ブルアカの世界にTS転生したので日記を書く 作:TS百合好きの名無し
拙作の感想もいっぱいもらえて嬉しかった。やっぱりブルアカは最高のコンテンツなんやなって。
それはそれとして前回の感想で、『これで完結したら実質バッドエンドでは?』とか言われたので蛇足の蛇足を書いた。
おかしい……1話で終わるはずだったのに何故3話目を書いてるんだ私は……
――ほら、これが欲しかったんだろ!(やけくそ)
◯月☓日 晴れ
天使のミカは天使よりも素敵な私のお姫様です。
天使のミカは天使よりも素敵な私のお姫様です。
天使のミカは天使よりも素敵な私のお姫様です。
天使のミカは天使よりも素敵な私のお姫様です。
天使のミカは天使よりも素敵な私のお姫様です。
天使のミカは天使よりも素敵な私のお姫様です。
天使のミカは天使よりも素敵な私のお姫様です。
天使のミカは天使よりも素敵な私のお姫様です。
天使のミカは天使よりも素敵な私のお姫様です。
天使のミカは天使よりも素敵な私のお姫様です。
◯月☓日 雨
私、姫野アスカは聖園ミカを生涯愛しぬくことを誓います。
私、姫野アスカは聖園ミカを生涯愛しぬくことを誓います。
私、姫野アスカは聖園ミカを生涯愛しぬくことを誓います。
私、姫野アスカは聖園ミカを生涯愛しぬくことを誓います。
私、姫野アスカは聖園ミカを生涯愛しぬくことを誓います。
私、姫野アスカは聖園ミカを生涯愛しぬくことを誓います。
私、姫野アスカは聖園ミカを生涯愛しぬくことを誓います。
私、姫野アスカは聖園ミカを生涯愛しぬくことを誓います。
私、姫野アスカは聖園ミカを生涯愛しぬくことを誓います。
私、姫野アスカは聖園ミカを生涯愛しぬくことを誓います。
◯月☓日 晴れ
ミカ大好き。愛してる。
ミカ大好き。愛してる。
ミカ大好き。愛してる。
ミカ大好き。愛してる。
ミカ大好き。愛してる。愛してる。愛してる。愛してる。愛してる。愛してる。愛してる。愛してる。愛してる。愛してる。愛してる。愛してる。愛してる。愛してる。愛してる。愛してる。愛してる。愛してる。愛してる。愛してる。愛してる。愛してる。愛してる。愛してる。愛し――
◯月☓日 曇り
ミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカミカ私のお姫様私のお姫様私のお姫様私のお姫様私のお姫様私のお姫様私のお姫様私のお姫様私のお姫様私のお姫様私のお姫様私のお姫様私のお姫様私のお姫様私のお姫様私のお姫様私のお姫様私のお姫様私のお姫様私のお姫様私のお姫様私のお姫様私のお姫様私のお姫様私のお姫様私のお姫様私の――いや待て私は一体何を書いているんだ? 頭が――
◯月☓日 雨
危なかった……あと少し正気を取り戻すのが遅れていたら大変なことになっていたかもしれない。
想いが重い女の子であることは重々承知していたはずなのにこれは流石に想像以上だ。
何はともあれミカが記憶持ちであることが分かったのは喜ばしいことだろう……多分。
ちょっと……いや、かなり……愛が重いけど可愛い娘にここまで好かれて悪い気はしない。モモトークの通知が止まらないのはもはやホラーだけど。通知が99+から減らないし、返信が即座に行われないと追加でどんどんメッセージが溜まっていくのである。
今はナギサ様が溜まったお仕事の消化やら何やらという名目で彼女を捕まえてくれているので一安心だ。この隙に彼女の対策を考えなければならない。このままでは私の自由は奪われ、永遠に彼女と愛を囁き合うだけのナニカになってしまうに違いない。
相棒たちに案を募ってみたところ、全力で押せばなんとかなると言われた。
えぇ……そんなに上手くいくかなぁ……?
