アルダン「シュヴァルさん、今週のお休みのご予定はありますか?」
シュヴァル「……………………へ?」
練習終わりの夜…突然、アルダンさんから電話が来た。
シュヴァル「(今週…特に何もなかったけど…。)…何かあったんですか…?」
アルダン「いえ、もしよろしければお出かけしたく思いまして」
先輩の…しかも、同じトレーナーの指導を受けるウマ娘からの誘いに
シュヴァルグランは取り乱した。
シュヴァル「え、えっと…ぼ、僕じゃなくて…トレーナーや…メジロ家のウマ娘の方がいいんじゃ……。」
アルダン「いいえ、シュヴァルさんでなくてはダメなのです。」
シュヴァル「(僕じゃなきゃいけないって…)…うぅ、わ、分かりました…。」
アルダン「ありがとうございます、では当日は学園前に来てください。
………あ、くれぐれもトレーナーさんには内緒でお願いしますね。」
シュヴァル(…トレーナーには…内緒?…一体、なんでだろう…)
通話終了した携帯の画面を見て困惑しながら、帽子を触るシュヴァルグランだった。
────────────────
【週末】
アルダン「お待ちしておりました、シュヴァルさん。
では、こちらに。」
シュヴァル「…えっ、こ、これは…?」
誘導された方に目を移すと…そこには、自動車が止まっていた。
そして、中から年配の貴婦人が出てきた。
ばあや「お待ちしておりました、アルダンお嬢様。
…そちらが…。」
アルダン「はい、チームメイトのシュヴァルグランさんです。」
ばあや「お話はアルダンお嬢様から聞いております。
本日はよろしくお願いします。」
シュヴァル「…えっ…あ、え、っと……は、はいっ…。」
慣れない雰囲気に、ぎこちない受け答えになるシュヴァルグラン。
そしてその様子を見ていたアルダンがクスクスと笑っていた。
アルダン「そんなに緊張なさらないでください。
少し、シュヴァルさんの協力が必要なのです。」
シュヴァル「……ぼ、僕の……?」
アルダン「お話は車中で致しましょう。」
シュヴァル「………は、はい…。」
……………………。
【移動中】
アルダン「……さて、シュヴァルさんは
''リーニュ・ドロワット''という学園の催しを知っていますか?」
シュヴァル「(確か……春にやってる…)…は、はい…学園の説明会の時に聞きました…。」
アルダン「今年は春にではなく、秋に開催されると姉様から聞きまして…。」
シュヴァル「……そ、そうなんですか……でも、それと僕の関係って…。」
アルダン「ふふっ、着いてからのお楽しみですよ♪」
シュヴァル「…も、もしかして…相手に僕を指名しようとしてるんですか…!?」
困惑するシュヴァルグランを見て、再びメジロアルダンが笑った。
アルダン「そうですね…半分正解で半分不正解といったところでしょうか。」
シュヴァル「…………へ?」
アルダン「続きは到着してからに致しましょう。」
シュヴァル「……わ、分かりました…。(うぅ…ちゃんと断ることを覚えないと……僕…。)」
……………………………………。
【メジロ家 邸宅】
ばあや「では、お2人とも…こちらへ。」
シュヴァル(すごい…ウマ娘の使用人みたいな人達が沢山…。)
とある一室に連れられたメジロアルダンとシュヴァルグラン。
そこには、マネキンや何色もの生地が置いてあった。
アルダン「では、私はこちらに…シュヴァルさんは
ばあやとご一緒してください。」
シュヴァル「…わ、わかりました…。」
言われるがまま、2人きりになるシュヴァルグラン。
ばあや「では、早速ではありますが失礼します…。」
シュヴァルグランの採寸をするのか、メジャーを片手に近寄る。
シュヴァル「えっ、と…あの…。」
ばあや「少々の間、じっとしていただきたく思います。」
シュヴァル「…ぼ、僕は関係ないんじゃ……。」
ばあや「いいえ、とても関係あります。」
シュヴァル「……どういう…。」
ばあや「アルダンお嬢様の方が終わりましたら説明致します。」
シュヴァル「…わ、わかりました…。」
その後、何個か質問に受け答えるシュヴァルグラン。
普段の好んで着る服などなど…。
シュヴァル(…アルダンさんの衣装の参考に…って、事かな…。)
頭の中で色々考えてるうちに…アルダンが戻ってきた。
アルダン「お疲れ様でした、シュヴァルさん。」
シュヴァル「い、いえ…僕は…。」
ばあや「────アルダンお嬢様。」
アルダン「はい、えぇ…それでしたら白をメインにしましょう。
装飾は…そうですね、このままでいいと思います。」
シュヴァル「…あ、の…。」
アルダン「あら…そうですね、そろそろお話しましょう。」
話が一段落ついたアルダンが、シュヴァルの方を向く。
アルダン「────シュヴァルさん。」
アルダン「貴方の勝負服を、作らせてください。」
シュヴァル「………………ぁ……。」
シュヴァル「………え、ええええっ…!?」
それは、あまりにも予想外すぎる言葉だった。
無理もない…まだデビュー戦も走ってない…ましてや、GIに出れるかも分からないウマ娘の勝負服を作ると言われたから。
シュヴァル「そ、そんな……っ…そこまでしてもらうことなんて…。」
アルダン「私がしたいから…という理由は、ダメでしょうか?」
シュヴァル「…そ、それに…そこまでしてもらうような…
ウマ娘なんかじゃない、ですよ……僕なんて…。」
アルダン「───いいえ、そんな事ありません。」
アルダン「共に支え合い…強くなると競い合える貴方に
私は、輝きを見出しましたから。
この気持ちは、トレーナーさんも同じはずです。」
シュヴァル「…………トレーナー…も…。」
その時、シュヴァルグランの脳裏に思い浮かんだのは…。
真っ直ぐに自分を見てれるトレーナーの姿だった。
シュヴァル「…………………。」
アルダン「いかがでしょうか。」
シュヴァル「…トレーナーは…。」
アルダン「はい♪」
シュヴァル「トレーナーは…僕の姿を見て…喜んでくれる…かな…。」
アルダン「えぇ、もちろん♪私が保証します。」
シュヴァル(…そうだ…僕だって、大きな舞台に立ちたい…。
GIレースだって…走りたい…。)
アルダン「''ですので、完成したらリーニュ・ドロワットでトレーナーさんにお見せしましょう♪''」
シュヴァル「……はい、分かり…………えっ……。」
シュヴァル「えぇええぇ~………………!!??」
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