そして、そんなラモーヌさんが登場します。
「…お茶会?」
アルダン「ええ、以前は定期的に開かれていたのですが
ここ最近は、なかなか時間が合うことも無かったですが、この度お茶会をすることになりまして
トレーナーさんにも、ぜひ、と思いまして。」
(…メジロ家のお茶会、かぁ…)
自分が行ってみた風景を想像してみる。
…うん、まあ、場違いというか、浮き足立つっていうか…。
アルダン「ふふっ、そんなかしこまらなくても大丈夫ですよ。
ただのお茶会なので。」
「アルダンがそう言うなら…」
まあでも、考え方によっては…メジロ家のウマ娘を指導してるトレーナーさん達とお話できると思えば、有意義な時間にもなる、か。
アルダン「では、週末に。」
「うん、分かった」
…………………………………。
【週末 メジロ邸】
アルダン「どうぞ、トレーナーさん」
「お邪魔…します…」
アルダンの後について、メジロ邸の中を歩くが…。
(ひ、広っ…!!)
想像の3倍は大きかった。
使用人の数とかも想像を越していて、分かってはいても、あちらこちらに目がいってしまう。
(これははぐれないようにしないとな…)
しばらく歩くと、アルダンが重厚な扉を開いた。
アルダン「お待たせしました。」
マックイーン「アルダンさん、お待ちしておりましたわ。
…えっと、お誘いしたという方は…。」
ブライト「まぁ…まあまあ~…っ」
ドーベル「……!」
「…え?」
座っているウマ娘達を見て固まった。
世代を代表するエレガントステイヤーことメジロマックイーン。
メジロの新たな威光ことメジロブライト。
新時代の女傑との呼び声高いメジロドーベル。
パーマー「おっ、お客さん~?」
アルダン「はい、私の大事なトレーナーさん、ですわ。」
ライアン「それはそれは!ようこそ、メジロ家のお茶会へ!」
後ろには、トップオブパワーガールことメジロライアン。
さらに、メジロのジョーカーことメジロパーマーが立っていた。
「…えっ、あ、あの~…」
マックイーン「ふふっ、アルダンさんが参加させたい人が居ると行ってきた時は驚きましたが…そういうことでしたの。」
アルダン「はい、この場を借りて…トレーナーさんのことを紹介したいと存じておりましたので。」
ライアン「アルダンさんの調子はどうですかっ、トレーナーさん!」
パーマー「あはは、ライアンの方が盛り上がってんじゃ~ん」
「…えっと、アルダン?」
アルダン「…はい?」
「トレーナーって、俺だけ?」
アルダン「えぇ、そうですが。」
…マジか。
アルダンのトレーナーって事で変に注目されて視線が一点に集まっている。
正直、お茶会どころじゃない。
アルダン「トレーナーさんは、それはそれは優しく、常に私のことを第一に考えてくださいまして…今こうして元気で居られてるのは、トレーナーさんの努力のおかげです。」
ブライト「アルダンの顔が、ほわわ~ってなってるのを感じますわ~」
パーマー「だねっ…って、ドーベル?なにをメモしてるの?」
ドーベル「な、何も!!(参考にしよ…)」
アルダン「ふふっ、いかがです、トレーナーさん。
とっても賑やかで楽しいお茶会だとは思いませんか。」
「うん、賑やかだし…それに…」
アルダン「?」
「アルダンがずっと笑っているのが、なんだか嬉しくて」
アルダン「もう、トレーナーさんったら…。」
昔話や、アルダンの近況を話して盛り上がってる時…事件は起こった。
重厚な扉が開いた。
マックイーン「あら、またお客様ですの?」
ライアン「もう誰も来ないはずだけど…」
その先に居たのは…。
ドーベル「えっ…」
ブライト「…ほわ~…」
アルダン「!」
反射的に立ち上がるメジロ家のウマ娘達。
そこには…気品に溢れたウマ娘が立っていた。
「…メジロ…ラモーヌ…」
ラモーヌ「…………」
まだアルダンと契約を結ぶ前の資料で見たことがある。
メジロ家の至宝で…史上初のトリプル・ティアラを成し遂げたウマ娘。
(…実際に見ると、こんなに気品とオーラに溢れてるなんて…)
マックイーン「ら、ラモーヌさん…今日はご予定があって参加出来ないとお聞きしたのですが…」
ラモーヌ「早めに終えたから戻ってきたわ…私が参加するのは可笑しい?」
マックイーン「い、いえっ、そんな!」
あのマックイーンですら、たじろぐくらいなのか…メジロラモーヌは…。
ラモーヌ「…アルダン、その方が」
じっとこちらを見るラモーヌ。
何だが、品定めされてる気分だった。
(って、無理もないよな…自分の妹を管理するトレーナーだもんな)
アルダン「…姉様、こちらが私の担当トレーナーさんです。
私の脚に…輝きを見出してくれた、とても大事な、トレーナーさんです。」
グッと、合わせた手に力が入るアルダン。
彼女の横に立ち、ラモーヌを見据える。
ラモーヌ「……………………」
しばらく眺めた後、ラモーヌが指を差してきた。
何か言われるだろう…そう思った時だった。
