ブルアカの世界にTS転生したので日記を書く   作:TS百合好きの名無し

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今年がもう終わるってホント? 早すぎない?
それはさておき、なんとか間に合ったので今年最後の更新。
ブルアカ新イベント楽しかったぞ(小並感)

今回の主役は個人的にどうか幸せになって欲しい生徒上位にランクインするトリニティのあの娘です。私のシャーレには何故かいませんが(血涙)
これだけじゃ誰なのか分からないって? ヒント:投稿時間。


繊細で傷つきやすくて寂しがり屋な君と

 

 

 

 昔から自分に対して自信というものを持つことができませんでした。

 

 一人が嫌で、みんなから嫌われることがすごく怖くて、いつも本音を言えず流されて、親しい友人だって一人もできたことがありません。

 

 薄っぺらで価値のない世渡り下手な人間……それが私です。

 

 そんな私に例の記憶が甦ったのは本当に突然のことでした。

 

 記憶を取り戻してすぐに、探していた人は見つけることができました。

 だけど結局、私にはあの人に声をかけることができませんでした。あの人の隣にはもう別の生徒がいることに気付いてしまったからです。

 

 その人はこの学園の誰もが知る有名人であり、自分のような人間とは比べようがないくらい魅力に満ち溢れた人であり、そしてなにより、()()()()()あの人が一番に愛した人でした。

 

 ――そうですよね。私なんかよりも相応しい人が既に一緒にいるんです。今更私が出ていったところで、ただ邪魔なだけですよね。

 

 私はいつも伝えたい言葉以上に余計なことをよく言ってしまう駄目な人間です。それが原因で相手をよく不快にさせたり困らせたりしているという自覚もあります。

 きっとあの人の前に出たら、いつも以上に舞い上がってまた同じような失敗をしてしまうに違いありません。

 

 失言ばかりの自分じゃ迷惑をかけるだけなんです。

 私は……あの人にだけは迷惑をかけたくないし、嫌われたくありません。

 

 だから私はこの気持ちに蓋をして、あの人から離れることにしたんです。

 

 

 

 

「――、――サさん!」

「……はぇ?」

「どうしたんですか? 最近はよくボーっとしていることが多いように感じますが……もし具合が悪いのなら無理は」

 

 思考の海から意識が引き戻されます。

 気がつくと私はスズミさんに顔を覗き込まれていました。

 今は夕方、トリニティ自警団として学園周辺の見回りの最中です。

 

「い、いえ! 大丈夫です! 仕事はちゃんとできます!」

 

 慌てて銃をブンブン振り回して元気アピールをしてみましたが、スズミさんは相変わらず複雑そうな顔をしたままでした。

 

「自警団の活動は元々有志によるもので義務ではないですし……わざわざ無理をしてまで手伝う必要はないのですよ」

「無理はしてません!」

「しかし、心ここにあらずな状態で見回りというのも良くありません」

「うぅ……」

「何か悩みでも?」

「えっと……」

「……もしよろしければ、私が相談に乗りますが」

 

 スズミさんがそう言って私の言葉を待ちます。

 その言動から冷たい人間だと思われがちなスズミさんですが、本当は優しい人であることを私は知っています。ここで話したことを他言することも決してないのでしょう。

 私は……悩んだ末に少しだけ相談に乗ってもらうことを選択しました。

 

 

 

「――なるほど。つまりまとめると……大好きな相手に話しかけようとしたら既にお似合いの人がいて、嫌われたり拒絶されたりするのが怖くなって近づけなくなった……と」

「……はい」

「そうですか……(えっ、これ、つまりはそういうことなのですか……? この娘が……? 本当に……?)」

「スズミさん?」

 

 腕を組み、ちょっと見たことのない顔でスズミさんが唸っていました。

 ……やっぱりご迷惑だったのでしょうか。

 

「……ええと、すみません。ちょっと相談の内容が想定外すぎて驚いていただけです。問題ありません。……ちなみにあなたにとってその人はどんな人間なのですか?」

「私が世界で一番信じられる人です」

「……あなたにそこまで言わせるほどですか」

 

 いつになく難しい顔で考え始めたスズミさん。それだけ真剣に私の相談に乗ってくれているということでしょう。

 やがて彼女はコホンと一度咳払いをしてからおもむろに口を開きました。

 

「一つ大事なことを確認するのを忘れていました。あなた自身はその人と最終的にどうなりたいんですか?」

「え……?」

 

 あの人とどうなりたいか……ですか。

 

