葦名廻戦   作:朝槿

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前回、御三家に対して条件を飲ませた透と悟、そして狼。
夜ご飯をびっくり◯ンキーで済ませ、一時帰宅。

良いですよね、びっくり◯ンキー。
トッピングはチーズ派です。
ご飯とサラダが肉汁に浸かってるの結構好き。


追記:狼さんと悟は中3(15歳)です。
ちょっと説明が足りておらず、申し訳ないです。
少し違和感あると思いますが


蒼

 

定例会の数ヶ月後。

 

直毘人が発破を掛けたのか、御三家は既に準備を済ませていた。

そして薄井家に来客が。

 

「来たぞ!」

 

五条家の当(・)主(・)、五条悟である。

 

「ようこそ、薄井家へ。君の所に比べて大分小さいけど、まあ我慢してね」

 

「大事なのは中身だろ。で、何処でやるんだ?」

 

「着いてきて」

 

 

透は悟を連れて例の地下にやってきた。

門を見た悟は愕然とする。

 

「コレさぁ……特級相当じゃん!」

 

「これは薄井家のみの秘密だから、口外しないように」

 

そう言って透は扉に手を翳す。

 

「……ッ!慣れないね……!」

 

扉は透の呪力を吸い上げる。

慣(・)れ(・)な(・)い(・)感(・)覚(・)に思わず呻き声を上げるが、手は離さない。

 

「ふぅ〜……これで良し」

 

「……お前、やっぱ非(・)術(・)師(・)だろ」

 

「そうだよ」

 

薄々感じていたが、六眼には術式が写っていない。

かと言って呪力も普通。

完全なる一般人だ。

 

「呪霊はどうするんだよ」

 

「察知できる呪具が有るからね。見えなくても良いさ」

 

それより、と言って透は門に近づく。

 

「行てらっしゃい。狼牙が待ってるよ」

 

「おう」

 

六眼でも中は見通せない。

霧に覆い隠された様に不明瞭だが、透を信じて悟は歩を進めた。

 

 

◇

 

 

門を潜り、一瞬のホワイトアウト。

視界が開けた其処には、森が広がっていた。

 

(空間の拡張……いや幻術?どちらもか)

 

悟は一人で森を進む。

抜けた先。

半径10m程の広場に、相手は座っていた。

 

「……来たか」

 

「やろうぜ」

 

無下限呪術は切る。

まずは単純な肉弾戦がやりたい。

 

狼牙は刀を抜き、顔の右に構える。

 

(霞……だったか?まあどうでも良い)

 

体に呪力を巡らせ、構える。

 

静寂。

 

鳥の鳴き声を皮切りに、悟は狼牙に向かって走り出した。

 

 

######

 

 

(呪力による拳の強化……)

 

戦闘が始まって数秒後、狼は悟の戦い方を幾分か把握していた。

無下限呪術は切っている様だ。

例え六眼を用いたとして、燃費は相当に悪いと聞く。

 

(なれば……)

 

勝てる。

相手が術式を起動する前に、斬る。

 

「……ッ!」

 

一気に距離を詰め、真っ直ぐに向かってくる拳を弾く。

 

「軽い」

 

「うおっ……何で刀で防げるんだよ!」

 

(普通は逆では……?)

 

刀で拳を弾くなど、葦名では日常茶飯事だった。

逆に仙峯寺の僧は何の強化もしてない手で刀を弾いてくる。

誠手強い敵であった。

 

「別のこと考えてんじゃねえよ!」

 

風を切る様な回し蹴りを体を低くして避ける。

体勢が崩れた一瞬、後ろ襟を掴み押し倒す。

背中を刺し貫こうとした瞬間、呪力の奔流に吹き飛ばされた。

 

「あっぶねぇ!」

 

「呪力を放ったか……」

 

仕留め損ねた。

肉弾戦では此方に分がある。

しかし……

 

悟はサングラスを外した。

 

「……六眼の解禁か」

 

「この時のために態々縛ったんだよ。さあ、やろうぜ!」

 

素早く斬りかかるが、躱される。

先程とは段違いの速さ。

攻めるのは悪手と言わざるを得ない。

だからこそ。

 

「!」

 

全て、弾く。

正拳、前蹴り、回し蹴り、裏拳。

全て弾く。

 

すると段々、悟の動きが鈍くなっていく。

体幹が揺らいでいるのだ。

 

隙ありとばかりに上空に跳び上がり、空中で回転。

その勢いのまま足を振り下ろした。

流れる様に打つ足の連撃。

仙峯寺の僧侶が紡いだ奥義。

 

 

【奥義・仙峯寺菩薩脚】

 

 

「ぐっ……がっ!」

 

悟は腕を組み頭を守るが、そんなものでは止められない。

最後の剣撃を敢えてせず、そのまま体幹を攻める。

 

