詳しく書くのはもう少し先のお話となるので
お楽しみに
リムルがドワルゴンに向かってから3日。
ゴブリン達が来たこと以外には特にこれといったことも無く、ようやくリムル達は村に帰ってきた。
...その背に、ドワーフを4人連れて...
「...リムル...」
「おぉ!!メイル、お出迎えか?」
「...リムル...誘拐なんて...!!!自首して...!!」
「ちょっと待て!!ものすごい誤解だ!!」
いくら魔物になったとはいえ、ドワーフを誘拐してくるなんて...国の討伐対象とかにされちゃうのかな...
「お、落ち着けメイル!!一旦深呼吸だ!!違うから!!誘拐じゃないから!!」
「...本当に?」
「本当だって!!カイジン達が起きたら聞いてみろよ!!」
「...わかった。疑ってごめんねお兄ちゃん」
「い、いいんだよ!!でも、俺も少しは傷付いちゃったかもなぁ〜...だから、今日はメイルが俺の事運んでくれるか?」
「...わかった‼️運ぶ!!...だから許してね?」
「許す許す!!だからそんな顔すんなって!!」
少しの罪悪感を感じながらも、リムルを抱え、村に来たドワーフたちの元へ向かった
3日間の遠征を経てドワーフの鍛治職人のカイジン
ドワーフ三兄弟長男、防具職人ガルム
ドワーフ三兄弟次男、細工職人ドルド
ドワーフ三兄弟三男、寡黙な芸術家兼建築家ミルド
かくして、ドワーフの中でも随一の職人を4人仲間に加え事件もありながら何とか帰ってきた...のだが
「...メイル...こ、これは一体...?」
「リムルがいない間に近くのゴブリン村から来たんだ。
リグルド達みたいに進化してないゴブリン達じゃ、森の上位種族に淘汰されちゃうから、助けてくださいって。」
「そ、う...なのか...でもな...」
「僕が対応したけど、みんないい人たちだよ。
3日間一緒にいたけど、何も無かったしね」
「うーん...とはいえ、まだ衣食住も整ってないし...」
「お願いお兄ちゃん、この人たちも守って...」
うっ...!!そ、そんな顔で見るなよ...!!
「わ、わかったって!!みんなまとめて守ってやる!!
だからそんな顔して見るなって!!」
あ、危うく帰ってきてそうそうにドキドキで死ぬかと思った...
まぁ、スライムに心臓は無いから死にはしないんだけどさ。
ともかく、メイルには早く自分の顔の良さを理解して欲しいもんだな...
ともかく、帰って早々だが、俺の仕事ができたようなのでそれをしよう...
そうして、村に集まった500匹のゴブリン全員に名前を付け、俺はまた3日間眠りにつくのだった...
「リムル、ありがとう」
僕のわがままで近くのゴブリン村のゴブリン達に名前をつけてくれたリムルはまたもスリープモードになり、眠りについたリムルを僕は撫でていた
なんだかんだでわがままを聞いて貰っちゃってるなぁ...
たまには僕からも何かをあげたいな...
...そうだ!!
リムルが起きるのは3日後
その間にできることをやろう。
「カイジン!!」
カイジン、リムルがドワルゴンから連れ帰った鍛治職人さん!!
