前書きです!!
投稿が1週間ほど開きました理由をさらさらっと書かせていただきます
実は前回の話を投稿した2日後くらいから体調を崩し、小説がかけていませんでした
体調が回復したので復活します
ドワルゴンからリムルが帰ってきて数日が経過し、ようやくシオンの手料理の刑から開放されたリムルは今、
カイジン達お手製の白熱電球の灯りの下、メイルの膝枕で寝ていた
「お、終わった...何とか死なずに耐えきった...」
「お疲れ様。初めの数日に関しては僕も何もしてあげなかったのによく耐えたね」
「ドワルゴンとかみたいな遠出用のメイル抱き枕のお陰で何とか凌いだんだよ...」
「そんな実用性皆無な抱き枕は後で処分するとして今はゆっくり休んでいいよ」
実用性皆無とは失礼な
シュナお手製の抱き枕だから触り心地は最高だぞ?
死なずに済んだ理由の一つだってのに処分なんてさせんぞ
まぁ、いくらシュナお手製とはいえ結局本物の膝枕や抱き枕には勝てないんだが...
なんてのんびりしている俺たちだが、こののんびりにも実は理由がある
それは、明日から俺とメイルはシズさんの教え子たちの住む国へ向かうからだ。
しかし、俺たちはその子たちがどこにいるのか知らないため、まずはフューズから貰った招待状を使いイングラシア王国のギルドマスターになっているというシズさんの教え子に会いにいく
名前は優樹 神楽坂とかって言われた
シズさんも苗字を後ろで言われてたし、おそらく異世界人。
それも同郷だろう。
まずはその子に会いに行こうと思っている
「でもさぁ、会いに行くのはいいけどもし仮にモンスター絶対殺すマンとかだったらどうするの?」
あぁ〜ありえるなぁ
ギルドマスターとか実際そうなりそうだし。
目をかけていた冒険者が魔物によって無惨にも...とかになってたら魔物嫌いになっててもおかしくない
そもそも、シズさんが亡くなった理由にも魔王が関係しているくらいだし、そもそもこの世界そのものを嫌っている可能性もある
まともに話を聞いてくれるだろうか...
「...まぁ、その時は残念だが影移動なんかで逃げるしかないだろ。
人間とことを構えるつもりは無いし」
「やっぱりそうだよねぇ...」
「まぁどの道、色々みんなが用意してくれてる以上今更中止にも出来ないしな。それに、シズさんが夢に出てくるくらいの未練なら早めに解決したい」
俺がそう伝えると、メイルは少し呆れ気味に笑って
「リムルはお人好しだよね〜」
「おいおい、世渡り上手って言って欲しいな。
それに、お人好しだろうが偽善者だろうが、いい事するのに理由はいらないだろ?」
「ならいい事すると同時に厄介事を持ってこないで欲しいものだね」
「いい事ってのは厄介事が着きもんなんだよ」
軽い談笑を終えた俺たちの間に、静寂が訪れ
どちらともなく布団に潜り、明日を夢見て床に就く
不安がない訳では無い。初めて訪れる場所は少し怖いし、危険がないとも言えない世界だ。
でも、メイルと一緒ならどこまでだって行ける。
そんな安心感が心を包み、気づけば朝日が差し込み
メイルの明るい髪が光を反射させていた
「...ずっと、こんな日常だといいな」
ポロッと、そんな言葉がこぼれる
まるで、少し先の未来を知っているかのように
迫る災厄を、望まぬかのように
「それじゃあ行ってくる。留守の間は頼むな!!」
「お、お気をつけて!!お帰りをいつまでもお待ちしておりますッ!!」
おいおい大袈裟なやつだな...
俺たちが街を離れる時間が迫る中、ガビルはまるで今生の別れみたいな事言い出しやがった
縁起でもないからやめなさい
「心配しないでもすぐ帰ってくるって。俺とメイルで行くんだぞ?万が一もないって」
「そうだよ!!すぐ帰るから、それまでに新しいお菓子作って待っててよ!!」
ランガに跨る俺の腕の中にいるメイルもみんなにそう言ってにっこり笑うと、緊張が解けた様にみんなも笑い返し、今度は行ってらっしゃいと手を振ってくれた
なんだかメイルの前だとみんな心配かけないようにするよな...
今も不安そうな表情押し殺してるやついるし...
なんというか、前のシオンの事件があってからというもの、みんながメイルに気を使っている感じだ
まぁ、多分だけどしばらく凹んでたからだろうな...
ここでみんなが心配そうだしやっぱり残るよとか言ったら今度こそ引きこもりそうな勢いだったし...
