った……!
私が…''皐月賞''を征した……ッ!」
ヤエノ「────っしゃァっ!!」
天高く拳を突き上げるヤエノムテキ。
その堂々たる姿に、観客も声を上げた。
観客「ワァァアアアアアァーーッ!!」
ヤエノ「''日本ダービー''も、私が獲る……!」
アルダン「……くっ……!」
その様子を見ながら、悔しさを滲ませるメジロアルダン。
アルダン(勝利には至らず……不甲斐ない────)
更に悔しさを滲ませるウマ娘が1人……。
チヨノオー「ダメだ…このままじゃ、全然ダメだ!」
その脳裏には、憧れとするマルゼンスキーの姿が。
チヨノオー【あの人みたいになりたい……。
あの人に追いつきたい……。】
チヨノオー【あの人が焦がれたレースで勝ちたい……。】
チヨノオー「────勝つんだって……!
そう、決めたのに…誓ったのに…!!」
チヨノオー(このままじゃ…私…
''日本ダービー''で勝てない……ヤエノさんに…負ける!)
チヨノオー「もっと……もっともっともっと…鍛えるんだ!!」
………………………………。
''皐月賞''を走り終えたメジロアルダンを出迎えると────
アルダン「……トレーナーさん───」
悔しそうな、申し訳なさそうな顔でこちらを見つめていた。
「……まずは、お疲れ様、アル」
アルダン「申し訳ありません。
……不甲斐ない結果となってしまいました。」
アルダン「至宝の輝きに影を差すどころか……
自身の輝きの至らぬ部分を晒す始末……。」
アルダン「これではとても…
''今''最善を尽くしたとは言えず────」
「ううん、そんな事ないよ」
悔しい気持ちは痛いほど分かる。
でも、それ以上に大きな収穫があった。
「確かに勝ちたかった……けど、勝負だし負けはある
でもね、それ以上に……アルダンが''皐月賞''を走り終えて
自分の足でここまで戻ってきてくれた…
デビュー戦の時とは比べ物にならないくらい
アルダンは強くなってる…足取りも確かなものになってる
それも嬉しいけどね…アルダンが勝ちに固執してくれるようになったのも嬉しいんだよ
……だから、今日の経験を活かして精進していこうな」
アルダン「……さすがですね。
どこまでも……お優しいトレーナーさんです。
トレーナーさんが前を見据えてくれていることで、私も前を見て進むことができます。」
アルダン「''日本ダービー''では今日の反省を活かしますので──」
アルダン「トレーナーさんも……隣でずっと、見ていてください…ね?」
共に道を歩んでいく……そう改めて心に誓う俺とアルダンだった。
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