朝日がカーテンの隙間を通り抜け眠っているリリィの瞼を明るく照らす。 あの後、いくら考えても正確な答えが出るはずもない疑問は静かにリリィの思考を奪っていき、いつの間にか深い眠りに誘っていた。
まだ少し眠いと思いつつも朝であることに仕方がないとリリィは睡魔という海に浸かっていた思考を引き釣りあげ、とどめと言わんばかりに瞼を擦ることで目を覚まさせていく。 柔らかな布団がリリィを離さないと包み込むが、それを跳ね退け徐々に覚醒していき――それでも離そうとしない掛け布団を片足で蹴り上げ身体の上から退けることにより起き上がる。
室内を照らす朝日を迎い入れるために重い身体を引きずり閉められているカーテンを思いっきり開け放ち朝日を身体全体で受け止めた。 既に朝日というには日は上りきっており、窓の外からは通学や通勤する人々の雑踏が微かに聞こえてくるほど――束が愛用しているのであろう目覚まし時計に目を向けると、時刻は八時に短い針が届こうかという時刻。 このような時刻に目が覚めるとは日本に戻ってきたことで感覚がなまってしまったのであろうかとリリィは小さく溜め息をつく。
――懐かしい夢を見た気がする……。
久々に落ち着いて見た夢は、目が覚める前までに見ていた夢とは違い何処か懐かしさを感じる内容であった。 しかし目が覚めた今になっては、その夢の内容を正確に思い出すことは出来ない。 まるで記憶に靄がかかったかのように見た夢を思い出すことが出来なかった。
別に夢とは記憶の整理という役割を持つため思い出せないのであれば、それはリリィにとって重要な出来事ではないということであろう――しかし今感じている懐かしいという感覚から、恐らく夢の内容は二年以上前に目の前から消えた家族であることは確実だ。 その家族の思い出が薄れていく感覚にリリィは笑いそうになる。 母親の顔を思い出せないように少しずつ記憶が薄れていく――しかし父親が無事であることは少し考えれば理解できることであるため嘆くことはない。
なにせ世界最大規模の巨大複合企業体“CCCNO”社の最高責任者――情報を集めていれば生死を理解することは容易いのだ。 現状では未だ生死不明の行方不明者であるが業務実績を見れば父親が未だに“
生きていなければリリィは日本に帰ってくることはなかったであろう。 なにせ遺伝子強化試験体実験を止めるために利用としているのが“
「――さてと、何時までも寝てるわけにはいかないし私も動かないと」
これ以上考えていても何も始まらないし変わることもないと状況を確認する。
室内を見渡すも家具はタンスと鏡台程度で見るからに殺風景なのが第一印象であろう。 人が生活しているとは想像しにくい。 いや、最低限の生活ならば十分なのだろうが年頃の女性が過ごすには明らかに貧相と言って良いはずだ。 本棚もなければ嗜好品の一つもない、ただ寝て着替えるためだけの部屋は使われることのなかった織斑家の一部――部屋の片隅に置かれたモノを見て元々この部屋が物置に近い使われ方をされていたのはとリリィはそう予測した。
鏡台には女性らしい
借り物の部屋であるということも関係しているのであろうが余りにも物欲が見受けられない事にリリィは少しだけ違和感を感じた。 首元にはドックタグに収められた待機状態の“フリーダム”が未だに存在しており、束には欲求というものがないのではないだろうかと不安になる。
欲望とは人間の行動原理だ。 人は生きるために食事を取り睡眠をする――身体の変化に満足できなければ、その欲求を解消するために快楽を求める。 生物が誰からも教えられることなく求める基本的な欲求、
昨夜、束の前には“フリーダム”という“ジン”を理解するための重大な手がかりが存在していた。 それも無防備なほど彼女の近く、手の届きそうな距離に在ったにも関わらず彼女は手を伸ばすことをしなかったのだ。 “ジン”は束の命を狙っている可能性が高い――そのことは束も薄々気が付いているのであろう。 “フリーダム”の内部
リリィには束が何を考えているか理解できない。 まるで生きることに執着がない――諦めているように見えて恐ろしく感じてしまう。 死を恐れないという事実は遺伝子強化試験体に求める都合の良い命に通じるものがある。
