ブルアカの世界にTS転生したので日記を書く   作:TS百合好きの名無し

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お久しぶり
ついにミカのフィギュアが家に届いたので(今夏)初投稿です
先にやって来た水着ミヤコと視線の奪い合いが発生中
視界が幸せ……

ハイランダーといい、ワイルドハントといい、キャラが癖に刺さり過ぎて収拾がつかなくなってきた(強いて言えばアオバとカノエがクリティカル)
誰かこの娘たちでそれぞれ二次創作書いて欲しい


【幕間】3 アロナ

 

 

 

 透き通るような青空の下――目の前には二つの選択肢がある。

 右か、左か……私は差し出された2枚のトランプをじっと見つめる。

 

「右かな……左かな……いや、ここは右だ!」

「ふは、引っ掛かりましたね先生――「と思ったけどやっぱり左にするね」ぎゃあ!?」

「はい揃った、上がり~」

「ず、ずるいです先生! こんなのルール違反ですよっ! プラナちゃんもそう思いますよね!?」

「いえ、会話の時点でアスカ先生はまだ引くカードに手をかけていませんでした。単純にアロナ先輩が先走って答えを口にしてしまっただけです。ただの間抜けです」

 

 必死に同意を求めるアロナをプラナが無情にも切って捨てる。ついでに毒すら吐かれたアロナは絶望の表情を浮かべた。

 

「そ、そんなぁ……」

「ここからは私と先輩の一騎打ちですね」

「がんばれー」

「うぐぐ……ま、負けませんよプラナちゃん! ここは先輩としての意地を見せて――」

 

 

 

 

 

 

「勝ちました。ぶい」

「なんでですかーーーー!?」

 

 アロナがぼろぼろと泣きながらカードを放り投げる。これでアロナは7戦7敗、ババ抜き最弱王に決定した。

 えぐえぐと泣き崩れるアロナに向けてプラナはなんとも言えない表情でネタばらしをする。

 

「先輩は、その……全部顔に出るので」

「……?」

「アロナは分かりやすいよね」

「え……え!?」

「肯定。言葉で揺さぶらずとも顔を見れば引くべきカードが相手に分かってしまいます」

「そ、そんな! どうして途中で教えてくれなかったんですかあ!」

「いや、本気でやろうって言いだしたのはアロナだし」

「はい、本気でアロナ先輩の弱点を突いただけです」

「うう~~っ!」

 

 自分の発言が返ってきたことで何も言い返せなくなってしまったのか、アロナは口を閉じたまましばらく唸り続け、最後にはぷいっとそっぽを向く。

 

「まあまあ、これで次からは普通にいい勝負になると思うよ。今日は練習ってことで」

「むぅ……」

 

 私は笑いながら拗ね娘の頭をくしゃくしゃに撫でる。

 

「アロナちゃんはとっても傷つきました! こんなので誤魔化されませんからね!」

 

 口ではそう言うものの、身体は私に寄せているし、もっと撫でろと言うようにぐいぐい押し付けられる。

 身体は実に正直だ。指摘するともっと拗ねるから何も言わないけど。

 

「……」

 

 そのまま私は、ちらちらとかすかな期待のこもった目で私たちを見つめるプラナへと小さく手招きする。

 

「……!」

 

 おいでー。おいでー。遠慮はいらぬ、どんとこーい。

 

「……あっ」

 

 おずおずと遠慮がちに近づいてきたプラナの肩をグッと掴んで抱き寄せ、わしゃわしゃと撫でる。

 

「せ、先生……!」

「いいの、いいの。いつも頑張ってくれてるんだから。頑張っている子へのご褒美だよ……それとも、いやだった?」

「……いいえ」

「うん、正直が一番だよ」

 

 そうしている内にアラームの音がどこからか鳴り響く。どうやら時間が来てしまったらしい。

 

「もう寝る時間か……そろそろ出ないと。二人ともおやすみなさい」

「おやすみなさい先生!」

「おやすみなさい先生」

 

 本音を言えば二人ともっと一緒に遊んでいたかったが我慢だ。不要な夜ふかしは原則禁止。睡眠は質より量だって世界的なスターも言ってたし。

 名残惜しげな二人に別れを告げ、私は就寝のために彼女たちの教室を出るのだった。

 

 

 

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

 

 アスカが去って少しして、彼女がいた場所を見つめたままプラナは口を開いた。

 

「――アロナ先輩、本当にこのままでよいのでしょうか」

「え……?」

「先生のことです。私たちは事情を知る立場でありながら未だ先生に何も……」

「それは……」

「今のアスカ先生は何も知りません。それは私たちにとって都合の良いことなのかもしれません。ですが――」

 

 何かを言いかけてプラナが俯く。

 

「……プラナちゃん、おそらく時間の問題ですよ。私たちが打ち明けずとも遅かれ早かれアスカ先生は気付くでしょう。……いえ、先生のことですから、ひょっとするともう何か気付いているのかもしれませんね」

「……アロナ先輩は心配にならないのですか?」

「それは……もちろん心配ですよ! 先生はいつだって無茶ばかりするんですから! 今だってせっかく【シャーレ】から離れられたのにまた自分から近付き始めていますし!」

 

 でも……とアロナは困ったような顔で言う。

 

「結局は私たちの我儘でしかありませんから」

「それでも、もうこれ以上アスカ先生に――」

「プラナちゃん。私たちに先生の生き方を決める権利はありません」

 

