TALES OF XILLIA -新たな主人公-   作:ハクハクモン

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開幕、そして出会い

『そっちを選ぶんだね?』

 

俺が選んだのはーーー赤い光を発する光球だ。理由は…特にないが、どうせなら美人のほうがいいという下衆な考えで選んでしまった。でもしょうがないよね?

 

すると選ばれなかった青の光球は消えていき、赤の光球はこちらへゆっくりと近づいてきて、やがて俺の体内へと入り込んでいってしまった

 

「えっと…これどうなるんだ?」

『君の身体をこっちの世界に相応しくするんだよ。今のままじゃ色々と都合が悪いからね』

「お約束ですね分かります」

『そう、お約束だね。後は人間界に行けば君の新たな人生が始まるよ』

 

とうとうエクシリアのストーリーを追体験して行くことになるーーーそのことに俺は胸の高鳴りを覚えた。しかし同時にある問題も浮上した。

原作の方をあまり記憶していない、つまりおぼろげにしか覚えていないのだ。だがここまで来た以上覚えている範囲で立ち回るしかないだろう

 

『それじやあ君を人間界へ送るよ。…っとその前に』

 

そう言ってオリジンは小さな光を生み出し、それをこちらに渡してきた

 

「これは?」

『ふふ、向こうに着けば分かるよ』

 

何を渡されたかは分からないがありがたく貰っておこう。こういう場合は変に遠慮しないほうがいい、って聞いたし

 

『じゃあ今度こそ、君を人間界へ送るよ』

 

オリジンから突如目を覆うばかりの眩しい光がひろがっていく。やがてその光は俺の体を飲み込んでいきーーー

 

 

 

ーーー意識すらも光に溶けていった

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

トラメス暦2287年

リーゼ・マクシア

二・アケリア霊山ーーー

 

 

 

「マジで……リーゼ・マクシアなのか…?」

 

オリジンの光に飲まれて意識を失ったあと、目を覚ますとそこは荒れた山肌、切り立った崖を持つ二・アケリア霊山ーーーと思しき山の頂上だった。

雲はこの手で掴めそうだと錯覚するほど近く、崖下は奈落といってもいいくらいに深い。できるならもう少し安全な場所にして欲しかった…

 

「…まあそれは求めすぎってやつか。それより、さっさと下山するかな」

 

そう言って下山する為に歩こうとして、気づいた。

自分の腰に剣ーーー刀が差されていることに。

 

「…………本物?まあないよりマシ、か」

 

抜いて確かめてみるが素人にわかる筈もなく、再び鞘に戻す。

しかし刀とは我ながら良い武器を持てたものだ。大抵は両刃の剣とかがいかにも初期武器っぽいが、どうも両刃は自分に合わないように感じてしまう。…別に嫌いな訳じゃないからね⁉︎

 

刀の確認を終え、俺は下山を開始したーーー

 

 

 

 

 

 

下山を始めて少し経った頃、自分の視界にひとつの存在が姿を現した。俺は咄嗟に近くの岩の影に隠れてそれの様子を見た。

『それ』はパッと見ると木だ。だが木は自分で歩かない。ましてや腕や目があるなんて普通じゃない

 

「あれは…トレントか」

 

トレントといえば体力が高い・仰け反りにくい・吹っ飛ばしてくるというパワータイプの魔物だ。一応戦闘に慣れておきたかったので、トレントに少しずつ近づいていった

 

「!」

 

するとトレントもこちらに気づき勢いよく距離を詰めてくる…!

 

「さて…やってみるか!まずは手始めにーーー」

 

刀を抜き自分の武器で使えそうな技を思い出す。イメージしたのはーーー

 

「魔神剣‼︎」

 

基本中の基本の技ーーー魔神剣だ。蒼破刃と迷ったがやっぱりこっちがしっくりとくるな。

 

俺が放った斬撃はそのままトレントへと向かっていきーーーバキィ‼︎と文字通り木が割れる音がした。しかしーーー

 

「仰け反らないか…!」

 

ダメージが軽いのかトレントは突進の勢いを緩めない。そしてついに目の前まで迫ってきたが、横へ飛んでかろうじて回避に成功した。トレントは上手く勢いを殺してこちらへと向き直った。まるで猪みたいだな

 

「仰け反らないならひたすら叩け、だな」

 

