瑠璃色のキミ達と   作:A×K(アツシくん)

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ラモーヌ来ませんでした、マー。


アルダンシナリオの7話を後の方に持っていきました。


第9レース~始まりはいつも、突然に~

ある日、自室でくつろいでいると

トレセン学園から一通のメールが届いた。

 

「メール…なんだろ?」

メール【学園所属の全トレーナーに告ぐ!

近日、諸君の未来に関わる重大発表がある

 

必ずチェックするように!

トレセン学園理事長 秋川より】

 

 

「重大発表…ねぇ…」

 

 

 

コンコンっ。

「来客…?はーい。」

アルダン「失礼します、トレーナーさん」

「あ、アルダン?どうしたの…?」

 

メール画面を閉じて、部屋に入ってきたアルダンの方を見る。

アルダン「いえ、その…大した要件では無いのですが。」

確か今日は、オフだったはず…。

連日練習が続いてたので、急遽オフにしたのだけれど…。

 

アルダン「その…お願いがありまして。」

「…お願い?俺に出来ることなら、何でもするけど…」

 

アルダン「ありがとうございます。では、こちらに。」

要件を言わないまま、アルダンがソファーに座った。

 

アルダン「トレーナーさん、隣にどうぞ。」

「隣…隣…???」

クスッと笑い、隣のスペースに手を置くアルダン。

…一体、何を考えているだろうか?

 

「…えっと、お邪魔します?」

アルダン「ご自分のお部屋なのにお邪魔しますなんて、おかしなトレーナーさんですね♪」

何故か緊張してる俺を見て、笑うアルダン。

そんな中、アルダンの尻尾が俺の太ももの上に乗っかってきた。

 

 

「え?」

アルダン「ぜひ、トレーナーさんに尻尾の手入れを…と、思いまして。」

「え、ええっ…!?」

想像してた要求よりも思い切りハードなのがきて驚いてしまった。

…と言うよりも、簡単に触っていいもの…なのか?

 

(そりゃ、ウマ娘のケアについての講習は受けてきたけど…)

眼前に揺れる尻尾は、早くしてほしいと催促しているようだった。

 

「えっと…こう、か?」

慣れない手つきで始めると、アルダンは静かに目を閉じた。

 

アルダン「とてもお上手です、トレーナーさん。」

「あ、ありがとう…でも、なんで急に?」

 

アルダン「…………。」

「アルダン?」

 

アルダン「トレーナーさん、知っていますよ。

もうすぐ、私をジュニア級のデビュー戦に出走させようかとけんとうしていることを。」

「…!」

時が来たら、言うつもりだった。

アルダンの脚や身体の状態を見て、判断しようと思ってたが…。

 

(また顔に出ていたか…)

アルダン「良いんです、私も早くデビューしたい…そう考えていましたから。

ですが…デビューしたら、雨風にさらされ、時には全身泥だらけになり服が汚れることも、あると思います。

だからこそ、今…この瞬間、大事なこの時だからこそ、トレーナーそんに手入れをして欲しいと思いまして。」

「…いつでも手入れはしてやるさ、俺たちの道はまだまだ始まったばかりだから」

アルダン「…ありがとうございます、トレーナーさん。」

 

穏やかな顔で、再び目を瞑るメジロアルダンだった…。

 

 

 

 

────────────────────

 

 

【数日後】

 

メールに書いてあった通り、メディア関係者が集まる物々しい雰囲気の中、秋川理事長が登場した。

 

秋川「感謝ッ!メディア諸君、よく来てくれた!

静聴ッ!このたび、わたしが提案するのは──────」

たづな「あのっ、理事長~…!

登壇してお話しないと、お姿が…!」

秋川「むっ、そうであったな。失念、失念ッ!」

 

 

秋川「────よしッ、これでよいな。

では、改めて!」

秋川「提言ッ!

トレセン学園理事長の名において、ここに─────」

 

 

秋川「新レース、''URAファイナルズ''の開催を宣言するッ!!!」

 

ざわ………ざわざわ…っ!!

突然の発表に、周りのざわつきは大きくなった。

 

記者「URAファイナルズ…!?新しいレース…!?」

記者「秋川理事長!

''月刊トゥインクル''の乙名史です。ご質問よろしいでしょうか?」

 

そんな中、1人の女性記者が手を挙げた。

秋川「許可ッ!何かね、乙名史君!」

乙名史「ありがとうございます、では────

新レース設立との事ですが、こちら、どのようなお考えによるものでしょう?」

 

その質問に、理事長はニヤリと口角を上げた。

秋川「僥倖ッ!よくぞ聞いてくれた!!」

 

秋川「''URAファイナルズ''とは、言うなれば

''全てのウマ娘にチャンスを与える''レース。」

秋川「あらゆるウマ娘が、己の全力を以て頂点を!最強を!トップの座を!

競うことが出来るレースなのだッ!」

 

(全てのウマ娘…チャンスを…)

その時、脳裏にはアルダンの姿が思い浮かんだ。

彼女の輝きを、もっともっと強くかけがえのないものにするために…このレースは必要なんじゃないか、と。

 

その返答を聞いた乙名史記者も笑い始めた。

乙名史「ふ、ふふっ…ふふふふ…っ!

