ブルアカの世界にTS転生したので日記を書く   作:TS百合好きの名無し

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お久しぶり……(生存報告)
トリニティイベ最高だったね
マリーはもう魔性の女っていうか沼だったし、ヨシミイラがHすぎてダメだった
サクラコ様は面白すぎてほんとすこ
団長はマジ団長
ナギサとミカが出てきたのも地味に嬉しかった(ロールケーキ展が普通にいい話でびっくり)

※前回のあらすじ

格ゲーの景品ペロロを求めてランキングに挑戦したアスカとヒフミ
努力の末にアスカは景品を手に入れた一方で、ヒフミは落選したショックで緊急搬送されてしまう……
すると後日、登校中のアスカの前に物騒な格好をしたヒフミが現れたのであった
(後編が長くなったので中編と後編に分割)


阿慈谷ヒフミ死す 中編

 

 

 

 夜の市街地を複数の影が駆けていた。

 

「――くそが!」

 

 追われているのはビジネススーツを身に着けた一体のオートマタだ。

 彼はしきりにスーツの胸ポケットを気にする素振りを見せながら、路地裏へと必死に駆け込もうとしていた。

 

「これさえ無事なら我らはまだ……! このデータだけは渡してなるものか!」

 

 ……ダァン!

 

「――っ!」

 

 路地裏へと入るその直前で背後から飛んできた弾丸が足元を抉る。それを見た彼は慌てて足を止めて後ずさった。

 

「――それ以上は行かせません。大人しく投降してください」

「ちいっ、忌々しい連邦生徒会の狗どもめ!」

「……」

 

 追手の少女たちが投降を促すも彼は応じようとしない。そうして彼女たちが彼を力ずくで拘束しようとしたその時、どこからともなく投げ入れられた何かが両者の意識を一瞬奪った。

 

 ――あれはグレネード!? まずい! 防御を――

 

 一拍おいて何かが爆発し、生じたのはお互いの姿を覆い隠す煙幕だった。

 

(グレネード……じゃない!)

「スモークか! ……しまった!!」

「データは奪わせない。ここで少し我々に付き合ってもらうぞ」

 

 煙が晴れた時、そこにいたのは追っ手の少女たちと、路地裏を塞ぐように立つ武装した数体のオートマタたちだけ。追いかけていたはずのターゲットの姿はどこにもなかった。

 

「やられた!」

「ど、どうしよう……」

「落ち着いてください。まずは彼らを片付けて追跡を続行します」

「くそっ、この先は……よりにもよって厄介な場所に逃げられたぞ!」

 

 追っ手の少女たちの一人が悔しそうに吐き捨てる。だが、それもまた仕方のないことだろう。

 ターゲットが逃げ込んだ路地裏――そこはあの悪名高きブラックマーケットへと繋がる道の一つであったのだから。

 

 

 

 

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

 

 ブラックマーケット――あらゆる場所から様々な品物が流れ込み、取り揃えられている闇市。

 

 連邦生徒会の管理が及んでおらず、治外法権がまかり通る治安の悪いエリアで複数の企業が違法行為を行い、違法な物品の取引や不認可の違法倶楽部等が存在しているといった違法行為のオンパレードでありながら、その規模はなんと学園自治区数個分。

 ここには学校を追われた生徒たちも多く存在し、犯罪で稼いだ金を預金してそれを犯罪用の武器に変えていく闇銀行と言ったブラックマーケット専用の金融機関や治安機関が存在しているとても危険な場所である。

 

 だから、ここは間違っても普通の生徒が来るべき場所じゃない。後ろ暗いもので溢れかえるこの場所にいる者たちは真っ当な存在ではないのだから。

 そう、ここは間違っても普通の生徒が来る場所じゃないのである。

 

「急ぎましょうアスカちゃん。1時間前までにはオークション会場に着いていたいんです」

 

 現在、私はブラックマーケットの通りを明らかに慣れた動きで足早に進むヒフミに追従していた。

 

「あ、ここの通路がショートカットになっているので使いましょう。ちょっと危ない不良さんもたくさんいますがアスカちゃんと一緒なら強行突破できると思うので」

 

 薄暗い裏通りを見つめてそう告げるヒフミ。君やっぱり平凡とか普通を名乗るの無理あるよ。

 

「て、手慣れてるねえ……」

「あはは、たまたま知る機会があっただけですよ」

 