初めて会った時さん付けで呼んだらリムルの旦那の弟なんだろ?さん付けなんかやめてくれよ。と笑われてしまったのでさん付けをやめて今は呼び捨てになった
「ん?おぉ、メイルのお嬢じゃねぇか!!なんか用か!!」
「少しお願いが...って僕は男だよ!!」
「はっはっは!!冗談だ、メイルの坊主。んで、なんか用か?」
「少しお願いがあるんだ、頼める?」
「おぉ、構わねぇぞ!!ちょうど仕事が一段落した所だしな!!あとは俺の指示無しでも問題も無さそうだ」
カイジンは鍛冶仕事の他にも建築の指示出しなども行ってくれていた
でも、今はちょうど指示もあらかた行き届いてこれから休憩するところだったらしい
「実は、お兄ちゃ...リムルにプレゼントしたくてさ。
ドワルゴンみたいな大きな国にいたカイジンさんに何かいいものないか聞きたいんだ」
「なるほどな...それなら、ブローチでも送ったらどうだ?」
「ブローチ?」
「あぁ。普通ならハンカチとかでもいいとは思うがリムルの旦那にゃ必要ねぇだろうからな。」
「そっか...なら、作ってみようかな!!」
「んぉ?自分で作るのか」
「どうせなら手作りにしようかなって」
「それなら、ドルドのやつに聞いてみな。」
「ドルドさんに?」
「あぁ。あいつはそういう細工が得意だからな。
ブローチの細工なんかはあいつに聞くといい」
「わかった!!ありがとうカイジン!!」
「おう!!頑張れよ!!」
カイジンにアドバイスを貰った僕は、早速ドルドさんの元に向かった
「ドルドさん!!」
「ん?おぉ、メイルの坊ちゃん。どうかしたんですかい?」
「少しお願いがありまして。今お時間大丈夫ですか?」
「えぇ、大丈夫ですよ。それで、お願いとは?」
「お兄...リムルにプレゼントを送りたくて、カイジンに相談したらブローチの案を貰いまして、ドルドさんがそう言ったものの製造に長けてるとカイジンに言われたので...」
「...あの...」
「は、はい。あ、説明長かったですかね?」
「...いえ、あの...なんで敬語なんです?」
「え、そりゃ目上の人ですし...」
「俺たちはリムルの旦那に着いてきたんですし、敬語はいいですよ。堅苦しいですし...何より坊ちゃんに敬語を使われるのはなんだかむず痒いので...」
「そうなんですか...なら、敬語は外すね。」
「えぇ、そっちの方が話しやすいですよ。それでブローチでしたね。構いませんよ。いつ始めます?」
「ドルドがいいなら今すぐにでも!!」
「はっはっは、やる気は十分のようで。
なら、今すぐに始めましょう。リムルの旦那もいつ起きるか分かりませんしね」
「うん!!よろしくお願いします!!」
そうして、僕のブローチ制作大作戦が始まった
今日は初日、まずはリムルに似合うブローチ制作のためのブローチの石の部分を決めるために前世の記憶を引っ張り出した。
前世のことは覚えてはいる。と言っても、前世の年齢は20も行ってない。ただ、そういった誕生石などの話を友人から聞いたことはあったので...
見守る者さん!!昔の記憶からリムルに合う石を探してくれない?
『了、記憶の中から個体名:リムル=テンペストに合う石を捜索します...エンジェライト、ターコイズの二種類が良いかと』
エンジェライトはリムルのスライムボディの色にそっくりな綺麗な石であり、ターコイズは有名な誕生石で健康祈願の石だ。
確かに、これから苦労が耐えなくなるだろうリムルにはピッタリかもしれない。
そう考えた僕は、早速その石を使うことに決め、その石を探すことをドルドに言ってみた
「ふむ...その石は知りませんが、似たような石ならこの森で取れると聞いたことがありますよ。
かなり安値で買うこともできますし、確か、俺の荷物の中にあったはずです」
「そうなの?!あの、お金は今ないから出世払いになっちゃうんだけど...!!」
「皆まで言わなくてもお譲りしますよ。リムルの旦那には世話になりましたからね。」
「ありがとうドルド!!」
そうしてにこっと笑いながら感謝を伝えるとドルドは照れ臭そうに笑っていいんですよと言ってくれた。
そしてその日のうちにブローチ制作は始まった
まず、ブローチの形を決めた。
大きさは5〜6cmの楕円形のブローチで台座を魔鋼塊で作り、ブローチのメインをエンジェライトで、エンジェライトをつけた少し上の部分に小さく丸く削ったターコイズを埋め込むと言ったものだった。
初日は正直上手くいかなかった。
魔鋼塊はカイジンが持っていたものを必ず返すと貰い受け、少しづつ台座から作っていたのだが、なかなか上手く削れない。
「う〜...!!上手くいかない...!!」
「はっはっは、初めてはそんなものですよ。まだ初日です。明日また頑張りましょう。」
「ぁう〜...うん...また明日頑張る...!!」
「その意気ですよ坊ちゃん。」
と、情けない話だが初日は全然上手くいかず、不甲斐ない結果だった...
