「どうしたの、話って?」
ある日、相談したいとシュヴァルから連絡を受けてトレーニング前に話をすることになった。
本人の希望でアルとエースにも同席してもらった。
シュヴァル「…すいません、貴重な時間を割いてもらって…」
アルダン「いえ、お気になさらず…それでお話したい事…とは。」
シュヴァル「…今後の事に、ついて……です。」
エース「今後の事?」
エースのオウム返しに、シュヴァルは小さく頷いた。
シュヴァル「…トレーナーさんは、今後の予定をどうお考えですか…?」
「もちろん、シュヴァルの意志を尊重するけど…俺は高いレベルのレースに出ても善戦出来ると思っている。」
シュヴァル「…つまり、クラシックレースを目指す…という事、ですか?」
「あぁ、さしずめそういう事になるな。」
シュヴァル「…………」
その返答に、シュヴァルは黙り込んでしまった。
アルダン(…もしかして…)
アルダン「シュヴァルさん、まだ自分の実力に自信が持てないとお考えですか?」
シュヴァル「………はい」
なるほど、だから言い出しにくかったのかと納得しつつ、理由を聞いた。
シュヴァル「…授業で、同期のみんなと走ったんです。
キタさんやクラウンさん…ドゥラメンテさん…みんな、眩しくって…
僕なんかが挑んでもって思ったら…足がすくじゃって…」
アルダン「…そうでしたか。」
エース「……………。」
今後、大きなレースを目指すと言うのであれば今上がった名前はシュヴァルにとってライバルになるのは目に見えている。
しかし、無理に挑ませて萎縮したままレースに出させるのも避けたい。
シュヴァルの考えも尊重しつつ…と考えてると、シュヴァルが口を開いた。
シュヴァル「…す、すいません…困らせてしまって…
ぼ、僕も…当然憧れてはいます…クラシックレース…''偉大なウマ娘''だったあの人も走ったレース…です、し…
ただ…やっぱり…おこがましいと言うか…。」
シュヴァルなりに考えもある…だとするならば…と、考えてると
腕を組んで真剣に考え込んでいたエースが話し始めた。
エース「良いんじゃねぇか?無理に目指さなくても」
シュヴァル「………えっ?」
アルダン「エースさん?」
エース「アタシにもよ、でっけぇ夢がある…でもそれはまだずっと先の話だ。
クラシックレースが全てじゃねぇからよ。」
シュヴァル「…は、はい…。」
エース「憧れを形にするには…まずは、自信をつけなきゃいけないな、トレーナー?」
こちらに促すように、質問をぶつけるエース。
「あぁ、まずは…重賞戦線を戦っていこう。」
シュヴァル「…重賞………わ、分かり…ました…。」
エース「シュヴァル」
シュヴァル「は、はいっ…!」
エース「笑われてもいい。バカにされたっていい。
…でも、そのでっけぇ夢や憧れ…常に持ち続けていこうな。」
シュヴァル「…エースさん…は、はいっ…ありがとうございます…。」
エース「悪ぃな、トレーナーさん。なんか勝手に仕切っちまって」
「いや、ありがとうな、先輩ウマ娘からの助言は説得力あるな。」
エース「…で、次はアタシからだ」
立ち上がるエース…そのまま、アルダンと対峙した。
アルダン「…エースさん?」
エース「聞いたぜ、アルダン…次、''大阪杯''に出るんだってな。」
アルダン「ええ、復帰戦としてトレーナーさんから、そちらのレースを選んでいただきまし─────」
エース「アタシも出るぜ、''大阪杯''」
「…えっ?」
エース「今決めた、アタシも出る」
「ど、どうしたの突然…!」
エース「追うべき背中がいる、手を伸ばしてでも掴みたい夢や憧れがある……それを体現したくってよ。」
「…………良いのか、2人とも?」
アルダン「……いつか、こういう日が来ると思ってました。
ですが、走る以上……手加減は致しません。」
エース「あぁ、全力でぶつかろうぜ…アルダン。」
シュヴァル(凄い…走る前から2人の勝ちたいって想いが込み上げてきている……)
「……分かった、じゃあ次のレースは2人とも出走しよう。」
シュヴァル(僕も……変わらなくちゃ…レースに対して…少しでも前を向かなきゃ……)
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