ともかく、どうあれみんなが見送ってくれてるうちに俺たちはランガを走らせ、ゲルド達が整備してくれた道を駆けていく
初めてランガに乗るメイルは初めは楽しみとはしゃいでいたが、ランガの速度は原付なんてもんじゃなく、下手なオートバイより早い
まぁ、四足歩行な分凸凹の道でも揺れはほぼないけどな
とはいえ初めは慣れないらしく、道中で何度か怖いというので速度を落としたり休憩したりして
1日目はジュラの大森林を抜け、少ししたところでキャンプになった
「そういえば、メイルは風呂入んないとあれか?」
「ん?あぁそれなら大丈夫。実は魔王ゲルドさんと話して、スキルを微調整すれば体に着いた汚れだけを腐食で無くせることに気づいたんだ。って言っても、背中以外はこうやって手で撫でるだけなんだけどね」
「すごいけど、いつの間に覚えたんだ?
俺がいない間は仕事で忙しかったって聞いたぞ?」
リグルドから聞いた話では、風呂や飯や寝る以外はずっと部屋で仕事をしていたと聞いた
それならそんな事を覚える時間は無いはずなんだが...
ほんとにいつのまに覚えてたんだ?
「いやいや、だからこそだよ。
仕事に追われてろくにお風呂でゆっくりできなかったから...即効綺麗になれる方法が必要だったわけ」
「お、おう...なるほどな...」
そんなに大変だったのか...ほんと、ありがたいよ
とはいえ、そんなに大変なら他にも助っ人を頼めばよかったのに...優しいこいつには無理か
大方、みんなにも仕事があるからって助っ人を頼まなかったんだろうな
「そんなだけ大変だったなら、もし次があったらみんなにも頼れよ」
「みんなにも言われた。わかってるって...というか次があるの!?」
「いやいや、少なくとも暫くはないよ。そもそも、そんな大変なこと弟に押し付けないっての。
俺がまたどっか遠征に行くとかってなった時とかにやるかもだろ?そういう時の話だよ」
「あぁ...そういう事か。わかってるよ。
次はみんなを頼る。約束するよ」
うんうん。物分りのいい弟でお兄ちゃんは鼻が高いぞ。
そして、その日はそこでシュナお手製の弁当を食べ、床に着いた。
終始メイルは俺、キャンプ初めてなんだよね、寝れるかな?と楽しそうに心配していたが、寝袋に入って1時間も経つ頃には、先程までの騒がしさが嘘のように寝息を立て眠っている。
そして俺は、そんな可愛い弟の頭を撫でながら魔物や野盗が襲ってこないように見張りをするのだった
──ま!!...め...ぁま!!
声が、聞こえる
──ぃや...な...の...別れ...て!!
たくさんの声が聞こえる...
──して...
なぁに...?なんて言ってるの...?
──ど...して...
もう少し...もう少しで聞き取れる...
──メイル...お前はどうして...
...え?
──みんなに頼れって...そういう意味じゃないくらい...お前ならわかっただろ...
不安げに話しかけるリムルの声
よく耳をすませば、みんなの声も聞こえてくる..
叫ぶようなベニマルの声
咽び泣くリグルドの嗚咽
シュナの悲しげな声
まるで、どこかの世界の忘れられたレコードのようにみんなの声を再生していく...
リムル...?みんな...?何を言って...
──えへへ...ごめんね...頼るのが...これくらいしか思いつかなかった...
なんなの...この夢...いや.....................
────────誰の記憶なの...?
ガバッと寝袋を無理やり開いて僕は上半身を持ち上げる
全身を伝う冷や汗が、僕の不安に駆り立てられる心を表している
さっきから、頭の中がうるさい
お姉ちゃんからの呼びかけ、魔王ゲルドさんの心配の声、そばで焦るランガの声、そして、肩を揺らしながら僕の目を見て安心させてくれるリムルの声
でも、僕の心は落ち着かない。
当然だろう
今、間違いなく不気味な夢を見て僕は飛び起きたんだ
それは理解してるなのに...
"僕は何を見て焦って飛び起きたんだ...?"
分からない...それが、忘れては行けないことだったような気がして、僕の心臓の鼓動は脳に思い出させようとその早足をやめようとしなかった
「メイル、本当に大丈夫か...?」
不安げに声をかけてくるリムルに、僕は呆れたように言葉を返す
「もぉ〜...大丈夫だって!!心配してくれるのは嬉しいけど、いい加減しつこい!!2時間も聞き続けなくていいって!!」
「そうは言うが、心配なんだよ...