――まだ束という人間の全てが理解できたわけじゃない。
結論を出すには早すぎるとリリィは頭を振った。
まだ思考が寝ているのではないかと床に敷かれた布団を見下ろすと、そこにはリリィと束が二人で寝ていたという窪みが残っている。 一人用の布団に成人していない二人が寝ることは不可能ではない――しかし出会ってから一日も立っていない他人同士、信頼も信用すら無いに等しい二人が共に寝るには何かがおかしい。 本当に束はリリィの知識を必要としているのかすら怪しいのだ。
どうにも思考を掻き乱す存在だと顔を
ああいう
どうせなら今日中に自分用の寝巻きを買いに行き借り物のジャージを返却するのも良いかも知れない。 いくら寝巻きとしてジャージが有効であろうとも今は六月の夏に入ったばかりの季節で、しかも昨夜確認したところ北海道では平年比よりも10度高い33度を記録している。 夏に入ったばかりなのに真夏日と言っても良い気温を観測されては流石に空調を最低限しか使わなくても生地の厚いジャージは適切ではないのは間違いないだろう。
気のせいでなければ借りたジャージの背が少しだけ汗を吸って湿っているようにも感じ取れる。 貸した本人は小学校の時に使用していたものであるため既にサイズが合わないから気にすることはないと言っていたが、使われないとは言え借り物なのは間違いない。 海水に浸かった自身の衣服よりも先に洗濯することにしようとリリィは畳んだジャージをビニールの隣に置いた。
「篠ノ之束、か……」
鏡台に背を向け腰を捻ることで着替えた私服の乱れが無いか確認するが、自身の長い髪がそれを隠す。 片手で後ろ髪を纏める事で再度確認しリリィは再び束のことを考える。
“白騎士”を実質一人で開発したというのは
そんなことを思いながらドアノブを捻り廊下に出ると寝ていた部屋が二重窓であった事もあり聞こえなかった蝉の声にリリィは懐かしく目を細める。 ドイツは日本と気候が似ており同じ時期に同じ季節になる――つまり日本が夏ということはドイツも夏ということだ。 同じ北半球にある国なのだから当然といえば当然だ。 しかしドイツの夏は最高気温が30度を越すことも珍しくはないのだが、平均気温は20度前半で日本より湿気が少なく、また
日本へ来た外国人が夏場の暑さに『ここは地獄だ……』と項垂れるという話を聞いたことがあるが、ドイツの気候に慣れた今ならリリィもその気持ちが理解できた。 日本は大陸の上に存在しているのではなく島国であることから他の国よりも狭い面積を効率よく活用し生活しなくてはならず都会化を進めた結果、自然が減少しアスファルトによって道が作られた。 このアスファルトは水を吸収することもなければ太陽光や熱を反射するため、夏場には太陽光によって温められたアスファルトが気温を低く抑えていた空気中の水蒸気を乾かし、直射日光と反射熱による倍の熱量を人間に与えるのだ。 またビルの存在も島国という利点であった風を遮りエアコンの使用を加速させ、室外機の熱風により更に気温が上昇するという悪循環を生み出した。
初めて日本に来た外国人は、この暑さに耐性がないため苦労しているという話は耳にすることが多い。 だが日本人も耐性があるからといって平気なわけでもない――毎年、熱中症や脱水症状で病院に搬送され何人かは亡くなっているのだ。 先程まで水を欲していたはずなのに喉が突然乾かなくなり汗も出ないことから暑さにも慣れたのだと勘違いした結果、熱中症となる。 夏場の水分補給が大切だと口うるさく言われるのは、自身の体調を管理できないのならば水分補給を義務付ければ熱中症が起こる確率は低くなるという考えが根幹にあるからだ。
クーラーが効いていない室外に出たとたん日本の夏を感じ取ることができる程、今日の気温も高い。 昨夜寝る前に最低限にと開けられていた窓も今は全てが完全に開かれており、昨夜の行動から見ておそらくは束が行ったのだろうと察することができた。 どうも織斑家の家事を束が仕切っていることから、かなり昔から両親不在の織斑家に出入りし二人の世話を焼いているのであろう。 もしかしたら家事を一手に引き受ける代わりに部屋の一室を借りているのであろうか。
――さて、誰かいないかな?
