瑠璃色のキミ達と   作:A×K(アツシくん)

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サトノクラウンが来たのでシュヴァルグランまでガチャ禁します(鋼の意志)


第36レース~選抜レース~

とある日……。

 

 

アルダン「あら…シュヴァルさん、こんにちは。」

シュヴァル「あっ……あ、アルダン……さん……こんにちは…。」

 

相変わらず目深く帽子を被るシュヴァルグラン。

しかし、メジロアルダンもその様子に慣れたようで…。

 

アルダン「その格好…これからトレーニングですか?」

シュヴァル「……は、はい…そんなところです…。」

 

アルダン「ふふっ、そうでしたか。

では、貴重なお時間を邪魔しないように私はこれにて失礼致しますね。」

軽く会釈をし、その場を離れようとした時だった……。

 

 

シュヴァル「……あ、あのっ…。」

アルダン「……はい、どうしましたか?」

シュヴァル「……あ…えっと……その……。」

呼び止めたはいいが、話すのに躊躇っているシュヴァルグラン。

そんな様子を見たメジロアルダンが、優しく微笑みかける。

 

アルダン「ゆっくりで構いませんよ、誰しも話しにくいことはありますから。」

シュヴァル「……その……。」

 

グッと拳に力を込めて、アルダンを見据えるシュヴァルグラン。

 

 

シュヴァル「─────実は、今度……。」

アルダン「……まぁ…。」

 

 

 

 

 

 

……………………………………。

 

 

 

【数日後】

 

 

トレーナー業務が終わり、一息ついてる昼下がりの事だった。

 

アルダン「失礼します。」

「アル?」

 

突然の訪問に戸惑いつつも、立ち上がりメジロアルダンの方を向く。

アルダン「トレーナーさん、今お時間よろしいでしょうか?」

「あぁ、仕事も一段落ついたけど……。」

 

アルダン「では、参りましょう♪」

「……どこに?」

アルダン「来てからのお楽しみですよ。」

「……う、うん?」

 

半ば強引にトレーナー室を後にする。

その道中、メジロアルダンの機嫌は何故か良さそうだった。

 

 

アルダン「トレーナーさん。こちらへ」

「……ここって…」

 

連れてこられたのは、コースが一望できるスタンドだった。

よく見ると、他のトレーナーやウマ娘達も見学に来ていた。

 

「これって……。」

アルダン「はい、選抜レースです。」

「アルが連れてきたかった理由って……。」

アルダン「ふふっ、これから分かりますよ。」

 

 

新人トレーナー「やっぱり注目は新進気鋭のサトノ家の2人かな?」

中堅トレーナー「それと、この間の選抜レースで快勝したヴィルシーナの妹であるシュヴァルグランも注目ね。」

 

(……シュヴァルグラン、出るんだ…。)

ベテラントレーナー「だが、一番の注目は……。」

 

数多くの目線の先に居るウマ娘……。

「……あの子は…。」

アルダン「''ドゥラメンテ''…選抜レース前から注目されてるウマ娘です。」

「……確かに、風格があるな…。」

アルダン「それよりも、トレーナーさん、あちらに……。」

 

指を差すアルダン……その先には。

 

シュヴァル(すごい……これがレース前の雰囲気……。

みんな、気持ちが全面に出てるな……ううん、僕だって、負けられない……。)

「シュヴァルグラン……。」

 

アルダン「────数日前、シュヴァルグランさんから告げられたんです。

選抜レースに出る、是非……見て欲しい、と。」

「……えっ?」

 

確かに面識はあるとはいえ、そんな事を伝えるなんて少々驚きを隠せない自分が居る。

 

アルダン「……ですが、この言葉の意味は私に向けて…ではなく

トレーナーさんに向けて言っているのだと、私は捉えています。」

「……俺に?」

 

アルダン「その答えを、是非トレーナーさんも目の前で見て感じて欲しいと思いお呼びした次第です。」

「……そうだったのか。」

 

アルダン「……どこか、私と似た雰囲気を感じまして……。」

「え?」

 

アルダン「何でもありません。レースが始まりますよ。」

「……あぁ。」

 

見る方も、柄にもなく緊張してきた。

思えば、アルダンが選抜レースを走る前の時もこんな感じだっただろうか。

 

 

シュヴァル(……メジロアルダンさん、見に来てくれたかな……。

……ううん、今はレースに集中しないと……。

姉さんやヴィブロスに負けない……そんなレースをするんだ…!)

