瑠璃色のキミ達と   作:A×K(アツシくん)

92 / 183
ちょっと史実よりも時期尚早ですが、お許しを。


第89レース~可能性~

夏合宿が終わり、あっという間に1ヶ月が経った。

アルダンを始め、チームジュピターが訪れたのは京都レース場。

今日は、テンポイントの2戦目となるPre-OPのレースが行われる。

 

テン「………………すぅ…………はぁ。」

エース「気合い十分って顔してるな。」

息を整え、リラックスした雰囲気のテンポイントに声をかけるエース。

 

テン「……エースさん…はい、ありがとうございます。」

シュヴァル「……で、でも…大丈夫なんですか…?

今回、1400mって短距離レースですけど……。」

 

前回が1000mのレースで、今回は400m距離が伸びた。

しかし、テンポイントは何処吹く風…と言った表情で…。

 

テン「問題ありません、トレーナー様が短距離メインに…と言うのであればそちらに従うまでです。

私は、与えられたレースをただ駆け抜けるのみ…ですから。」

アルダン「頼もしいですね、トレーナーさん。」

「あぁ……だけど、無理はするなよ?」

テン「はい、お心遣いありがとうございます、トレーナー様。」

 

すると、レース係員がテンポイントを呼んだ。

テン「……では、行ってまいります。」

「ああ、スタンドから見てるからな。」

エース「かましてこい!」

シュヴァル「が、頑張ってください……!」

アルダン「ご健闘を。」

 

 

テン「……トレーナー様。」

「ん、何だ?」

ドアに手をかけた瞬間、テンがじっとこちらを見てきた。

 

テン「…貴方の願いを…託してください。」

「…?」

一瞬、言われた事を理解するのに時間がかかってしまった。

 

テン「…私は、貴方だけの流星…ですから。

その願いを…何時でも叶えたい…そう思ってますから。」

「…ん、そうか…じゃあ…無事に帰ってこいよ、テン。」

 

テン「…はい、分かりました。」

テン「─────その真っ直ぐな瞳が、私は大好きです…。

「?」

 

テンポイントが何か言ったのだが……

聞こえなかった俺は首を傾げるしか無かった。

 

 

 

 

 

 

 

───────────────────

 

 

 

 

 

 

実況「14人のウマ娘、ゲート入りはスムーズです。

人気は10番のテンポイント。前走の圧勝劇も記憶に新しいところです。

今日はどんなレースを見せるのか、期待しましょう。」

 

 

テン「……(あのウマ娘達も、見ているのでしょうか。)

───いえ、私は…トレーナー様の願いのために…走ります。」

 

 

 

 

 

ガッコン!

実況「今スタートしました!

横に並んだ綺麗なスタートからまずは誰が抜け出してくるのか!」

テン「…なるほど……でしたら…!」

 

実況「おぉっと、テンポイントがやはりハナに立った!

後ろをちらっと確認し、自分のペースに落とし込むのか!」

テン「……私は…星……ただ、トレーナー様の目に映る…眩い…流星…っ!」

 

実況「稍重の芝コースを駆け抜ける14人のウマ娘!

勝負は最終コーナーを回って、いよいよ直線コースへと差し掛かる!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

テン「……やぁああああっ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目を見開き、気合一閃…踏み込んでスパートを駆けるテンポイント。

そのスピードは瞬く間にリードを広げていった。

 

実況「強い強い、テンポイント!独走だ!

リードは広がる一方だ!」

 

 

テン(速く、速く…っ!駆けろ……っ……私…っ!!!)

実況「テンポイント、大楽勝で今ゴールインっ!!!

着差は─────なんと驚きの、9バ身差だ!!」

 

テン「はぁっ、はぁっ……っ!!」

まだまだ走れる…そんな風に体現するかのように目を走らせるテンポイント。

テン「……トレーナー…様…。」

スタンドでレースを見ていたトレーナーを見かけたテンポイントは

いつもの様に片膝をついて、胸に手を置き…最敬礼した。

 

エース「……なぁ、トレーナー?」

「どうした?」

エース「アイツ…もっと長い距離走れるんじゃないか?」

シュヴァル「あっ…ぼ、僕も思いました…。」

 

確かに、スピードは天性の物だ。

加えてレース前の言動からすると

恐らく中距離レースを走ると言っても本人は拒否もしないだろう。

 

「……まずは本人の意思の確認だ。

そしてスタミナトレーニングも積ませないと……な。」

アルダン「えぇ…ですが、きっと…彼女はまだまだ伸びますよ。」

「……あぁ。」




評価・感想・お気に入り登録
よろしくお願いします。
(今回からお試しも兼ねて多機能フォームを使ってみました)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。