瑠璃色のキミ達と   作:A×K(アツシくん)

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チャンミ、始まりました──────!


第3レース~突き動かすモノとは~

────自室にて、メジロアルダンの資料をめくる。

(……やっぱり、ダート短距離はちょっと…。)

 

過去の模擬レース等の結果を一覧しても、それが適性外のレースである事は、火を見るより明らかだ。

本格化を迎えたにも関わらず、選抜レースに出走できない日々が続いてしまったことは事実。

焦る気持ちも理解は出来るのだが……。

 

「……ん、待てよ…?」

そこで、ようやく気づく。

選抜レースは本来、トレーナー陣からのスカウトを狙うウマ娘たちが、自身の実力を示す場だ。

─────で、あるならば…。

 

 

 

────────────────────

 

 

アルダン「……まぁ、私をスカウトしてくださるのですか?」

「……ぜひ!」

そもそも担当トレーナーが決まってしまえば、選抜レースに出走する必要はなくなる。

もともと、偶然とはいえ顔を見かけて…タブレットの件もあり、かなり気になっていた子だ。

これで、適性外という不利な条件の中

出走することはない──────。

 

アルダン「ふふっ、ありがとうございます。

大変光栄なお話です。」

アルダン「ですが─────申し訳ございません。

お断りさせていただきます。」

「……えっ……」

 

こちらの動揺を察したのか、すぐにアルダンが声をかける。

アルダン「ああ、どうぞ勘違いなさらないでくださいませ。

原因はトレーナーさんにはございません。」

 

アルダン「どなたからお話をいただいたとしても、私は同様に断るつもりでしたのでおりましたので。」

アルダン「どうぞ、近く開催されます選抜レースにて、改めてお見定めいただけますでしょうか。」

 

アルダン「実力を示さずして、スカウトをお受けするわけには参りませんので。」

「……でも、君が出るレースは…」

アルダン「あら…もしや、適性外であるということを仰りたいのでしょうか?」

 

アルダン「────では、僭越ながらお訊ねいたします、トレーナーさん。」

アルダン「かのトゥインクル・シリーズにおいては、いつ何時も、思い描いた通りのレースを走れるものでしょうか?」

 

アルダン「ローテーション通りにいかぬこともあるでしょう。

突如として天候が崩れることもあるでしょう。」

アルダン「あるいは不調を抱えたままかもしれません。

不得手なコース取りを強いられるやもしれません。」

 

アルダン「そうなのだとして、それら全て─────」

アルダン「''勝利を目指さぬ理由に、なりますでしょうか?''」

……メジロアルダンは、微笑む…そして、微笑んだまま、言う。

 

アルダン「とは言え度を超している、という考え方も理解できます。

しかしながら私は、こうも思うのです。」

アルダン「退くこと一度でも覚えてしまった脚は、勝負を決めるその一瞬においても、前進を躊躇うと。」

 

 

「………………」

先日同様、言葉を失う。

その場に立ち尽くすばかりになってしまう。

─────彼女の、あまりに重い覚悟を前にして。

 

アルダン「少しお話が長くなってしまいましたね。

私は、これにて失礼いたします。」

アルダン「次は是非とも────選抜レースの後にて、お待ちしております。」

 

 

 

 

────────────────────

 

 

【それから……】

 

 

「……………………」

来る日も来る日も、トレーニングを重ねるメジロアルダンをただじっと眺めてる自分が居た。

 

 

アルダン「ダートの、しかも1200mともなれば序盤にどこまで加速てきるかが重要……。」

アルダン「スタート練習をもう少し重点的にやろうかしら。

反応速度を高めるメニューも取り入れて……。」

 

やはり懸命に、試行錯誤を重ねながら───。

 

 

 

 

チヨノオー「アルダンさん!

あのっ…選抜、もうすぐですね。

私で良ければ、トレーニングお付き合いさせてください!」

チヨノオー「併走でも、坂路でも、外周でも、なんでも大丈夫ですよ!」

アルダン「まあ、ありがとうございます、チヨノオーさん。

とても嬉しいお誘いです。」

アルダン「でも、すいません。今日はもう上がらないと。

そろそろ体が熱を持ち始めているようなので。」

 

チヨノオー「あっ……そ、そうでしたか!

こちらこそ、急にごめんなさい……!!」

アルダン「いえいえ、ぜひまた日を改めて。

ふふっ、その時は貴方と走れる楽しさのあまり、はしゃいでケガをしないように気をつけねばですね。」

チヨノオー「え、ええっ!?あ、アルダンさん…喜べばいいのか心配すればいいのか、わからないですよ~!」

 

(……他よりも圧倒的に脆い体を抱えても、キミはなお……穏やかに微笑むの、か…)

 

 

─────────────────────

 

 

【選抜レース本番】

 

 

出走直前まで、豪雨が降り続いていた。

泥沼の戦いと化したダート1200m。

そこで、メジロアルダンは────────。

 

観客【うおぉおおおおっ!!!???】

実況「メジロアルダンが行った!メジロアルダンが行った!

ゴールは目前!1番手をメジロアルダンが猛追っ!!」

アルダン「はっ、はっ、はっ───────」

アルダン「ぁあああああっ!!」

 

実況「アルダン届くか!アルダン届くか!

今───ゴールインッ!!」

実況「わずかな差で、メジロアルダン!!

最後の1歩、踏み切った!

今回の選抜レース、1着を手にしたのはメジロアルダンですっ!!」

 

観客【わぁあああああっ!!!!】

ウマ娘C「う、そでしょ……っ?

適性、全然合ってないんじゃなかったの……!?」

 

新人トレーナーA「め、メジロアルダン!

すまない、少しいいか!?」

ベテラントレーナーA「私も…!

今の走り、素晴らしかったわ。良かったらウチに────」

 

案の定、メジロアルダンに目をつけたトレーナー達に囲まれようとしていた……が……!!

「……っ……す、すいません!!!

通して……通してください……!!」

 

人だかりを掻き分けて、必死の想いで彼女の前へと躍り出る。

……そして……。

 

アルダン「……貴方は……。」

「……約束、通り……来たよ、選抜レースの……後に」

アルダン「…ふふっ、そうですね。」

 

思いを伝える……その前に、深く息を吸い、呼吸を整えた。

「……君を、スカウトしたい!!」

アルダン「………………。」

 

メジロアルダンは、しばし黙ったまま、こちらを見つめてきた。

そして────────。

 

アルダン「ありがとうございます。大変光栄なお話です。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アルダン「ぜひとも─────お受けいたします。

これよりの道行き、どうか共に歩んでくださいませ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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