この運命さえ喰らい尽くせ   作:海波 犬夜

10 / 34
鬼人達と日常

オーガの若様がリムルに従うようになって数時間。

オーガのみんなは名づけをされ、進化を完了してついさっき起きたばかり。

リムル?あのポカしたお兄ちゃんはまたぐっすり眠ってるよ

そんな訳で、また数日間僕はリムルの代理をすることになってしまった

そうとなったらまずは...

 

「メイル様、我ら一同、全員鬼人への進化完了しました。」

 

...この人だよなぁ...

 

「う、うん...良かったねベニマル...」

 

紅丸(ベニマル)、オーガの若様だ。

リムル的には侍風な名前に髪の色を入れたのかな。

とはいえ、なんだかベニマルの僕に対する対応がなぁ...

 

「...あ、あのさベニマル...?その...僕に敬語外すよう言うならベニマルもその硬い話し方やめて欲しいんだけど...」

 

「いえ、主従関係である以上、敬語を外すことはできません。まして俺は、初対面時メイル様に無礼を働いた身。軽々しく接することなどできません」

 

「あ、あれは気にしてないって...!!」

 

「メイル様がよくとも、俺が自身を許せないのです。どうか、固くなってしまうことをお許しください。」

 

「ぅ...あ...」

 

やばい...このままだとずっと関係が硬いままになっちゃう...!!

何とかしないと...

こんな時に居てほしいリムルはポカして寝てるし...リグルドは今忙しくていないし、ランガはリムルの影でお昼寝中だし...!!

 

「お兄様、メイル様が困ってらっしゃいますよ!!

お兄様のプライドよりメイル様の御心を優先するべきです!!」

 

そんな時、僕の味方をしてくれたのはベニマルの妹の桃髪のお姫様...ではなく朱菜(シュナ)

シュナも名前を貰ってより可愛く、強くなっていた

何より、前の罪悪感か僕の事をよくサポートしてくれて助かってる...

 

「あ、ありがとうシュナ...でも、そんな強く言わなくていいから...」

 

「メイル様は優しすぎます!!お兄様にはもっと強く言ってくれて構わないんですよ!!」

 

「あ...えぇっと...」

 

「ほっほっほ、大変そうですのぉメイル様」

 

「ちょ、ちょうど良かった!!白老(ハクロウ)何とかして!!」

 

「何とかするのは簡単ですが、それはご自身で乗り越えるべきですぞ。これも修行ですじゃ。」

 

白老、初めに僕を切りつけたお爺さんだ。

剣鬼として恐れられた時もあったくらいの凄腕らしい

でも、こういう時はあっさり逃げられる

 

「とはいえ、若も姫もその辺にしてくだされ。

ただでさえ今は主であるリムル様はおやすみの最中。

1人代理をしておられるメイル様にこれ以上負担をかける訳には行きますまい。」

 

「...そうだな...申し訳ない。メイル様」

 

「ほんとに思ってる...?」

 

「...信用出来ないのも無理はありません。しかし、心から...」

 

「じゃあ今すぐその堅苦しい口調やめて!!もっと軽く接して!!」

 

「い、いえ...しかし...」

 

「できないならベニマルとはもう話さない!!」

 

シュナとのやり取りを見ていて気づいたことがある。

おそらくベニマルは妹に頭が上がらない。

だったら、リムルに困った時やるわがままモードを使うまでだ!!

 

「...わかりました...ですからその...もうおやめ下さい」

 

「ベニマルがまた固くなったらやるから」

 

「...り、了解しました...」

 

勝った。この世に大事に思う弟妹がいる兄姉が弟属性を持っている僕に勝てるわけが無いのだ

とはいえ、あんまりわがまま言い過ぎないようにしないとね。

 

「...さて、本題に戻るけど...まだ来てない3人は一旦置いといて、3人には先に仮役職を割り振るね」

 

「仮、ですか?メイル様はここの主であらせられるのになぜ仮なのでしょう?」

 