明日こそは...!!と思い、僕はお姉ちゃんにブローチの制作に使えそうな知識などを聞きまくった。
とはいえ、僕はリムルと違って睡眠は必要なので夢の中でのお話である
そして次の日、自信と知識をつけた僕はドルドの元にもう一度向かった
「今日こそは完成させるよ!!」
「やる気十分ですね、メイルの坊ちゃん。」
「昨日は頑張って色々考えたからね!!もう一気に完成させちゃうんだから!!」
そして、どんどんとお姉ちゃんのアドバイス通りに削り、叩き土台を完成させた
「ドルド、どう!?」
「これは...いいですね。俺も長くこの職をやってますが、初心者にしてはかなりいい腕ですよ。
手先が器用なんでしょうね。少し荒削りではありますが、リムルの旦那への気持ちが現れてますよ。」
「そうかな〜...えへへ...♪」
なんだか、褒められると嬉しくなってきてしまった。
そして、それからは大きさを合わせるように、そして傷が大きくつかないようにヤスリで少しづつ、少しづつエンジェライトを削っていった。大まかな大きさと形が決まったところで時間が来てしまった
2日目は、それで終了した。
そして、最終日である3日目。
おそらく、もう数時間でリムルが目覚めるだろう。
そう考えた僕は急いで、ただし丁寧にエンジェライトとターコイズを削った。
素早く削ったおかげか、傷は余りできず、大きさが十分になるとすぐに磨き作業に入った。
石などを磨く時はワックスなどで磨くのだろうか?
ドルドから何かよく分からない液体を貰い、それを使って台座、エンジェライト、ターコイズを丁寧に丁寧に磨き...リムルが目覚める数分前に何とか完成させた。
「何とか完成した...!!」
「綺麗なもんですね...心が籠ってる」
「そ、そうかな...?//」
「えぇ。きっと旦那も喜びますよ」
「えへへ...早く起きないかな...♪」
完成した嬉しさと、リムルの喜ぶ顔が待ち遠しく
そのまま待っていたとき
「メイル様、今よろしいでしょうか?」
と、タイミングよくリグルドが僕を呼びに来てくれた
「大丈夫だよ、どうしたの?」
「はっ、リムル様が目を覚まされましたので、ご報告に参りました。」
「ほんと!?すぐ行くね!!ドルド、3日間ありがとう!!後でリムルの反応教えるね!!」
「えぇ、楽しみにしてますよ」
ドルドに短く感謝とまた来ることを告げ、
僕は足早にリムルの元に走っていった...
いやぁ...
まさかまたスリープモードになるとは思わなかったよ
とはいえ、また3日かかったが何とか起きれたわけだし
新しく手に入れた【黒稲妻】を試したい
ただ、その前に可愛い弟の顔でも見るかな!!
今リグルドが呼んできてくれてるはずだしな!!
そして待つこと数分...
「リムル!!起きた!?」
「おぉ、メイル!!おはよう!!やっと起きれたよ!!」
「うん!!おはよう!!」
そういうとメイルは俺のスライムボディをぎゅ〜!!と抱きしめてきた
はぁ...こいつは全く、俺のことが大好きすぎるな...可愛いやつめ!!
なんて思っていると、突然メイルはそうだ!!と声を上げ俺をまたベッドに戻した
「どうかしたのか?」
俺が不思議そうに聞くとメイルは嬉しそうに可愛く笑い...
「はい!!これ!!」
「これって...ブローチ?」
少し荒削りで、所々が歪んでいるがとても綺麗な石が嵌め込まれていた。
「綺麗だな...」
ポツリと呟いた
そうするとえへへと嬉しそうにメイルが笑った
「リムルにね、お礼がしたくて。
ドルドに頼んで3日間かけて作ったんだ...♪」
可愛らしく、純粋な笑顔を向けてくる
「どうかな...?上手くはないんだけど..」
「...いや、嬉しいよ。ありがとなメイル!!」
「えへへ...♪」
弟の顔が可愛らしく緩んでいる
あぁ、今すぐ抱きしめたいのにこの体には腕がないな...
いつか体が手に入ったら目一杯甘やかそう
肩までかかる真紅色に染まった弟の髪を見ながら俺はそう決意した。
そんな時、リグルドから森で怪しい人間を発見したとの知らせが入った...
今回は転スラ本編では飛ばされたカイジンとドワーフ三兄弟が来てからの空白の3日間について書きました
ブローチに使った石は実際にある石であり
色と一部の石言葉から選びました