昨日はシュナに着せ替え人形にされ1日が終わり、
決戦まで残り4日を控えた今日
僕達はリムルに呼び出され会議室に来ていた。
内容は、どうやらオークの偵察をしているソウエイから連絡が来たらしい。
いい情報だと嬉しいけどなぁ...と考えながら僕が席に着くと同時に会議がスタートした
「今日集まって貰ったのは話した通り、オークの動向を監視していたソウエイから、リザードマンの不振な動きの話を聞かされたからだ。
なんでも、リザードマンの洞窟の裏手にゴブリンが7000匹待機しているらしい。そうだな?ソウエイ」
「はい。地図に大まかにですが駒を起きますと...この様になり、ゴブリンの待機している場所はリザードマンの洞窟の唯一無二の裏出口の真正面となっています。」
「普通に考えて裏口を守っているんじゃないの?」
「いえ、それだとおかしいのが、洞窟の外側に展開し警戒するのではなく、まるで洞窟から誰も出さないように洞窟側を警戒しているのです」
「つまり...?」
「この陣形だとまるで、リザードマンをオークと挟み、洞窟の中に閉じ込め一網打尽にするような陣形なのです」
「ってことはまさか、リザードマンの中に裏切った奴がいるかもってこと!?」
「はい。そして、その有力候補はこの街にも来ていたガビルとかいうリザードマンでしょう。」
「え...でも、ガビルって弱かったんでしょ?それにこんなにゴブリンは...」
「いや、あいつの発言をよく思い出してみろ。あいつはまるで誰かからこの街のことを聞いたような素振りだった。ゴブリンをほかの場所で待機させておいて俺たちのところに来たと考えればおかしくは無い。それにあのお調子者だ。大方誰かに騙されたんだろ」
や、やばいそうだっけ!?
お、お姉ちゃん!!見守る者さん!!
『はい。個体名:リムル=テンペストの言う通り個体名:ガビルはその様に発言していました。
そして、過去のゴブリンの移住を考えるとここより東に個体名:リグルドと関わりをあまり持っていなかった、もしくは持っていたが移住しなかったゴブリンの集落があってもおかしくはありません』
そっか...じゃあそこでゴブリンを集めたってことか...
それで、騙された可能性は?
『ほぼ確定かと。』
あぁ、確定なんだ...少しは利口なんじゃって考えた僕がダメだったのか...まぁ、前の世界でもバカは死んでも治らないって言うくらいの重病だったし...仕方ないのかな
「もし本当にリザードマンの族長がガビルに襲われてたらどうするの!?」
僕はそこまで考えたあと、みんなが思っているであろう疑問を投げかける。
もしも族長が亡くなっていた場合、同盟は不安定でありオークロードを討伐したと同時にリザードマンとの戦争になりかねないからだ。
「うーん...やっぱり問題はそこだよなぁ...せめて何かアクションがあればな...」
「それなら、リザードマンの支配領域のすぐそばで出陣するのを待つのはどうでしょうか。」
「支配領域で?どうして?」
何故か敵の陣地でタップダンスを踊るような案を出したベニマルに聞き返す
「リザードマンは今オークロードしか眼中に無いでしょう。なら傍に近寄っておき、出陣と同時に裏から洞窟内を偵察し、族長が生きて幽閉されていた場合は救出し同盟を確約し、オークロードへ攻撃を開始できますし、もしも族長が亡くなっていた場合でもリザードマンがある程度減るか全滅したところで俺たちがオークを片付ければいい話です。」
「なるほど...少し残酷だが、立て続けの戦闘は犠牲が出る可能性もある...その作戦がおそらく1番いいだろうな」
いくら一度同盟を結びかけたとはいえ相手も大勢。
僕らだって、背中を任せるつもりで突っ込んで向こうに刺されたら溜まったもんじゃない。
そう思っていても、やっぱり死人が出るのは辛いな...
そう思うのは、僕がまだ弱いからなのかな...?
