薄井家という危険な任務を請け負える人材がいる事によって、五条悟の”最強“が明確に定まっていないのです。
六眼+無下限呪術持ってるから強いよね、止まりです。
任務受けれてないので、よって次期当主であれど最終的な決定権は現当主にあります。
悟はすぐにでも当主の権力が欲しいんですが、まだ実績が足りないと。
聡明な読者のみなさん。
どうすればいいか分かるよね?
カフェにて。
透、狼、悟の三人は、デザート片手に会話を続けていた。
(珈琲ゼリー、抹茶アイス、パフェ)
「最初は遜って五条家に取り入ろうと思ってたんだけど……今はその必要はないみたいだね」
「かと言って、今の俺は正式な当主じゃねえよ?どうすんだよ」
そう、現在の五条家では名目上悟は当主ではない。
例え悟が許可しても現当主が拒否すれば無効になってしまう。
しかし。
「なら当主になれば良いじゃない」
「実績を積めと?俺に任務回って……そうか、お前らの任務を俺に回せば……!」
「その通り」
今現在、悟が請け負う様な任務は全て薄井家が担っている。
その危険な任務を悟が遂行する事で、実績を作り出せるという訳だ。
「どう?」
「それで良い……いや、一つ条件だ」
「何?」
「五条家には送るつもりはないんだろ?なら……ソイツと一回戦わせろ」
そう悟が指した先にいるのは、狼だった。
「……?」
「何首傾げてんだよ。……お前、強いだろ?」
任務は回って来ず、偶に来たとしても簡単なものだけ。
最強と持て囃されても、自分の実力を試す事が出来ない。
かと言って術師と戦えるわけでもなく、ひたすらに孤独だった。
「一戦、やろうぜ」
だが、コイツは逃げない、そして強い。
やっと、そんな相手が見つかった。
「僕は全然いいよ。狼、どうかな?」
「‥…承知」
ああ、お前ならそうするだろ。
不思議とそうなる予感があった。
「約束な!んじゃ、行くか?」
久しぶりに気分は良く、足取りは軽い。
「そうだね。さあ、あいつらを笑ってやろうか」
三人は屋敷へと帰っていった。
◇
そして、冒頭に戻る。
此処まで順調だった、これで穏便に行く筈……だったのだが。
予想以上にストレスが溜まりまくっていた透と悟が思いっきりぶち撒け、脅していた。
数分前。
「おお、戻ったか!……何故お前がいる?」
部屋に戻った透と悟だが、当然直毘人に目をつけられる。
「悟、今は定例会の場だぞ!何故k……」
五条家当主(以下当主)が非難しようとするが、
「黙れよクソジジイ共が。特にお前、薄井家の事、俺に隠してたな?」
早速悟がぶっ込んだ。
なおこの時点で両者共に結構キレている。
「なっ……!もしかして貴様か!この恩知らずめ……!」
教えていない筈の情報を暴露され、すかさず事の元凶であろう弱者を追及する当主だが。
「恩知らず?ハッ、頭沸いてるんです?貴方に受けたものは全て仇ですが?」
盛大なカウンターを喰らう。
「き、貴様、無礼だぞ!私を誰だと……!」
「社会の汚物。幸運でしたね、呪術界に産まれて。非術師の社会ならばとっくの昔に豚箱入りでしたよ」
「いやのたれ死んでるんじゃねぇの?」
一理ある、と二人は当事者の前で納得し合う。
彼は怒りの余り声が出ない様子だが、それを無視して透は直毘人に話しかける。
「まあ前座は此処までにして。
禪院直毘人殿、私から一つお願いを申し上げたいのですが、宜しいでしょうか?」
「……さっきまでのは演技だったのか?何を企んでいる」
「小さな事ですよ。まあ、承諾してくれるなら話しますけどね」
「因みに俺は同意したから。五条家は参加ね」
「お前は当主ではないのだぞ?それは無効だ」
「残念だったな、悟!お前には実績が足りない……」
直毘人の言葉を得て勢いづく当主。
しかし、その問題は既に解決している。
「薄井家の任務を全て回してある。悟なら1ヶ月で特級になれるさ」
「……しかし、上層部がッ……」
黙ってはいない、と続けようとした当主だったが、
「向こうは薄井家を都合の良い押し付け先としか考えていない。所詮非術師の弱小家系ってね」
「俺が任務を全て終わらした時には、もう手遅れ。残念?そっか〜残念か!まあどうでも良いけど」
煽りに煽る悟。
今まで気づかず溜め込んでいた分を、透の導きによって最高の形でぶちまけていく。
「と言うわけで、当主さん。貴方の居場所はもうないんですよ。諦めて隠居をお勧めしますが?」
「……!!この、クソガキ共が……!」
「で、どうですか?直毘人さん」