◯月☓日 晴れ
いけた。
ガンガン行こうぜの精神で猛攻を仕掛け、相手の反撃を尽く潰しながら愛を囁きまくり――愛の深さは重々に理解しているけど適切な距離感とか、適度に離れているからこそ生まれる関係性の良さとか、依存し過ぎた関係は長続きしないからもっとお互いのためにとかそれっぽいetcを小一時間かけて語りかけ、ようやく彼女の暴走を鎮めることに成功した。
人間、やっぱり誠意を持って本気で話せばちゃんと伝わるんだね。話し合いって大事。
まあそれはそれとして、今後も私なりのやり方でいっぱい愛してあげないとなぁと思う。*1
彼女が私と何の関係もないただの聖園ミカだったのなら、適切な距離を保って干渉は最低限にするつもりだったけど、彼女が私のミカだというならば話は別だ。
ミカ――私の大切なお姫様。
君が無邪気に笑っていられる世界をつくれるのなら、私は何だってしてみせるよ。
◆ ◆ ◆
「ごきげんよう、コハル。数日ぶりだね」
「えっ…………あんた、生きてたんだ」
「……あの、数日ぶりに会う友人に対して冷たくない? 仮にも私、上級生なんだけど」
「えー……」
事件のあったあの日以降、一度も会っていなかったコハルに会いに行ったら、まるで幽霊でも見たかのような反応をされた。
コハルさん、私に対する反応が妙に冷たくない?
「一応聞いておくけど……あんた、ミカ様に一体何をしたの? 私あんな怖――すごい顔をしたミカ様見たことがないんだけど。うっ、お、思い出すだけでまた体が震えてきたわ……」
「何って……ただ仲良くしてただけだよ、多分」
ちょっと、そう、ほんのちょーーっとだけ、彼女を放置して別の生徒と日常を楽しんでいただけだ。あとでちゃんと探すつもりだったとも。うん。本当だよ?
「そんなわけないでしょ! あの時は私、本気で殺されるのかと思ったのよ!? なんかすごく禍々しいオーラ出てたし!」
「あはは、ミカがそんなことするわけないじゃん」
「目をそらしながら言っても説得力がないわよ!!」
実際のところ、彼女が本気で暴れたらどうなるのかは怖くて確認していない。
多分トリニティがわりと本気で崩壊するんじゃないかな(直感)。
「っていうかミカ様のこと呼び捨てなんだ……」
「まあそんなことは置いておいて、また何かちょうどいいお仕事とかない? ここんとこずっと部屋に籠もっていた*2から今は軽くひと暴れしたい気分なんだ」
「そんなこと言われても、私そこまで先輩たちの仕事に詳しくないし」
「そっか……じゃあ適当にコハル吸いでもして我慢するかな」
「は? ちょっとコハル吸いって何よ!? 私にいやらしいことする気じゃないでしょうね!? エッチなのは駄目! 死刑!」
「あはは、楽しそうだね二人とも」
「ミ゙ッ゙!? ミミミミカ様!?」
「あ、ミカ。ナギサ様とのお話は終わったの?」
「うん! あっ、聞いてよナギちゃんったらひどいんだよ! 『放浪の件は特別にこれぐらいで許して差し上げます』とか言いながら私にいっぱいお仕事を押しつけようとしてくるの!」
「へぇー(押しつけるも何も元々自分の仕事がほとんどなのでは……?)」
横暴だ!とぷんすか怒るミカ。
話しながら私は流れるようにすぐ近くのベンチに座ったミカの膝にちょこんと乗せられ、背後から腕と翼の両方で二重に抱き締められる。この世界に来てから初めて知ったのだけど、彼女の翼にはちょうど良い温かさがあり、包まれるとなかなか心地良い抱擁感があるのだ。あと良い匂いがする。
こちらの頭に顔を寄せた彼女がすんすんと鼻を鳴らしているのを感じながら、私は再びコハルを見た。
「――で。コハル吸いの説明だけど」
「ちょっと待ってそのまま続けるの!?」
こいつ正気か?みたいな目で見てくるコハル。失礼な、私は正気だよ。
「わ、私っ、用事を思い出したから帰る!」
「あっ」
ぴゅーっと逃げるように立ち去るコハル。その場に残された私とミカはきょとんとして顔を見合わせた。
「あはは、二人きりになっちゃったね、先生」
「ミカ、あまり外でそれは――」
「だめ? 私がそう呼びたいの。それにね……ここは元々他の生徒があまり来ないところだから大丈夫だと思うよ?」
「……」
たしかにこのエリアはこの時間だと比較的人の出入りが少ない。実際、今ここにいるのは私たちだけだし。
私の無言を肯定と受け取ったのだろう。彼女は甘えるように自分の頬をこちらの頬に擦り付けてきた。いちいち可愛いなこのお姫様は。
「先生……♡」
「ミカ、ちょっとくすぐったい」
「えへへ♡」
「はぁ……」
