瑠璃色のキミ達と   作:A×K(アツシくん)

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第54レース~居心地~

【トレーナー寮】

 

──カツラギエースの担当になってからしばらくが経ったオフの日。

 

 

 

 

 

コンコン。

「はい、どうぞ?」

 

ノックと同時に入ってきたのは……。

エース「悪ぃなアルダン、シュヴァルも」

アルダン「いえ、お易い御用ですよ。」

シュヴァル「し、失礼します……。」

 

扉を開けて、先導するアルと大きな荷物を抱えてるエース…そしてその2人について行くシュヴァルの姿だった。

 

「どうしたの、3人とも?」

エース「よっ……と……トレーナーさん、昼飯まだだろ~?」

目を細めながらこちらを訝しむエース。

実際、図星で昼はまだ済ませてなかった…なんなら、もう昼かと驚くくらいだった。

 

エース「全く、アルダンの言う通りだったな」

アルダン「えぇ、トレーナーさんは''いつも''昼食を抜いてお仕事に勤しんでますので♪」

……なるほど、アルから聞いたってことか。

 

「それで、この荷物は…?」

エース「ん?これか?……これはな~」

上に覆いかぶさっていた布を取るエース…そこには…。

 

「……野菜?」

エース「生徒会に許可を取ってよ、小さいけど自分の農園があるんだよ。そこで採れた野菜だぜ!」

シュヴァル「ぼ、僕達はその付き添いで…。」

 

「農園…マジか」

集中出来る作業や細かい作業が好きなのだろうか、また1つエースの事を知れた気がした。

 

エース「味は折り紙付きだぜ。

ってことで、キッチン借りっからよ。」

「えっ、今から作るの!?」

 

エース「その為に来たんだろ~?

アルダン、サポートよろしく頼むな」

アルダン「ええ、お任せを。」

 

エース「シュヴァルも手伝ってくれるか?」

シュヴァル「は、はい……っ!」

「……ぁ……え~っと………怪我しないようにな~……?」

 

 

こちらの驚きを尻目に、どんどん支度を進めていく3人。

その中心にエースが居る光景にホッとしつつ…とりあえず仕事を進めることにした。

 

 

 

 

 

────────────────────

 

 

【キッチン】

 

 

エース「……しっかし、話の流れとは言え…こんなことになるなんてな」

お互いの事を知るために、普段何をやっているかの話になった時に

エースは畑いじりと答えた。

 

興味深いと思ったのか、アルダンが是非見たいと畑に行って…今に至るというわけだ。

 

エース「でもよ、トレーナーさんに料理を作ってあげたいなんてアルダンはトレーナー想いなんだな」

アルダン「えぇ……ふふっ、シュヴァルさんも、ですよね?」

シュヴァル「えぇっ!?……あ、い、いや……僕は…///」

 

帽子を深く被れないシュヴァルは、手に持っていたお皿で顔を隠そうとしていた。

シュヴァル「そ、その……トレーナーさん今頃何してるのかなって……じ、時間も時間でしたし…ぼ、僕たちの事ばっかで自分の事を蔑ろにしてるんじゃないかなって……。」

その様子を見ていたカツラギエースが、素朴な疑問をぶつけてきた。

 

 

エース「なんだなんだ2人とも…あのトレーナーの事好いてるのか?」

アルダン「あっ……///」

シュヴァル「そ、そんなこと……っ!!///」

 

分かりやすく慌てる2人を見て、思わず吹き出すカツラギエース。

エース「ぷっ……ははっ!そうかそうか、いい事なんじゃないか?」

アルダン「……やっぱり隠す事は出来ませんでしたね…///」

シュヴァル「…………うぅ……あぅ…///」

 

エース「その好きって感情は、アタシにはよく分からないけどよ

2人がそう思えるって事は、きっと良いトレーナーさんなんだろうな」

シュヴァル「……はい、とっても…。」

アルダン「そうですね…それしか思いつきませんね。」

 