「そうと決まれば、もうのんびりはしてられないな。
今すぐ準備を整えろ!準備が整い次第リザードマンの支配領域であるシス湖に向かう!!」
「「「はっ!!」」」
リムルの号令でみんな気持ちを引きしめて戦争の準備を開始する。
バタバタと会議室を出ていくみんなを横目に僕はソウエイの隣に行く
「ソウエイ、偵察お疲れ様。大丈夫?ちゃんと休んでる?」
「ご心配なく。何かあってもすぐ動けるよう余裕があるときに休息は取っています。」
「そっか。あんまり無理しないでね。そういえば、この後ソウエイもクロベエの所に武器を貰いに行くんでしょ?僕も一緒に行ってもいい?」
「もちろんです。メイル様に見ていただければ、クロベエも刀も喜びます」
「あはは、クロベエはともかく刀はどうかな〜♪」
そう言って微笑むソウエイの手を取りクロベエの鍛冶場まで歩いていく。
既にリムルたちは向かっていたようで、工房の中には既にベニマルとシオンとハクロウがクロベエに打ってもらった刀を手に取りマジマジと見つめていた
「わぁ...みんな真剣だね」
「オーガの里では剣術が1番浸透しておりましたから、刀を持つと言うのは皆の羨望の的ということですから」
「へぇ〜...じゃあソウエイたちはみんな凄い人...凄いオーガだったんだね...♪」
こしょこしょとみんなの邪魔にならないようにソウエイと話しているとクロベエがこっちにソウエイの刀を持ってきた
「ほれ、ソウエイの刀はこれだべ。オラは戦いでは役に立てねぇが、武器の調整はいつでもやってるから、ぜってぇか勝って帰ってくるだよ!!」
「...あぁ。わかっている」
渡された刀から1度目を離し、ソウエイは真っ直ぐにクロベエの目を見て返事をした。
僕らだって死なせるつもりは無い。
絶対誰も死なずに帰るんだ!!
「クロベエも、待ってる間くらいはゆっくり休んでて。
帰ってきたら、またバシバシお願いしに来るから!!」
「んだ!!メイル様の注文するもんは難易度も高いからな、しっかり休憩して待ってるだよ!!だから、ちゃんと帰って来てくれべよ」
「もっちろん!!」
そうして少しかがんで僕の手を握ってくれたクロベエの頭を撫でる
直前まで頑張っていたのか、少し汗ばんで金属の匂いがするその黒髪。
ソウエイとは違う所で頑張ってくれるクロベエにも少しは感謝が伝わるかな?
「め、メイル...?」
そうしていると、刀を眺め終わったリムルが僕を呼んだ
「ん?あ、見終わった?」
「あぁ...見終わったけど...何してんだ..?」
「何って...クロベエに日頃の感謝だよ?」
僕なにかおかしなことしたかな?
そう思い少し疑問形でリムルに問い返すと
「俺には!?」
ふぇ?
「え...えと...」
「俺だって毎日頑張ってるしメイルのわがままも聞いてるのに撫でてもらったことないけど!?」
「あ、あぁ...よしよし...」
「ん...♪」
いきなり叫ぶから何かと思ったら、困ったお兄ちゃんだなぁ...それにしてもみんなの前でこんな風に言ったりしてて恥ずかしくないのかな...?
そう思いながらも僕はリムルの頭を撫でる
何気に初めて撫でたけど、リムルの髪ってふわふわしてて柔らかくて気持ちいい...大丈夫かな?この考え...
「お兄ちゃんもういい?」
「あぁ、ありがとうな♪」
「うん、それはいいけど...いいの?周りの目」
「あ...」
リムルがしまったという顔をした時には既に遅く、
周りではシオン以外は微笑ましいものでも見るかのような暖かい視線を向けていた
「...大丈夫?」
「だ、大丈夫だ!!気にするな!!//じゃあ、俺は少し用事を思い出したから....!!//」
「あ、リムル......行っちゃった」
なんだか悪いことしたかなぁ...と思いつつも僕もやることがあるし、こういうのは時間が解決するってハクロウが教えてくれたから一旦リムルは放置することにして、僕は刀を眺め終わったベニマルと一緒にカイジンの所へ向かった
「カイジン!!例のものできてる!?」
「おぉメイルの坊主。できてるぜ。って言っても、木箱3箱分だ。使い方はわかるだろうが、そんな多くはやれねぇと思うぞ」
「いや、これだけあれば十分だよ!ありがとうカイジン!!」
「メイル様、これは一体...?」
着いてきただけのベニマルは何が何だか分からず、箱を少しだけ開けて中身を見ていた
「そっか、ベニマルは知らないよね。これは火炎瓶って言って、この紐に火をつけて投げると、地面に落ちたりものに当たったりして瓶が割れて油が周りに拡がって燃えるってやつなんだ。」
「なるほど...それで、どうしてこれを?炎なら俺の炎が...」
「そう!!そこだよベニマル!!」
「そ、そこ?」
「そう。ベニマルのオーガフレイムあるでしょ?あれをこの紐につけてくれれば擬似的に広範囲なオーガフレイムが出来るかもしれないんだ!!だから用意したんだよ!!