幸せそうに笑う彼女の姿に脱力し、私は彼方に見える巨大なサンクトゥムタワーをボーっと見上げた。あの塔、めっちゃ崩れそうな見た目してるけどバランスはどうなってるんだろうか。
「あ、そういえばヒフミちゃんがね、なんか大事なお話があるってナギちゃんのところに来てたよ」
「ヒフミが? ……まさか」
ミカの言葉に思わず反応し、急速に頭が回転し始める。
この時期にヒフミがナギサの元を訪れる理由はアレしかないだろう。原作での彼女たちのやりとりが私の脳裏に甦った。
「ああ、もうそんなに時間は進んでいるのか」
「先生……?」
「……そろそろ確認するべきかな。この世界の【先生】を」
【先生】への接触についてはずっと迷っていた。でも、私がいる時点で原作の展開に何かしらの変化が起こることは絶対に避けられない。この世界はもうゲームではなく現実なのだと私は理解していた。
もはや確実な未来など何処にも存在せず、何が起こっても不思議ではない……そんな状況なのだ。
(……そもそもこの世界が本編の世界線であるかどうかもまだ分からないしね)
故に、この世界が滅ばないようにするためにも【先生】との協力関係は早々に築いておいて損はないだろう。
(私の心配が杞憂に終わればそれで良し、そうでなければ……)
私は意を決してモモトークを開くのだった。
――アビドス砂漠――
『みなさん、大丈夫ですか?』
「ん」
「全っ然大丈夫!」
『先生に教えていただいた座標はもう目の前なので、もう少しの辛抱です……!』
アスカが密かに決意を固めたその翌日。
【先生】が率いるアビドス対策委員会はカイザーに捕われた小鳥遊ホシノを救出するため、アビドス砂漠を進軍していた。
『……っ! 前方に敵を発見しました! 距離は2km! もうすぐ接敵します! みなさん、対応の準備を――』
ドゴオォォォン!!
『!? あれは……』
「支援射撃?」
『L118、トリニティの牽引式榴弾砲です! 一体どうして……』
敵勢力と対峙しつつあった対策委員会の一同の元に届いたのは、トリニティ総合学園の支援射撃であった。
驚く彼女たちの元へ一本のホログラム通信が入る。
『あ、あぅ……わ、私です……』
そこに映るのは見覚えのある【5】のナンバーが入った穴開き紙袋を被った一人の生徒。
「あっ! ヒフ――」
『ち、違います! 私はヒフミではなく、ファウストです!』
通信ホログラムに映ったその姿を見て思わず声を上げたセリカをヒフミ改めファウストが慌てて遮る。
「わあ、ファウストさん! お久しぶりです! ご自分で名前を言っちゃってましたが、そこはご愛嬌ということで☆」
『あ、あれ!? あぅぅ……! その、このL118は、トリニティの牽引式榴弾砲ですが……と、トリニティ総合学園とは一切関係ありません! 射撃を担当しているみなさんにも、そう伝えておきましたので……』
ノノミのツッコミにあうあうと言葉につまりながらも、申し訳なそうにファウストは続ける。
『す、すみません、これくらいしかお役に立てず……』
「ううん、すごく助かった」
シロコに続いてノノミも笑顔で続けてお礼を言う。
「はい! ありがとうございました! ファウストちゃん!」
“ありがとう。助かったよ”
『あはは……えっと、みなさん、が、頑張ってください!』
エールを最後に通信が切れ、対策委員会の面々はそれぞれ気合を入れ直す。
「火力支援の直後に突撃、定石通りだね」
『はい! 敵は砲撃により混乱状態です、今のうちに突破しましょう。先生、お願いします!』
“うん、任せて”
ファウストたちの支援射撃によって敵が混乱に陥ったその隙を狙って、敵陣を突破する対策委員会。
――その後、アビドス高等学校のかつての本館に辿り着いた彼女たちの前にカイザーコーポレーションの理事とPMCの兵士たちが立ちはだかるが、遅れて到着した便利屋68がその場を引き受ける。
さらに別方面の敵部隊もまた、ゲヘナの風紀委員長たちが抑えていた。
奥へ奥へと進み続けてホシノの位置を特定するも、またしても立ち塞がるカイザーコーポレーションの理事。
連戦で疲弊した身体に鞭を打ち、対策委員会は突き進む。全てはホシノを救うため。彼女を救うまで自分たちは止まらないのだと戦い続ける彼女たちを【先生】が全力で指揮する。
こうして彼らとの長い戦いの果てに、対策委員会一同は無事にホシノを救出することに成功するのだった。
「おかえり」と口にするみんなに対し、微笑みながら「ただいま」と返すホシノ。
アビドスで起こった一連の事件はこれで終わりに――なるはずだった。
「……! 何か、来る!」
それに一番早く気付いたのはホシノだった。
ズズズズズ――!!!
