この運命さえ喰らい尽くせ   作:海波 犬夜

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本編
転生


 

...

 

───目覚めよ

 

..........

 

───おい!!いつまで眠っているのだ!!早く目を覚まさぬか!!

 

やかましい声で僕の意識は徐々に覚醒する...

まったく、馬鹿みたいに叫んでるのは誰だ...

 

「おぉ!!ようやく目覚めおったか!!」

 

声的におじさんか...?それにしてはイケボなおじさんだな

悪態をつきながら、僕は目を開ける

 

「...あれ何処だここ...それに暗くない..?」

 

まるで洞窟じゃん...僕遭難してたっけ?

それにしても、なんだか体の感覚がおかしいような...

 

「おい!!いつまでも我を無視しているでない!!」

 

しつこいおじさんだ。

こっちはまだ暗闇に目が慣れてないって言うのに...

 

「悪いけど、俺まだ目が見えてないんだよ。

目が慣れるまで待ってくれない?」

 

体の感覚は少しおかしかったけど、声は出るみたい。

まじで遭難中に意識でも失ったのか...?

 

「見えんのは当然だ。ここには月明かりすらないからな。見るには、魔力感知というスキルが必要なのだ」

 

何言ってんの...?漫画の読みすぎでしょ...

魔力感知とか、どこの異世界物読んだのさ...

目を何とかならせってことか...?

んん...なんだ?なんかモヤみたいな...

 

そう僕が感じると、一気に視界はクリアになり、謎の声が頭に響く

 

『告、確認しました。エクストラスキル【魔力感知】を獲得。成功しました』

 

「ふぇぁ!?お、おじさん以外もいたの!?」

 

「む?ここには我以外おらんぞ。だがその反応、魔力感知を獲得したようだな」

 

世界の声...?またよくわかんない単語が出てきた

とりあえず、周りが見えるようになっただけよしとしよう

 

そう思い、おじさんの方に振り向き

せめてお礼を言おうとその姿を見た僕は...

 

「な...ど...どりゃ...」

 

「ふむ、数百年ぶりの会話だ。まずは自己紹介といこう。我こそは世界に4体しか存在しない竜種が一体、暴風竜ヴェルドラである!!ククク...クハハ...クァ〜ッハハハハ!!!」

 

「ど、ドラゴン〜!?!?!?」

 

...そうして、僕は暗い洞窟の中で暴風竜ヴェルドラと出会った...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...で、勇者に封印されちゃったと」

 

「うむ。なかなか強かったぞ。我が戦ってきた中なら、3番目だな。」

 

「へぇ〜...ヴェルドラは強そうなのに、それより強い人はいっぱいいるんだな...世界って広いな」

 

「うむ。この世界は面白いものに溢れてるからな!!我の飽くなき探究心を前にはまだまだ狭いわ!!」

 

目覚めて数日。

僕は、ヴェルドラの昔話やこの世界の話を聞いていた

それについて、軽くまとめようと思う

 

まず、この世界は僕のいた世界ではないようだ

まぁ、竜種とかスキルとか聞いたこと無かったしそりゃ別世界だよね....

ヴェルドラの話では、日本は存在せず、この世界は巨大な大陸の上にいくつかの国が点在するヨーロッパのような世界であり、この洞窟はジュラの森と呼ばれる大森林の奥にある人どころか、力の弱い魔物なら近づけないような場所らしい。とんでもない話だ

 

そして、なぜ僕がこの世界にいるのかは不明だが、ヴェルドラが言うには僕のようなものを転生者というらしい。

なぜ召喚でなく転生なのかと言うと、僕も姿が人間ではなくなってしまっていたからだ。

ヴェルドラの話では僕の種族は小鬼族というらしい

それってゴブリンでは...と思ったが、僕の肌は緑色ではなく肌色で、頭に小さな角が2本生えてるだけなのでただの小さい鬼なんだろう

 

そして、この世界のスキルについても色々学んだ

僕はまだ持っているか分からないが、この世界には固有スキル、エクストラスキル、ユニークスキル、究極スキルというスキルの階段があるらしい。

僕はまだエクストラスキルの魔力感知しか持っていないが、大体の魔物やある程度の人間はエクストラスキルまでは持っているらしいので僕はまだ一般的のようだ。

 

しかし、そう色々話を聞くと洞窟の外を見てみたいものだ。

その旨をヴェルドラに話すが...

