TALES OF XILLIA -新たな主人公-   作:ハクハクモン

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字数が増える呪いでも受けてるのかな…


傭兵と成長の片鱗

ザパァ!

 

ラフォート研究所に続く橋の脇ーー

俺とミラは激流に飲み込まれた後、流されるままここに辿り着いた。どうやらジュードも落ちたらしく俺たちがここに流されると同時に合流した

 

「二人とも、大丈夫?」

「ああ……なんとか」

「ごほっ、シオンがいてくれたから問題はない。しかし、ウンディーネがいてくれれば苦しい思いをせずに済んだがのだが……」

「やっぱり、四大精霊の力がなくなったんだ……」

 

どうやらジュードは先ほどの状況を見て何が起きたのか察しがついたようだ。それを心配してか、ミラにこれからどうするのかと尋ねた

 

「……ミラ、あれほどの兵器を破壊するのは四大精霊ほどじゃないと難しいぞ。とにかく一旦この街から出るべきだ」

「お前でも難しいのか?」

「純粋に破壊するだけなら問題ない。だが今回は四大が囚われているんだ。恐らくただ破壊するだけじゃ駄目なんだろうな……」

「奴らの力、か……。二・アケリアに戻れば、あるいは……」

 

ミラは二・アケリアに戻ることに決めると、ジュードに礼を言って先に行ってしまった

 

「あ……」

「……それじゃあなジュード」

 

ジュードに別れを告げてミラを追いかけると、ちょうど警備兵のひとりと闘おうとしていたところだった。

……ちょっと待て?次回作の記憶が新しいから忘れかけてたが、確か今のミラは……

 

「貴様、侵入者だな!」

「違う、と言ったら通してもらえるだろうか?」

 

そう言いながらも剣を抜く我らがミラ様。それじゃ『はいそうです』って言ってるようなもんですよ…!

まあ侵入者なんだからしょうがないけどね!

 

「ミラ!」

「不用意だなジュード、無関係を装えばよいものを」

「貴様も仲間か!」

 

警備兵が後から追いかけてきたジュードに気を引かれたのを見計らってミラが剣で斬りつけるも、自分の力のみで振るったことのない彼女の剣は大きく空振ってしまった

 

「ちょ!ミラって、剣使ったことないの!?」

「ったく……!だから少しくらいは慣れたほうがいい、って言ったのに!」

 

ミラは今まで剣を自分の力で振るっていたのではなく、四大精霊の助力を頼りにして振っていたのだ。だから鍛錬に明け暮れていたとある日、そのことを指摘したのだがーーーー

「ならば、その状況に陥らなければいい話だろう?」

と、一蹴された。その後も何度か訴えたが、結局ミラの考えが変わることはなかった

 

「あいつらの力がないとこうも違うとは……。これならシオンが言っていた通りにするべきだったか」

「覚悟しろ!」

 

警備兵がミラを捕らえるべく動き始めたので、咄嗟に抜刀して警備兵を斬り伏せた

 

「こ、殺しちゃった……の?」

 

ジュードがおそるおそる聞いてきたがーーー

 

「まさか。峰打ちだ」

 

ジュードが倒れた警備兵を見ると確かに血はでていなかった。その代わりに峰打ちを受けたであろう鎧は、一部分がべコリとへこんでいた

 

「すまないシオン。助かったよ」

「やれやれ。これは少しの間大変だな」

 

刀を鞘に収めるとジュードが話かけてきた

 

「えっと、イル・ファンから離れるなら急いだ方がいいと思うよ」

「そうしよう。ではな」

「街の入り口は、警備員がチェックしていることが多いんだ。海停の方が安全だと思うよ」

「む、そうか」

 

そうそう、それで海停に行くんだよな。で、その肝心の海停の場所はーーーー

 

周囲を見渡したのち俺とミラは、目を合わせて首を傾げた

 

「……海停、知らないんだね」

 

ジュードが呆れたようにこっちの考えを察知した。だってゲームだと幾つものマップで済んでるけど、リアルだとマップ間の空白もきちんと存在してるんだよ。例えるなら、有名どころしか知らない他県に初めて行ったようなものだ