大きな地響きとともに砂の中から現れた巨大な何か。
それは超巨大な大蛇と鯨が混ざったような形状をした機械的な何かであった。
「あれは――!」
「ちょ、ちょっと何なのよアレ!? 本当に洒落にならないんだけど!?」
「わぁ……おっきいですねぇ」
「ん、なかなかの大物」
「うへぇ、後は帰るだけだと思ったんだけどな〜」
“……!”
デカグラマトンの預言者――第三セフィラ・ビナー。
アビドス砂漠に潜んでいたそれが今日の戦闘によって刺激され、タイミング悪く動き出したのだ。
“……”
戦闘態勢をとる対策委員会の面々を視界に入れつつ、【先生】は必死に考える。
状況は正直に言ってかなり良くない。ホシノはともかく、他のメンバーは度重なる戦闘によって体力の限界であり、弾薬だって尽きかけている。なによりこの敵の情報が現時点では何もないのだ。
よってとるべき行動は――
“撤退しよう。今の私たちにアレと戦う準備はない”
「ま、そうだよねぇ。おじさんも先生に賛成だよ」
「ん。ちょっとタイミングが悪い」
即座に撤退を決め、動き出す対策委員会。それを見たビナーがついに戦闘行動を開始する。
口腔内の砲門に光が集まり始め、その巨大な顔の標準が対策委員会へと向けられた。
「ちょっ、何かヤバいの撃とうとしてるわよ!?」
「――私が盾で防ぐ!」
“ホシノ……!”
迫りくる強力な攻撃を受け止めようと盾を手にビナーの射線上に移動するホシノ。
一気に緊迫した空気になったその時――【先生】と対策委員会一同は奇妙な光景を目にした。
「――えっ、何アレ」
「おっきな……隕石ですか!?」
「アレにぶつかる!」
ドガアアアアアン!!!!
突如として空から降りてきた巨大な隕石がビナーの顔面に直撃した。
◆ ◆ ◆
――数分前、アビドス砂漠上空――
「ヘリを貸してくれてありがとね、ミヤコ」
「いえ、先生の頼みとあればいくらでも。私は先生のご指示なら何でも従いますよ。何でも……です」
「――へえ、じゃあもうこれ以上私の先生に近づくのはやめて欲しいな☆」
「私が付き従う相手はアスカ先生ただ一人です。あなたの指示は対象外ですので」
「あははっ」
「ふふ……」
「あのさ、超怖いからハイライト消した顔で笑い合わないで?」
恐ろしい笑顔を向け合う彼女たちの間で激しい火花が散っていた。気の所為じゃなければ何故か空気もめっちゃ歪んでいる。ここは地獄か?
「二人ともお願いだから今は落ち着いて欲しい。今回の任務はとても大切なことなんだ」
「「……」」
「その、駄目……かな」
「……そうですね。今はやるべきことがあるようですし、この話は後でも構いません」
「……先生の邪魔はしたくないから我慢するよ。その代わり後でたくさんお話しようね、アスカ先生?」
「はい……」
ひとまず彼女たちを落ち着かせることに成功した私は、ヘリから落ちないように気をつけながら双眼鏡で眼下に見えるアビドス対策委員会を観察する。
トリニティの支援射撃、ゲヘナ風紀委員会の援軍、便利屋68の援軍、カイザー理事との決戦――それらが原作通り順調に進んでいく様を見て安心していた私だったけど――最後の最後で予想外の出来事が起きた。
デカグラマトンの預言者ビナーの出現である。
「はぁ……何故ここでお前が出てくるのか」
ねえビナーくん、君の出番はここではないはずだよね? 何故出てきているんだい?