 

「そうか...お前が行くと言うなら止めん。」

 

「寂しいこと言わないでよ。ヴェルドラも一緒に行こ?」

 

「我とて行けるのならば共に行ってやりたい。だが、話した通り我はその昔、勇者によってこの無限牢獄に囚われた身。このから動くどころか、この無限牢獄から抜け出すことも出来ぬ」

 

「そうだった...で、でも、もう数百年閉じ込められてるんでしょ?なら、そろそろ脆く脆くなってるかも!!ヴェルドラが全力でぶん殴れば壊れるんじゃない!?」

 

「残念だが、この無限牢獄もユニークスキルだ。破る方法はあるやもしれぬが劣化はせん。それに、破れるならとうの昔にやっておるわ。どの道この中では我の魔素は抜け続けるばかりでどうせあと100年も生きられん。我のことなぞ放っておいて、すきに世界を見て回るがいい」

 

「ヴェルドラ...」

 

悲しそうに呟くヴェルドラ

初めは怖いと思ったその見た目も、数日一緒にいたら慣れてしまった。

それ故か、やたらとヴェルドラの顔が悲しく見えた

だから...

 

「そんな悲しいこと言わないでよ。

ほら、ヴェルドラ言ってたじゃん。魔物の中には寿命がある者もいるが、ない者もいるって!!

僕に寿命はあるか分からないけど...100年くらいなら死なないで見せるよ!!だから、せめてヴェルドラが消滅するその時まで一緒にいようよ。」

 

「.......ふ、ふん!!我は1人でも良かったが、お前が1人ではダメそうだしな!!仕方がないから、我が消えるその時までお前がここにいることを許そうではないか!!」

 

「うん!!ありがとうヴェルドラ!!」

 

「...これから長い間一緒にいることになりそうだしな。せっかくだから我がお前に会う名前を考えてやろう。」

 

「おぉ!!名前!!すっかり忘れてたけど、そういえば呼びにくいもんね!!楽しみにしとくよ!!」

 

「うむ。数日ほど時間をくれ。素晴らしい名前をお前にプレゼントすると約束しよう」

 

...そして、その数日後。

僕の名前が決まる日

その日僕たちの運命は、大きく変わることになる...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───数日後

その日目が覚めると、ヴェルドラは誰かと話していた

ヴェルドラの近くの岩陰に隠れて寝ていた僕には見えないがヴェルドラがまだ出てくるなとしっぽで合図するので大丈夫になるまで岩陰に潜む。

 

話を聞く限り、ちゃんと話せる人のようだ。

なら、僕が出ちゃいけない理由って...?

 

 

 

その少しあと

ヴェルドラから出てきてもいいと呼ばれ

僕はヴェルドラの会話相手の前に出る...が

 

「あ...か...かぁ...」

 

 

「可愛い〜!!!!」

 

僕はそう叫ぶと共に、ヴェルドラの話し相手であったふんわりした可愛らしいスライムに抱きついた

 

「うおぉ!?」

 

スライムさんは驚いたような声をあげていたが僕は構わずひんやりと冷たくプルンプルンのスライムボディに頬ずりしていた

 

 

 

───スライムside

 

「柔らかぁい...可愛いぃ〜...♪」

 

い、いきなりめっちゃ可愛いロリっ子...?に抱きつかれた...!?

前世でもなかったモテ期がついに...!!

...いや、悲しいだけだな...やめよう...

 

スライムに転生して洞窟をさまよっていた俺。

前世はサラリーマンとして独身貴族だった...

そして、後輩をかばい、通り魔に刺されて死んで

気がつけばスライムに転生...

そのまま洞窟をさまよい続けて魔力感知ってスキルで何とか視界をゲットした...まぁ、初めて見た相手がドラゴンだったのは驚いたけど...

 

そうしてやっとスタート地点に立てたこのスライム生。

このドラゴン...暴風竜ヴェルドラと友達になって

その友人?子供?の小鬼の子とも仲良くなった。

まぁ、終始俺のこのスライムボディをぷにぷにしていただけなのは気にするな

 

そうして、2人から色々な話を聞くと、なんでも、ヴェルドラは無限牢獄とかいうのに捉えられていて

この子はその付き添いみたいなのでヴェルドラが消滅するその時まで一緒にいるつもりらしい...

ただ、せっかくこっちの世界で初めてできた友達だ

いくらなんでもこのままだと可哀想...

そう思った俺は、自分のスキルで何とかできないかと試して見た

 

俺のスキルは3つ

ひとつはスライムの固有スキル【自己再生】

多少のダメージなら時間経過とともに治るというものだ

まぁ、所謂持続回復だ。今後もお世話になるだろう

 

2つ目にユニークスキル【捕食者】

俺の触れたものを捕食、隔離、吸収ができるみたいだ

まぁ、簡単に言えば中で色々できるド〇えもんの4次元〇ケットみたいなものだ。

 

最後にユニークスキル【大賢者】

こいつはほかのスキルと違って俺の問に答えたり

捕食したものから色々作ったりしてくれるサポーターみたいなものだろうと考えてる

正直、こいつに関してはよくわかってない。

どこまでできるのか、何ができないのかは分からないが大体のことはできるのだろうと考えてる

 