「僕は主代理、正式な主はリムルだからね。この街の人も全部リムルが名付けたし...それに僕はリムルの横にいることが出来ればいいから。

そういう訳で、リムルが最終決定下すまでは仮ってこと。」

 

「なるほど。そういえば昨日はメイル様はリムル様の弟と聞いておりましたが、どうも種族が違うように感じますじゃ。なぜ兄弟を名乗っておられるのですかな?」

 

「それは、少し長くなるから街を案内しながら説明するよ。着いてきて。働きたいところがあったら、回り終わったらそこに行けるようにみんなに連絡するから」

 

そうして僕らはリムルの眠る執務館...というより執務家かな?から出て、のんびりと街を回りながら昔の話をしていた。

 

「僕とリムルはね〜同じ洞窟で生まれたんだ〜。

初めてあった時はリムルともう1人居たんだけどね。

訳合って今1人とは会えないんだ〜、でもそのうち会えるから、その時はみんなに紹介するね。

それでね、そのもう1人にリムルが僕のことを頼まれて〜...それで(前世の)生まれた時期的にリムルがお兄ちゃんだね〜ってなったからじゃあ生まれた場所は一緒だし兄弟だってなったんだ〜」

 

そんな少し懐かしい話をしながら、僕はいつも散歩するようにのんびりと街を見て回った。

時々シュナが洋服を楽しそうに見つめていたり、ハクロウがゴブタ達ゴブリンライダーの訓練を関心そうに見つめ、ベニマルは何かを考えるようにゴブリンライダー達を見ていた。

うん。これは職業決まったかな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は、新たな主を得ていた。

初めて顔を合わせた時は、恥ずかしいことに実力も測れずにただ怒りに身を任せ主となる人物に刃を向けた。

ましてや、自身が諭されてなお聞く耳持たず、一切手を出さなかったメイル様に対し、オーガの秘術とも言える技を放ち、手傷を負わせた

正直、打首にされても文句は言えない。

そう思い、俺は二度とこんな無礼は働かないと決意した。

何より、歯向かうだけの俺たちを許して名までくれた2人の主の剣としてそばに仕えたいと思った

だから俺は態度を改め、誠心誠意報いるつもりだった...しかし

 

「じゃあ今すぐその堅苦しい口調やめて!!もっと軽く接して!!できないならベニマルとはもう話さない!!」

 

...と、あっさりやめさせられてしまった。

その時俺は、表面上許されたとしても、おそらくこの方のお傍には仕えられないのだろうと覚悟した。

そして、メイル様とリムル様の出会いを聞いた。

そりゃ、そんな大事な弟を傷つけたやつそばに置きたくないし、傷つけたやつなんて信用出来ないよな...

 

そう思った俺はせめて雑用だろうと精一杯やり、いつかお傍に...と思っていたのだが

 

「じゃあ、ベニマルには軍事関係の隊長...というより総司令官をやってもらおうかな!」

 

「え...」

 

今、なんて...?軍事関係の総司令官?

それは、下手すればリムル様の次くらい傍にいることになるが...

 

「お、俺でいいのですか...?」

 

「ん?ダメだった?さっきゴブタ達みて、アイツらが先兵として戦場を駆ければ...とか言ってたからそういうのがいいかなって思ったんだけど...」

 

あぁ...この方は、あんな無礼を働いた俺をまだ必要としてくれていたんだ...

 

ここまで期待されて、首を横に振れるものがいるだろうか...

少なくとも俺は、振れなかった。

 

「...メイル様、今一度、今までの非礼をお詫び申し上げます...そして総司令官の役目、しかとやり遂げ必ずや豚どもとの戦いで勝利を捧げて見せます...!!」

 

もはや迷いは無い。

俺はこの方について行こう。

 

そうして俺は深く頭を下げる

 

「俺の魂は御身とともに...」

 

「な、何!?また固くなってるよベニマル!!軽くって言ったでしょ!!」

 

「ふふ、すみません...少し、俺の中で心変わりと言うか...まぁ、少しあったのです。」

 

「...なんだかわかんないけど、そんなニコニコなら今すぐ仕事割り振っちゃうよ?」

 