「――様子を見に来て正解だったな」
これで確信した。私の知る原作知識はもう絶対ではないと。
――まあそれはさておき、そろそろ行こうか。早くしないと下の彼らが危ない。アレと戦える余裕なんてもうないはずだ。
目を閉じ、深呼吸を一つ。スッと意識を戦闘へと切り替える。
「――ミカ、行ける?」
「おっけー☆」
先手必勝。轟音と共に目標に落ちていく隕石。
ミカの手によって落とされた隕石がビナーに直撃するのを確認しながら、私は素早く仲間たちへ指示を飛ばした。
「ミカはこのまま地上へ降りて追撃を。アロナは私たちの適切な回避行動のサポートを、プラナは私の狙撃のサポートをお願い。最後にミヤコ……いくら無茶な操縦をしてもいい、ヤツとの適切な距離を常にキープし続けて」
「「了解!!」」
『任せてくださいアスカ先生!』
『了解。射撃支援モードへ移行します』
生身でヘリから飛び降りるミカ。演算を開始する二人の相棒。ヘリの操縦に集中するミヤコ。
私のかけ声を合図に仲間たちがそれぞれ動き出す。
「ああそうだ、【先生】たちにも一つ挨拶を入れないとね。プラナ、向こうとの通信を繋げられる?」
『可能です』
「じゃ、繋げて」
『了解』
ブオン!とホログラム通信が繋がり、目の前に【先生】たちの姿が映し出される。今頃向こうも私の姿が見えているはずだ。
こちらを見る彼らの表情には困惑と疑問が入り混じって見て取れた。原因は多分ミカの隕石落としと今の私の格好が半々だろう。ヒフミにならって穴開き紙袋*3を頭から被っている私はパッと見ただの不審者にしか見えないからね。
「初めまして、シャーレの【先生】とアビドス対策委員会のみなさん。私は番外1号、今デカブツと殴り合っているのは番外2号、私たちはファウストの仲間です。加勢に来ました」
『えっと……その姿……それにファウストってことはヒフミの……?』
『ん、驚いた。覆面水着団に番外メンバーがいたなんて』
『ファウストちゃんと同じ穴開き紙袋なんですねぇ〜』
「手短に伝えます。私たちがあのデカブツをなんとかするのであなたたちはこの場を離脱することを最優先にしてください」
『“ありがたい申し出だけど、君たちだけでは危険だ”』
即座に避難を促すも、やはりというか【先生】が素直に首を縦に振ってくれそうにない。彼の立場や性格からしたら当然の反応なんだけど。
「ありがとうございます。でも――手を貸す必要があるかどうかの判断は私たちの戦いを見てからでも遅くないでしょう。ご自身の安全を第一にお願いします。……それでは失礼します」
通信を切り、私は膝立ちの姿勢で愛用のSRを構える。
地上と比べて全く安定しない足場に激しく全身を叩く風。
ヘリからの狙撃なんてやったことないけど多分なんとかなるだろう。私は相棒たちを信じている。
『提案。射線はそこから右へ5度修正を。初撃はお任せします。』
「ああ」
スコープを覗き込み引き金を引く。
タァン!と小気味よい音を立てて高速で飛び出した弾丸はビナーの頭部に着弾し、その装甲の一部に罅を作った。
『有効打を確認』
そのまま2発目、3発目、4発目――と続けて撃つ。
いずれもビナーの頭部に命中し、その罅の範囲をだんだんと広げていく。
すると向こうも上空の私たちも脅威だと認識したらしく、排除しようと動き出した。
『――先生! VLSが来ます!』
クイックリロード。
アロナの警告の後、ビナーの背部に搭載された無数のVLSが発射され、ヘリに向かって一斉に飛んでくる。
「プラナ、どれを撃てばいい」
『対象をマーキング。順番に迎撃してください』
ピッと私の視界に映るVLSの内のいくつかに赤いターゲットマーキングが入り、その上に番号が割り振られる。
私はそれに従って狙いを定め、引き金を数回引いた。
VLSは数こそ多かったものの、私がマーキング対象を撃ち抜く度に連鎖爆発を起こしてみるみるその数を減らしていった。
『脅威の排除を確認。お見事です……アスカ先生』
「私は指示通りに撃っただけだ。完璧なサポートだよプラナ」
『光栄です』
「さあ、この調子で一気に攻めるよ。もたもたしてると【先生】たちが加勢しちゃうからね」
◆ ◆ ◆
第三セフィラ・ビナーは混乱していた。
戦闘の気配を感じて地上に出た後、見たこともない攻撃を空から落とされて熱光線を封じられ、さらに地上へ降り立った訳の分からない存在から猛攻を受けていたからだ。
――上空にいる敵はまだいい、だが地上にいるコイツは全く別だ。
「ほらほら! どんどんいくよー?」