不在とは聞いているものの他人の家――外から見ても理解できるほどに立派な家であることから、帰ってこないということはないだろう。 もしも自身が知らぬ者に見つかった場合、身の潔白を証明できなければ不法侵入者という扱いを受け国家機関に目を向けられてしまう確率が跳ね上がる。 ほぼ有り得ない可能性ではあるがゼロというわけでもない。 リリィに求められるのは自身が泊まったことを証明でき、この家で影響力が大きい人物に誰よりも早く会うことだ。
慎重になることは悪いことではないが怪しい動きになりそうだったためリリィは静かに廊下を進む。 しかし人の気配が極端に薄い。 まだ寝ているのであろうか、それとも今いる場所が二階だからなのだろうか――何かしら近くにいるという事は理解できるのだが、それが一体何なのかリリィには分かるはずもなくただ首をかしげる。 リビングに行けば誰かがいるであろうと仕方なく階段を下りはじめ、床の軋む音と共に誰かの気配が強く動く。 階段に一番近いドアの向こうから気配は強く鋭く漏れており――ドアには千冬の名前がかけられていた。
床の軋む音で目が覚めたのだろうかと思いつつ降りた足を戻し千冬の部屋を軽くノックする。
「――私だ。 寝起きなのかもしれないが話したいことがある。 学校があるだろうから準備が終わったらリビングに来て欲しい」
知った顔とは言え出会ってまだ一日も経っていない。 そんな異性の部屋へ無神経に入っていけるほどリリィは適当に生きては来なかった。 リリィの言葉を理解できたか判断できないが、それを確認する術は無いといっても良い――気配は読めても状態を読むことはできないのだから。
伝えることだけ伝えると再び階段を降りるため足で床を鳴らしゆっくりと降りていく。 そういえば朝食はどうするべきであろうか――おそらく束が何か作ってはいるのだろうが、あの性格で完成する料理が食べられるものとは考えにくい。 だが今まで千冬が口にしていたのだと思うと食べられないものは出てこない気がしてくる。 結局、その悩みはリビングへ近づくにつれ聞こえてくる音によって頭の片隅に追いやられた。
陽気な鼻歌と共にリズムよく何かを刻む音がリリィの耳に届く――それは料理に慣れた手つきだと感じさせる程の心地よいリズムで、心配していた可能性を忘れリリィは躊躇うことなく扉を開け室内を確認。 束から発せられる鼻歌と共に新鮮な野菜が切られる音、そして油が弾けることで生じる音が見事に朝食を作る風景に溶け合い、その結果生まれる食欲を誘う匂いが襲いかかってくる。 部屋に充満したベーコンを炒めた匂いは異臭を放つことはなく台所の上も綺麗に使われており、そんな人間が料理下手ということは到底思えない。
逆にどうして、あのような性格になったのか疑問が出てきたが止まった思考は、それを疑問だと思わなかった。
「――ん? あ、リリィちゃんおはよ~♥」
リリィに気がついた束は包丁を持つ手を止め振り返り笑顔でそう口にするも、思考が止まったリリィは反応することが出来ない。 周囲の光景は何一つおかしくはない――しかし一つだけ理解のできないものが目の前にある。 それがリリィの思考を奪った最大の原因だ。
目を見開き呆然としているリリィを見て束は不思議そうに首をかしげる。
「どうしたの、何かおかしい?」
おかしいもなにも、その格好はなんなのだとリリィは口にしようとし、その口は何も発することがなかった。 本気で言っているのならば束には羞恥心がかけているのではないだろうか。 視線を逸らしリリィは何と指摘するべきか考えようとし、上手く纏まらない思考を落ち着かせるかのように深く息を吐き自身の精神を安定させていく。
――こういうのをなんて言うんだっけ……裸エプロンだっけ?
ドイツの地で戦友に教え込まれた余分な情報の中から束の格好が、生まれたままの何も来ていない状態にエプロンだけを付けた――
「――エプロンするのはいいよ、料理してるんだし……でも何で服着てないの? 油が跳ねて危ないし、あと私の目のやり場に困るんだけど」
「ふふ~ん、リリィちゃんのお気に召して何よりだよ♪ どうどう、この新妻スタイル?」
恥ずかしいのだろうか少しだけ頬を染めて問いかけてくる束にリリィは何を言えばいいのかわからなくなる。 恥ずかしいのならば止めればよいのではないのだろうか、それともツッコミを入れるべきボケ――フリというやつなのだろうか。 束の感覚が理解できないため言葉の真意が読み取れず困惑してしまう。
とりあえず真面目な感想を口に出来るほどリリィは女性に対して、このような
似合っているかいないかで言えば間違いなく似合っている。 年不相応に発育した身体は大人の女性に限りなく近く、証明されなくては中学生であるだなんて想像もできないほど束の身体は女性としての理想的な完成体に近い。 実を言うとリリィはリビングに入った当初、束の裸体を後ろから見ているのだ――エプロンを構成する大部分が存在しない背中、その上を走るエプロンのラインが肌を強調させ何も履いていない為、動くたびに見えてはいけなさそうな女性的である足の付け根。 そんな束が異性を誘惑するような服装で現れれば間違いなく獣を作り出すのは想像に難くない。