再びトレントが距離を詰めてきたのに対し、こちらは再度魔神剣を放った。しかし今度は斬撃を追うように走り出し、斬撃が当たったところでーーー

 

「掌底破‼︎」

 

掌底を食らわせると、さすがに効いたらしくトレントはよろめいていた。なんとか態勢を整えようとしているが、もうフラフラだ。俺はすぐに抜刀術の構えをとりーーー

 

「葬る」

 

横一文字に切り払った

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

 

二・アケリア霊山の麓ーーーミラの社

 

『ーーーーーー』

「……今のは、精霊の力?」

 

霊山の麓にある社の中、瞑想していた彼女ーーーミラはリーゼ・マクシアに降臨した精霊たちの主、マクスウェルである。

マクスウェルとは原初の三霊の内のひとりであり、精霊信仰の根強い二・アケリアの人々からはまさに『神』として崇められているのだ。

また、地水火風の四大元素を司る大精霊を従えていることも彼女を更に神格化させる要因となっている

 

『ーーーーーー』

「うむ、わずかだが確かに感じた。しかし今はもう感じとれなくなってしまった。まさか……」

『ーーーーーー?』

「いや、死んだというわけではないようだ。だが今までに感じたことのない力だった」

『ーーーーーー?』

「気になるからな」

 

虚空に話をしていた少女は社を後に、二・アケリア霊山へと文字通り飛んでいったーーー

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

 

その頃、俺は霊山を下山する最中に魔物たちを倒していた。戦闘感覚を養うにはうってつけなのでつい相手をしてしまうのだ

 

「やれやれ、あと少しみたいだな…」

 

視線を下に向けるとこの霊山の入り口らしき場所がかすかに見える。やっと降りられると安堵しているとーーー

 

「…ん?」

 

何かがこっち向かって飛んでくる。鳥ーにしては大きいし、魔物ーにしては歪な感じがしない。やがてそれが『人』の形をしていると分かると、飛んできた『人』もこちらを視認したらしくゆっくりと目の前に降りてきた

 

「君は何者だ?霊山から降りてきたようだが何をしていた?」

 

そう問いかけてきた女性に俺は見覚えがあった。着ている服は違うものの、綺麗な顔立ちと長い金髪に結われた一房の髪。間違いない…『ミラ』だ

 

「何者って聞かれても…。気がついたら山頂にいたから降りてきただけなんだけど」

「では質問を変えよう。先ほど精霊の力を感じたのだが、それは君によるものなのか?」

 

精霊の力…?精霊術は使ってないのだが、相手はこっちを疑っているみたいなので弁明しておくか…

 

「下山する途中で魔物と戦いはしたけど、その精霊の力とやらは使ってはいないよ」

「そうか……。では君はアルクノアではないのだな」

 

そう言って彼女は何か考え始めたが、すぐにこっちに視線を戻した

 

「すまないな引き止めてしまって。気をつけて下山してーーー‼︎」

 

言葉を切った彼女の目つきが鋭くなった。その視線が俺の後ろへと向けられているので、つられて後ろを向くとーーー魔物がいた。

しかもただの魔物じゃない。人馬のようなシルエットに全身縞模様の紫色の身体をもつ異色の魔物だ

 

「あ、あれは……!」

「このあたりでは見かけない魔物だな。それにーーー」

 

その瞬間、魔物はこちらに向けて闇属性の衝撃波を飛ばしてきた。それに対し彼女はその場から一歩も動かず、放たれた衝撃波は当たるかというところで消し飛ばされた。

分かっていたとはいえその光景に唖然としているとーーー

 

「力も強いようだ。ここは私が引き受けるから、君は急いで下山するといい」

 

そう逃げるように勧められた。確かに逃げたほうが危険はないかもしれない。だがーーー

 

「いや、流石にそろそろ手応えのある奴と戦いたいと思ってたところなんだ。手伝うよ」

 

ここで逃げたらもう関われないーーーそんな気がしてならないのだ

 

「……勇気と蛮勇は違うぞ?」

「…まあ本当にヤバくなったら逃げるさ」

 

互いに得物を抜き戦闘態勢をとる。さあ、最初のボス戦だ!

