トレーナーとアルダンがイチャコラするだけです(おい)
「…わざわざオフの日にまで、トレーナー室に来なくても…」
アルダン「ここが落ち着くので、居るだけですよ。
どうか、お気になさらず。」
紅茶を啜りながら、書類作業に勤しむトレーナーを見るアルダン。
アルダン「それに…トレーナーさんの頑張っている姿を見るのも担当ウマ娘として大事なことだと思います。
…少し、お疲れのようですが、しっかり休息はとられているのでしょうか?」
「んー…少し、寝不足といえば寝不足…かも」
アルダン「どうかご無理だけはなさらずに。
お互いに、無理をしないように手を取り合うと約束した身です。」
「もちろん、アルダンを悲しませるようなことはしないよ」
彼女のためにも、早く作業を終わらせようとスピードを上げる。
アルダンも、そんなトレーナーの姿を見ながら本を読んでいた。
アルダン「時に…トレーナーさん。」
「ん?」
アルダン「少々、気になったことがあるのですが、よろしいでしょうか。」
「うん、どうした?」
アルダン「トレーナーさんは、担当ウマ娘を増やすつもりは、あるのでしょうか。」
「え?」
アルダン「いえ…他のトレーナーさんは、チームを作ったり
複数の担当になっていたりする場面をお見かけするので、ふと、気になった次第でして。」
「…うーーーん」
アルダンからの質問に、トレーナーは腕を組み唸って難色を示した。
「ないね」
しばらくして出た答えに、アルダンはピンと耳を立てた。
しかし、すぐにいつもの笑顔に戻る。
アルダン「理由をお聞きしても、よろしいでしょうか。」
「理由…理由かぁ」
アルダン「私の前に選抜レースに出てた精鋭たちも数多く居た中で、トレーナーさんが今こうして私と契約を結んだ理由が知りたく…。」
「…なんだろ、なんて言うのかな…こう…''違う''って思った、かな?」
アルダン「違う…と、言いますと。」
「もちろん、素質のいい娘だったり、レース走る前から話題だった娘もいたよ?
…けど、なんか自分の中では違ったというか…ピンと来るものがなかったというか…。
その点、アルダンは…なんかこう、引き寄せられる瞳をしてて、つい眺めたりしてて…って、何言ってんだ、俺…」
自分で言い始めた事なのに、最終的には恥ずかしくなり、頭を掻いた。
アルダン「ふふっ…そうだったのですか。
ですが、その経緯があったからこそ…''今''という時間が輝かしい物になっているのかも、しれませんね。」
「…だな」
話も一通り終わり、再び作業に戻ろうとした時だった。
アルダン「…トレーナーさん。」
スっと立ち上がったアルダンが背後に回り、手で顔を隠した。
「えっ、えぇっ!?」
アルダン「ふふっ、少し休息致しましょう。
今お茶を淹れますね。」
肩にそっと手を乗せて、休憩を促すアルダン。
そのまま流れるように紅茶を淹れ始めた。
「…ありがとな、アルダン」
アルダン「これくらい当然のことですよ。
…メジロアルダン特製の紅茶ですよっ。トレーナーさん好みの味付けにしました。」
「ありがとう、いただきます」
普通の紅茶より甘めに味付けされた紅茶が身に染みる。
「…美味しい」
アルダン「ふふっ、美味しそうに飲んでいただいて嬉しい限りです。
トレーナー業が大変なのは重々分かっておりますが…程々にお休みなさいませ。」
「ん、そうするね」
アルダン「………………。」
立ったまま、アルダンが元の位置に戻ろうとしない。
「どうした?」
アルダン「あっ…い、いえ、その…トレーナーさんって字がお綺麗なのだなと見入ってしまって。」
「そうかな?まぁ、トレーナーになるからには、これくらいは備えておかないとねって思ってたけど」
アルダン「''文字は人なり''と、言います。
きっと、トレーナーさんの優しさや思いやりの気持ちが字にも表れているのでしょう。」
「…なんか、そう言われると、恥ずかしいなぁ」
アルダン「…こちらは?」
「あぁ、これ?
トレーナー合格のお祝いにって自分に買ったプレゼントだよ」
ボールペンを手に取るアルダン。
市販の物より少し重みがあるボールペンを眺めていた。
アルダン「…………」
「気になったなら…あげようか?」
アルダン「い、いえ、そんな。
これは、トレーナーさんの思い出の品ですし…。」
「だからだよ」
アルダン「えっ?」
「思い出の品だから、アルダンと共有したいの
トレーナーになれた俺が、初めて担当になったウマ娘のメジロアルダンに」
アルダン「トレーナーさん…」
「なんて、ちょっとカッコつけちゃったな」
アルダン「…お心遣い、ありがとうございます。
では、しばらくの間、お借りするというのはいかがでしょうか。」
「ん、アルダンに使ってもらえてソイツも喜んでるよ」
アルダン「これが…トレーナーさんの…」
「どうした?」
アルダン「い、いえっ。なんでもありません。」
「とりあえず、ここまでやったら作業を切り上げるよ」
アルダン「はい、オフの日なのにお疲れ様でした。」
「アルダンが居たからか、進み早かったけどね?」
アルダン「ふふっ、私もトレーナーさんのお顔の変化を見れて楽しい時間でしたよ。」
「えっ、出てた…?」
アルダン「はい、難しそうな顔をしたり、真剣に考えた顔をしたり…トレーナーさんは嘘がつけないお方なのだなと思っておりました。」
「…ひゃー、参ったな…」
アルダン「ふふっ。」
……………………………。
【次の日】
パーマー「うげぇ~…課題多くな~い…?
マジ、マンデー…」
アルダン「パーマー、今日は水曜日ですし、今やってる課題は数学ですよ。」
ドーベル「あれっ、アルダンさん…そのボールペン新しく買ったんですか?」
アルダン「ああ、これですか……ふふっ、えぇ…ふふっ。」
ドーベル「?」
アルダン「とても大事な、思い出の品、ですよ」
ドーベル「そ、そうなんですか…(幸せそうな顔…)」
マックイーン(アルダンさんが、あんなにも明るくて優しい笑顔を…どうやら、トレーナーとの関係が良いのでしょう
前とは見違えるほど、今のアルダンさんは輝いて見えます)
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