瑠璃色のキミ達と   作:A×K(アツシくん)

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第95レース~残り少ない時間を胸に~

【エリザベス女王杯 当日】

 

観客A「秋シニアも楽しみだけど、このレースも豪華なメンバーが出るんだよなぁ!」

観客B「そうそう!ダイワスカーレットにファインモーション…それから…」

 

観客A&B「「''メジロラモーヌ!!''」」

 

 

 

 

【控え室】

 

アルダン「……………………。」

「大丈夫か、アル?」

 

アルダン「…えっ…あっ、は、はい…。」

「もしかして、調子悪いのか?…だったら──」

 

アルダン「いいえ、何も問題ありません。

お気遣いありがとうございます。」

「そうか、緊張すると思うけど、自分らしくな。」

アルダン「…はい。」

 

エース(…違うぞ、トレーナー…アイツ(アルダン)は…)

シュヴァル(…言い出し…にくい…)

テン(…もどかしいですね。)

 

アルダン「…では、行って参ります…トレーナーさん。」

「あぁ、行ってらっしゃい…アル。」

 

 

 

 

 

【地下バ道】

 

アルダン「…………………。」

靴の音が、静かな地下バ道に響く中…1人のウマ娘がアルダンを待ち構えていた。

 

ラモーヌ「─────アルダン。」

アルダン「…姉様…。」

そこに居たのは、実の姉であり…。

メジロ家の至宝と呼ばれる''メジロラモーヌ''だった。

 

ラモーヌ「嬉しいわ、久々の出番で─────

…なんて、冗談を言ってる暇は無いわね。」

アルダン「……はい…。」

 

ラモーヌ「…''あの話''…本気なのね、貴女。」

アルダン「…はい、気持ちに変わりはありません。」

 

それは、エリザベス女王杯を走る前にアルダンがメジロ家の面々に話した。

''とある事''について、だった。

 

─────それを聞いたメジロ家のウマ娘からは…。

マックイーン「…そう、ですの。」

ライアン「本気…なんだね。」

ドーベル「アルダンさんの考えだから否定はしないけど…。」

ラモーヌ「………………。」

一定の理解は得られつつも、青天の霹靂と言った様子だった。

 

ラモーヌ「自らが選んだ道…だけれど、しっかりと向き合うのよ。」

アルダン「…はい、トレーナーさんに…然るべき時にお話しようと思っています。」

 

すれ違う際に、アルダンが言葉を続けた。

アルダン「…姉様と同じ道を辿る…''今''というこの瞬間に感謝をしつつ…

私の成すべき事をレースで示します。」

ラモーヌ「───えぇ、期待してるわ。」

 

 

実況「晴れ渡る空のもと行われる。

京都レース場 芝2200…16人のウマ娘がGIレースに望みます。」

アルダン「…………すぅ…良し…。」

 

実況「各ウマ娘、ゲートに入って体勢整いました。」

──ガッコン!

 

実況「今スタートが切られました!

各ウマ娘、そろってキレイなスタートを切りました。」

アルダン(ここは外から様子を見て…大丈夫、周りを見れている…)

 

実況「メジロアルダン、5~6番手で様子を見ている。

ここは、姉メジロラモーヌも制したレース、果たして妹はどのようなレースを見せるのか!」

アルダン(まだ…まだ…このペースなら…いつもより遅めに仕掛けて…!)

 

 

 

 

エース「落ち着いてるな、アルダン。」

シュヴァル「ちょっと、いつもより表情が険しい気も…。」

テン「…アルダンさん。」

 

 

実況「さぁ、まもなく第4コーナー!

まだ先頭と差がある!ここから先頭を捉えるウマ娘は出てくるのか!」

アルダン「……ここっ!!」

 

実況「さぁ、仕掛けた仕掛けた、メジロアルダン!!

先頭に迫る迫る!2バ身、1バ身!捉えたか!!メジロアルダン!」

エース「おぉっ!」

シュヴァル「頑張れ、アルダンさん…っ!」

テン「いけます…っ!」

「……アル…っ!」

 

実況「抜けたのはメジロアルダン!姉妹揃っての、エリザベス女王杯戴冠っ!!

先頭は、メジロアルダンだっ!!!!!」

観客「ワァァァァァァーーーッ!!」

 

実況「強いウマ娘が強いレースをする。

これぞトゥインクル・シリーズの醍醐味だ!!」

アルダン「はぁっ…はぁっ……やった…っ…!」

 

エース「よーしっ!ナイスだぜ、アルダン!」

シュヴァル「凄い…勝っちゃった…。」

「…ほっ。」

テン「一安心ですね、トレーナー様。」

「…あぁ、良かったよ…本当に。」

 

 

歓声を浴び、それに対してしっかりと応えるメジロアルダン。

その姿は、正しくメジロ家に相応しい物だった。

 

 

 

 

 

 

 

……………………………………………。

 

 

 

【控え室】

 

「アル、お疲れ様!」

アルダン「ありがとうございます、トレーナーさん。」

 

座って一息つくアルダンの頭を撫でながら優勝を祝福する。

戸惑いつつも、しっかりと受け止めるアルダン。

 

アルダン「…そして、トレーナーさん…次のレース…なのですが…。」

「…気が早いな…次か?次は確か─────」

アルダン「…えぇ…''マイルチャンピオンシップ''…です。」

「そうだな、連続で勝てるように頑張───」

 

アルダン「それが、私のトゥインクル・シリーズの''ラストラン''…そう考えています。」

「……………えっ?」

突然のキーワードに、俺は思わず言葉を失ってしまった。

 

アルダン「そして、年末に行われるURAファイナル…そこが正真正銘の最後です。

来年からの、ドリームトロフィーリーグには出走致しません。」

「…な、何で…そんな急に…!!」

 

エース「急じゃねぇよ。」

「…えっ?」

シュヴァル「…前から、アルダンさんに相談を受けてたんです。」

テン「トレーナー様に黙ったままで申し訳ありませんでした。」

 

アルダン「…そして、今後の事についても…決まってます。」

「今後の事って…。」

アルダン「…トレーナーさん、私を…チームの''秘書(サブトレーナー)''にしてもらえませんか?」

「えぇっ…!?」

アルダン「これからは、後任の…エースさん達含め…チームの皆様の走るレースに尽力したいと考えております。」

「……それが、アルの考えなんだな…?」

その言葉に、しっかりと、頷くアルダン。

 

アルダン「…それに、トレーナーさんの事を支えたいのです。

今までよりも、更に…ずっと…。」

「…分かった。アルの考えを…尊重するよ。」

アルダン「ご理解していただき、ありがとうございます、トレーナーさん。

どうか、残りのレースまでお付き合い…よろしくお願いしますね。」




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