 愛銃をいつでも撃てるように戦闘態勢へ切り替え、彼女の案内に従って裏通りを突き進む。

 彼女の予想通り、会敵はすぐに発生した。

 

「その制服……はっ、いい金づるを見つけたぜ! 行くぞお前ら!」

「オラオラ! 痛い目にあいたくなけりゃ大人しくしろ!」

「ひゃっはー! 今日は大漁だぜー!」

 

 当たり前のように次々と絡んでくる不良たち。そりゃこんな治安の場所にお嬢様学校の生徒が現れたらそんな反応もするよね。今更だけど変装くらいはしても良かったのでは……?

 彼女たちがこちらを脅そうと威嚇射撃をしたその瞬間、私たちはそれぞれの愛銃を躊躇なく相手に向けて発砲していた。

 ここは既に戦場なのだ。やらなきゃやられる。故に先手必勝である。

 

「あがっ!?」

「あひんっ!?」

「……んなっ!? てっ、てめえら卑怯だぞ!」

「こいつら話の途中で躊躇なく顔面を……!」

「すまないけど君たちに付き合っている時間はないんだ」

「ペロロ様を阻む者は全て薙ぎ倒します!」

「ふざけやがって!」

「なめんなーーーー!!」

「ヒフミ、正面は私に任せてカバーを頼む。一気に突破するよ」

「はい! 頼りにしています!」 

 

 私をリーダーとしたツーマンセルで不良のひしめく裏通りを強行突破する。

 数こそ多いものの、荒事にそれなりに慣れた私たちにとってこの程度ではものの数に入らない。

 

 不良たちを薙ぎ倒しながら、私たちは目的地へと急ぐのであった。

 

 

 

 ――そもそも、一体何故こんなことになっているのか。

 

 ことの始まりは例のモモフレンズ格ゲーコラボ――の件で倒れたヒフミが物騒な装備で私の前に現れたことから始まった。

 

「アスカちゃん! どうか私と一緒にブラックマーケットへ行ってくれませんか!」

「……はい?」

 

 ヒフミ緊急搬送事件の数日後、登校中の私の前に物々しい格好で現れたかと思うと、彼女は突然そんなことを言い出したのだ。

 

「これを見てください!」

 

 彼女が差し出した携帯画面に映し出されていたのはブラックマーケットのオークションの品目であった。いや、待っておかしいおかしい。

 

『こ、これは……一般のウェブサイトではなく裏サイト……いわゆるダークウェブというやつです! ヒフミさんは何故こんなものを……』

 

 アロナがなんかすごい事実を言ってる気がするけど私は何も聞いていないぞ!

 

「ここに! ほら!」

「格ゲーコラボ限定ペロロ様フィギュア……ああ、この前の」

 

 促されるままオークションの品目を眺めていた私はそこに見覚えのある品物を見つけ、すぐに彼女の行動のワケを理解した。

 

 一応この時に私の当てたフィギュアを代わりに譲ろうと申し出たのだが、「ペアルックだからこそ意味があるんです!」と言って彼女は頑なに譲らず……かと言って私がついて行かなかった場合、一人でブラックマーケットに向かうのが目に見えていたために放っておけず、結局彼女の勢いに押し切られる形で私たちはブラックマーケットへと行くことになったのである。

 

 心配をかけないためにミカとナギサにはその場で事情をモモトークで送信しておいたのだが二人とも見てくれただろうか。

 

 

「――で? ようやくその目的地に着いたのはいいけど、アレどうする?」

「ええと……」

 

 そうしてオークションの会場である建物へとやって来た私たちだったが、その中への入場はまだできていなかった。……というのも。

 

「……カードの提示を」

「ふん……」

「確認いたしました……どうぞ」

「ああ……」

 

 ちょうど目の前で、仮面で素顔を隠した別の客が受付とのやり取りを終えて建物の中へ入っていくのを、私たちは物陰からじっと見ていた。

 

「入場には会員証みたいなやつが必要のようだね」

「うぅ……」

 

 会場の入り口には警備ロボットが立っており、客に対して何らかの証の有無を確認していたのだ。オークションだし入口に警備員くらいいても何もおかしくはない。よく考えなくても当然のことだと思う。

 ただ問題は……

 

「どうする? 会員証なんてこっちにはないけど」

「ど、どうすれば……」

 

