エース「なぁ、トレーナーよぉ。」
ある日、エースが真剣な顔をしてこちらを見てきた。
「……な、何…どうかした?」
心当たり無いのだが、あまりにも真剣な様子に俺も緊張してきた。
エース「…分かるよな?」
「…な、何がでしょうか…?」
エース「今日が何の日かだよっ!」
「あぁ、分かってるよもちろん。」
エース「…まぁ、忘れるわけないよな、安心したぜ」
「でも、どうして急に?」
エース「…アルダンがそわそわしてたからよ…もろろん、他のウマ娘からもお祝いされてたけどな」
「…そっか、本人来たらちゃんと渡すよ。」
エース「その為に!」
「うお、びっくりした。」
エース「アタシとシュヴァルとテンの今日のトレーニング教えてくれよ。
アルダンと2人きりになりたいだろ?」
「わざわざ気を使ってくれてありがとうな。」
エース「トレーナーとアルダンは1番付き合い長いからな、これくらいはしてやらねぇとなっ。」
そう言って、エースは明るく笑った。
……………………………………。
コンコンっ。
「はい、どうぞ。」
ノックをする人物は1人しか居ないだろう…その相手は、もちろん…。
アルダン「失礼します、トレーナーさん。」
「お疲れ様、アル。」
トレーナー室に入ったアルダンは、すぐに違和感に気付いた。
アルダン「……他の方々は、どうなさいました?」
「みんな先にトレーニング行っちゃったよ。」
アルダン「まぁ、それはいけません…すぐに私も向かわないと。」
【トレーニングコース】
シュヴァル「…トレーナーさん…大丈夫ですかね…。」
エース「不器用だけど大丈夫だろ」
テン「…トレーナー様からお祝いされることは…何よりも幸せな事と私は思います。」
アルダン「…と、言いますと…。」
何か意味ありげなトレーナーの様子に、アルダンは気がついたのか…
ふふっと笑いだした。
「…な、何笑ってるのさ。」
アルダン「…いえ…ふふっ。」
「はぁ…隠せないな。」
諦めて頬を掻きながら、奥からとある物を取り出す。
「……アル、これ。」
アルダン「…ふふっ、こちらは?」
「…その…誕生日プレゼント…だよ。」
アルダン「まぁ…いいのですか。」
「アルにあげたいから…必死に選んだから…受け取って欲しい。」
アルダン「えぇ…もちろん、喜んで受け取りますわ。」
少しからかうように笑った後…アルダンは俺からのプレゼントを受け取った。
アルダン「…開けてもよろしいでしょうか?」
「…もちろん。」
アルダンが中を開けると…そこには。
「…………。」
アルダン「…まぁ。」
中に入ってたのは…宝石があしらわれたチョーカーだった。
「…その…アルの勝負服に似合うなって思って…へ、変だったかな…?」
アルダン「いいえ、とても素敵なプレゼントだと思います…ただ…。」
「…た、ただ…?」
アルダン「…いえ、何も。(トレーナーさんは…このプレゼントを選んだ意味…お分かりなのでしょうか。
…いえ、分かってなくても…私は、元よりそのつもりです)」
チョーカーを手に取り、アルダンが首元をさらけ出した。
アルダン「トレーナーさん、お付けしていただいても。」
「ああ、もちろん。」
アルダンの後ろに回り、チョーカーを付ける。
「苦しくない?」
アルダン「えぇ、大丈夫です。」
装着されたチョーカーに手を添えるアルダン。
アルダン「…勝負服のブローチと同じくらい、大切な物が出来てしまいました。」
「それは良かった。」
大事そうに目を細めるアルダンを見て、俺も送ってよかったと心から思った。
すると、アルダンが手に握ってきた。
「…アル?」
アルダン「大変申し上げにくいのですが…もう1つ、よろしいですか?」
「何かな、言ってごらん?」
アルダン「ありがとうございます。
…その、ですね…トレーナーさんは、去年の夏合宿を覚えてますでしょうか。」
「もちろん、覚えてるよ。
あはは、そう言えばまだ担当がアルだけの時だったね、そういえば。」
アルダン「…その時の続きを…したいのですが…。」
「…続き?なんかあったっ─────」
考える俺の顔を掴み…そのまま、アルダンは軽く唇を重ねた。
「─────!?」
咄嗟の出来事に、目が点になる中…アルダンは顔を離して小さく呟いた。
アルダン「…忘れられない誕生日になりました…///」
その顔は、今まで見た中で1番真っ赤だった。
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