「それは、気合いが入りますね」

 

そう俺が零すと、メイル様はやる気充分だねと笑った。

屈託のない、純粋な笑顔。

俺はこの笑顔を守ると今亡き暴風竜に誓おう

それが、あなたの笑顔に救われた俺の唯一できることだから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ベニマル達との散歩...ではなく仕事場見学を終えて僕は1人、ハクロウに頼みをしていた

 

「お願い!!」

 

「しかしメイル様...」

 

だが、交渉は上手くいってなかった。

おそらく、僕の交渉内容も関係はしているだろう。

 

「お願いだよ!ハクロウにしか頼めないんだ!!」

 

「そうは申されましてものぉ...メイル様は戦闘はしないものじゃと思っておりましたからなぁ...それに、敵はワシらに任せて指揮を取るというのも大事な...」

 

「それじゃダメなんだよ!!僕はリムルに頼られたいの!!

リムルに背中を任せて欲しいの!!だから指揮官じゃダメなんだよ!!」

 

「ふむ...そこまで覚悟がお在りなら、ワシでよければ稽古をつけましょう。」

 

「ホント!?」

 

「ただし、教えるのは基礎ができてからですぞ」

 

「な、何をすれば...!!」

 

「...まずは、剣になれないといけませんな。木刀を使って握りと振りから指導しましょう」

 

「よろしくお願いします!!」

 

「ほっほっほ、やる気があるのは結構ですじゃ」

 

なんてやり取りの末何とかハクロウから剣を教われるようになった。

今まで僕は戦闘という戦闘をしてこなかったけど、小鬼とはいえ僕だって鬼だもん!!鍛えればベニマルとかハクロウみたいになれるはず!!

 

いつかリムルと背を合わせて戦う自分を夢見て僕の剣の修行が始まった...のだが...

 

「あぅ〜...( ×ω× ).。oஇ」

 

「ふむ...どうにもメイル様には剣は合わぬようですなぁ...」

 

剣を持ってすぐに感じたのは剣に振り回されるだった。

どうにも僕は剣との相性が悪いらしい。

少年の頃誰もが憧れる大太刀を振り回したり

刀で飛んできたものを斬り伏せたり

間合いに入った相手を居合で切り伏せるとかは僕にはできないらしい

 

「は、ハクロウ...修行し続ければ僕にも剣は振れる...?」

 

「...正直に申しましょう。木刀にも振り回されてる様では、真剣を持つなど夢のまた夢ですじゃ。とはいえ、刀以外にも武器はありますゆえ、諦めるには早いですぞ。メイル様には小刀などの方が向いてるだけやもしれませんからな。」

 

「小刀...小刀かぁ...」

 

小刀...まぁ確かに刀だけど...それなら僕は侍ってより忍者なのかなぁ...でも、この世界じゃクナイとか手裏剣とか通用しなさそうだよね...

忍者...少し行ってみようかな...

 

「ハクロウ、少し僕蒼影(ソウエイ)の所に行ってくる」

 

「小刀と言えば...ということですかな?これも経験になりましょう。満足いくまで自分の半身を探すと良いとワシも思いますぞ」

 

「うん!!絶対見つけてくるね!!」

 

そう言って、僕は青髪の鬼人、ソウエイの元へ向かった

 

「...本当に剣を振れたなら、わしの後継として育てるのも考えたんじゃがのぉ...世の中上手くいかないもんじゃわい」

 

メイルの居なくなった空き地でポツリと呟くハクロウ。人知れず鬼教官の目から逃れられたことをメイルは知らない...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ソウエイ〜!!」

 

ハクロウの修行を終えて僕が向かった先は街の入口だった

ソウエイは今回進化したことでランガの得意技の影移動とイフリートの使っていた分身体を覚えて街の周辺の警備をしてくれている。

その姿はまさに忍。だから忍者について聞くならソウエイかなと思ったのだ!!