怖い夢見たにしては焦り方が尋常じゃなかったし...
それにお前、泣いてたんだぞ?普通じゃないだろ...
やっぱり、1度魔国連邦に帰った方が...」
「いいってば!!」
朝僕が飛び起きてからというもの、リムルは事ある毎に大丈夫かと聞くようになってしまった
大切にされてるなと実感できて嬉しいのも事実だが、それと同時にこの上なくしつこい
さすがに1時間までは耐えたが、2時間は耐えられなかった
結局夢の内容は思い出せないし、リムルは過保護だし、今日は全然イングラシアに近づかない。
せっかくランガに乗るのも慣れてきたのに、これじゃあいつまで経ってもたどり着けない
そんなわけで、心配してくれてるリムルを他所に僕はランガに加速してイングラシアへ向かうように頼み、
残り半日もあればイングラシアへつける位置まで進むことに成功した。
そして、2日目となるキャンプ...もとい野宿
一面に広がる草原と、夜空に輝く無数の星々に
月と星の光に照らされて、草原に咲く花々が美しく光を帯びている
そんな様子をリムルとランガの3人で仲良く眺める
「綺麗だけど...こういうのってカップルとかが来た方が絶対盛り上がるよね」
「やめろメイル...それは前世で彼女いない歴=年齢の俺に刺さる...」
「我も番はまだおりません故...」
「...なんかごめん」
リムルって前世モテてなかったんだ...
てっきり引く手数多かと...うん。この話は心の内に留めておこう...
そして、前世で少なくとも2人に告白されたってことも黙っておこう...
そんな綺麗な景色を見ているというのに、少ししんみりした空気の中。
それは唐突にこの空気を破ってきた
「あん?おいおいおい。ここは俺たちグレムリンの縄張りだぞw」
...そう。どんな世界にも自分がいちばん強いって信じて疑わないおバカさんか、弱い相手にだけイキリ散らすゲルミュッドみたいなのは居るもので...
そして、どうも今回そんな人達のカモにされたのは僕らだったみたい
「あ?なんだお前ら。」
「女の、それもガキがこんなところで2人で野宿たァ良いカモだ。今なら身ぐるみ全部とどっちかの体で片方だけは許してやるよw」
あ〜あぁ、そんなこと言っちゃって。
僕はもう大人だからね。いきなり銃をぶっぱなしたりはしないのだ。
「─飢餓之王」
「待て待て!!何しようとしてんだ!?」
「身ぐるみだけならまだしもこいつらリムルの体要求してきたし、当然の処置だよ。大丈夫!!殺したりしないよ!!四肢もいで軽い拷問かけるだけ...」
「やめろばか!!んな事したら問答無用で俺らのが悪者だろ!!」
リムルが止めるけど、別にフルポーションもあるし大丈夫じゃないかな...?
そして、僕とリムルが話しているが、盗賊なんかに"人が話してたら黙って待つ"なんて常識がある訳もなく...
「おい!!俺たちを無視して話してんじゃねぇぞ!!
ガキとはいえツラの良いガキはいい値で売れるから出来れば傷モンにはしたくなかったが...構わねぇ!!顔さえ綺麗なら貴族連中は気にしねぇだろうしなぁ!!てめぇらやっちまえ!!」
「「「オォ!!」」」
「え?」
「は?」
決着はほんの一瞬で着いた。
それは当然、僕の仕業
野宿だよ?罠のひとつくらい設置するって。
この辺りには僕の魔力を使って生み出す魔素弾を燃料にした小型のリモコン爆弾を設置していたのだ。
使用方法は簡単。魔素弾を予め入れて置いたものを分かりやすくその辺に置いておき、爆発させたいタイミングで魔素弾に魔素を多量に送り込み、内部で爆破させるのだ。
対大群戦を想定して考えてたけど、まさかこう使うことになるとは...
しかも、リムルの【威圧】もあって完全にノビてる
これからイングラシアだってのに...面倒だなぁ...
そんなことを思いながら僕はリムルの膝枕とランガの毛皮に埋まって眠り、朝になるまでリムルが盗賊たちの見張りとあたりの警戒をしてくれたのだった。
明日は...ついにイングラシア!!
あとがきです!!
いや〜、この辺りになるとストーリーが描きにくいですね
みんながイングラシア編を飛ばすのも納得です
次回からイングラシア編を書いていき、イングラシア編が終わるとすぐ襲撃編となります。
あ、途中にあった不安な"記憶"につきましてはノーコメントです。
おそらく本編最後ののんびりとした日常をお楽しみください。
次回もお楽しみに