肘打ちと掌底による体術の流派技。出の速い連撃により、 敵の攻撃の出鼻をくじき畳み掛ける。

 

 

【拝み連拳・破魔の型】

 

 

防ぎきれなかった悟は大きく仰け反る。

体幹が尽きた。

そのまま心臓を貫く……

 

 

危

 

 

脳内に響く警鐘。

すかさず後ろに跳んで構える。

 

(……空気が変わった)

 

悟は目を伏せて呟く。

 

「……無下限呪術。今俺の周りには、無限がある。お前の刀も、拳も、衝撃も通らない。だけど、俺の攻撃は通る」

 

「ただ、どれだけ攻撃しても俺の攻撃は全部防がれる。なら……!」

 

顔を上げてニヤリと笑う悟。

 

「防げねぇ攻撃をすれば良いだろ!」

 

「……ッ!」

 

急激な呪力の高まり。

準備は、既に終わっていた。

 

「無下限呪術……!」

 

 

【術式順転 蒼】

 

 

 

狼が飛び退いた直後、足元が大きく抉れる。

 

「もっとだ!!」

 

更に辺り一面に限界まで蒼を放つ。

数十秒後土煙が収まった広場には、大きなクレーターが出来ていた。

 

「……いねえよな?」

 

悟は六眼で辺りを見渡すが、何も見えない。

慎重に何度も見渡し、

 

「……っしゃあ!!」

 

両手を上げて快哉を叫んだ。

 

 

◇

 

 

「………」

 

何処か不機嫌な顔をした狼は、入り口付近で目覚める。

 

無事に全身を押し潰され、久しぶりの死を味わった狼は、後ろにいた透に話しかけられた。

 

「負けたみたいだね」

 

「……御期待に添えず」

 

「いいよいいよ。無限のバリアなんてチートじゃん。破れないのが普通さ」

 

そう話していると。

 

「ただいま〜」

 

悟が戻ってきた。

歩いて帰る途中で道を間違えたらしく、服は汚れている。

 

「どうだった?」

 

「楽しかった!」

 

しかし顔は喜びに満ち溢れている。

よっぽど楽しんだ様だ。

 

「狼牙、今度はお前も術式使えよ!」

 

狼が術式を使わなかった事が唯一の不満の様だが、

 

「狼牙の術式は特殊でね。順転を使おうとすると暴走する可能性があるらしいよ」

 

「ふ〜ん……確かになんか変だな」

 

六眼にもそう映った様で、ひとまず納得した悟。

 

「……次は負けぬ」

 

「!俺に勝てるとでも〜?」

 

「ふふっ。これからが楽しみだね」

 

穏やかに語り合う三人。

術師交換の日は近づいていた。

 

 


 

 

数日後、禪院家との交換の日。

狼は両親と悟に送り出されていた。

 

「なんかあったら帰ってくるのよ。大丈夫だと思うけどね」

 

「まあ一応気をつけて。どんな手を使ってくるか分からない……と言っても」

 

「狼牙の想定を上回る罠があいつらに出来るとは思えねえけどな」

 

三人揃って何一つ心配していない。

まあ、狼という熟練の忍びの想定を上回る搦手など、ボケた禪院家には無理だろうと言う信用である。

 

「ただ向こうは性格が終わっているからね。襲われたら叩き潰していいよ」

 

「当主のクソジジイにも許可を得てるからな。思いっきしやったれ」

 

「……御意」

 

狼は頭を下げて車に乗り、禪院家に向かって行った。

 

 

それを笑顔で見送った三人は、スンッと表情を落として会話する。

 

「さて……向こうからは男が一人くるらしい。さて、どうしてやろうかな」

 

「まず俺がぶっ潰せば良いんだろ?」

 

「悟くん、貴方が出たら終わるでしょ。水無月さんにたのんだら?」

 

「あの爺さん大丈夫か?」

 

「普通に強いし、術式使えば今の所内では最強に近いよ」

 

「あの術式で?……まあ透がそう言うんだったら強いんじゃね」

 

今回は内部調査の為、薄井家でもトップの実力を持つ狼が送られた。

 

「さ、準備しようか」

 

三人はそれぞれ準備の為に家を駆け回るのだった。




悟デレてね?
最早薄井家の子だろ。
あ、狼さん蒼四発目くらいで圧縮されました。
イメージはジョジョ3部のバニラアイス戦ですね。


さて、今後の予定。
こっちからは狼さんが、向こうからは……蘭太にしました。
最初は真希真衣にしてたんですが、年齢全く忘れてましてナシにしました。
ちなみに甚爾さんは数年前に出ていってますよ。
狼さんは主に扇とか直哉くんとの交流を描きます。
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