「えっと……たくさんお話をしたり、一緒に遊んだりしたいです」

「ふむ…………え、それだけですか?」

「?」

「そ、そうですか(到底それだけで終わるとは思えないほどの想いがあるように見受けられましたが……)」

「スズミさん?」

「何でもありません。とにかく、まずは話しかけてみないことには何も進展しないと思います」

「……」

「その人が一人でいる時を狙って話しかけるしかありませんね」

「でも……」

「大丈夫です。確かに不安に思うからこそこうして悩んでいるのでしょう。しかし、あなたはもう少し自分や相手のことを信じてみても良いのでは?」

「え?」

「私の勘ですが、きっとあなたが思うような悪いことは起きないと思いますよ」

 

 そう言ってスズミさんは優しく笑いかけてくれました。私はその言葉に不思議な納得を覚えながら、心が軽くなったのを感じました。

 

「……ありがとうございます!」

「どういたしまして。しかし――()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()思いもしませんでしたね」

「――ふぇああ!?」

 

 微笑みながら放たれたスズミさんの一言で、ボッと全身の血が沸騰したような熱さが私の身体を支配しました。

 

「おや? 違うのですか? ですがあれほどまでに『好き』を語ったところを見るにそうとしか考えられな――」

「ちちちちちがいます! 私は決して! そのようなことは考えて――!」

 

 確かにあの人のことは好きです! でもそれはあくまで人として……そう! 人としての好きなんです! ええそうです! 恋愛的な意味ではないはずです!

 だ、だってそういう意味だとしたら私はあの人と――

 

『可愛いよレイサ……もう絶対に離してあげないからね?』

『先生……』

 

「あうあうあ〜〜〜〜!!」

 

 一瞬でもそういう想像をしてしまい、さらなる熱が全身にあふれます。あ、あれ? 頭がなんだかボーっとして……

 

「レ、レイサさん?」

 

 スズミさんの声をどこか遠くに聞きながら、私の意識はゆっくりと落ちていくのでした。

 

 

 

 

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

 

 最近、どこからか妙な視線を感じる。

 それは誰かといる時であったり、あるいは一人でいる時であったりとタイミングは様々だが、確かに『見られているな』という実感を伴うものだ。

 前世の自分だったら気づかなかっただろうけれど、この謎にハイスペックな今世のマイボディはそういうものにも敏感な仕様になっているらしい。

 

「さて、どうしたものか……」

 

 幸いにも視線から私に対する悪意等を感じたことはない。

 もしも悪意を持っていた場合はミカがどんな行動に出るか分からないので、これについては一安心だ。

 

 そして実のところ、私は視線の主にほぼ見当がついている。

 決め手となったのは視線を感じた現場に残されていたいくつかの落とし物である。

 

 一つは星型の髪飾り。そしてもう一つはアイスクリームにありそうな色の髪の毛。

 ブルアカファンの私からすればこれだけでヒントは十分だ。

 

(ただ、問題はどうして()()が私に注目しているのかってことだよね)

 

 今世において、私と彼女との間に直接の関わりはない。となると可能性として考えられるのは……

 

(……()()()、か?)

 

 もしそうであるならば是非とも直接会って話をしたいのだけど……

 

『先生、また彼女がこちらに接近しているようです。どうされますか?』

「ありがとうアロナ。思い切って接触してみようと思う。案内して」

『分かりました!』

 

 アロナの指示に従って不自然にならない程度にその方角をそ〜っと盗み見てみると、建物の影から見覚えのあるアホ毛と星型のヘイローがぴょこんと飛び出していた。

 うん、間違いない。彼女だ。

 

(さて、まずは普通に歩いて近づいてみるか……)

 

 動きはすぐにあった。慌てたようにアホ毛とヘイローが勢いよく壁の向こうへ引っ込むのを目撃した私は、次の瞬間全力で走り出していた。

 

『あっ、どうやら向こうもこちらにバレたことに気づいたみたいです! そこの角を右へ、続いて20メートル先を左です!』

「了解!」

 

 逃げる彼女をアロナのサポートを受けながら追いかける。

 向こうはそれなりに道を熟知しているのか、逃げ方にほとんど迷いがない。

 一方で私はトリニティ自治区の道にはまだそれほど詳しくない。とはいえ焦る必要はないだろう。彼女には悪いけどアロナ(GPS)というチートがある限り、今回の追いかけっこで私が負けることはありえないのだから。

 

「普通に追いかけると時間がかかりそうだ。アロナ、回り込むルート案内に切り替えて!」

『切り替えました!』

「ついでにミカのモモトークに帰るのが少し遅くなるってメッセージを入れておいて!」

『分かりました!』

 

