瑠璃色のキミ達と   作:A×K(アツシくん)

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史実はスーパークリークが勝ちますが
彼女にはシニア級に行ってもらいましょう(?)

クリーク「あ~れ~ぇ~」


第39レース~淀の空に~

いよいよ迎えた…菊花賞当日。

 

俺とシュヴァルはアルダンの様子を見に控え室へ訪れた。

シュヴァル「し、失礼しま…す……。」

「アル、コンディションは───」

 

控え室に入って、メジロアルダンの様子を見た瞬間……。

2人は言葉を失った。

 

アルダン「…………。」

今まで見たアルダンの姿とは違った……。

こちらの声が聞こえないほど、極限まで集中を高めていた。

 

その様子は、こちらが恐ろしささえ覚えてしまうほどだった。

アルダン「………………。」

 

こちらの気配に気付いたのか、振り向くメジロアルダン。

しかし、いつものような優しい笑顔はなく…氷が張り付いたような表情を浮かべていた。

 

 

「……ぁ……アル……。」

やっとの思いで名前を呼んだが、アルダンは静かに目を閉じた。

 

アルダン「……失礼します。」

「……っ……!」

横を通り過ぎる瞬間、背筋に冷たいものを感じた。

 

(これが……アルダンの本気…勝ちたいという心からの叫び…。)

シュヴァル「……あ、あの……トレーナー…。

凄い汗です……。」

「えっ……あ、あぁ……ごめん。」

 

シュヴァル「……凄い、気迫でした……。」

「俺も、初めて見た……あんな姿……。」

シュヴァル(あれが、レースに望む…トレーナーを支えるウマ娘の姿……すごい…。)

 

 

 

───────────────────

 

 

【スタート前】

 

ヤエノ「アルダンさん、今日はよろしく────」

 

その言葉を言いかけた瞬間、ヤエノムテキの目が見開き言葉を失った。

 

アルダン「……………。」

ヤエノ(なんですか…この底知れぬ空気は…。

戦いを前に…私は、恐れをなしている…っ!?)

 

 

アルダン「…今日は…」

アルダン「──────負けません。

たとえ、この身がここで朽ち果てて壊れてなくなろうとも…。」

 

ヤエノ「…っ!(これが、アルダンさんの…本気の覚悟…!)」

 

 

 

観客A「メジロラモーヌの妹、今日は一段と凄い集中力だな。」

観客B「でも、初の長丁場だろ?流石に厳しいと思うんだけど…。」

 

 

メジロ家の重鎮「…いいんですか、本当に走らせて。」

メジロ家の重鎮「致し方あるまい…それに、一度走れば否が応でも諦めがつくだろう。」

 

ドーベル「…やっぱり、アルダンさんが走ることに消極的ですね。」

パーマー「無理もないっしょ…600m長くなるだけで、話は全然変わってくるんだし…。」

 

ライアン「無事に走り切ってくれればいいんだけど…。」

ラモーヌ「…………。(…あの子…。)」

マックイーン(ラモーヌ…さん?)

ブライト「なんだか、様子もおかしい気もしますが~…。」

 

 

 

アルダン「……メジロアルダン……行きます…。」

 

 

 

 

………………………………

 

 

実況【いよいよクラシックロードの最終戦、''菊花賞''の発送時刻となりました。

1番人気は、皐月賞ウマ娘のヤエノムテキ。

そして、クラシック2戦を4着2着と好走してるメジロアルダンは

今回が初の長距離レース、一体どんな走りを見せるのか期待しましょう。】

 

 

 

 

ヤエノ「…………すぅ…。」

アルダン「………………。」

 

 

実況【今スタートしました!】

(…アル…。)

 

 

 

 

……………………。

 

 

 

【レース中盤】

 

 

ヤエノ(残り600m…アルダンさんはここから先は未知の世界…

ここで一気にペースを上げて惑わせる…っ!!)

 

ヤエノ「はぁっ…!!」

実況【ヤエノムテキ、上がってきた!先頭集団に並びかける!】

 

ヤエノ「…っ!!」

アルダン「させません…。」

 

実況【しかし、それをマークするようにメジロアルダンも上がってきた!

そしてここで一気に先頭に踊り立つ!このまま最後の直線まで脚の貯金はあるのか!!】

 

ヤエノ「…そう易々と…っ!!!」

ヤエノ「抜かせるかぁっ!!!」

 

実況【ヤエノムテキも、上がって─────】

その時、アルダンの踏み込む力が強くなった。

 

アルダン「…この位置は…譲りません…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

アルダン「…やぁあああああああっ!!!!」

グッ…。

──────パリイイィイイン!!