この3つを使ってヴェルドラの無限牢獄を捕食できないかと思ったが、さすがに数百年ヴェルドラを隔離してただけあって出来なかった

だが、そんな時大賢者からある助言が出た

 

『告、ヴェルドラごと無限牢獄を捕食者の胃袋に隔離し、解析鑑定にて私が外側から、ヴェルドラが内側から調べられればヴェルドラの解放も可能かと思います』

 

ちなみに、解析鑑定は大賢者の能力だ

なんでも俺が捕食したものを調べられるらしい

 

「...どうする?俺のスキルを使えば可能だけど...危ないかもしれないぞ?」

 

「フフフ...クァ〜ッハハハハ!!面白い!!どうせあと100年も生きられぬのだ!!お前に我の全てを託そう!!」

 

ヴェルドラはどうやら乗り気のようだ

でも...

 

「...僕は心配...もう会えないかもなんでしょ...?」

 

そりゃ、俺より長い間一緒にいたこの子からしたら心配だし嫌だよな...どうしたものか...

 

「心配はいらんぞ。我は最強の暴風竜ヴェルドラなのだ。必ず無限牢獄を破り、またお前と相まみえようぞ。」

 

「...むぅ...そんな堂々と言われたら行っちゃヤダって言えないじゃん......わかった。早く出てきてね」

 

「クァ〜ッハハハハ!!任せよ!!」

 

どうやら、俺の心配は要らなかったみたいだな

 

「じゃあ、いまから食べるけど早く無限牢獄を破って出てこいよ」

 

「まぁ、待て。その前に、お前たちに名前をやろう。

お前たちは我に名前を考えよ。同格ということを魂に刻むのだ」

 

そう言われて、俺たちは名前を考える

暴風...嵐...風...ストーム...テンペスト...おぉ!!いいね!!

 

「なぁ、テンペストとかどう思う?」

 

「いいね!!かっこいいしヴェルドラも気にいると思う!!」

 

「よし!!ヴェルドラ、決まったぞ!!」

 

「我も決まった。そちらから聞かせよ」

 

「僕らの考えた名前はテンペスト!!どうかな?!ヴェルドラ!!」

 

「うおぉ〜!!!いいでは無いか!!!今日より我はヴェルドラ=テンペストである!!...そして、スライムよお前にはリムルの名をやろう。リムル=テンペストを名乗るが良い。

そして小鬼よ、お前にはメイルの名をやろう。メイル=テンペストを名乗るがいい」

 

そうして、俺の魂にリムル=テンペスト

小鬼...メイルの魂にメイル=テンペストの名が刻まれた

 

「...さぁ、名残惜しくなる前に胃袋に隔離せよ。」

 

「あぁ。早く出てこいよ!!」

 

「ヴェルドラ...早く出てきてね...!!」

 

「うむ。任せよ!!」

 

...よし、捕食者...!!

...そうして、俺はヴェルドラを捕食した

1人いなくなっただけなのに、一気に静かになったな...

でも、不思議と寂しさはなかった。

2人だからか、それとも、俺の中にヴェルドラがいるからか。

 

「...ヴェルドラ...」

 

「大丈夫だ!!俺がヴェルドラの代わりにメイルを守るよ!!」

 

「...そうだね!!あんまり下向いてたらヴェルドラに心配されちゃうよね...!!頑張るよ。ありがとう、リムル」

 

「...あぁ。...そういえば、メイルって何歳くらいなんだ?」

 

「え...うーん...前世の記憶は全然覚えてないんだ。だからわかんないけど...20代じゃないと思う」

 

「そうか。じゃあ俺が兄だな!!」

 

「...そうだね。リムルお兄ちゃんこれから...よろしくね」

 

ズキューン!!♡

 

「あぁ!!お兄ちゃんに任せろ!!絶対守ってやるからな!!」

 

「...僕も男なんだから自分のことは自分で...」

 

「いいんだ。気にするな!!お兄ちゃんには甘えるもんだぞ!!」

 

「...わ、わかった...それで、これからどうするの...?」

 

ヴェルドラを捕食した俺たちは、第1の目標として洞窟を出て、自分たちと同じような転生者、もしくは魔道士などが集団で異世界から呼び寄せた人間を異世界人というらしいのでその異世界人でなおかつ俺たちと同じ世界から来た異世界人を探すことにした。

 

「ヴェルドラが復活した時、いっぱい思い出話してやろうな!!」

 

「うん!!いっぱい楽しい思い出教えてあげる!!」

 

今度は僕が沢山楽しい話をしてあげる!!と笑うメイルと共に、洞窟を進む。

まずは、久々に陽の光を拝みたい




初めての投稿なので誤字脱字やミスがございましたらご指摘くださると嬉しいです

これからよろしくお願いいたします
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