 困った顔で目をつむるヒフミ。

 しばらくうんうんと唸り続けていた彼女だったが、やがて覚悟を決めた目つきになったかと思うと私に言った。

 

「こっそり裏口から入りましょう。それしか手はありません」

「まあ……そうなるよねえ」

 

 現状正規の手順で入ることが不可能な以上、残された手はそれしかない。

 私たちは建物の裏口へと回った。

 

「アスカちゃん、潜入する前にこれを被ってください」

 

 そう言って彼女からスッと差し出されたのは見覚えのある例のアレだった。

 

「これは……目出し穴を開けた紙袋?」

「はい。この建物の中では素顔を晒さないのがルールになっているみたいで……さっきのお客さんも仮面を着けていましたよね」

「なるほど」

 

 ひとまず理由は分かった。

 でもさ、流石にこれは低コストにもほどがあるのでは? あまりにも安っぽすぎて、逆に目立ちそうなものだけど本当にいいの?

 

「こ、これぐらいしか顔を隠す手段を持ち合わせていないんです、ごめんなさい!」

 

 逆にきちんとした物を持ち合わせていたらそれはそれでなんか怖いよ。

 

 ――あ、これたい焼きの香りがする。

 

「――さて、そろそろ突入といきますか」

「はい!」

 

 やや離れた場所に息を潜め、そっと裏口の様子を窺う。

 建物の裏口は陽の光が差し込まない暗がりになっており、幸いなことに見張りが見当たらない。ただし、なんらかのセキュリティロックのかかった電子扉っぽい見た目をしていた。

 

「あれならなんとかなりそうだ(こっちには最強のハッカーが二人もいることだしね)」

「本当ですか……!」

「うん。念のため私が先行するから合図をするまでヒフミはここで待ってて」

「よろしくお願いします!」

 

 ヒフミをその場に待機させた私は一人で裏口へと近付き――戸に触れる直前で悪寒を感じて咄嗟にしゃがみこんだ。

 

「ッ!?」

 

 頭上でいつの間にか背後からこちらを捕縛しようとしていた何者かの両腕が空を切る。相手の動揺を感じたが、それはこちらも同じだった。

 

「んん!?(なんだ!? 直前まで気配はなかったぞ!)」

 

 反射的にしゃがみ姿勢から片手を地につけ、即座に後方へ回し蹴りを放つも、余裕を持ったバックステップでかわされる。

 ……速い。今の攻防だけで分かる。相手はかなりの手練れだ。

 

 暗がりであるため相手の姿はよく見えない。場所的にここの警備員か?

 

(いや、それにしては何か……って考えている場合じゃないな!)

 

 突進。正面から相手がこちらに迫る。私は癖で愛銃を手にしようとして慌ててキャンセル。ここで銃声なんて鳴らしたらすぐに騒ぎになって増援が来てしまう!

 

 ――だと言うのに向こうも銃火器を使う気配がないのは何故だろう? 仲間を呼ぶ気がない?

 

「ふっ……!」

 

 迫る拳をこちらも拳で何度か弾き、隙を見て足払い。しかしかわされ、逆に返しで素早く足払いを仕掛けてくる――速い!

 

 ――だけど。

 

 かわし切ることもできたが、私はあえて中途半端に引っかかってバランスを崩される――フリをした。

 相手にとっては今が勝負を決める大チャンス。これを見逃すはずはない。

 

(……ここだ!)

「……!」

 

 集中。体勢を即座に立て直し、こちらの胸元を掴もうと伸ばしてきた相手の腕を半身でかわし、その袖を掴む。そして流れるように一気に引き寄せ、相手を背負って投げ飛ば――――ん?