ラモーヌ「あっち向いて、ホイ」
「えっ?」
誘導されるように、右を向いてしまった。
アルダンと顔が合う…お互い何とも腑抜けた顔をしていた。
ラモーヌ「………」
なにがなにやら…と考えてる合間に
ラモーヌがこちらに歩み寄って────────
ガシッ。
「へ?」
ラモーヌ「……。」
「いだだだだだ!!」
何故か思い切りヘッドロックをされた。
アルダン「ね、姉様…っ!?」
マックイーン「ラモーヌさん…!?」
これには、さすがのアルダンも焦っていた。
というか、焦った顔とか初めて見たかもしれない。
パーマー「うわぁ、痛そ~…」
ライアン「トレーナーさん、無事だといいね…」
ラモーヌ「…………ふぅ」
しばらくの拘束の後、何とか離してもらえた。
アルダン「トレーナーさん、大丈夫ですか。」
「…な、なんとか…」
アルダン「えぇ、と…姉様なりのコミュニケーションと言いますか…。」
ラモーヌ「アルダン」
アルダン「は、はい!」
ラモーヌ「…良い目をしてるわね」
アルダン「…えっ…」
ラモーヌ「希望で満ち溢れてる目をしてるわ」
アルダン「…はい…今の私は、毎日が今という瞬間が楽しく…幸せで心から嬉しく思っています。」
ラモーヌ「……………………」
アルダンの答えを聞いたラモーヌが小さく息を吐いた。
そして、何回か手を叩いた。
すると、背後に颯爽と使用人が数名現れた。
ラモーヌ「赤飯よ」
「…へあ?」
ラモーヌ「できるだけ多く用意しなさい」
アルダン「ね、姉様…そういった意味ではなく…。」
ラモーヌ「あら、愛しい人ではなく?」
アルダン「…あぅ…それ、は…。」
答えが出ないまま、アルダンは頭を抱えるのであった。
………………………………。
その後、本当に用意された赤飯を何故か食べていた。
と言うよりも、用意しろと言った張本人がなんか凄く食べてた。
(帰る前に、御手洗借りようかな…)
パーマー「お、どったの?」
「お花摘みって言った方がいいのかな…こういう時」
パーマー「へ?…ああ、御手洗?
あはは、そんな所まで合わせなくて大丈夫だよ~
えっとね、ここを出て真っ直ぐ行ったら右にあるよ」
「ありがとう、助かったよ」
アルダン「…あら、トレーナーさんは…。」
パーマー「ちょっと席を外すってよ~」
アルダン「そう、ですか。」
ブライト「それで、アルダンはトレーナーさんのことをどう思ってらっしゃるのですか~?」
ライアン「ぶ、ブライト!直球すぎるって!」
ブライト「そうでしょうか~?
お2人を見てると、とてもほわほわしていたので、つい~」
ラモーヌ「…で、どうなの?」
アルダン「…言葉では、言い表せないのですが…。
その、私の…永遠を捧げても良いと…思いました…。
それくらい、真っ直ぐで…優しくて…わ、私、トレーナーさんを探してきますね!」
逃げるように部屋を後にするアルダン。
ラモーヌ「黒ね」
ドーベル「で、ですね…」
……………………………………。
「…しまった…。」
来た道を戻るだけなのに、見事に迷ってしまった。
(誰か人に遭遇したら道を教えて貰おうって思ったけど…)
広い廊下に、人の気配は全くしなかった。
「仕方ない、アルダンに連絡するか…」
携帯を取り出そうとしたときだった。
???「だーれだっ」
「!?」
いきなり後ろから目を塞がれた。
…これ、前にも…。
「アルダン」
アルダン「ふふっ、正解です。」
振り返ると、アルダンがくすくすと笑っていた。
「探しに来てくれたのか?」
アルダン「はい、おひとりで歩き回るには、少々手を煩わせているのだろうと思いまして。」
「ありがとう、助かったよ」
アルダン「ふふっ、ですが…また可愛らしいトレーナーさんの一面を見てしまいましたね。」
「まさかこう何度も、引っかかるとはね…。」
たまには…いいかな?
なんて考えよりも先に行動に移していた。
「えい」
アルダン「わぷっ…と、トレーナーさん…?」
優しくアルダンのほっぺ掴む。
予期していなかったのか、アルダンは困った顔をしていた。
アルダン「きゅ、急にどうされたのですか…っ。」
「俺もアルダンの可愛いところ見ないとお互い様じゃないかなって」
クスッと笑い、手を離す。
アルダン「も、もう…トレーナーさんったら…。」
しかし、やはりアルダンの方が上手だったらしく…。
アルダン「そういうのは…こんな所ではなく、2人きりの時に…ですよ?///」
「…っ……あ、あぁ、そう…だね~…!」
気まずくなった2人は、互いに視線を外すしかなかった。
ライアン「じゅ、純情だ~…!」
ドーベル「全く…場所忘れてるでしょ、完全に」
ラモーヌ「ええ、同感よ、マックイーン、蹴ってきなさい
噂によるとトレーナーにキックする娘が多いそうよ」
マックイーン「あの方と一緒にしないでくださいまし?!」
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