 表情こそ微笑んでいるが瞳は真剣そのものであるアロナの姿に、プラナは口を噤む。その顔はどこか苦しげで。

 そんな彼女の表情を見たアロナは小さく息を吐き、言い聞かせるように言葉を続ける。

 

「でも、先生の頑張りを側で支えることはできます。どんな結末を迎えようと、私たちだけは最後まで先生と共に戦える……これは私たちにしかできないことなんです」

「……はい。理解しています」

「とはいえ、その先生がこうして生徒さんになってしまったのは流石に私も予想外というか……本当にびっくりしましたが」

「それは……そうですね」

 

 なんとも言えない表情でアロナがそう呟くと、ようやくプラナは顔を上げて小さく笑った。

 

「ですが前の先生も、今の先生も……私は好きです」

「私も同じです! やっぱりアスカ先生はアスカ先生ですから!」

 

 優しく微笑みながらアロナは言葉を続ける。

 

「それに、今のアスカ先生はとても楽しそうで生き生きとしています。先生が普通に笑えて、この世界を自由に生きている……その姿を見ているだけでもう十分に私は幸せなんです。これ以上の奇跡なんて何も望みません。プラナちゃんだってそれは同じですよね?」

 

 肯定するようにプラナは静かに頷いた。

 

「向かう先で待っているのが楽園だろうと地獄だろうと、私たちはただ先生についていくだけです」

 

 

 

 

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

 

 ――シャーレ――執務室

 

『先生、トリニティから先生宛の荷物が届いています』

“分かった。ちょうどキリがいいし、今から取りに行くよ”

 

 シッテムの箱のメインOS――自身の相棒であるアロナの報告を聞き、【先生】はキーボードから手を離す。

 彼はぐるりと肩と首を回して一息ついた後、荷物を取りに部屋を出て行く。

 数分後、戻ってきた彼の手には両手でちょうど持てるくらいの大きさの箱が抱えられていた。

 

『おかえりなさい先生、誰からの荷物でした?』

“……送り主はミカとアスカの2人の名前が書いてある。中身は何だろう?”

 

 疑問に思いつつ【先生】は箱を適当なテーブルの上に置き、開封していく。

 やがて中から出てきたのは――

 

“これは……”

『防弾チョッキ、ですね』

 

 送られてきた箱の中身は防弾チョッキであった。

 メモ書きが同封されており、そこにはアスカのものと思わしき文字でメッセージが綴られていた。

 

“……ええと、【日頃のお礼です。スーツの下にこっそり着ることができる薄型のものにしました。キヴォトスは常に物騒なので是非ご活用ください。特にエデン条約の調印式では何が起こっても不思議ではないので着ていくことを強く勧めます】……だってさ”

『なるほど……先生の安全は常にこのスーパーアロナちゃんが守っているので出番はないかもしれませんが……どうされるんですか?』

“使おうと思う。せっかくの生徒からの贈り物だしね”

 

 そう言ってさっそく防弾チョッキをシャツの上から着てみる【先生】。

 

“……どうかなアロナ?”

『似合っていると思います! 着心地の方はどうですか?』

“全然問題ないよ。軽くて動きやすいし負担がなくて着やすいと思う。2人には今度お礼を言わないと”

『それはよかったです』

“ああ……そういえば、ミカもアスカもシャーレに所属してくれることになったから2人の登録をお願いしてもいいかな、アロナ”

『わあ、それはとても心強いです! さっそくお二人の情報を登録しますね!』

 

 【先生】の発言を受け、アロナはシャーレのデータベースにミカとアスカの情報を入力するべく操作を始める。

 シャーレのデータベースへ名前、年齢、学年、所属学校、中等部時代の情報などのデータを打ちこんでいくアロナ。【先生】は知る由もないが、これらのデータは連邦生徒会のデータベースにあるものをアロナが独自権限で閲覧して確認しながら登録を行っていた。

 

『……あれ?』

 

 不意にアロナが戸惑いを含んだ声を漏らす。

 

『……?』

 

 聖園ミカの分のデータ登録は何の問題もなく完了した。続けて始めた姫野アスカのデータも、途中までは普通にデータの照合ができていたのだが――

 

『これは……』

 

 アロナにだけ見えているデータ画面。そこには連邦生徒会のデータベースにあるアスカの情報が全て記されているはずだった。

 

『トリニティ総合学園の()()()()()()()()()()()()()()? いえ、そんなはずは……』

 

 学校に所属している限り、どんな生徒でも必ずデータは登録されているものだ。少なくともアロナはこれまでにその例外を見たことがなかった。最近あったミレニアムの【天童ケイ】の件はあるが、あれは例外中の例外だろう。そもそも彼女は一度も学校に通っていなかったのだから。

 では、目の前の現実は一体何を示しているのだろうか。

 

『お、おかしいです。最低でも中等部までのデータは誰にでもあるはずなのに……しかも1年生時代(昨年度)のデータすらも、存在しない……!?』

 

 あるべきはずの情報がどこにも存在しない。しかし彼女は確かに今も存在している。

 

『後から削除された形跡も無し。これではまるで……』

 

 ――まるで、ある日突然この世界に現れたかのような。

 

『まさかそんな……』

 

 何度調べても何も出てこない。明らかなイレギュラー。

 まっさらなデータの空欄をアロナはいつまでも見つめ続けていた。

 

 

 

 

 

 

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