【トレーナー寮】
「………………………………」
エース【アンタの夢は何だ!】
「……夢、かぁ……」
カツラギエースから言われた言葉を思い返し、寝返りを打つ。
(……正直、アルやシュヴァルの為ならって動いてた自分がいたからな……夢って言われても……)
簡単に夢……というが、きっとそれは人それぞれ…大きい小さい…言い出したらキリがないだろう。
(……今も、エースはその夢ってのを追いかけて……1人で走ってるの、かな……)
がむしゃらに…自分の足にのしかかる枷を必死に振りほどきながら…。
「……そうか、俺の夢は……今思った、そのままの気持ちで……いいのかもしれない。」
布団から飛び出して、ノートに向き合う。
時間も忘れて、ただただペンを走らす。
そして……ノートが完成する頃には……夜が明けていた。
………………………………………………。
【トレーニングコース】
エース「はっ……はっ…………はぁああっ……!!」
黒髪をなびかせながら、一心不乱に走るカツラギエース。
周りに流されることなく…自分の思うがままに走っていた。
エース「……まだだ…まだ、アタシは…!」
足を止め、息を整えながら地面を見つめるカツラギエース。
その手には、力が込められていた。
「……カツラギエース。」
エース「……アンタは…。」
声をかけると、こちらをじっと見つめたカツラギエース。
エース「……なんか用か?アタシ、まだトレーニングの途中なんだ」
「その前に」
エース「………………。」
ノートを差し出すと、エースは視線を落とした。
エース「……なんだよ、これ。」
「俺の答え合わせ……夢についてのな」
エース「……夢……」
「エースの夢は、分かった…ウマ娘界の上…エースを目指すって凄く立派な夢だって。
……そして、俺の夢についても…分かった。」
エース「……アンタの夢…それは、何だ?」
「────その夢を支えて叶えたい、キミと一緒に」
エース「……っ……!」
誰かのために頑張れる、誰かのために一生懸命になる。
そんな人になりたいって、心のどこかで思ってたのかもしれない。
だから、アルの為に…シュヴァルの為に必死になれた。
エース「……今回のトレーナーから言われたのが、初めてじゃないんだ。」
ラチに寄りかかりながら、カツラギエースが話し始める。
エース「''遠すぎるものだ''とか''別世界の話だ''ってな。」
「………………。」
エース「心では、そんなもの覆してやる、ふざけんなって思ってた。
……だけど、トレセン学園に来て…アタシの評価は変わらないままだった。」
「……それが、枷になっていた……違うか?」
エース「……そこまで分かるんだな、アンタ」
「きっと、そうなんじゃないかなって…
必死に前だけを見て…がむしゃらに頑張る姿を見てたら…そう思っちゃうよ」
エース「…………………………。」
じっと目を見るエース。
しばらくの間、お互いに沈黙が流れる。
エース「…………ふっ……あははっ…!!」
そして、突然カツラギエースが笑い始めた。
エース「アンタ……正直すぎる目をしてるな、アタシと似た者同士…かもしれねぇな。」
「……聞き分けないのは、自覚してるよ」
エース「……でも、そんな目をした奴を…アタシは待ってたのかもしれないな。」
眼前に立つカツラギエース。
そして……頭を下げてきた。
エース「こんな頼み事、都合が良いと思われるのは承知だ!
……だが、しばらくトレーナーとして…面倒見てくれないか…?」
彼女自身も、色々気持ちに余裕がなかったのだろう…唇を噛む力が少し強くなっていた。
「何言ってんの」
エース「…………えっ。」
「そのつもりでここに来たんだよ、俺も」
エース「…………!」
「でっけぇ夢…一緒に追いかけようぜ」
エース「……あぁ……!!」
がっちりと握手を交わす。
その手に熱を帯びながら。
……………………………………………………。
【トレーナー室】
エース「カツラギエースだ!よろしく頼む!」
アルダン「はい、よろしくお願いしますね。
いつも、パーマーがお世話になっております。」
エース「パーマーにはいつも助けられっぱなしでよ
色々返さなきゃいけない恩だらけだぜ……。」
アルダン「ふふっ、仲睦まじいようで安心しました♪」
シュヴァル「…………あ、あのっ……。」
エース「シュヴァルグラン……だったよな?よろしく頼むな。
一応、入った順番的にはアタシが新米だからよ、気楽にしてもらえっと助かる」
シュヴァル「……と、トレーナーさん~…」
エース「……っと、怖がらせちまったか?」
「慣れてくれば大丈夫だよ」
シュヴァル「……が、頑張ります……っ…」
エース「賑やかそうで退屈しなそうだな」
アルダン「ええ、エースさんにも、直に分かりますよ。」
エース「?」
アルダン「ふふっ、今はまだ内緒です♪」
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