来年も、よろしくどうぞ。
「………………………………」
シュヴァル「……ト、トレーナーさん、アレ一緒に…食べませんか……?」
アルダン「トレーナーさん、あちらを見てください♪」
(なんでこんなことに……)
今、俺の両腕はがっちりと2人のウマ娘に拘束されている。
事の発端は、2人からのお出かけのお誘いから始まった。
休日に2人揃って部屋に来て何事かと思ったが…特に断る理由もなかったので、街へと繰り出すことになった……。
(……なった……ん、だけど……)
何故か2人が一向に離れようとしない。
下手したら段々と、抱きつく力が強くなっている気がする。
(……そっか、芝コースの柔らかさに似ているな)
俺の思考が、因子☆1並に低下してる気がする。
しかし、2人は機嫌が良いのか…しっぽをブンブン振っている。
シュヴァル「……ト、トレーナーさんと食べ歩き……普段よりも、美味しく……感じます……。」
アルダン「良かったですね、トレーナーさん♪」
「……う、うん。」
─────良くない。
主に周りの目というものが。
(こんな時に限って、知ってる顔に鉢合わせになったり…)
ヴィブロス「あぁ~!!シュヴァちだ~!!♪」
シュヴァル「!」
するんだよなぁ……。
ヴィルシーナ「こんにちは、トレーナー、アルダンさん。」
アルダン「お2人とも、ごきげんよう。」
シュヴァル「………………。」
2人に会ったのが気まずいのか、シュヴァルは俺の後ろに隠れるように後退りをした。
ヴィブロス「……ほうほう……ふーむ。」
ヴィルシーナ「どうしたのよ、ヴィブロ────」
ヴィブロス「これって、アレだよね。
デー……─────」
シュヴァル「ち、違う!!///」
食い気味に答えるシュヴァル、しかし、自分の言動にあたふたしてしまった。
シュヴァル「あ、そ、その……違くはないけど……違うと言うか…///」
「……よしよし、大丈夫だから。」
シュヴァル「……うぅ…トレーナーさん………///」
頭を撫でると、シュヴァルは腕に顔を当てて恥ずかしそうに撃沈していた。
ヴィブロス「なんだかあまいものたべるきなくなっちゃった」
ヴィルシーナ「ヴィ、ヴィブロスがおかしくなった…!
……こ、こほん…御三方…お出かけ楽しんでくださいね。
シュヴァルは…今度、ゆっくり話を聞かせてね?」
シュヴァル「………………///」
返事がないまま、2人は去っていった。
アルダン「……大丈夫ですか、シュヴァルさん?」
シュヴァル「……は、恥ずかしくておかしくなりそうです…///」
アルダン「トレーナーさん、しっかりと守らないとダメですよ。」
「……俺か、俺なのか…………まぁ、俺か……。」
何故か言いくるめられた気がするが……。
まぁ、たしかにトレーナーとして担当ウマ娘を────
ドーベル「あれ、アルダンさんだ。」
ラモーヌ「……………………。」
アルダン「ド、ドーベル……それに、姉様…!」
……良くない事は往々にして起こるって…こういう事を指すのか?
珍しくアルダンが、冷や汗を流して困惑している。
ドーベル「……お出かけ?」
ラモーヌ「─────違うわね。」
アルダン「違わないです、お出掛けです……。」
ラモーヌ「へぇ……そうなのね。」
何か言いたげなラモーヌ……こんな時に言う事は、大抵しょうもないことだったりする気が─────
ラモーヌ「併走ぴょいをするのかと思ったわ。」
ドーベル「併走!?」
アルダン「ぴょ、ぴょい……っ!?///」
何かの暗号なのか、2人が一様にこちらを見てくる。
……ドーベルに至っては耳がすんごい動いてるんだが。
アルダン「ね、姉様…!///」
ラモーヌ「あら、事後かしら。」
アルダン「健全な関係なので、今はまだそんな事は致しません!///」
ドーベル「……今は?///」
アルダン「あ、いえ、その……言葉のあやでして……その……っ!///」
こちらに助けを求めるアルダン。
しかし、ぴょい?の言葉の意味が分からない俺はただただ落ち着かせることしか出来なかった。
アルダン「……~!///」
そのうち、顔を見て恥ずかしくなったのか…アルダンまで撃沈した。
ラモーヌ「からかうのは愉快ね。」
「性格悪っ……。」
ラモーヌ「おかげで珍しいものが見れたでしょう?」
「まぁ、そうだけど……。」
ラモーヌ「ドーベル、戻るわよ。」
ドーベル「は、はい…///(するんだ……併走ぴょい)」
「……大丈夫、2人とも?」
騒がしい出来事が一気に起こった後の2人を眺めると…。
シュヴァル「……大丈夫……です///」
アルダン「……姉様の……とんま……///」
「……とんま。……とんま…???」
ヴィルシーナ(あれはもう……。)
ラモーヌ(肯定してると言ってるようなものね。)
その後の2人は、ソワソワしてとても大丈夫そうではなかった。
あと、何故か足にしっぽを絡めていた。
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