エース「……なんか、良いな。こんな居心地。」

ふう、と息を吐くエース。

今までの事もあったのだろう、その表情には少し安堵の様子が垣間見えた。

 

しかし、気持ちを切り替えて、ニカッと笑うエース。

エース「さて!腹空かせてるトレーナーさん待たせる訳にはいかないもんな!」

アルダン「えぇ、有意義な昼食にしましょうね。」

 

エース「っと、その前に…ほら、シュヴァル味見してくれねぇか?」

シュヴァル「えっ……ぼ、僕ですか…?」

エース「さっきから食い入るように見てたからよ……。」

シュヴァル「……うぅ…すいません…///」

 

諦めたのか、小皿を受け取り口へと運ぶシュヴァル。

シュヴァル「……ぁ……美味しい…です…。」

余程美味しかったのか、何度も口へと運ぼうとするシュヴァル。

 

エース「っはは!トレーナーさんより食べそうな勢いだな!」

シュヴァル「す、すいません!そんなつもりは……っ!」

エース「いいっていいって、その方が作った方も嬉しいってもんだしさ」

 

アルダン「そうですね、シュヴァルさんのお墨付きも貰えたことですし」

エース「だな、トレーナーさーん!待たせたな~!」

シュヴァル「…………お、美味しい…。」

 

 

 

 

 

────────────────────

 

 

「随分楽しそうだったね」

エース「あぁ、誰かと料理なんて久方ぶりだったから、ついな」

アルダン「エースさんのお料理の腕、とても学びの多い物でしたよ。」

シュヴァル「……ぼ、僕も……今度教えて欲しい……です。」

 

エース「おう、任せとけ!」

(なんだかんだ言って…馴染んでくれてるみたいだな)

 

エース「ほらトレーナーさん、大盛にしといてやったぜ!」

「おぉ……凄いな…。」

 

手渡されたのは、野菜カレー…なのだが、3~4人前あるんでは無かろうかというくらいの寮だった。

エース「腹が減ってはなんとやら、だぜ」

アルダン「ふふっ、午後眠くならないように気をつけてなければいけませんね♪」

シュヴァル「……美味しそう……。」

 

「じゃあ、ご好意に感謝して……いただきます。」

こちらが一口食べるのを待つ3人。

…………その味は…。

 

 

「……んまっ!!!」

エース「へへっ、だろ?」

野菜も一から作ってるからか、味が全然違った。

 

エース「トレーナーさんの好み聞いてよ、カレーの方もちょっと隠し味とかを……な、アルダン?」

アルダン「……ええ、トレーナーさんの好みならお任せを♪」

シュヴァル「…………あむ……んっ……あむ……あむ……。」

エース「……いや、話には聞いてたけどよ…ホントによく食うな。」

シュヴァル「……す、すいません……でも、本当に美味しくて…。」

 

その時、トレーナーがエースを筆頭に3人の事を見ているのに気づいた。

エース「……どうした、トレーナーさん?」

「いや…純粋に思ったことなんだけど……エプロン姿、なんかいいなって」

 

エース「そうかぁ?料理する時は必需品だと思うけどよ?」

「まぁ、そうなんだけど…見慣れてないから新鮮でさ

似合ってるし……可愛いよ、3人とも」

 

エース「…………お、おうっ……そう、か。」

アルダン「ふふっ、お世辞でも嬉しいですね♪///」

シュヴァル「ご、ごほっ……ごほっ……!!//////」

「シュヴァル!?」

 

シュヴァル「…だ、大丈夫です……です、けど……ト、トレーナーさんって、本当にずるいって……僕、思います……///」

エース「同感だな……。」

アルダン「ええ、本当に…///」

「えぇ……なんでさ……。」

 

 

3人に囲まれた普段と違うオフの日は……。

とても賑やかな昼食の時間となった。




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