 

そして俺とミラは、ジュードの案内で海停へと向かうことになった

 

 

 

中央広場を抜けてさらにタリム医学校の正面の道を行くと、イル・ファン海停に到着した。海停にはちょうど一隻だけの船に積荷を運んでいるところらしく、近いうちに出航するようだ。しかし、ちょうど広場まで歩いたところで呼び止められてしまった

 

「そこの三人、待て!」

「え……何?」

 

複数人の警備に囲まれたことで、周りの一般人も野次馬となって集まってきた。すると、一人の男がジュードを見て驚いた。どうやら彼は、ジュードにお世話になっている人のようだった

 

「先生が要逮捕者だなんて……」

 

男ーーエデは信じられないといった様子で呟くと、ジュードに要件を突きつけてきた

 

「……ジュード・マティス。逮捕状が出ている。そっちの二人もだ」

 

エデのその言葉に周囲の一般人から驚きと動揺の声が上がり始めた

 

「軍特法により応戦の許可も出ている。抵抗しないでほしい」

「ま、待ってください!た、確かに、迷惑かけるようなことはしたけど、それだけで重罪だなんて……!」

 

ジュードがすかさず弁明を試みるが、相手は応戦の構えを取るのみだった

 

「問答無用ということのようだ」

「エデさんっ!」

「悪いが。それが俺の仕事だ」

「……仕事ならしゃーないな。やらなきゃ自分が被害被るわけだし」

「そうだ。だからーー」

「なら俺も自分の仕事をするとしようか。じゃないと最悪あいつらに殺されかねないからな」

 

俺はそう言ってミラにアイコンタクトを図ると、ミラはすぐに頷き返した

 

「……ジュード、私たちは捕まるわけにはいかない。すまないが抵抗させてもらうぞ」

 

ミラが言い終わるのと同時に互いに剣と刀を抜いた。それを見たエデは部下に応戦を指示、部下の持つ杖から火の精霊術が放たれたが、それを俺達が回避したことにより背後で爆発が起きた。

それを見た野次馬は身の危険を感じてその場から散り散りに離れていくと同時に、船が汽笛を鳴らして出航を始めてしまった

 

「さらばだジュード。本当に迷惑をかけた」

「ジュード!捕まりたくないなら、早く船に行け!」

 

ミラはすぐに反転して船へと一目散に走って行った。残されたジュードに声をかけるが、彼は呆然としたまま微動だにしていなかった

 

「さあ、先生。抵抗したら、その分罪は重くなりますよ」

「僕は……僕はただ……」

 

ドガッ!

ガッ!

ドッ!

ガスッ!

 

動こうとしないジュードを拘束するために部下の手が伸びたその時、一人の男が乱入して瞬く間にエデ達を倒してしまった

 

「軍はお堅いねぇ。女と子供相手に大人げないったら」

「あ、あなたは……?」

「おっと、話は後な。連れの美人が行っちまうよ?」

 

ジュードは乱入してきた男に問いただすが、男はミラへの心配を促した。しかしジュードは弁明しようと未だ動こうとしない。それに見かねた男はジュードに、今捕まってしまえば極刑は免れないという残酷な結果を説明した。

説明を終えると、応援要請を受けたであろう警備兵が続々と海停に集まってきた。

……なんか数が多くないですか?

 

「こら逃げた方がいいな!」

「んなもん見りゃ分かるだろ。行くぞ少年!」

「くっ……!」

 

俺達三人は乗り場に向けて走り出した。が、如何せん足の速いやつがいる上に乗り場への道が狭い。男が狭い道に差し掛かったところでジュードを担ぎ上げたのを見計らって俺は即座に急停止。振り向く勢いで魔神剣を放って足の速い連中の足止めを開始した。

 

「シオン!?」

「早く行け!俺もすぐに行く!」

「仕方ねえ。行くぞ!」

 

木箱などを器用に飛び移っていく最中も、警備兵達を相手に必要以上に傷つけないように立ち回っていく。その後見事な大ジャンプで二人が船に飛び乗ったのを見届けると、俺に警備兵の壁が詰め寄ってくる

 

