瑠璃色のキミ達と   作:A×K(アツシくん)

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ただいま55連して2すり抜け…戦いはまだまだ続きます。


第43レース~シュヴァルグランを知ろう!~

【カフェテリア】

 

今日は、昼食をカフェテリアで食べることにした。

(…って、食べないとアルからまた叱られちゃうからなんだけど…)

 

 

最近、無理をしすぎるとすぐにアルダンから注意をされるようになった。

……それはさながら、お母さんのように。

 

(うぅーん…根を詰めすぎる悪い癖は治ってないなぁ……あれ?)

噂をすれば、見慣れた青い髪のウマ娘が座っているのが見えた。

 

 

 

「この席、良い?」

アルダン「あら、トレーナーさん。こんにちは♪

もちろん構いませんよ。」

 

トレーナーの顔を見ると、一気に表情を明るくするアルダン。

こういう心境の変化は、トレーナーとしても喜ばしいもの。

 

アルダン「…あ…ですが、もう一方来ますが、よろしいですか?

少々、相談事をお聞きするのですが。」

「(メジロ家の人かな)うん、大丈夫だよ。」

 

シュヴァル「……と、トレーナー……っ…!?」

後ろから声がしたので、振り返ると…そこにはシュヴァルグランが居た。

 

シュヴァル「…え、あ、ど、どうしてここに…っ…。」

アルダン「偶然ここでお会いしたのでご一緒に」

シュヴァル「……あ、そ、そう…です……か…。」

 

 

気まずそうに、アルダンの隣に座るシュヴァルグラン。

まだ慣れない学園での生活をサポートしてるアルダンに感謝しつつ…。

2人の食べる量を見比べる。

 

 

(…アルの3倍くらいの量があるな…)

大食漢か!?…と、思うくらいの量があるシュヴァルグラン。

その視線に気付いたのか…シュヴァルグランが顔を赤くし帽子を触った。

 

シュヴァル「す、すすす、すいません…っ!

普段は、こんな量じゃなくて……!」

「良いんじゃない?…まぁ、報告はしっかりして欲しいけど

強くなるためには、食べる事と良く寝ることだからな。」

 

アルダン「ふふっ、言った通りですね♪」

シュヴァル「……うぅ…ありがとう、ございます…。」

アルダン「それに、たくさん食べてるシュヴァルさんの姿を見てるとこちらも気持ちがいいというものです。」

「アルはもう少し食べなさい。」

アルダン「はーい♪」

「まったく…返事は良いんだから…。」

 

 

 

 

シュヴァル(…やっぱり、2人とも仲がいいな…。)

「それで、相談事って…シュヴァルの件?」

アルダン「えぇ、この際ですから、トレーナーさんからもご意見をお聞きしましょう、ね?」

シュヴァル「えっ………あ、え、っと…その…。」

 

 

シュヴァル「────────」

言いにくいのか、フォークを持つ手を止めるシュヴァル。

 

アルダン「大丈夫です、おかしな悩みでは無いのですから。」

シュヴァル「…は、はい……その……ど、どうやったら…緊張しないで歌えるの……かなって…。」

「……あー…。」

 

シュヴァルの事だ。

多分人前に出ると自信なくして緊張で声が出ない…と、悩んでるといったところか。

 

シュヴァル「その…レッスンでもあまり、上手く歌えなくて…。

で、でも……レースにデビューする以上…歌うのは必然…です、し…。」

シュヴァル(それに…勝負服を着て…GIにも、出る…その為には…こんなことで…悩みたく、無い…。)

 

 

「…んー…」

アルダン「トレーナーさんは、よく歌を歌いますか?」

「昔は良くカラオケに行ってたなぁ」

アルダン「まぁ、ではいつの日かご一緒したいですね♪」

「あんまり期待するなよ?……シュヴァルはどうなの?カラオケとか行ったりするの?」

 

シュヴァル「…姉さんとヴィブロスに連れられて…何回か…。

でも、歌うのはヴィブロスがほぼほぼメインで…。」

「………何となく想像はついた。」

確かに、シュヴァルはマラカスとか振ってそうと言いかけたがやめておいた。

 

 

「その姉さん…ヴィルシーナやヴィブロスにその相談したの?」

シュヴァル「…あ、いえ…その…。」

(ちょっと聞いちゃまずかったことだったかな…。)

シュヴァル「…なんと、言いますか…姉さんより…アルダンさんの方が…お姉さんという感じがして…その…話しやすいと言いますか…。」

「今多分、どこかでヴィルシーナがくしゃみしてんだろうな…。」

 

 

 

 

 

 

……………。

 

 

 

 

ヴィルシーナ「……はっ…ぁ………ジェンティル!」

ヴィブロス「ど、どどど、どんなくしゃみ!?」

ヴィルシーナ「お姉ちゃんセンサーが反応してるわ…!」

ヴィブロス(シュヴァち、また何か言ったんだろうな~…)

 

 

 

……………。

 

 

 

 

「…まぁ、難しいかもしれないけど…全員に向けて歌うのを最初は辞めてみたら?」

シュヴァル「そ、それって…どういう…。」

 

「例えば、さ?