 

「お呼びでしょうか、メイル様」

 

「お疲れ様ソウエイ。周辺に異常はない?」

 

「はい。今も数体の分身が見回っておりますが、異常は見られません。」

 

「じゃあ今本体は手が空いてるよね!!」

 

「...?はい。」

 

「じゃあ戦い方を教えて!!」

 

「........????」

 

普段は無表情でクールなソウエイの困惑顔を始めてみた...い、いくらなんでも説明が足りなかったかな?

 

「えっとね、ハクロウに剣の修行をつけてもらおうと思ったんだけど、僕には剣の才能がないみたいで...それでハクロウに小刀ならどうかって言われて、ソウエイが使ってるクナイなら小刀っぽいし何かいい戦い方知らないかなって!!」

 

「...なるほど、でしたらこちらをお使いください。」

 

納得してくれたのか、ソウエイは僕にクナイを1本渡し、自身もクナイを構える

 

「構えはこのように。そして目の前の相手を殴りつけるようにしてクナイを弧を描くように振ります」

 

「ん...ていっ!!」

 

全力で振った僕のクナイはひゅん!!と音を立て空気を割いた

 

「おぉ...!!」

 

「いい腕です。ただ、相手にも寄りますが小刀は普通かなり近距離で、相手が人型という条件に限ります。メイル様の相手が自分より大柄な場合は効果は見込めないかと」

 

「うーん...そっかぁ...でも、奇襲とかだったら効きそうだね」

 

「そういう技をお見せしましたので」

 

「...ソウエイって、寡黙だけど優しいね」

 

「...」

 

「小刀の振り方、他にも教えてよ!」

 

「...はい。喜んで」

 

結局、この日は一日ソウエイとクナイをひゅんひゅん振り回して終わった。

奇襲用の武器は決まったかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、2日目。

今日はまず紫髪の鬼人、紫苑(シオン)との会話から始まった

 

「メイル様、武器をお探しとハクロウから聞きましたが、なぜ武器を探していらっしゃるんです?」

 

「ん?」

 

何故か僕が武器を探していると噂がたっているらしい。

まぁ、事実だし、リムルにくらいしか隠してないからいいけど

 

「それはね、リムルと一緒に戦いたいからだよ。

僕だけ毎回後ろで見てるだけなんて嫌だもん。」

 

「つまり、強くなりたいんですか?」

 

「ん〜...まぁそうと言えばそうかな」

 

「それならば、魔力弾を覚えてはどうでしょう?」

 

「魔力弾?」

 

初めて聞くけど...なんだろ?

名前のままなら、魔素をドラゴンの球を集める漫画みたいに放出するのかな?

なんだか野菜の王子みたいになりそうだけど...

 

「簡単に言うと魔素を玉として打ち出すんです。

これなら、魔素量の多いメイル様なら問題ないですし、近くに行く必要もないので安全ですよ」

 

「ん〜...確かに...」

 

確かに、僕は肉体的にはリムルやベニマル達に遠く及ばないだろう

もしかしたら、ゴブリン時代のゴブタとかといい勝負かも。

そう考えたら、遠距離攻撃を主体にした方がいいのかな...

それなら、魔力弾の他に弓とか...銃とか?

そういえば、この世界って銃あるのかな...

 

「ねぇ、シオン。銃って知ってる?」

 

「銃...?」

 

「えっと...こう、筒から金属の弾をドーン!!って飛ばすやつ」

 

「ん〜...弓矢は知ってますが、それは知りませんね。

武器なんですか?」

 

「うん...でもそっか、弓しかないなら...ごめんシオン!!ちょっと僕思いついちゃった!!少しカイジン達のところに行ってくる!!」

 

「なら、私も気になるので一緒に行きます!!」

 

「おぉ〜シオンも銃に興味があるんだ、じゃあ一緒にいこ!!」

 

「はい!!」

 

こうして、僕は銃を作るためにカイジン達の元へ向かった

どんな銃作ってもらおうかな♪




今回は鬼人達との関わりを描きたかったけど...
なんか一人一人短くなっちゃいましたね...
次回はさらに長めに書くつもりですが...
どうしましょう。銃

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。