 

 

 

 

 

ヤエノ「………っ……!?(距離が…詰まらない…!)」

 

実況【しかし引き離す!メジロアルダン、脚色は衰えない!

初の長距離とは思えぬ快走!リードを1バ身、2バ身と広げていく!】

ヤエノ「…アルダンさん、まさか…これ程とは…っ…!!」

 

 

 

シュヴァル「トレーナー…!」

「─────行け…っ!!」

 

 

 

 

 

 

【挿絵表示】

 

アルダン「……………ぁ……。」

 

 

 

 

ゴールに飛び込んだ瞬間、メジロアルダンの目に再び光が戻った。

スローモーションでゴールへと駆ける姿に、トレーナーの目は釘付けだった。

 

 

実況【メジロアルダン先頭ッ!!

先頭はメジロアルダン、ゴールインッ!!】

観客【ワァァアアアアァアーーーーーッ!!】

 

 

メジロ家の重鎮「な、なんと…。」

メジロ家の重鎮「信じられない…!」

 

ライアン「アルダンさん…!」

ブライト「とても、感動しましたわ~…!」

マックイーン「ええ、素晴らしい走り…あら、ラモーヌさんは…?」

ドーベル「そういえば見てない…。」

パーマー「きっと、アルダンさんのところに向かったはずだよ。」

 

 

 

アルダン「…私……勝て…た…?」

電光掲示板の一番上…届かなかった1着の景色を眺めながら…。

アルダンは力なくターフに座り込んだ。

 

 

「アル!!」

シュヴァル「あっ、ト、トレーナー…!」

 

周りの事なんか関係なく、俺はターフに駆け込んだ。

「アル…!!」

アルダン「…あっ…トレーナーさん…。」

 

まだ状況が飲み込めないアルダンが、俺の顔を見るなり…

その表情をどんどん崩していった。

 

アルダン「…私…私…っ。」

そして、そのまま俺のところに飛び込んできた。

 

アルダン「勝てました…っ…貴方のために…私…っ…。」

「…ありがとう、本当に…すごいよ、アルは…本当に、ありがとう。」

アルダン「…うっ…あぁっ…!」

 

 

ヤエノ(想いの力…勝ちたいと信じ、心の底から願う気持ち…

恐れ入りました…やはり、貴方は…私のライバルに相応しい。)

 

ヤエノ「アルダンさん」

アルダン「あっ…や、ヤエノさん…。」

ヤエノ「おめでとうございます。

…ですが、次は私が勝ちます…絶対に。」

 

アルダン「…負けません、私も…!」

ヤエノ(…良かった、いつものアルダンさんに戻ったようですね。

…ですが、あの鬼気迫る表情…忘れません)

 

 

アルダン「…ごめんなさい、トレーナーさん。

お洋服、濡らしてしまいましたね…。」

「構わないよ、それだけ嬉しかったことは…俺にも伝わったから」

アルダン「…はい…私の中で…自分の限界を越える感覚が2度…味わえました。

もっと高みへ…貴方と歩んでいきたいです…。」

「あぁ、もちろ────」

 

 

ラモーヌ「アルダン。」

アルダン「…っ…ね、姉様…!」

 

目頭を擦りながら、立ち上がるアルダン。

その様子を見ていたラモーヌが…そっと、頬に手を添えた。

 

ラモーヌ「…………。」

アルダン「…姉…様…。」

 

ラモーヌ「約束してちょうだい、2度とあんな真似はしない、と。」

アルダン「…っ…。」

ラモーヌ「あんな事を繰り返したら…いつか身を滅ぼすわ

愛しの妹だから、忠告するわ…今後、絶対にしないでちょうだい。」

アルダン「…………は、い。」

 

やはり、様子がおかしかったのは…自分自身でも感じていたようで

アルダンは深く反省していた。

 

ラモーヌ「…でも、おめでとう、良いレースだったわ。」

アルダン「…!

はい…ありがとう…ございます…!」

 

 

 

 

 

────────────────

 

【とある病室】

 

実況【メジロアルダン先頭ッ!!

先頭はメジロアルダン、ゴールインッ!!】

 

チヨノオー「すごい────」

チヨノオー(走ったことの無い長距離を走って…勝っちゃうなんて…

アルダンさん…すごく強くなってる…。)

 

チヨノオー「………なのに…私は…───」




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