大事な人を思い浮かべて…その人に向けて歌いたい…と考える…みたいな。」

シュヴァル「…大事な人…。」

「両親とか…まぁ、姉妹にとか…その人の為になら歌えるって思えるんじゃないかな。」

 

シュヴァル(…僕の…大事な人…。)

ふと、トレーナーと目が合った。

 

 

シュヴァル「………~~~~~~~!///」

アルダン「あらあら♪」

何か考えが思い浮かんだのか、シュヴァルが赤くした顔を隠した。

 

シュヴァル「…アド…バイス…あ、ありがとう…ございました…///」

「?…うん。」

シュヴァル(ど、どうして…僕は大事な人って言われて…トレーナーの事を思い浮かんだんだろう…。)

 

 

 

「それにしても、カラオケもそんなに行かないって…シュヴァルの趣味って何かあるの?」

シュヴァル「……し、強いて言うなら…キャッチボール…です、かね…。」

「へぇ、ちょっと意外だね。」

シュヴァル「…や、野球…好き…なので……で、でも…グローブ2つ持ってても……さ、誘う相手が居ない…から…いつも壁当てです…けど…。」

 

アルダン「野球…マックイーンとよく見に行ったものです♪」

「アルダンはしてみたいと思う?」

アルダン「そうですね…どちらかと言えば、見てる方が楽しい、といいますか…。」

 

「…ふむ、そうか…。」

シュヴァル「す、すいません、中身の薄い話で───」

「じゃあ、決まりだな!」

アルダン「トレーナーさん?」

「食後の運動、しようぜ!」

 

シュヴァル「………………………へ?」

 

 

 

 

 

────────────────

 

 

【校舎裏】

 

 

シュヴァル「こ、ここが、いつも壁当てしてる場所です…。」

「うん、人気もないし…ここなら距離的にも大丈夫だね。」

 

シュヴァル「あ、あの…グローブ…大丈夫です?」

「うん、しかし大きいな…。」

シュヴァル「…それ……父からもらったんです。」

「お父さんから?」

シュヴァル「は、はい……ぼ、僕が…わがまま言って…。」

「そっか、大事なものなんだな。」

 

 

シュヴァル「…あ、あの…トレーナー…野球出来るんです…か?」

「こう見えても野球漬けの数年を送ってたから…なっ。」

 

一定の距離を空けてボールを投げる。

シュヴァルも難なくそのボールを捕球する。

 

アルダン(…なるほど…だからあんなに逞しいお体を…

い、いけない…私はなんて事を考えて…///)

「シュヴァルも良いボール投げるじゃん!」

シュヴァル「へっ……!?///」

 

純粋に出た言葉に、シュヴァルは驚きつつ顔を赤くした。

シュヴァル「…あ、ありがとう…ございます…。」

シュヴァル(…この人…どんな小さな事でも褒めてくれるんだな…。)

 

 

シュヴァル(…きっと、根が良い人なんだろうな…僕とは、違って…。)

「もう少し強く投げてもいいよー。」

シュヴァル「…でも…。」

 

シュヴァル(この人の明るさや優しさが…僕は、今…欲しい…。)

無意識のうちに、ボールを深く指に挟み…シュヴァルグランは投球した。

 

シュヴァル(…ぁ…っ!)

「…よっと!!」

直前で変化するも、トレーナーもそれを捕球。

 

「ナイスボール!」

シュヴァル「……あ…………。」

アルダン「間近で見ると、やはり凄いものですね。」

「まぁね、俺も久々にやれてちょっと当時の事とか思い出すなぁ」

アルダン「その時のトレーナーさんも見てみたいですね♪」

「今とは全然姿違うよ?」

アルダン「まぁ、ますます、気になりなすね♪」

 

 

捕球後、しばらく話すトレーナーとアルダンを見て…。

シュヴァルグランが声を上げた。

 

シュヴァル「…あ、あの……っ!」

「シュヴァル?」

 

シュヴァル「…その……ありがとう…ございます。

ぼ、僕……久しぶりに…楽しいって…思えました…。」

それは、シュヴァルなりに精一杯伝えた感謝の言葉だった。

 

 

 

「…シュヴァル…。」

シュヴァル「……えへへ…す、すいません…まだ言い慣れてないなんて…ダメダメですね…僕…。」

 

 

 

 

「ううん、ありがとうな…シュヴァ…ル!」

嬉しくなったトレーナーは、つい力を込めてボールを投げてしまった。

今までとは違うスピードで放たれたボールに思わずトレーナーも焦りの顔を浮かべてしまった。

 

 

 

 

 

 

シュヴァル(……きっと、僕はまだまだ…ダメなままだと思う。

けど…トレーナーは…そんな僕のことを…全部見て…全部支えてくれるって…今は分かる。

……こんな僕の事を…信じてくれる…。

だから……僕も…トレーナーと…分かり、合いたい…ううん、その為には…小さくても…一歩、踏み出さなきゃ…!)

 

 

 

 

 

 

 

 

乾いた音ともに、ボールを捕球したシュヴァルグランの顔は…笑っていた。

シュヴァル「…ナイスボールです……''トレーナーさん''…!」




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