 

 投げ飛ばす寸前で私が急に勢いを弱めたため、相手は怪我することなくふわりと上手な受け身で着地する。

 それを見ながら私は静かに構えを解いた。遠くでヒフミが「アスカちゃん!?」と困惑しているけど一旦放置。今は確認するべきことがある。

 

「「この感覚……」」

 

 私が投げ技を中断したのはとある事実に気付いたからだ。

 なぜなら投げるためにお互いの身体が接触したあの瞬間、ものすごく覚えのある雰囲気のようなものを相手から感じたからで……

 

 私のこの感覚が正しければ、目の前の相手は敵ではない。向こうもそれに気付いたのか自然とその構えを解いていた。

 

「「ミヤコ/先生……だよね?/ですよね?」

 

 懐から取り出した携帯のライトを点灯させたことでお互いの顔が照らされる。

 はたしてそこにいたのは、予想通りの人物であった。

 

「あの、そのお姿は一体……?」

「あっ、これ? ちょっと潜入用に着けてるだけというか……ミヤコの方こそなんでこんなところに?」

「私は任務です」

 

 ……任務? SRTがブラックマーケットに? 今の連邦生徒会にブラックマーケットへ手を出す余裕があるとは思えないけど。

 ……少し気になるな。これは本当に作戦本部で想定された状況なのだろうか。

 

「だ、大丈夫ですかアスカちゃん……って、あなたは確かあの時の……」

「アスカさん、こちらの紙袋の不審者はご友人ですか?」

「ふ、不審者……」

 

 こちらへ近寄ってきたヒフミは妥当な不審者呼ばわりを受け、ショックを受けつつも頭に被っていた紙袋を外す。

 ヒフミの顔を見たミヤコはすぐにその正体に思い至ったらしく、納得した顔で小さく頭を下げた。

 

「……ああ。お久しぶりです、SRTの月雪ミヤコです。確か阿慈谷ヒフミさん、でしたよね?」

「は、はい」

 

 どことなく警戒するような目でミヤコを見つつ会釈を返すヒフミ。

 場が落ち着いたことを確認し、私は先程から気になっていたことをミヤコへと問いかけた。

 

「……ねえミヤコ、任務って言ってたけど今の進捗は? 私たちが言うのもなんだけど今のSRTがブラックマーケットに来るなんて普通じゃないよね。大丈夫なの?」

「えっと……」

「順調? 何か困ってることはない? サキやミユたちの姿も見えないけど大丈夫?」

 

 視線を合わせてそう問えば、ミヤコはスッと視線をそらして答える。

 

「……問題ありません。これは、私たちの任務なので」

「嘘だね。本当はすごく困ってるんじゃない?」

「……」

 

 沈黙が続く。パッと見、すまし顔で表情があまり変わらないミヤコだけど私には分かる。これは……結構困ってるやつだ。他の人は誤魔化せても私は誤魔化せないよ?

 

「大丈夫。人を頼るのは悪いことじゃないよ。特に私相手ならね」

「……」

 

 何かを言いかけて――しかし、ためらう素振りを見せるミヤコ。よし、もう一押しだな。

 

「ミヤコ」

「……申し訳ありません。アスカさんの言う通り、今の私たちの任務状況は順調とはほど遠い状況にあります。どうかアスカさんのお力を私たちにお貸し願えますか?」

「もちろん! ……そういうわけで、少し寄り道をしてもいいかなヒフミ?」

 

 途中から黙って私たちの話を聞いていたヒフミに問えば、彼女は笑って答えてくれた。

 

「あはは……そもそも私はアスカちゃんに頼り切りでここまで来ていますし……アスカちゃんの都合も当然受け入れます! まずはミヤコちゃんを助けてあげてください」

「ありがとう、ヒフミ」

「……感謝いたします」

 

 こうして私たちはミヤコから彼女たちの事情を聞くことになったのであった。

 

 

 

 

 

 




★アスカからのお出かけのメッセージを受け取った二人の反応

★ミカ
あーあ、残念。せっかくケーキ買ったのになー。まあヒフミちゃんなら特に間違いは起こらないだろうし大丈夫かな

(ウサギのエントリー後)
なんだろう、この胸騒ぎ……
早く帰ってきてよ先生……

★ナギサ
ブラックマーケット……お二人は大丈夫なのでしょうか(ハラハラ)
あれ? そういえば、これでヒフミさんの例の噂の一つが本当だってことに……「それ以上考えてはいけないよナギサ」……あ、セイアさん、もうこの際セイアさんでもいいので臨時のお母様になってくれませんか? 私、もう発作が……「やめるんだナギサ、これ以上は私たちの人間関係が複雑骨折してしまう」
そうですね……お母様とセイアさんでは胸が……「おい、喧嘩を売っているのか?」……すみませんセイアさん、胸のない女性に母性を見出すことは難しいのです。お母様と違ってなんだか硬そうですし……「表に出ろ桐藤ナギサァ!」
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