結局、何を口にしても束の行動は理解も予測も出来ない為かリリィは何も動けないのだ。
そもそも新妻とは結婚したばかりの女性を示す言葉であり、そう見ようと思えば確かに見れなくもないが、まだ束は十四歳である。 結婚している訳でも無ければ当然新妻でもない。 束とて年頃の女性であるから、そう言った想い人がいてもおかしくは無いのだが、それならば一体何故リリィの前で行う必要があるのだろう。
「――で、どうかな~? そんな顔するぐらいには良い感じっぽいけど、私としてはリリィちゃんの口から聞きたいかな――それとも束さんの姿にメロメロキューされちゃった感じかな~♪」
「……束、風邪をひく前に服を着ようか?」
「ん~、束さん耳が遠くなっちゃったみたい――リリィちゃんが何を言ってるか、よく聞こえないよー。 今なんていったのかな、もしかしてエプロンを外して抱きつけって――雪山で遭難したみたいに裸で温め合おうって~? そんでそんで暗くなってきてお互い慣れ始めた時に……いやーん、リリィちゃんのエッチー♥」
誰もそんな事を言ってなければ真逆のことを口にしている時点でリリィの言葉が聞こえているのではないかと思った――だが束の口にした言葉がその気力を奪っていく。 そもそも織斑家は雪山でもなければ遭難することもないし、暗くなるまでの半日以上を衣類を一切身に纏うこと無く束と過ごすという事は勘弁して欲しいとリリィは思った。 普通ならば親しき仲に礼儀ありと束に怒るべきなのだろうが、あいにくと束の感性は普通から大きく外れ――何を言ったところで根本的な解決にはならないだろうと、出会った当初の行動を思い出し心の中で溜息をつき、一発だけ殴っておくべきなのだろうかと考え始める。 だが、そこまで短気ではないと掻き乱された思考を
思考の片隅で僅かな煩悩がリリィに、流されてしまえば彼女を自分のモノにできる――と囁くが、全体から見て欠片にも満たいない煩悩だ。 すぐにアホらしいと思考の外へ追いやる。 だが視線を戻した目にはエプロンの胸元を少しだけ引っ張ることでリリィを誘惑しようとしている束がいた。 生地が引っ張られることで大きな乳房が形を変える光景は今まで見てきた女性の姿とは一切合致せず、恥ずかしさから再び視線を外す。 軍属として女性との接触はあったが服装規定による過度な露出をした人物は今までリリィの周りにはいなかったのだから当然だろう。
早く服を着て欲しい――そんなことを思いながらリリィは、なるべく束の方へ視線を向け無いようにチラチラと束の様子を見る。 しかし前屈みで更に誘惑してくる束は何もしてこないリリィに業を煮やしたのか、一歩前に足を踏み出し小さなリリィに抱きつく。
「ん~、やっぱり可愛い~♥」
視線を逸らした一瞬だった。 その身長差によってリリィは頭から束の胸に押し付けられ、エプロンという薄い壁の向こうに存在している硬く小さな突起物が頬に、その存在を主張し続ける。 それを理解した瞬間、リリィは急いで束を押し返し離れようとするが子供の腕力がどれほどのものか言うまではないだろう――必死に抵抗しても束は何事もないようにリリィを腕の中に収め続け反応を楽しんでいた。
時折、束の口から艶かしい声が聞こえるが現状を理解できていないリリィにとっては興奮できる材料というよりも、気味の悪い原因でしかない。 この抵抗を束は恥ずかしがっているから行っている行為だと思っているのだろうが、当のリリィにとっては息が出来ない状態でもあるため一刻も早く離れなくては生死に関わる可能性もある。
「――束、一体何をしているんだ?」
「あ、ちーちゃんだ。 おっは~✩」
その流れを断ち切ったのは学生服に着替えリビングに足を踏み入れた機嫌の悪そうな千冬だった。 自身が想像していた光景を超える状況に思考が追いついてこないのか、溜息と共に髪の毛を掻き上げ千冬はリリィを見下ろし、そんなリリィは束の腕から力が抜けたことを機に身体を反転させることで顔の向きを変え窒息の可能性を避ける。
――何だ、殺気?
不意に千冬から隠しきれない感覚を感じリリィは警戒し“フリーダム”に意識を向け、まだ軽く目を通しただけで試してもいない展開を何時でも出来るように構えた。
「おっはー、じゃないんだがな……本当に何をしているんだか、お前は。 しかし好都合だ――束、そのままソイツを抑えていろ」
「ん、いいけど……一体何をする気なのかな~?」
「何簡単なことさ――コレをソイツの頭に押し付けるためだ」
そう言いながら千冬は後ろ手に隠し持っていた黒い拳銃をリリィに向け、その銃口を額に押し付ける。 一般家庭に拳銃があるはずがない――ここは日本なのだからアメリカ合衆国のようなホームセンターは存在せず、一般家庭に拳銃が出回ることはありえないのだ。 “白騎士”の開発過程で作られた物なのかとも思ったが、見覚えのある形にリリィは、それが一体何なのか理解してしまう。