 

 

 

 

────────────────────

 

 

 

【レース中盤】

 

シュヴァル(ペース…まだ仕掛けるところじゃない……

けど、ここでいいのかな……っ……?

周りを見ながら……冷静に……っ……。)

 

(何か考えながら走ってる……?)

シュヴァル「……ここ、だ……っ!」

ラストの直線に差し掛かる寸前、シュヴァルグランがラストスパートをかけた。

……が、しかし。

 

シュヴァル「……っ!(前のウマ娘の方が…仕掛けるタイミングの方が早い……っ?!)」

それでも何とか持ちこたえて先頭に並びかける。

 

シュヴァル「届……けっ……!!!!」

最後の力でゴールへと飛び込むシュヴァルグラン。

……結果は……。

 

 

実況【ゴーーーールイン!!!

シュヴァルグラン、僅かに競り負けての2着!】

 

 

 

シュヴァル「はぁ……っ……はぁっ……!!」

シュヴァル「2着……まただ……僕は、また……っ……!」

 

 

新人トレーナー「うーん、キレはまだまだって所かなぁ。」

中堅トレーナー「明らかに経験不足ね…まだ担当にするには早いのかしら……。」

 

レース内容からか、評価はあまり芳しいものではなかった。

アルダン「……さて、トレーナーさん。

貴方の目に彼女の走りは、どう映りましたでしょうか。」

「……能力は、確かにあると思う。

けど、気になることが1つあった。」

 

アルダン「では、確かめに参りましょう。」

「確かめるって…」

アルダン「善は急げ、ですよ♪」

 

そう言うと、メジロアルダンはコースへと歩き始めた。

 

 

 

 

 

……………………。

 

 

アルダン「お疲れ様です、シュヴァルグランさん。」

シュヴァル「……あっ…………すいません、僕……。

あんなこと言っておいて……こんな不甲斐ない結果で……。」

 

アルダン「……そちらに関しては、私よりも…トレーナーさんの方がお聞きしたいことがあるそうですよ。」

シュヴァル「……えっ……。」

 

「……まず、お疲れ様。」

シュヴァル「…………ぁ……はい……。」

 

「レース中に見てて思ったんだけど…''何か考えながら''走ってた?」

シュヴァル「…………!」

 

その言葉に、シュヴァルグランは目を見開いた。

シュヴァル「……仕掛けるタイミングを考えていたのと…

あとは…姉さん達ならどうしたのかな……って……。」

 

「姉さん……ヴィルシーナか。」

シュヴァル「姉さんって……凄いんです……。

気品に溢れてて……それでいて、実力もあって…

僕も……そんな風に……なりたい、だなんて……。」

 

「………………。」

シュヴァル「そして、まだ選抜レースに出てない……ヴィブロスも

僕より、全然才能があって……だから、その2人を越えたい……その一心で選抜レースに……。」

 

アルダン「……そうだったのですか。」

シュヴァル「でも、またこんな不甲斐ないレースをして……

僕は……なんて、情けないんだろうって……。」

「シュヴァル」

 

シュヴァル「……ぅえ……はい……?」

「キミの夢ってなんだい?」

 

シュヴァル「……夢……。」

「なんでもいい、聞かせてくれ。」

 

シュヴァル「……示したいです、あの場所に……僕の、想いを。

……いつか必ず、叶えて見せます。僕だって……!」

 

「……そっか、じゃあ──────」

アルダン「姉妹の強さに打ちひしがれる気持ち……私も分かります。」

「……アル?」

 

シュヴァル「……メジロアルダンさん……。」

アルダン「どうでしょう、お試しでトレーナーさんにトレーニングを見てもらうというのは?」

 

シュヴァル「……えっ……?」

「アル、それは……。」

 

アルダン「決めるのは、シュヴァルグランさんご自身です。」

シュヴァル「……僕…………こんな、僕でも…輝ける、かな…。」

「輝かせてみせる。」

 

 

長い沈黙の後……。

シュヴァルグランは、帽子を深く被りながら答えを出した。

 

シュヴァル「…………分かった……。

よろしく……トレーナー……。」

「お、おう……!!」

アルダン【想いは紡がれる……そして、私自身も……】




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