瑠璃色のキミ達と   作:A×K(アツシくん)

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今回のチャンミ、レベル高かった気がする()


第5レース~1歩ずつ、少しずつ~

レース本番を見据え、トレーニングを重ねていたある日。

 

アルダン「はぁ、はぁ…っ……。……ふぅ。」

アルダン「タイム、縮まりましたね。

それに走り終えた際の呼吸も、乱れが少ないように思います。」

 

「うん、メニューも、いいペースでこなせているよ」

アルダン「ありがとうございます。

では───このまま、無駄のないよう、進めて参りますね。」

 

褒められてもすぐ、トレーニングへと意識が戻る。

無駄のないようにと語る通り、練習中のアルダンの集中力は凄まじい。

 

「─────その集中力は…君の武器だね」

アルダン「……武器、ですか?」

意外だったのか、ハッとした顔をするアルダン。

 

アルダン「すいません。

光栄ですが、そのように考えたことがなかったので、少し…驚いてしまって。」

本人は言われても、ピンときてないようだが…

おそらくこの気迫は

彼女の覚悟から来るものなのだろう───

 

アルダン【もう、ご存じのこととは思いますが。

……私は、生まれつき、あまりに弱く、脆い体をしております。】

アルダン【いつ砕け散るとも知れぬ身です。

メジロの、あるいはウマ娘たちの紡ぐ輝かしき歴史の中に、すぐ埋もれゆくこともあるでしょう。】

アルダン【すぐに色褪せ、忘れ去られる。

─────それでも…''今'】

アルダン【今、この瞬間を輝かせるために命を賭すことは

私に許されたただ1つの権利なのです。】

 

 

 

あの日、自らの境遇を語ったメジロアルダンの目には、静かな…しかし揺るぎない決意が宿っていた。

(あの覚悟に応えたい…新人とか、メジロ家とか関係ない…

俺は、あの子のために……頑張りたい。)

 

アルダン「トレーナーさん、準備できました。

ラスト1本、お願いいたします。」

「────それじゃ、用意……スタート!」

 

 

見学中のウマ娘「え?アルダン先輩、あれ何本目?

───前よりトレーニング量増えてるよね。

体調大丈夫なのかな?」

近くで見学していた後輩たちから

心配する声が聞こえてきたが──

 

 

アルダン「はぁ、はぁ……。

……うん、いい感じだわ……。」

(大丈夫、彼女なら……アルダンならまだやれる)

アルダン「トレーナーさん?どうかされましたか?」

「ううん、この調子なら、本数を増やせるかなって」

アルダン「……!

ぜひお願いいたします。私も、もう少し走りたいと考えておりました。」

 

 

 

 

 

………………………………。

 

 

アルダン「───本日も、ありがとうございました。

今日の練習は、一段と実りの多いものだった気がいたします。」

アルダン「ですから…いかがでしょうか。

明日からこのメニューを基準に組む、というのは。」

 

「……ふふっ」

アルダン「……?」

 

「ごめんごめん、今まさに全く同じこと言おうとしてたから、つい」

アルダン「まぁ。……ふふっ。

''今''に感謝しなければ。

このところは特に調子がよくて、体の熱で動けなくなることもありませんし。」

 

アルダン「デビュー前は、連日トレーニングができないこともありました。

ですが、今はこの通り。」

 

 

その健勝さを共に喜びながら、ミーティングを終える。

……が、そこで気を抜くつもりはないか、彼女の背筋は伸びたままだ。

「……アルダン」

くすっと笑って、トントンと書類を机に打ちつける。

 

「休憩中は、もっと楽にしてていいからね?」

アルダン「楽に……というと?」

「背もたれを使うとか、ソファーに寝転がるとか」

アルダン「まぁ、ありがとうございます。

ですが、私にとってはこのままが自然ですから。」

 

アルダン「もともとメジロの娘は人前に出る機会が多く、幼い頃から粗相のないよう、教わって育つのです。

それに────」

 

 

 

 

知人の女性【あらアルダンちゃん、どうしたのそんな隅っこでうつむいて。

もしかして、具合が悪いの?】

幼いアルダン【いいえおばさま。

私、少し考えごとをしていただけで……。】

知人の女性【ダメよぉ、無理しちゃ。

貴方は体が弱いんだから…!】

幼いアルダン(……そっか。

しゃんとしてないと、ぐあいが悪いって思われちゃうんだ…。)

 

 

 

アルダン「……」

「……アルダン?」

アルダン「いえ、なんでもありません。

このほうが落ち着くだけですので、ご心配なさらず。」

アルダン「トレーナーさんの前で無理はしないとお約束いたしますから、どうか、ご安心ください。」

 

「……ん、分かった。

甘えたい時は甘えていいからな」

アルダン「あら…担当ウマ娘を甘やかしていたら、トレーナーさんのお仕事が滞りませんか?」

アルダン「もしかしたら私、今日は気分が乗らないのでお休みいたします、なんて言いだすかもしれませんよ?」

 

「い、いやいや!練習では甘やかさないからね!?」

アルダン「ふふっ…ぜひ、そうお願いいたします。

大丈夫です、今でも充分、お気遣いいただいてますから。」

(そう言うなら、本人に任せようか……)

 

涼やかに微笑むメジロアルダンに、これ以上の口出しはやめることにしたのだった。

 

 

アルダン「……ふふっ」

「?」

 

アルダン「ああ、いえ。

慌ててるトレーナーさんを見るのが、初めてでしたので……。

何だか、新鮮で……つい。」

「……そ、そうだったか?」

 

アルダン「はい。

トレーナーさんも、気がつかないだけで…顔が緊張でいつも強ばってましたから。

リラックス、リラックス…ですよ。」

「ん、そう……か……」

 

アルダン「はい。

トレーナーさんも、いつも通り肩の力を抜いた自然な姿の方が…素敵なのは私自身が感じていますので。」

「分かった、自分で気がつかないうちに気張ってたのかもな」

 

アルダン「アドバイスになったのなら、良かったです。

これからお互いに協力していく身です。

どちらかがよくても、どちらかが欠けて……て、は……。」

「……アルダン?」

 

何かを言いかけたアルダンだが、1人で考え込んでしまった。

アルダン(い、今……トレーナーさんのとこ……素敵と言ってしまいました……間違いでは、ないのですが、いきなり過ぎたでしょうか……。)

 

アルダン「いえ、なんでも。」

コホンと咳払いをし、姿勢を正すアルダン。

でも、心なしか……しっぽと耳が動くのが多い……気がする?




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