H&K MARK 23――日本では“
元々はベトナム戦争時代に“
そしてリリィがドイツ連邦国防省連邦防衛軍時代から所有する武器の一つでもある。 つまり今現在、リリィの額に押し付けられたH&K MARK 23はリリィが所有する武器の一つということだ。
「……ねぇ、ちーちゃん。 確かにカッコイイけど、それどこから持ってきたの? 銃なんて作った記憶が無いよ?」
「――昨日、どこぞの大馬鹿が得体の知れない不審者を泊めさせてくれと言い出してきたから、仕方がなく了承したがな……あんなモノを持っている人間を平気で家に泊まらせるわけがないだろう!」
確かに千冬の言うとおり“フリーダム”を危険視するのは正しい事である。 未だ誰にも知られてはいないはずだが機体を動かす動力から兵装まで、その全てが現存する兵器の中で最先端に位置すると断言しても過言ではない。 そんな兵器を所有するリリィを警戒しないほうがおかしい事なのだ。 所持品検査をし危険性が無いか調べる――無許可で行う千冬の行動は褒められたものではないであろうが、相手は“フリーダム”という一瞬で周囲を焦土と化すことが出来うる兵器を持つ相手である。 “白騎士”で対抗できないのであれば、相手が自分以下の性能しか発揮できない状況で行動を起こし、気がつかれることなく卑怯という手を使い生身の人間であるリリィを狙うのは予想が出来た。
これは一種の戦争なのだ。 卑怯も正義も無く、互いの思惑も理解することはない。 ただ自身の平穏を求めた結果、織斑千冬という女子中学生がリリィの敵となっただけだ。
「悪いがな、そこの大馬鹿を守るためだ――私の質問に嫌でも答えてもらうぞ。 束、そこから離れろ」
「えー、やだよ~。 せっかくリリィちゃんをハグハグで来てたのに……」
「いいから離れろ!」
渋々と束はリリィから手を離し千冬が手を動かした方に位置を移動させる。
「――さて、これで口は自由だろう……答えてもらうぞ。 何故こんな物を持っている、昨日のアレは何だ、貴様は何者だ――貴様の目的は一体何だ!!」
相手が子供だからこそ怒鳴ることで上から威圧する手法を千冬は取るもリリィは何も答えない――いや、質問に対しての回答は存在している。 しかし素直に答えたところで千冬の求めた回答ではないことは明白だ。 千冬はリリィが何者かを知りたいのではない――リリィという存在を自身が属している枠組みの中に入れたくないために、必死に取り除こうとしている。 リリィが何者であるかは二の次で、最優先すべきことは異物を取り除くことなのだ。 それは束に聞くまでもなく織斑家で顔を合わせてからの反応で理解していた。
千冬にとってリリィは自身の日常を狂わせる異物なのだ。 それは間違いない事実であるため否定することはしないが、ではだからと言って自身の目的を断念するほどリリィもお人好しではない。 リリィも千冬と同じように唯一の手がかりになりうる束を必要としているのだから。
「だんまりか?」
「――正直に話したら満足するの?」
「知らないよりはマシだろう」
この戦争に停戦という終わりは無い。 どちらかの意志が折れ敗北を認めるまで続く二人だけの戦争――だからこそ休戦協定も無ければ話し合うテーブルも存在しない。 リリィが話したところで千冬が理解することはないだろうと現状を維持しようとしても、それを千冬は認めず敵を排除しようと武器を持ち迫る。 まるで人種差別によって起きる戦争の構図と同じような気がした。
「――ドイツ連邦国防省連邦防衛軍、第一空軍師団所属管制指揮官
小さく溜息のように漏れる言葉に千冬は困惑の表情を見せる。
それもそうだろう。 千冬の思考にもリリィが軍人、もしくは軍需産業に関わっている人物である可能性はあったはずだ。 しかし実際に、その思考を肯定され動揺を隠せる人間というのは、あらゆる状況に対処できる優れた人物か予測した情報を確実性のあるものだと自身の思考を信じることができる者達しかいない。 残念なことに中学生の千冬にとって、頭の片隅で控えていた予測を肯定され平常心を保てるだけの余裕が無かった。
リリィの言葉を理解して受け止めようとしているのだろうか――銃口が額から離れ僅かに震え始める。 千冬の視線が少しづつリリィから外れる回数が多くなりはじめた。 優位性を覆す最大の隙きだとリリィはH&K MARK 23のスライド部分を強く握りながら自身から銃口を逸らす。 その過程で腕にかかる違和感に千冬は思わず
何度も引き金を引きスライドに手をつけないことから、おそらく千冬は“白騎士”を動かせたとしても銃器の使用は撃つだけ――構造を理解してないため正常な状態に戻すことはできないのだろう。 そう理解しリリィは静かにH&K MARK 23から手を離す。 もしもスライドに手をかけ空薬莢を排出したら、次は少々荒っぽいが“フリーダム”のラミネートアンチビームシールドだけを千冬の腹部に向け展開し無力化することになるだろう。 だが千冬は苦虫を噛み潰したような表情で何度も