「こうなれば、お前だけでも……!」

「あー……すまんけど、俺もそろそろお暇させてもらうわ。それじゃ」

 

シュタッ、と左手をあげて背後に向けて走り出す

 

「逃がすか!捕らえろ!」

 

しかし、警備兵達はこのあと信じられない光景を目の当たりにするのだったーーーー

 

 

ジュードside

 

派手に船に乗り込んだことで船員の人達から文句を言われたが、助けてくれた男の人が疑われないように立ち回ってくれた。そのことでお礼を言おうとすると、名前を教えてくれた。

アルヴィンーーそれがこの人の名前だ

 

「確か君はジュードっつったかな?」

「う、うん。こっちはミラ」

 

ミラを紹介すると、彼女も輪に加わってきた。

それにしても、どうしてこんなことになってしまったのか……。僕はただ、ハウス教授を探しに研究所へ行って、そうしたらシオンとミラに出会って……。それからあの兵器。クルスニクの槍……あれがあったのにも驚いたけど、壊れるようなことはしなかったはずなのに……。

その後は二人を海停に送っただけ……。それがどうして重罪に結びつくことになるんだろう……。

僕は……

 

「がんばったな」

 

アルヴィンが僕の肩を叩いた。励まそうとしてくれているのは分かっているけど……今の僕にはまだ状況の整理ができなかった

 

「……シオンのやつ、遅いな」

 

ふいに、ミラがシオンが来ないことを呟いた。

僕とアルヴィンを逃がすために警備の人達を食い止めてくれていた。でも……さすがに船がここまで出てしまったら……

 

「ミラ……シオンは……」

「きっと今頃は捕まっちまってるだろうな。罪状はおたくらと同じ。ってことはーー」

 

極刑ーーその言葉が再び僕の脳裏に浮かんだ。僕達を逃がすために、あの人は処刑されるのを覚悟してーー

 

「おお、来たぞ」

「え?」

 

いきなりミラが声をあげた。びっくりしてその視線の先を追ってみると、確かにシオンが波止場の先に向かって走っている

 

「おいおい、ここ海の上だぜ?どうやってーー」

 

アルヴィンがそう言った瞬間シオンが一瞬姿勢を低くしたと思うと、人間とは思えない跳躍力でこっちに向かってきた……!

 

「……ちょ、嘘だろ!?」

「ほう、見事な跳躍だな」

ダンッ!!

 

やがてシオンは人間離れした跳躍で僕達が乗る船に着地した。そして何事もなかったかのように伸びをすると、左手をあげてーー

 

「ただいま」

 

そう言い放った。

アルヴィンは顔を引きつらせ、ミラはいつものことなのか普通に会話を始めちゃった……。

もしかして、二人にとってはこれが普通……なのかな?

 

ジュードside end

 

「見ろよ。イル・ファンの霊勢が終わるぞ」

 

アルヴィンが言い終わると、星々が輝く夜空が澄み渡る青空へと変わった。アルヴィンの言うとおり夜域を抜けたのだろう

 

「にしても、医学生だったとはね。ちょっと驚いたよ」

「ねえ、聞いていい?どうして助けてくれたの?あの状況じゃ、普通助けないよ」

「金になるから」

 

ジュードからの質問を受けたアルヴィンは、さも当たり前だと言うように答えた

 

「私たちを助けることが、なぜそうなるのだ?」

「……俺たちみたいに軍から追われているようなヤツは、何かしらの機密を握っている可能性がある。だからそこを助ければ金をせびれる、ってところだろ?」

 

ミラの疑問を俺が代わりに答えると、アルヴィンは「ご明察」と自身の考えを肯定した

 

「でも、僕、お金ほとんどもってないよ」

「生憎、私もだ」

「宵越しの金は持たないもんだ」

「まじか……。それじゃ、値打ちもんがあれば、そいつでも受け付けるぞ?」

 

こっちが金がないとわかると、アルヴィンは妥協案を提示してきた

 

「ないよ。あんな状況だったんだ」

「高く取り引きされそうなものなどないだろうな」

「そんなセレブリティなものをもってるわけがない」

 

