声が、聞こえる
「あぁ…実に面白かったぞ小僧、術式なしでここまで戦える呪術師がいるのはとても驚いた」
声が、聞こえる
「だがこれで終わりだ…安心しろ、ここにいる奴らもすぐにお前の元に行くからな!よかったな小僧!お前が守ろうとしたもの達と死ねるんだ!」
笑い声が、聞こえる
怒りを感じる
無力さを憎む
走馬灯が見える
術式のない俺を慕ってくれた後輩たち、封印されてしまったバカ目隠し、尊敬できる七海先輩
思い残すことは色々あるが、俺は死んだ
後悔ばっかの人生だったが、まあ楽しかったな
そう思いを馳せながら、俺 葛川刹は目を閉じた
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
次に俺が目を覚したのは、砂で囲まれている学校の前だった
「ここ…は?まさか天国?ずいぶん現実に近い世界なんだな…」
「ここは天国じゃありませんよ、ていうかあなた誰ですか?」
後ろから声をかけられる
なんだこの子?幼女?でも制服着てるな?中、高校生らへんかな
にしては背が小さすぎる気もするが…
「…なんか失礼なこと考えてませんか?」
「えっ!?か、カンガエテナイヨー…」
「はぁ…まあいいか、あなたの名前は?」
「俺の名前は葛川刹、あんたは?」
「私は…いえ、まだあなたの素性すら分かってないのに安易に名前なんて教えられません
ていうかどうしてうちの学校の前で倒れていたんですか?」
「え、あぁ!かくかくしかじかで…」
「かくかくしかじかじゃ分かりませんよ…とりあえずついてきてください、あなたの処遇を先輩と話し合います」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「おかえり〜ホシノちゃ…その人どうしたの!?」
「学校の前で倒れていたんですよ…」
「もしかして….うちの学校に用があったり!」
「それにしては全然わかってなさそうですよ、顔もアホっぽいですし」
あ、アホっぽい?!そんなこと親父にも言われたことないのに!!
「ほら!ホシノちゃんがアホっぽいとかいうからあの人落ち込んじゃったじゃん!!」
「え?私のせいですかこれ!?」
「とりあえず話を元に戻そう、俺の名前は葛川刹
あんた達の名前は?」
「私はユメよ、よろしくね刹くん!」
「ちょ!?ユメ先輩!こんな得体の知れない奴に名前を安易に教えない方がいいですよ!」
「大丈夫よホシノちゃん、刹くんはこの学校の前で倒れていたんでしょ?ここを行き来するのは私たちやカイザーローン、ヘルメット団ぐらいしかいないじゃない
ヘルメット団はスパイを送って相手の情報を調べさせるなんて相手の裏を突く方法なんてとらなさそうだし、カイザーローンも裏がありそうだけどお金の取引についてはとりあえずはまともだからね」
すげー、なに言ってるかわかんねーけど頭の回転が早いことだけはわかる
「それはそうですが…」
「刹くんは家とかあるのかな?」
「ないですね…ていうかここがどこかすらわかってないんですよ
どこですかここ、東京ですか?」
「トウ…キョウ?逆にどこですかそれ
ここは学園都市キヴォトスですよ?」
「そしてここはそのキヴォトスの中でも屈指の学生数を誇っていた!
アビドス高等学校でーす!!パチパチパチ!!」
「おーパチパチ…誇っていた?」
「実は…砂嵐によって生徒や住民がほとんど引っ越しちゃったんだよね…」
「oh…」
「砂嵐によって住宅街も壊されちゃってぇ…借金がどんどん増えてってぇ…」
「ちなみに…借金は何万ぐらいなんでしょうか…?」
「9億」
「いまなんて?」
「正確には9億6235万だね…」
「それ…絶対返しきれませんよ…」
「絶対に返しきれないのなんてわかってるよ!でも来年入ってくるかもしれない後輩達のためにも!少しでも減らしとかなきゃ!」
「なぁ…ホシノって言うんだっけあんた」
「そうですけど、どうしました?」
「ユメって子はいつもあんな感じなのか?」
「はい、全く…新入生が入るのも、借金も返済するのも絶対無理だってわかっているのに…」
「…いい先輩を持ったな」
「なんですかいきなり?!」
みきーりはっしゃ
感想、評価お願いします