 即座にルートを切り替え、向こうの進路上に割り込むように移動を開始する。向こうが私を撒けたと油断したタイミングで取り押さえよう。

 

「きゃっ!?」

「な、何ですの!?」

「すみません! ちょっと通ります!」

 

 道行く人々にぶつからないように気をつけつつ、とうとう私は彼女の進路上に先回りして隠れることに成功した。

 

 こちらへと近づいて来る彼女の足音は速くない。どうやら私を撒けたと勘違いして普通に歩いているようだった。

 息を潜めて物陰に隠れる私の耳に、彼女の独り言が聞こえてくる。

 

「うぅ……お、思わず逃げてしまいました。今日こそはって思ってたのに……」

 

 どうにも彼女はしょんぼりと落ち込んでいる様子だった。逃げたのは本意ではなかったということかな?

 ……とりあえず、また逃げられても困るので一度捕まえるのは決定事項だけどね。

 

『先生、捕まえるなら2秒後に背後から仕掛けるのがベストです』

「うん」

 

 2……1……今!

 

「動かないで!」

「!?」

 

 私は物陰からバッと飛び出し、素早く銃を彼女の背に突きつける。もちろん撃つつもりはないしただのポーズだ。

 完全な不意打ちに驚きのあまりビシッと固まる彼女。そのまま私は彼女に向けて一つだけ問いかけた。

 

「驚かせてごめん。でも一つだけ、真剣に答えて欲しい質問があるんだ。君は……()()()()()()?……レイサ」

「――っ」

 

 彼女が息を飲む音が聞こえた。それから、少しずつ身体の力を抜きながら彼女は震える声で「はい」と返事をした。

 それを聞き、私はゆっくりと銃を下ろす。多分もう彼女は逃げないだろうという予感があった。

 

「そっか……うん、会えて嬉しいよレイサ。その、顔を見せてもらってもいいかな?」

「は、はい……」

 

 ゆっくりとこちらへと向き直るレイサ。俯いていた彼女はおずおずと遠慮がちに顔を上げてこちらの顔を見て――すぐに自分の顔をそらしてしまった。

 

「……」

「……っ!」

 

 無言でスッと彼女の視線の先へ移動する。すぐさまサッと反対の方向へ顔をそらされる。それを数回繰り返して私はふと思った。

 

 ――あれ? もしかして私、彼女に嫌われてる?

 

「ぐふっ」

「え、あ……せ、先生!?」

「レ、レイサ……私は何か君に嫌われるようなことをしてしまったのかな?」

「きらっ!? そ、そんなことは絶対にありえません!! 私は、私は先生のことが――」

 

 そこまで言いかけてハッとした表情になった彼女はみるみるうちに顔を真っ赤に染めた後、両手で顔を覆って「うーうー」唸り始めた。え、どういう状態なのそれは。可愛いけど。

 

「う〜〜!」

「えっと」

「うあ〜〜!」

「レ、レイサ」

「うー!」

「……はぁ」

 

 声をかけてもろくな反応が返ってこなかったため、私は一旦彼女を落ち着かせようと手を伸ばした。

 驚かせてしまわないよう、優しくそーっと彼女の頭に手を置き、大切に撫でる。

 

「あ……」

「大丈夫、大丈夫だよ……さあ……少し落ち着こうか」

 

 そのまま五分ほど撫で続け……ようやく落ち着きを取り戻した彼女の言葉で私は手を離した。

 

「あ、ありがとうございますアスカ先生。もう大丈夫です」

「うん。もう大丈夫そうだね」

 

 まだ完全に真っ直ぐに向き合うとまではいかないが、先程とは違い彼女と視線を合わせてもそらされることは無くなった。これでようやくまともに話ができそうだ。

 

「さっきはどうして逃げたのかとか、これまで接触を避けていた理由を聞いてもいいかな?」

「……はい」

 

 そうして彼女は記憶を取り戻してからのことをポツポツと語り始めた。

 

 寂しい毎日を過ごしていたある日、あの世界の記憶を思い出したこと。

 学園ですぐに私の姿を見つけて嬉しくなったこと。

 声をかけようとしてミカの存在に気づいたこと。

 彼女と自分を比較して、私に迷惑をかけるのが怖くなって離れたこと。

 先輩に相談したことをきっかけに、やっぱり気持ちが抑えられず声をかけようとしたけど勇気が出なくて遠くから見るだけで終わっていたこと。

 今日ついに私に見つかり捕まったこと。

 

「はぁー……なるほど」

 