これは…これは面白いことになってきました~……!!」

 

突如として開催が発表されたレース、URAファイナルズ。

レース界に大きな衝撃を与えた会見発表直後、今度はトレセン学園内の面々に向けた説明会が行われた。

 

 

 

アルダン「……………。」

その隣には、もちろんアルダンが居た。

 

 

ベテラントレーナーA「URAファイナルズ…か…

大丈夫かしら、新レース設立なんて大きなことをやって。」

ベテラントレーナーB「そうだよなぁ…理事長って言ったって、まだ子供だもんなぁ。

先代は本当に優秀な方だったけれど、必ずしも娘が有能ってわけじゃ─────」

 

たづな「お話中のところ、申し訳ございません。

質疑応答の時間は、説明の後に設けますので

何かあれば、その時にお訊ねくださいね?」

トレーナーたち「たづなさん…!し、失礼しました!」

 

色々な声はあったが、アルダンはじっと前を向いていた。

アルダン「…トレーナーさんが、どうお考えなのか分かっております。」

「…アルダン」

 

アルダン「輝きたい…今という時間を、自分ができる限り精一杯生きて伝えたい…それが、私の権利であり…願いですから。」

「…あぁ、全く同じだよ、さすがだねアルダン」

 

アルダン「永遠を共にする覚悟を決めたトレーナーさんのことはお見通し、ですよ。」

柔らかい笑顔で笑うアルダン。

その目は穏やかで…自分の想いを叶えてくれるという強い信頼を伝える目をしていた。

 

 

 

 

秋川「諸君ッ!

…急な発表に戸惑い、不安を感じた者も多いだろう。

だがッ!まずは聞いてくれたまえ!URAファイナルズの意義をッ!」

 

場内「…意義…???」

目を閉じて…何かを決意したかのように、目を開けると同時に声を上げる理事長。

 

秋川「諸君ッ!!!!!」

秋川「──────悔しい想いを、したことないか?」

 

秋川「''グランプリ''に勝ちたい!

''ダービー''を取りたい!最強ウマ娘になりたい!

そう思っても────────」

秋川「距離やコースへの適性がどうしても合わず

己の実力すら発揮できずに終わったことは?」

 

秋川「自分の真の力は、担当ウマ娘の力はこんなもんじゃない。と唇を噛んだことは!?」

 

 

アルダン「………!」

その言葉に、アルダンは思わず手に力を込めた。

…よく見ると、少し震えていた。

 

 

「…アルダン」

その手に…触れる。

 

アルダン「…っ…トレーナーさん…。」

「想いは、同じだよ」

アルダン「…はい、ありがとうございます。」

落ち着いたのか、アルダンの震えは止まっていた。

 

秋川「諸君ッ!わたしが目指しているのは

''レースを志す全てのウマ娘が輝く世界''だ!」

秋川「走るウマ娘の輝きとは、即ち意志の激突ッ!

ウマ娘たちが全力で頂点を競い合い、輝きを放ち合うことこそ我が理想ッ!」

秋川「畢竟ッ!全てのウマ娘が全力を発揮できる

その舞台を!わたしは用意したいのだ!!!」

 

 

 

「…理事長…」

秋川「普段のGIであれば、距離やコースはレースによって制定されているもの。

────────だが!」

 

秋川「刮目ッ!

URAファイナルズにおいては、''全ての距離''、''全てのコース''を用意する!」

 

アルダン「…全て…。」

秋川「参加資格を得られるのは、グランプリレース同様

ファン投票で選ばれたウマ娘!」

秋川「即ち、トゥインクル・シリーズにて活躍し

多くのファンを獲得した代表的なウマ娘─────

スターウマ娘にのみ出走権が与えられる!」

 

秋川「ウマ娘諸君ッ!

己が全力で走れる舞台、URAファイナルズのトップ───

''ファイナルズ・チャンピオン''の称号を掴んでみないか!?」

秋川「トレーナー諸君ッ!

己の担当ウマ娘の才能を全力で伸ばし────

初代チャンピオンの栄誉に輝かせてやりたくはないか!?」

 

秋川「さあッ!皆、3年後の新年に初開催されるレースに向けて

ファンを獲得し、スターウマ娘となるのだ!」

秋川「激励ッ!期待ッ!

わたしは─────諸君の活躍を待っている!」

 

 

 

 

 

 

……………………。

 

 

 

 

【その帰り道】

 

 

アルダン「ふふっ」

「?」

 

アルダン「いえ、何だが…賑やかなことになってきたな、と…

ふふっ、少々嬉しく感じておりまして。」

「だな…とりあえず、俺たちは俺たちに出来ることを頑張ろう。」

アルダン「はい。

トレーナーさんのご指導、改めてよろしくお願いしますね。」

 

「しっかし、ファンの数ねぇ…''今''の人数からどれだけ増えるのかちょっとワクワクする部分はあるよね」

アルダン「今…ですか?

そう言ってくれるのは嬉しいのですが、まだデビュー戦を走ってない私にファンなど────────」

「いるじゃん、ここに1人」

アルダン「…ぁ…」

「トレーナー兼ファン…みたいな?」

 

アルダン「…もう、トレーナーさんったら。」

「あはは、ごめんごめん」

アルダン(でも…この優しさが…私を救ってくれた…

今も…そして、これからも…きっと…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アルダン(…あぁ、私はきっと…これからもっとこの優しさを求めてしまうのでしょう…。)




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