瑠璃色のキミ達と   作:A×K(アツシくん)

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表紙少し変えました。


第65レース~美しき星~

【23時過ぎ】

 

(寝れない……)

何度目かの寝返りで目を開けて携帯の画面を見る。

今日は何故か寝付きが悪かった。

 

「少し外の空気でも吸ってくるか…」

ゆっくりと体を起こし、外に出る準備をした。

 

 

 

「……流石にこの時間じゃ誰も居ないな。」

もうすぐ日付も変わる時間だからか、人気は全く無かった。

後ろを振り返りトレーナー寮を見ると、部屋の明かりが付いてるのは確認出来たが…外出するトレーナーは居ないようだ。

 

「とは言え、流石に長い時間出歩くのはいけないよな…」

しばらく歩いたら帰ろうと思いつつ、歩みを進めるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

【トレーニングコース】

「誰も居ないな……。」

気がつくと、コースまで足を進めていた。

普段ならウマ娘で賑わうトレーニングコースもこの時間だと静けさしか残っていなかった。

 

「……風が心地いいな。」

目を閉じ、吹き抜ける風に身を預ける。

しばらくその場に立ち続けていたら……。

 

 

 

 

 

コツ…コツ……。

 

 

 

「……えっ……?」

自分しか居ないはずなのに、後ろから聞こえくる音に思わず振り返ってしまった。

 

 

???「……アナタは……。」

そこには、あの日会ったウマ娘が居た。

 

「……何してるんだ、こんな時間に。」

と、言ってはみたが……自分も人のことは言えないだろうと内心思ってはいた。

 

 

???「……たまに、来るんです……夜の、ここに…。」

隣に並び、あの時のように天を見るウマ娘。

 

「……深夜外出届を出して、か?」

???「……ええ。」

確か、あの届出って簡単に承認されないはずだったが……。

 

???「…………………………あ……。」

「……?」

天に向かって、手を差し伸べるウマ娘。

その目は、憂いや願い……様々な感情が込められているようだった。

 

???「……流星って、素敵だと…思いませんか。」

「……え?」

???「一瞬の出来事で…何時出会えるかも分からない……

でも…願いを届けたいために…ずっと、眺めてくれる人がいる…。」

「……ああ、そうだな…。」

 

???「……私も…なりたいんです…そんな、存在に…。」

胸に手を置き、静かに目を閉じるウマ娘。

その想いを聞いた自分も、つられるように天を見上げた。

 

「……なれるよ、キミなら…根拠は無いけど…ただ、なれるって心から思うよ」

そう言って、俺はそのウマ娘に自分の着ていた服を羽織らせる。

 

 

 

「暖かくなってきたとはいえ、まだ冷えるから…風邪、引くよ。

届出をしてるけど…早いとこ、自分の部屋に戻りなよ。」

???「…………ありがとう、ございます。」

 

 

 

 

 

───────────────────

 

【次の日】

 

昨日の出来事を頭の中で回顧していた。

 

「願いを……か……」

 

シュヴァル「トレーナーさん…この所、何か悩んでる様子ですね…。」

アルダン「ええ、唸る場面を多く見かけます。」

エース「……んだあぁ!まどろっこしい、アタシが聞く!」

シュヴァル「えぇっ、あっ……エースさん…!」

 

エース「トレーナー!」

「ど、どうした……エース?」

 

エース「何か……あったろ?」

「……い、いや……何も?」

 

エース「………………………………。」

グッと顔を近づけ、目を見るエース。

段々とその視線に対して、目を逸らすと……エースがため息をこぼした。

 

エース「やっぱりな……言ってみろよ、力になるぜ?」

アルダン「えぇ、どうぞ遠慮なさらず仰って下さい。」

シュヴァル「は、話せば気が楽になりますよ…?」

 

「……そうだな、じゃあまず…もし…もし、だよ?