アルヴィンが落胆していると、ジュードに職業を聞かれて『傭兵』だと答えた。『金はいただくが、人助けをする素晴らしい仕事』とは本人の談で、ミラはそれを聞いて感心していた。

ーーまあ金さえもらえれば「なんでも」する、と言ってるようなもんだけどな……

 

「はあ、しゃあないか。ア・ジュールで仕事でも探すか」

「すまなかったな」

「ボランティアか……。早くア・ジュールに着かないかね」

 

アルヴィンのぼやきを背に少し離れたところで、俺は内ポケットから「ある物」を取り出し中を確認した

 

「そろそろ夕方か……」

 

船はその後何事もなくア・ジュールへと進んでいった

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

イラート海停

 

イラート海停に着くと、ジュードはすぐに地図を見つけ確認に行ってしまった。持ち直したか、と思ったがどうやら違うようだ

 

「空元気、かねぇ」

「気持ちを切り替えたのか。見た目ほど幼くはないのだな」

「おたくらが巻き込んだんだろ?随分と他人事だな」

「確かに世話になった。だが、あれは本人の意志だぞ?私は、再三帰れと言ったのに」

「俺はどうするかは自由だ、としか言ってないけどな」

「それでおたくらに当たるわけにもいかないから、あの空元気か」

 

会話を終えるとミラもジュードと同じように地図を見に向かった。俺が周囲を見回していると、アルヴィンが話しかけてきた

 

「そういやおたく、あの連れとはどういったご関係?まさか、恋人?」

「……何かと思えば。天地がひっくり返ってもあり得ないことだな。俺はただ彼女に連れられているだけだ」

「そんな悲観しなくてもいいだろ。……まあ確かにレベルは高いけどな」

 

アルヴィンが励ましながらも肩に手を回してくる。俺はそれを払い除けることはせず、ミラの後ろ姿を眺めていた

 

「ここから北か……」

「すぐ発つのか?」

 

ミラが二・アケリアの方角を確認しているところにアルヴィンが尋ねると、ミラは少し考えたのちアルヴィンに剣の手ほどきを頼み込んだ

 

「今の私は四大の力をもたない。剣を扱えないと、この先シオンに頼るばかりになってしまう」

「四大……?なんか、よくわかんねえけどさ。正直、俺を雇ってほしいところだよ。でも金ないんじゃあな……」

「無理だろうか?」

「シオンが教えるのは駄目なの?それならお金もかからないと思うんだけど」

「俺が教えるよりは、傭兵に教えてもらったほうが早いだろ。できるなら稼ぎながら、ってのが手っ取り早いんだがな」

「いいねえ、おたくとは意外と気が合いそうだ。それじゃあ俺は依頼を探してくるから剣の手ほどきは任せたぜ」

 

アルヴィンはウィンクしながら言うと依頼を探さはに行ってしまった

 

「アルヴィン。余計な気遣いを……」

「それではシオン。よろしく頼むよ」

 

人気のない広い場所に移動し、ミラに剣の手ほどきをしていく。人に教えるような体験はあまりしてこなかったので、ジュードから「意外と説明下手なんだね」といわれてしまった。だからアルヴィンに任せようと思ったのに……

 

「こんな感じ…かな」

「すまなかったなシオン」

 

剣の手ほどきを一通り終えると、ちょうどアルヴィンも戻ってきた。持ってきた依頼は、西の湖に住み着いた魔物の退治だった。剣の訓練にはちょうどいいわけだ

 

「じゃあ、行こっか」

「待て、ジュード。君はこれからどうするつもりなんだ?もう私たちについてこなくてもいいんだぞ?」

 

剣の手ほどきを終えたミラはジュードに身の振り方を聞いたが、ジュードはまだどうするかは決めきれていないようなので助け舟をだしておくか

 

「国境を越えたんだからラ・シュガルの追っ手がくるのは時間がかかるはず。それまではまだ考えててもいいんじゃないか?」

 

俺がそう言うとジュードは近いうちに答えをだすと約束した。まあその答えは分かりきっているんだが…。

俺たちは気を取り直して、依頼をこなすべく目的地へと向かった

 

 

 

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