それに、火炎瓶は元々対大勢を目的に作られたものだからね!!」
「なるほど...それなら俺たちのように広範囲に攻撃できない者でも対大勢の戦闘ができるわけですか...」
「うん。ゴブリンライダーのみんなだったら機動力を活かしつつ火炎瓶を投げるだけでも戦況をひっくり返せるかもね。」
「なるほど確かに...それは面白いですね。ただもう少し数があれば良かったのですが...」
ベニマルが火炎瓶を見ながらそう言葉を零すと
「今回のこいつは人が投げる用で作ってねぇからな。
数がすくねぇのもそれが理由だ。」
「そうそう。今回は投げるのにこれを使うの」
カイジンがベニマルに説明し、僕は3つの木箱とは別に用意された木箱を空ける
「これは...?」
「これはカタパルト。テコの原理を利用して端の箱に入れたものを遠くに飛ばすための装置だよ。これにいくつか火炎瓶を乗っけて、遠くに投げるって感じで使うんだ!!」
我ながらおっそろしいことを言っていると思うけど、オークが豚の魔物出会っても衣服を身につけてるならよく燃えるはずだ。
相手は20万。躊躇したら食われるのはこっちだ。
容赦はしない。魔物の戦争である以上、弱肉強食に乗っ取らないとみんなを守れないしリムルの横には立てない。
朝の会議の時、僕はそう理解したんだ。
だから、多少残酷でも僕も手を汚す覚悟をするんだ。
リムルの隣に立つだけじゃなくて、みんなを守るために...!!
「なるほど...それでメイル様は前線には来ないということですね。安心しました」
「え?いやいや、これを撃つのはゴブタ達ゴブリンライダーだから僕は前線行くよ?」
「い、いや、そんな、メイル様がわざわざ前線に出なくても...」
「心配してくれるのは嬉しいけど、練習してたの見たでしょ。僕も戦える。リムルと肩を並べたいの!!」
「しかし...」
「じゃあ、心配ならベニマルが守ってよ。
僕は初めはソウエイと一緒に族長の救出に行くから、そのあと合流したらベニマルが守って。
そしたら心配いらないでしょ?」
...あれ?僕当たり前なこと言ったと思うんだけど...
なんでベニマルはそんな何を言ってるのか分からないって顔してるの...?
「...坊主、お前は人たらしの才能があるな」
「ふぇ!?な、なに!?」
「...いや、まぁ...頑張れよ」
「ちょ、ちょっと待って!!置いてかないで!!」
言いたいだけ言ってカイジンは奥に引っ込んでしまったなんて人だ。
結局そのあと、フリーズしたベニマルが復帰するのに10分かかり、何とか僕が前線に出るのを許可してもらった。
その数時間後、準備が完了したゴブリンライダー100人と鬼人達を整列させ、その先頭でリムルが声を上げる
「...みんな、準備はいいな?これから俺たちはオークロードとの決戦に向かう!!誰も死なずに、ここに帰ってくるぞ!!」
「みんな!!気楽にね!!気を引き締めるのは戦う直前からだよ!!」
「「「はっ!!!」」」
「リグルド、留守を任せた!!」
「はっ!!おまかせくださいませ!!」
「...それじゃあ行くぞ!!」
リムルの掛け声でランガが駆け出し、それに続いて僕が、ベニマルが、シオンが、みんなが続く
まずは、偵察中のソウエイに合流だ。
前衛にはリムルと僕の後ろに鬼人達。その後ろにはゴブリンライダー100人が続く
風を切り駆ける嵐牙族の速度なら数時間の間にシス湖にたどり着く。
上がったばかりの月明かりに照らされ、僕らは真っ直ぐに戦場へ向かっていった...
そしてソウエイから、1人襲われているリザードマンがいるとの情報があったのは、シス湖にたどり着く1時間前程だった...
えぇ〜あとがきです
前回のあとがきで書き忘れたことがありましたのでこちらで続けて書かせていただきます
13話サブタイトル「幼さ似合わぬ大きな背中」ですが、あれにも実は元ネタがあります
私自身ハーメルンで小説を読むのが大好きなのですが、その中で特に好きな小説のサブタイトルを少しだけ真似させていただきました。
なのです勝手ながらこちらにて紹介させていただきます
ハーメルン及び小説家になろうにて連載中の
にいるあらと様の作品
「サイコバグなお兄ちゃん、Vtuberになる。」より
第61話「小さな兎の大きな背中」のサブタイトルを勝手ながら真似させていただきました
とても面白い作品なので皆様ぜひご覧ください
にいるあらと様、勝手に使ってしまい大変申し訳ございません
迷惑でしたらお手数お掛けいたしますが一言コメントいただければタイトルはすぐに変更させていただきます。
サブタイトルやナレーションをタイトルにしたりはしますが、ストーリーに関しましては場面のパクリや話のパクリはしていません。ストーリーは転生したらスライムだった件の本ストーリー及び、描かれていない空白期間のみでストーリーを作っております。
ですので、ストーリーはのんびりと楽しんでいただけると幸いです
長文失礼しました。
次回もお楽しみください