 全てを聞き終えた私はその場で大きなため息をつく。

 そして目の前で気まずい顔をしている彼女の腕を掴んでこちら側へ強く引っ張った。

 

「あ、わわっ!?」

 

 私はバランスを崩して胸元へと飛び込んで来た彼女を強く抱き締めながら、わしゃわしゃと乱暴に頭を撫で回す。

 

「ひゃああっ!? せ、先生〜っ!?」

「まったく、馬鹿だなぁレイサは。そんなこと気にする必要なんてないってのに」

 

 ああもう、本当にこの娘は不器用すぎる。他者に嫌われることを過度に恐れる性格だっていうのは知っていたけれどここまでとは。

 これはもう徹底的に私の想いを伝えないと気が済まないな。

 

「せ、先生! もう離し――」

「ダーメ。罰としてしばらくこのままだよ。大人しく私に甘えなさい」

「うえぇ!?」

 

 逃げようとするレイサの体をガッチリと抑え、私は思う存分彼女を愛でる。体格では負けているがそこは神秘パワーでどうとでもなるのだ。さあ、大人しく愛でられたまえレイサ。

 

「よーしよしよし、レイサは良い子だねぇ。ほら、力を抜いて? 今は私に好きなだけ甘えていいんだよ? さあおいで、可愛い可愛い私のレイサ」

「〜〜〜〜!!」

 

 赤く染まった耳に口を寄せ、囁きながら頭を撫でると、彼女は声にならない声を上げながらびくびくと体を震わせてぎゅっとしがみついてきた。

 受けた相手曰く、私の囁きは一種の強力な麻薬のような効力を持つらしいけど、これは彼女に対しても同様のようだ。いけないことだと自覚しつつも相手のこういう可愛い反応を見てしまうとちょっとだけこう、なんだかゾクゾクしてしまう。……ああうん、私も変なスイッチが入りかけてるな。やり過ぎるのも良くないから少し落ち着かないと。

 こういうのもあのワガママ姫がよくせがんでくるせいですっかり手慣れてしまったなぁ……

 

「レイサー? 大丈夫ー?」

「――」

「返事がない……ならば」

 

 うん、もうちょっとだけ愛でてから終わろうかな。

 

 五分後――

 

『せ、先生、レイサさんのバイタルはもう……』

「えっ、あ……ホントだ。気絶してる」

『やり過ぎですよ……』

「ごめんなさい」

 

 この後、気絶した彼女を放置するわけにもいかず自室へお持ち帰りして出迎えたお姫様と一悶着があったりなかったりしたけど語るに及ばず。

 

 

 

 

 

 




アスカ
前世の頃から個人的にレイサのことは自分の娘にして幸せにしたいと考えていたくらいには思い入れがある。
今世でも彼女のことは存分に愛でるつもりでいる。

レイサ
カンスト勢にはやや及ばないが、前世での絆ランクはカンストにかなり近かったのでアスカに対する想いの強さは本人が思っている以上に強い。ウザい言動をしなくなるとただの美少女。自分に自信がなく、裏でいつも他人に気を遣いすぎてしまう不器用な娘。マジで守りたいこの笑顔。
「オーバーレイサ」か「レイサ きゅうくらりん」でググると幸せになれるかも?


★おまけ★
〜アスカの悪口を言われた時のそれぞれの反応〜

コハル
人の悪口は禁止!と怒る。

ヒフミ
機嫌が悪くなり、割と本気で怒る。ペロロ様と一緒に真人間になるように教育(洗脳)する。

アロプラ
悪口を言った相手の携帯などをハッキングして社会的制裁を与える。

レイサ
勇気を出して普通に怒る。

ミカ
ふぅん……そっか……折るね。

ミヤコ
無言で銃を構える。アスカ先生の敵には容赦しない。

???
ちょっとお時間いただけるかしら? 拒否は認めないわ。

???
アスカ先生はそんな人じゃありません!と子供らしく怒る。

???
静かに微笑むが目は全く笑っていない状態になる。スモークグレネードのピンを静かに抜き、スタンガンのスイッチに指をかける。

???
その場ではいつものようにヘラヘラ笑っているが、頭の中では狙撃による暗殺計画を立て始める。

一番読みたい日常話はどれ?(タイトルは仮)

  • 宇沢と遊園地
  • 聖園ミカは面倒くさい
  • アスカと乙女心
  • 母と娘
  • シスターとアスカ
  • ウサギの◯◯はすごいらしい
  • アスカと正義実現委員会
  • ◯◯◯先生の追憶
  • お姫様と王子様
  • 阿慈谷ヒフミ死す
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