「………」
「あ、拒否しても良いですよ?残念ながら今止める手は無いので。ですが……」
「
ノリに乗りまくる二人。
悟は天性の煽り能力で、透は圧倒的な演説の才能で煽る。
相手に思考させる暇を与える必要はない。
例え冷静な思考を持っていても、高なる感情(怒り)は無視する事は出来ない。
そうすれば……
「チッ……!分かった、承諾する……!」
直毘人は自分が熱くなっている事に気づいている。
しかし、それを押さえられるほど余裕は残っていない。
透のギャップ、演技を見抜けなかった衝撃、全てを把握している様な態度。
少しずつ確かに直毘人の冷静さを削っていたのである。
「じゃあお話、しましょうか」
◇
透の出した“お願い”は二つ。
「一つ、薄井家に来ている高難易度案件の共有」
薄井家が請け負っている任務を、御三家にも請け負ってもらう。
現状危険な任務は全て薄井家に回っており、月名持ちが何とかこなしてはいるが、余り良い状態ではない。
「二つ。御三家+薄井家での人員を一時交換。まあ加茂は五条と、禪院は薄井とで宜しいかなと」
「……何故その組み合わせだ?」
「考えれば分かるでしょう?男尊女卑、御三家至上とか言う腐った考えは叩き潰さなくてはいけない」
「今更何を……ッ!」
またもや非難の声を上げようとした当主だが、透から滲み出る怒気に言葉が断たれる。
「ハッ、笑わせてくれますね」
「馬鹿にしてんのか」
「お前らの所為で何人の人間が貶められたと?そんな腐った考えで色んな所に皺寄せが来てるんですよ」
女性を子孫存続の為の道具にしか考えていない?
終わってはいるが、それだけじゃない。
それも重大だがもっとイカれている。
「一般家庭出身の術師や非御三家の術師を使い潰す様な上層部、そしてその恩恵を甘い蜜として吸いまくっている
「全て、潰させてもらおう」
「これは宣戦布告じゃない。既に決まった、死刑宣告だ」
透の宣言。
その姿はその場にいた誰よりも強く、誰よりも当主の風格があった。
「いや〜スッキリしたね、悟」
「ホントざまあ!ってなぁ、透」
無事にお話は終わり、全ての条件を飲ませた透と悟、そして一生空気だった狼は屋敷を出た。
スッキリとした顔の二人はもう名前で呼び合う仲になっている。
空は既に暗く、時計は19時を指している。
「狼牙、夜どうしたい?」
「母上は……早急に帰るべきかと」
「なあ、俺も着いてっていいか?」
「やっぱり今帰るの気まずい?」
「いや、どっちかと言うと面倒くさい」
「なるほどね。ちょっと待って……」
そう言って透は携帯電話を出す。
「もしもし……ごめんね、遅くなっちゃった。……そうそう、実は五条家の悟君が……え?どうしたの?……あ、了解しました」
透は何処か落ち込んだ顔で電話を下ろす。
「どうしたの?」
「……先に言わなかった事への罵倒の嵐であろう」
こそこそと話す狼と悟。
この二人の距離も大分近くなっていた。
「よし、二人とも。今日は外食だ!」
「母上は……」
「手抜きは食べさせられないって。何処がいい?」
「はいは〜い!俺、あんま知らないんだけど」
「お坊ちゃんだね。じゃあまずは……」
店について話しながら歩く三人。
夜空には星が煌めいていた。
悟にとって透とは。
自分が知らない部類の人間。優秀。
ちゃんとした大人を初めて見た気がする。
もはや半分父親みたいな存在。
此処まで1日で到達した透さん、対人関係ぶっ壊れ。
これから出てくるオリキャラの中でも一位のチートキャラです。
透さんの最終的な目的。
御三家の腐った風潮をなくし、上層部の権力を間接的に落とす。
(御三家と上層部は同じ側だから、それを離したい)
その為に、御三家の内部改革を進めたい。
①任務の共有。
俺たちだけ死にかけるとかあり得んだろうがよ!お前らも任務受けやがれ!
②御三家と薄井家の交換留学生(?)
内部の人材(若い人間)を改善する為の政策。
実は五条、加茂はどうでも良い。
一番やばいのは禪院家だから。
此処で裏話。
実はですね、悟が任務を遂行したと報告しても、揉み消される可能性があるんですよ。
お前の任務じゃねえからって言われればそれで終い。
だけど御三家は承諾した。
何故か分かります?
最悪薄井家が武力蜂起するからです。
呪術界でもトップクラスの実力を持つ集団+五条悟。
御三家ぐらいなら潰せます。
直毘人さんはそれを分かっていたから、承諾したんですよね。
ほら、”選択肢がない“。