新しいウマ娘を担当に増やすって言ったら…みんなはどうする?」

その質問に、3人は顔を見合せた。

 

エース「どうするも何も…トレーナーはそれが仕事だろ?」

シュヴァル「な、仲間が増える事は良い事だと思います……

ぼ、僕も仲良くなれるように…頑張らないと…。」

アルダン「以前にもお伝えしましたが…今後のトレーナーさんの技量のためには、担当ウマ娘を持ち様々な視点をお持ちになることが大切だと私は思います。」

どうやら、3人とも肯定的な意見のようだった。

一先ずその事に安堵しながら、言葉を続けた。

 

「実は─────」

 

 

 

 

………………。

 

 

 

 

 

エース「…名前聞いた事ないウマ娘だな…高等部か?」

「……一応、資料だとそうなっているね。」

 

アルダン「お見かけする事も一度もありませんでしたね…。」

シュヴァル「で、でも……怪我しているんですよね…?」

「あぁ、だから……本人に来る意志があれば来て欲しいとだけ伝えた。

……傍から見たら怪しいかな?」

 

アルダン「いいえ、トレーナーさんの想いは伝わっているはずです。」

エース「そうだな、お人好しの体現って感じだしな。」

シュヴァル「……え、と…褒めてるんです……よね?」

 

「……そうか、なら…そう願いたいな。」

エース「アタシらからも声掛けた方がいいか?」

「いや、ひとまずそっとしておこう…まだどんな子かもちょっと分からないし…。」

シュヴァル「そ、そうですね…もしかしたら…こ、怖い人かもしれませんし……。」

アルダン「トレーナーさんにお任せしましょう。」

エース「ん、そうだな……しっかし、不思議な縁もあるもんだなぁ。」

 

「トレセン学園だしね…色んな出会い方があるよ。」

アルダン「えぇ、ですが…その全て…''今''という瞬間に感謝ですね。」

シュヴァル「……そう、ですね…感謝、してます。」

エース「まっ、それは違いねぇな、なんたって───」

 

 

コンコン。

 

 

突然、ノックが聞こえ……みんなしてドアの方を向いた。

「?……誰だろ、はい?」

 

???「…………………。」

「……キミは…。」

 

そこには、服を片手に…松葉杖姿でトレーナー室に来た昨日のウマ娘。

???「……こちらを。」

「……わざわざありがとうな。」

 

 

エース「……もしかして、アンタが…。」

「あぁ、さっきまで話してたウマ娘だ。」

???「………………………。」

自分の事を話してたと察した彼女は、3人の顔を見た。

 

???「……輝きに満ちた目をしていますね。」

シュヴァル「………えっ……あ、は、はい…。」

アルダン(なんでしょう…この感覚……不思議な気分です。)

 

???「…有意義な時間を遮ってしまい、申し訳ありません……では、私はこれで。」

エース「待てよ」

退室しようとしたウマ娘を呼び止めるエース。

 

エース「一応、自己紹介しとくぜ。アタシはカツラギエースだ。」

シュヴァル「……えっと……シュヴァルグラン…です。」

アルダン「メジロアルダンと申します。」

 

???「………………。」

再び3人の顔を見るウマ娘。

そして胸に手を置き、よろけながらも深くお辞儀をするウマ娘。

 

???「……既に存じ上げてるとは思いますが…私も。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「─────''テンポイント''、ターフに舞う走り星となると誓った…ウマ娘……です。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう、彼女の名は……テンポイント。

「……なぁ、やっぱりあの話…。」

テン「…評価してくれたこと、光栄に思っています。

ですが…先にもお伝えした通り…走るのも一苦労するウマ娘です。

この先、どうなるか分からないようでは、申し訳ないという気持ちが……。」

 

エース「それは自分で決めた限界って壁……だろ?」

テン「……。」

 

アルダン「えぇ、どんなに脆く…儚いと言われた脚でも…こうして輝けてるウマ娘がいるのも事実です。」

シュヴァル「その…諦めるには……少し、早い……かなって…。」

テン「……皆さん、お優しいんですね。」

「でも、どうするのか決めるのはキミ自身だ。

前にも言ったけど…本当に諦めたくないと思うならまたここに来て欲しい。」

 

テン「……そうですね、前向きに…検討しようと思います。」

そう言うと、テンポイントはトレーナー室を後にした。

 

 

 

 

エース「……不思議な奴だったな。」

アルダン「エースさんも、そう思いましたか。」

シュヴァル「な、何だか…ぼやけたとした感じです…。」

「……でも、あの目は本物だと…俺は思う。」

 

エース「トレーナーがそう思ったなら、突き進むだけだ。

アンタの真っ直ぐな目に間違いは無いからなっ!」

ニカッと笑うエース。

予想外の出来事に遭遇したが、 再びいつもトレーナー室の雰囲気に戻るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

テン「……担当トレーナー……です、か……。」




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