 

 

???・ミラ VS ガデストーチ

 

 

敵の攻撃を掻い潜りつつ攻撃を浴びせていく。魔物も多彩な手段を用いて攻撃を見舞ってくるが、若干大振りな為よく観察すれば回避は難しくなかった。

しかし自分ひとりの攻撃ではいまいち仰け反らない。なので、もうひとりの彼女が隙をついて四大精霊を用いて強力な攻撃を見舞う、という戦法で魔物を少しずつ押していった

 

「シルフ!」

 

ミラがそう言うと途端に強力な風の刃が魔物を襲い、魔物はたまらず態勢を崩した

 

「はあああ‼︎」

 

隙ができたところへ自分が斬撃を放つ。だが相手もやられっぱなしな訳ではなく、無理矢理反撃してくる時もある。

魔物が身体を回転させて反撃してきたが、とっさに防御したおかげでダメージはいくらか防ぐことができた

 

「イフリート!」

 

反撃の隙をついたミラが今度は火の大精霊を呼び出し、強力な攻撃を与えていく。だが魔物は一向に弱る気配を見せなかった

 

(それもそうだ。本来はギガントモンスターなんだからな…)

 

途端、ガデストーチはいきなり突進を繰り出してきた。いきなりだったのでギリギリ回避できたが、勢いそのままに、ミラへと向かっていく。まさかミラを先に始末しようとしてるのか⁉︎

 

「ほう、こちらへ来たか。ノーム!」

 

そう言うや、ミラとガデストーチの間に大地の盾が現れた。恐らくはあれで突進を防ぐつもりなのだろう

 

ドゴオォン‼︎

 

でかい音を立ててガデストーチは大地の盾にぶつかった。しかしガデストーチはそれでも下がろうとする仕草はなく、むしろーーー

 

「っ‼︎」

 

俺は咄嗟にミラに向かって走り出した。それと同時に盾にはひびが入り始める

 

「⁉︎」

 

ミラは若干驚いている為か逃げるという考えに及んでいないようだった。そしてーーー

 

ドガアアアァァァ!!!

 

盾が砕け散り、ガデストーチはさっきよりも勢いを強め走り出した。俺はミラを抱き寄せ、突進の軌道から外れるように飛び退いた。ガデストーチはそのまま、見えなくなるまでひたすらに走り去って行った

 

「……大丈夫か?」

 

問いかけるとミラは少し驚いた顔で、「ああ、すまない」と返してくれた。起き上がったミラは走り去っていったガデストーチのほうを見てーーー

 

「まさか、ノームの盾を破ってくるとは……」

 

と、驚きを隠せないでいた

 

『……ごめんでし。ちょっとあいつを甘く見てたでし…』

 

いきなり聞こえたどちらでもない声に俺はミラの方へ視線を戻すと…

 

『まったくだね!こいつがいなかったらミラが怪我するところだったよ!』

「そう言うなシルフ。咄嗟に逃げることができなかった私にも非はある」

『我ならば奴の突進を力ずくで止めてやれただろうが…』

『仕方がありません…。あの魔物、相当な強さでしたから』

 

それぞれの声とともに黄、緑、赤、青の光がミラの周りに現れていた。恐らくそれらはーーー

 

「ああ、すまない。助けてくれた礼をまだ言っていなかったな。ありがとう」

 

率直なお礼の言葉とミラという美少女から言われたということも相まって、変に照れてしまう。ーーと、自分の右腕に傷ができていることに気づいた。先ほどの魔物の反撃でできたのだろうか

 

「怪我をしてしまったのか」

「あぁ…さすがに唾つけとけば、ってレベルじゃないなこれ…」

「なら村で治療したほうがいいだろう。なに、そう遠くはないから安心するといい。案内しよう」

 

そう言うとミラはさっさと山を降りていくので、俺も彼女の後について行くことにした

 

「そういえばまだ名乗っていなかったな。私は精霊の主、ミラ=マクスウェルだ。君は?」

 

途中、ミラは自己紹介と同時に俺の名を聞いてきた。しまった、なんて名にするか考えてなかった…!

 

「……シオンだ」

「シオンというのか。いい名だな」

 

互いの自己紹介を済ませた後、俺とミラは近場の村ーー二・アケリアへと向かった

 

 

 

 




原作やりたいけどこっちを進めないとプレイできないジレンマ

ちなみに原作の五年前から始まっています
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