その小さな身体からは全く想定できない高火力の攻撃の嵐。
一撃一撃がこれまでの敵を遥かに上回るダメージを叩き出し、自身の装甲をとんでもない速さで削っていく。さらにその苛烈さ故にこちらの攻撃行動のほとんどが行う前に潰されるのだ。
その上で回避能力も高く、リロード中を狙って攻撃してもほぼかわされる始末。死角からの攻撃すら読まれるのは一体どういうことなのか。
「あははは、無理無理☆」
理解不能。解析不可。それはまさしく理不尽な暴力の化身。
まるで何もさせてもらえず、訳の分からない火力のゴリ押しで装甲がどんどん破壊されていく内に、ビナーの中にとある変化が起きようとしていた。
「さぁ――もう二度と出て来れなくなるように、あなたの意志を今ここで折らなくっちゃ」
――ビナーは、生まれて初めて恐怖という感情を覚えた。
『ミカ、時間だ。そろそろキツイのを一発かましてやろう』
「うん」
ビナーに搭載された危険察知機能がけたたましいアラートを鳴らす。
奴の武装にこめられた神秘が一気に高まるのを感じた。
――危険危険危険危険――早く、早く、早く逃げなければ――
「じゃあ、折るね」
奴が引き金を引く。
神秘の輝きを纏った慈悲無き破壊の弾丸がビナーに襲いかかり、爆発した。
「▲※□¥◯#◆▽@%■ーー!!」
大きな地響きを立て、アビドス砂漠にその巨体が再び沈んでいく。
巨体が消えた後に残ったのは、いつも通りの静かで寂しい砂漠の景色のみ。
こうしてアビドス高等学校を巡る一連の騒動はついに終わりを告げるのだった。
見せ場の消えたビナー君かわいそう。(続きは)ないです。
アスカ
プラナのサポート有りとはいえ、スナイパー最高難易度であるヘリからの狙撃を成功させるやべー奴。
この後ヘリでミカを回収して直帰――ミカたちとの長い長いお話が始まった。もう逃げられない。
ミヤコ
アスカに頼られてウッキウキでヘリを持って来たら同類に出会い修羅場勃発。
ヘリの操縦をしつつ、狙撃中で無防備なアスカのスカートからチラチラ覗くパンツを見て英気を養っていた欲望に忠実なウサギ。
ミカ
アスカに頼られてルンルンだったが迎えに来た同類を見て修羅場勃発。
確定会心の鬼。対決戦兵器。人の形をした暴力。タイラント。マイラブリーエンジェルゴリラ。折るね。
相棒たち(アロプラ)
今回大活躍だったのでいっぱい労いの言葉をもらえてご満悦。
ヒフミ
我らがファウスト様。
ちなみに番外号はアスカたちが勝手に名乗っているだけなので本人は知らない。
アビドス対策委員会
無事にホシノを取り戻すことに成功した。
ビナーを完封する謎の追加メンバーに大きな衝撃を受けた模様。
【先生】
アビドス編を無事に終えることができたが、最後に助けてくれたアスカのことがその後も何故か気になり続けている模様。
彼女との再会はそう遠くないのかもしれない。
ビナー
消えないトラウマを植え付けられて消えた預言者。出てきたお前が悪い。
一番読みたい日常話はどれ?(タイトルは仮)
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宇沢と遊園地
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聖園ミカは面倒くさい
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アスカと乙女心
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母と娘
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シスターとアスカ
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ウサギの◯◯はすごいらしい
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アスカと正義実現委員会
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◯◯◯先生の追憶
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お姫様と王子様
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阿慈谷ヒフミ死す