─────2月14日。
トレセン学園は賑わいを見せていた。
…と、言ってもそれはウマ娘達のほうで…トレーナー達はいつもと変わらず仕事に追われていた。
彼もまた、その内の一人であった…。
(タスクだらけ…忙殺だなぁ…)
一瞬、仕事をする手を止めたくなったが…3人の顔が頭にチラつき…その考えを払拭した。
「よし………やるぞ!」
パチンと自分の頬を叩き…気合いを入れ直してパソコンと向き合うのであった。
…………………………………………。
【一方その頃】
シュヴァル「…あ、あの…っ…本当にもう渡しに行くんですか…?」
アルダン「えぇ、今からトレーナー室に3人で向かいますし」
エース「今から慌てても仕方ないだろ~?
それに、トレーナーへの日頃の感謝と思えば渡せるだろ?」
シュヴァル「…わ、渡せま……うぅ…。」
チョコが入った包みで口元を隠すシュヴァル。
エース「そうこうしてるうちにトレーナー室に着いちまうぜ?」
シュヴァル「…うぅ……はい…っ…。」
アルダン「シュヴァルさん、深呼吸ですよ、深呼吸。」
シュヴァル「……わ、分かりました…っ………すぅ…はぁ…。」
エース「大丈夫そうだな、うしっ…じゃあ、行くか!
トレーナー、入るぜ!」
…………………………………………。
作業をしていると、ノックと共にエースが入ってきた。
チラッとその姿を確認したが、すぐパソコンの方を向き直った。
エース「お~、相変わらず忙しそうだな。」
「おかげさまでな…それで、どうしたんだ?」
シュヴァル「あ、あの…トレーナーさん…。」
アルダン「少々よろしいでしょうか?」
「アル?…それに、シュヴァルも…みんなしてどうしたの?」
何か大事な話があるようなので、パソコンを閉じて3人の方を向いた。
エース「まぁまぁ、ここに座ってくれよ」
「…?」
エースが椅子を指さし…素直にそこに座ることにした。
すると、両端に椅子を移して…アルダンとシュヴァルがそこに座った。
エースは俺の後ろに回り、立ちながら様子を見ていた。
「…えっと、なんかあった?」
アルダン「少しお疲れ気味だと思いまして…差し入れと…。」
シュヴァル「ふ、普段の感謝の気持ちを…込めました…。」
エース「これ、受け取ってくれ」
差し出されたのは…3色共に違う小包だった。
「これは…あっ…今日!」
ここで、今日が何の日か思い出した。
「嘘…3人とも!?」
まさか自分が貰えると思ってなかったからか、酷く驚いてしまった。
アルダン「ふふっ、大成功ですね。」
シュヴァル「ご、ごめんなさい…出来栄えに自信ないんですけど…」
エース「気持ちはめちゃくちゃ詰め込んだからよ!」
「いつの間に…本当にありがとう!」
感謝の気持ちを込めつつ…3つの小包を机に並べた。
「…おぉ…!」
開けてみると、3人が3人とも違うお菓子を作っていた。
「いただきます!」
アルダン「あらあら…ふふっ。」
3つとも一口ずつ頬張る。
甲乙付け難いが、1つ言えることは…。
「美味い!!」
シュヴァル「…良かったぁ…。」
エース「へへ、そんなに喜んでもらえて作った甲斐があったな!」
「本当にありがとうな、3人とも。」
アルダン「いえ、これもトレーナーさんへの感謝を思えば」
シュヴァル「は、はい…っ!」
エース「これからもよろしくな、トレーナー!」
「うん!これならこの後の仕事も頑張れそうだよ!」
シュヴァル「で、でも…無理はいけませんよ…。」
アルダン「ふふっ、お返しに期待しちゃいますよ?」
エース「おっ、それいいな!」
「ええっ!?…う、うん…期待してて!」
エース「……ぷっ、あはは!なんてな、嘘だよ、嘘!」
「…えっ?」
アルダン「ええ、お返しは…レースで勝てるようにサポートを今まで通りお願いしますね。」
シュヴァル「ぼ、僕も…お願い、します!」
「3人とも…分かった、任せてよ!」
エース「へへっ、アタシもアルダンもシュヴァルも…でっけい存在なんだな、トレーナーって!」
アルダン「はい、間違いありませんね♪」
シュヴァル「…ちょっとでも、僕の気持ちが…トレーナーさんの胸に残ってくれたら…その…嬉しいです…。」
「…あぁ、3人の想い、真っ直ぐ伝わってきたよ!」
にこやかに笑う3人を見て…頑張ろうと再び決心するトレーナーだった。
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