瑠璃色のキミ達と   作:A×K(アツシくん)

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第29レース~ガラスのワルツ~

学園主催のボランティア劇に出演するメジロアルダンは訪問先の病院に向かっていた。

 

アルダン「観劇も好きですが……ふふっ、まさか自分が演じる側に回ることになるとは思っても見ませんでした。」

「アルの表現力なら皆魅了すると思うよ」

 

アルダン「まぁ、トレーナーさんにそう言ってもらえるならより一層頑張れそうです♪」

いつも通りの会話をしながら、病院に向かった俺たち。

その道中、アルダンが身に纏う衣装の想像をしていた。

 

 

「……。」

アルダン「トレーナーさん?」

「うん、マ子にも衣装だな」

アルダン「……???」

 

「写真撮ってもいい?」

アルダン「そ、それはその……恥ずかしいのであまり…///」

「ちぇー」

アルダン「もう、トレーナーさんったら子供っぽいところあるんですね……。」

 

「あはは、アルダン相手だからこんな風になってるだけだよ」

アルダン「ふふっ、分かっておりますよ♪」

 

 

 

───────────────────

 

 

 

病院に着いたアルダンは、入院してる子供達と話していた。

女の子「お姉ちゃん、シンデレラになるのー!?

私ね、今は出来ないけど……踊るのすごく好きなの!

シンデレラのダンス、とっても楽しみにしてるね!」

 

アルダン「……ええ、期待していてくださいね。

私も頑張って演じます。」

 

 

「………………………………。」

ヤエノ「自分の事のように嬉しそうですね。」

「うわっ!……って、ヤエノさんか」

ヤエノ「シンデレラの王子役、ヤエノムテキです。」

 

「……なんで説明口調?」

ヤエノ「仕様ですから。」

「……?」

 

ヤエノ「……彼女……アルダンさん、本当に変わりましたね。」

「分かるか、やっぱり」

ヤエノ「レースもそうですが…常日頃の立ち振る舞いも明るくなり…笑顔も増えたと、身に染みて感じています。」

 

「……そっか、そう言って貰えるとやっぱり嬉しいな」

ヤエノ(その要因として…トレーナーさんの影響が……というのは、2人で気が付かせるのが良いでしょう)

 

演出担当のウマ娘「アルダンさん、ヤエノさん!

そろそろ準備お願いしますー!」

 

アルダン「では、劇……楽しみにしていてくださいね。」

目の前を通り過ぎようとするアルダン。

俺と目が合うとにこやかに微笑んだ。

 

 

 

 

 

ヤエノ「……相変わらずですね」

アルダン「ええ、この想いは…本物、ですから。」

ヤエノ「直接伝えられないのが難点……ですが。」

アルダン「そ、それは……まだ出来てないだけで…!///」

 

 

 

─────────────────────

 

【舞台袖】

 

演出担当のウマ娘「うんうん…美しく、凛々しい……。

お2人の雰囲気、やはりシンデレラと王子にピッタリです!」

 

(確かに、いつもの勝負服だけど……元のデザインがお姫様っぽいからかシンデレラのように見えるな…)

アルダン(……もし、トレーナーさんと踊れる日が来れば……

私のことを、頼もしくリードしてくれるのでしょうか……。)

 

演出担当のウマ娘「アルダンさん、ガラスの靴って履き慣れてないと思うんですけど……大丈夫そうですか?」

アルダン「問題ありません……ですが、壊さないように細心の注意を払わないといけませんね。」

 

じっと、足元を見るアルダン。

その様子を見ていた俺もしゃがみこんで靴を見る。

 

「安心しろ、なんかあったらすぐ助けてやるから。」

アルダン「ふふっ、頼もしいですね♪」

演出担当のウマ娘(なるほどこの組み合わせでも良かったかも…)

 

アルダン「では、トレーナーさん……行って参ります。」

「ああ、頑張れよ」

 

 

 

 

 

 

 

…………………………………………。

 

 

 

舞台は順調に進んでいき…

やがて、舞踏会のシーンに差し掛かった。

 

ヤエノ「私と踊ってくださいますか、愛らしい貴方」

アルダン「……ええ、喜んで。」

(すごいな……アルダン……本当に役になりきってる)

 

それは、こちらが息を飲むほどに洗練された演技だった。

演出担当のウマ娘「すごい……。」

女の子「お姉ちゃんのダンス……きれい……すごい……!!」

 

 

アルダン「……っ…………」

にこやかに踊っていたアルダンが一瞬顔を歪めたのを見逃さなかった。

 

(やっぱり…無理してる……)

そう判断した俺の取る行動は早かった。

舞台が終わると同時にアルダンの元に駆け寄り……。

 

 

「アル……!」

アルダン「えっ……?」

 

そのまま抱き上げた。

アルダン「トレ……っ……ナー……さん??///」

「足、少し無理してたろ」

 

抱き上げられたまま、アルダンが眉尻を下げた。

アルダン「すいません、踊るのに夢中で……少し……。」

「やっぱりな、すぐ分かったよ」

 

アルダン「……トレーナーさん、ありがとうございます。」

ヤエノ「……あ、あの……お2人とも…///」

演出担当のウマ娘「皆さん見てますから……!!」

 

「えっ?」

アルダン「……あっ……///」

 

女の子「本当のお姫様みたい~!」

キラキラ目を輝かせて見られると…辞めるにも辞められなくなっている。

 

「……もう少し、このままでいいか?」

アルダン「……もう少しと言わず……もっと、して欲しいです…///」

首に腕を回し、更に密着するアルダン。

その様子を、手で目を隠しながら隙間から覗くヤエノ。

 

ヤエノ「うぅ…………し、失敬!!///」

「……逃げたな。」

アルダン「では……トレーナーさんが王子様…ということになりますね♪///」

「…なんなりと、お姫様。」

アルダン「…………♪///」

 

 

「今度も……絶対助けるからな」

アルダン「はい…っ、心から感謝致します…///」

 

 

 

 

 

ちなみに、後日……。

学園の掲示板に写真が載っけられてしばらくの間王子様といじられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シュヴァル「…これ…あの人と…メジロのウマ娘さんだ……。」

???「シュヴァち、知ってるの~?」

シュヴァル「……ちょっと、色々あって」

???「ふーん…シュヴァルってば、いつの間に行動力上げたのかしら?」

 

シュヴァル「姉さん……そんなんじゃない、から……。」

???「アタシも声掛けてみよーかなー♪」

シュヴァル「……私、トレーニング行ってくる。」

???「ええ、シュヴァル…無理しないでね。」

シュヴァル(……なんか、もやっとする……走って忘れよう……。)




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