「さて、私は千冬の質問に答えた――次は私の番だ。 織斑千冬、今の真似は一体何だ。 貴様の目的を言え」
初めて見るリリィの管制指揮官としての――軍人としての今まで感じたことが無いであろう威圧感に千冬は一歩後ずさる。 威圧感というよりもリリィが責任のある立場にいたことで育まれた、正確な情報を得て大多数に伝えるという感情の込められる余地がない必要最低限の言葉。 それを一般人である千冬が今まで感じたことのない違和感に恐れ脳が威圧感だと認識しているだけだ。
そんな千冬を見てリリィは数歩前に出ると置かれたH&K MARK 23を手に取り、詰まっていた空薬莢を排出――再び室内に銃声が響く。 先ほど千冬が開けた穴の付近に再び穴を開け正常に動くことを見せつけると、その銃口を千冬に向けた。 今度はスライドが押さえつけられることもなく動いたため空になった薬莢が正しく外に吐き出され、そのまま千冬の足元まで転がっていく。 銃口からは今の発砲によって爆発した薬莢内の火薬が煙となり天井に薄い線を伸ばしている。 状況は反転した。 しかしリリィには千冬を責めるつもりもなければ質問に答えて貰うつもりも無いと、視線を束に向け後の事を任せるかのようにリリィはテレビの前に置かれたソファに腰を下ろす。 H&K MARK 23はリリィの手に収まったままだ。
「リリィちゃん、別に気にしてないってさ~。 よかったね♪ まぁ、それはさておき、ちーちゃん――そろそろ遅刻寸前だけど大丈夫なの? もう、いっくんは先に行っちゃったけど」
今までリリィの事で時間を気にしていなかったのか千冬が今現在の時刻を確認すれば既に長い針が真下の数字を越そうかという所。 流石に束を一人にさせる事が不安なのか仮病を使ってでも家にいると口にするも、それを束が宥め何とか学校に行かせようと言い聞かせる。 なるほど、束に依存しているからこそ千冬は、そこにリリィが加わることを恐れたのだろう――誰にも奪われないために。
これはある種の
“フリーダム”の存在があるからこそ千冬は躍起になってるのかもしれない。 だが、それにしては異常なまでにリリィを目の敵にするのは、知人というよりは肉親ではないかと疑うほど――それほどの執着だと感じたのだ。
「――もしも束に何かしてみろ、ただじゃ置かない……!」
憎しみに満ちた目をリリィに向け横を通り抜けると、それに続くように束が見送るため千冬の後を追って玄関に向かう。 少ししてから束の格好を思い出し慌てて止めに玄関へ走るも既に扉は開かれており、その身体は玄関の外に出ていた。 運が良かったのか外に人目は無く束の裸体に近い姿が目撃されることはなかったが、一歩間違えれば警察に通報されてもおかしくはない状況だ。 銃声が外に漏れた可能性もある時点で織斑家周辺が、この時間帯普通と呼べる状態ではないのは確実だろう。
周囲を警戒しリリィは束の手を引っ張り急いで家の中に戻る。 まるでやましい事をしている気分になり荒い息を整え、とんでもないことを実行した束を睨みつけた。
「……自分の状態を理解した上で外に出てくれない。 それとも痴女か何かなの、朝早くから盛ってる売女なの?」
「おー、リリィちゃんが凄く積極的に話しかけてきてくれてる♪」
「貶してるんだよ! そんなに喋りたいのなら着替えた後でじっくりと“
「隅から隅までって――リリィちゃん、そんなに束さんの身体に興味津々だったの? もー、早く言ってくれれば夜のうちに好きなだけ触らせてあげたのに~♥」
だから何故、自身の発言全てが束の耳には正確に伝わらないのだろうか――と口にしたところで元々聞こえているのだから何を言っても変わることはないとリリィは溜息をつき、束をおいて先にリビングに戻る。 後ろで無視されたことに束は文句を言っているが、これ以上付き合っていたら日が暮れる前に倒れそうだ。 そうならない為には束の発言を流すしかない。
先程まで座っていたソファーに置いて行かれたH&K MARK 23を手に取ると弾倉を取り出しスライドを引くことで内部を確認する。 千冬が乱雑な扱い方をしたため破損してないか不安だったが、記憶にある光景のままであったため大きな損傷はないようだ。
このパンを貰おう――そう入ってきたばかりの束に言うとソファーに全ての体重をあずけ食べ始める。 未だ束は着替えることなく白い肌を露出していた。
「やっぱ優しいんだね、リリィちゃんは」
「――銃口を
「でもちゃんと撃った後に撃てないようロックしてたじゃん。 銃に詳しくはないけど、手元に有る上下レバーの事を
それを聞いてリリィは束が側面を誰よりも遮蔽物に視界が遮られることなく間近で見ることが出来たことを思い出す。 見られていたのならば隠すこともない――確かにリリィは
撃鉄を下ろすという行為は
「あ、その微妙な顔は当たってるんだ~♪ んふふ、少しづつリリィちゃんの表情で何考えてるかわかってきたよ~」
そう言いながらリリィの前にあるテーブルへフライパンの中身を移したお皿を置く。 どうやら先程まで作っていたのは千冬のお弁当に入れる予定のオカズと二人分の朝食のようだ。 微妙でも毒が混入されている可能性を警戒し、割り箸を受け取ると一口分に分け中身を確認してから咀嚼――普通に食べることができ、もはや呆れるしかなかった。 人前に出ることが出来ないような服装に何かするのではないかと警戒した自分が阿呆のように思えてしまう。 馬鹿と天才は紙一重とはよく言うが、せめて常識が無いのは“白騎士”に関係することだけにして欲しいものだ。
徐々に束の柔肌にも慣れ始めリリィは平然とニュース番組を横目に出された食事を口に運ぶ。 H&K MARK 23を巡った騒動さえなければ静かな朝食の風景であっただろう。
「さて“白騎士”について話してもらおうか――いつまでも私だけが情報を開示し続けるのは不公平というものだろう?」
食事を終え口元の汚れをティッシュで拭い去るとリリィは昨日の出来事について束に切り込む。 対する束も心の準備ができていたのか同じように口元を拭うと肩から力を抜きソファーに沈み込み考え込み始める。
「――そうだね、まず何から話し始めればいいか、そもそもリリィちゃんにとって一体“白騎士”の何を知りたいのか私にはさっぱりだから、軽い機体解説っていうことでいいかな?」
「構わない。 日が暮れるまでには時間がある」
「おーけーおーけー、了解。 昨日も言ったけど“白騎士”――B型は一般的な金属のみで構成されてる機体だよ。 ただ普通の金属を使用している面積が多いだけで正確には、ある種の加工を加えた特殊な鉱石でメインフレームを構成してる。 既存のモノを
そう言って頭の上で動いていたウサミミから何かを取り出しリリィに差し出す。 加工がされている石だろうか。 照明の光を受けて美しく輝いていることからアクセサリーに用いられる天然鉱物の一種かと思えるが、それらと“白騎士”が結びつく要素が見当たらない。
「始まりは私が偶然にも、この鉱石を見つけだしたことから“白騎士”の開発を始めたんだと思う。 元々システムの大半は私が、ある目的のために作った個別のシステムであって“白騎士”に使うことを目的として開発してないんだ。 そのせいで……例えばAのシステムは互いに干渉し合ってしまう①という問題を抱えていて他の干渉し合う番号には何も問題を抱えていないわけだけど、BのシステムはAと同じ問題の番号である①をクリアしている――けど②という互いに干渉し合う番号が全く別の問題を起こしていて、その問題はシステムの存在自体に関わるわけ。 そんなのが搭載する全てのシステムの数だけあって、互いに独立しているシステムを纏めようとすると、どうしても不具合が発生し纏められない……修正しても別の番号が問題を起こす。 唯一の解決策は統合性を持たるためシステム自体の性能を下げるという点だったんだけど、この鉱石――コレを全システムの
「つまり“白騎士”の核となっている部分が
「――動いているから正常に稼働しているというのは、ちょっと違うってリリィちゃんもわかってるでしょ? “白騎士”が今は動くってだけで、正しく稼働しているわけじゃないよ。 ただ動かすためだけに繋げられただけっていう試験的な面が大きい状態を正しいとは言わないよね」
「昨日言っていた『“白騎士”を完成させるのに力貸して』というのは、そういうことか……。 私に
今現在の“白騎士”は特殊な鉱石という一点の存在によって成り立っているのであって、システム同士が干渉し合う
恐らくだが束は“白騎士”を使い自身を理解してもらいたいのだろう。 機体のプログラムを組み直すということは、そのシステムを理解することから始めなくてはいけない――つまり束が差し出した鉱石を含め“白騎士”のシステムをリリィに解析させ、自分はこういう人間なのだと知ってほしいのではないか、そう思えた。 互いに一番秀でた箇所を理解してもらいたくもあり、そこから自分を知ってほしいと。
そうでなくてもリリィとしては束の提案に乗らないという選択肢は無い。 “白騎士”の開発過程がどうであれ兵器として存在しうるモノを解析し都合の良いシステムを捩じ込むことも可能になる。
「
「……慣性、制御?」
「――あー、慣性制御システム“
聞き間違えだろうかと思い思わず問い返してしまうも、どうやら聞き間違いというわけではないようだ。 今までは常識の範囲で収まっているであろう会話内容であったが、急に架空のシステムが束の口から出てきて混乱しかける――しかし、その存在は“フリーダム”の前で実践されている。 証明されているため笑い飛ばす事ができない。
慣性とはアイザック・ニュートンが1687年に述べた性質のことだ。 運動方程式の一つ、運動の第一法則――
しかしシステムの何が干渉しあっているのか不明だったが原因の一つは、間違いなく慣性制御にある可能性が高い。 慣性を無くせたとしても、それでは動くことも止まることもできない――いや摩擦力の制御ができないのであれば空気抵抗によって止まることはできるはずだ。 しかし次に動くことはできない。 そのため各部にスラスター類を搭載し機動を制御しているのだろう――だが互いに独立し認識することがない慣性制御システムが機体に加わる力を無くしている。 常にゼロにしようとして動くシステムとゼロ以外の数値を出そうとするシステムが相反しているのだから問題が起きない方がおかしい。
「ふむん――まぁ、なんとなく問題が起こりそうな部分に目星は付いたけど、間違いなく束が確認してるとは思う。 それでもいいのなら見させてもらう。 そうじゃないと私も問題という問題が分からない」
「おっけ~♪ なら、このお話また後でという事で――今度はリリィちゃんの目的が聞きたいな~。 束さん的には、こんな可愛い子が一緒にいてくれるってだけでも嬉しいんだけど、なんか隠してるでしょ?」
頭を痛めながら“白騎士”について考えている中、束は微笑みながらリリィの隠しておきたい思考を突く。
気がつかれたのだろうか――それにしては“フリーダム”に手をつけなかったり、自分から“白騎士”を解析させようとする思惑がリリィには理解できない。 リリィが束を
束の思考ロジックが理解できなく気味が悪い。 結局、リリィは何も言わずにリビングから離れた。
「はぁ……なんだろ、ちーちゃんもリリィちゃんも警戒してて耐えられないかなぁ……」
そう言いながら織斑家で束に与えられた部屋に戻りエプロンを脱ぎ去り、小さな洋服棚の中から下着を一組づつ取り出す。 夏場とは言え気温が高い外と比べると、室内は快適な温度設定になっている――だが、それは衣類を着用した状態での話。 流石に裸エプロンという全裸に近い状態では夏の暑さを相殺するために設定した冷気は流石に寒く、窓を開けるという無駄金を使う余裕もなければ外に出て過ごすという行為もしたくはない。 “白騎士”も機械であるため改修や分解等は室内で行う。 外に出るという必要性もないのだから束の方が服装を合わせるという結果になるのは当然のことだ。 とはいえ暗くなった空気を変えるという意味ではエプロンのみという服装から着替えるという選択肢は正しいような気が束はしていた。
鏡台には乳房も先端にある乳頭も秘部も全て隠すことなく立つ自分自身がおり、その体型は間違いなく男を誘惑する『出るとこは出て、引っ込むところは引っ込む』という魅力的な形状をしているはずだ。 しかし現にリリィは何も手を出すところか恥ずかしがりながら抵抗し、感情を殺したような硬い表情で朝食を取っていた。 もしかしたら自分が見た情報は間違っており、リリィの態度のほうが正しいのだろうかと不安になる。
別にリリィを誘惑したいわけではないのだが、せめて身体だけでも良いから興味を抱いて欲しかったのだ。
「そろそろ一回帰らないと箒ちゃんに忘れられちゃいそうだし、後で散歩のついでに顔でも見てこよ~。 あー、でも最高な気分を邪魔されても困るし……」
一体どうすれば良いのだろうかと悩みながら下着を履き、はみ出た乳房を背中から集めブラジャーの中で形を整えていく。 何もつけていない時に比べ肩紐のおかげか、下を向いていた先端部が若干ではあるが上を向いており
「――そうだ、リリィちゃんも連れて行こう♪」
それまでは共に“白騎士”の解析だ。 一時的に帰宅する計画を立てながら、束は昨日と同じデザインの服に袖を通し、外していたウサミミを手に再びリビングに向かった。
用語設定
Sort:本文登場順
✔ドイツ連邦国防省連邦防衛軍 【組織】
ドイツ連邦共和国の国防を管理する連邦政府の軍事機構分野で、一般的には“ドイツ連邦軍”と言われる軍隊の事を指す。
1990年のドイツ再統一後に軍も再構成され“陸軍”“海軍”“空軍”“戦力基盤軍”“救護業務軍”等が存在している。
✔空中管制指揮官 【用語】
早期警戒管制機に搭乗し戦場にいる味方部隊に指揮を出す人物を指す単語。
必然的に戦場にいる中で階級が高く分析した情報を味方に共有し作戦立案したり、その場で作戦指揮下の部隊に命令する権限を持っているが、その命令に伴う責任を問われやすい役職でもある。
✔
「機能単体、交換可能な構成部品」という意味の英単語。
システムの一部を構成するひとまとまりの機能を持った部品で、システムや他の部品へインターフェースの仕様が規格化や標準化されており容易に追加、交換が出来るような物の事を意味する。
※IT用語辞典等から抜粋
✔高出力バッテリー 【技術】
二次電池と呼ばれる蓄電池を基軸に開発された科学電池を主に指す。
充電を行うことで電気を蓄え使用し、それを繰り返すことができる。 従来のバッテリーでは“白騎士”に搭載したところで出力不足や容量不足という問題を抱えてしまったために新規製造された。
《ZGMF-X10A“FREEDOM”》
【挿絵表示】