葦名廻戦   作:朝槿

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私の中で、直哉くんは裏の主人公なんですよ。
狼さんは本作の主人公であり、SEKIROでの主人公。
で、呪術の主人公はと言うと、直哉くんなんですね。
……本作内での話ですよ?

それはそうと、携帯がないのは厄介ですね。
あ、詳細は前回の前書きに書いてるんで、是非助けていただけないでしょうか?


辿り着いた答え

直毘人の確実に入ったと思われた攻撃。

フリーズしていたとは言え、呪力を込めた全力に近いそれを直哉は軽傷で収めた。

そして直毘人は何故か、()()()()()()()()

 

「起きてや〜」

 

その絡繰を直哉は説明したくてたまらない。

直毘人を揺り動かし、気絶から醒まさせた。

 

「……はっ!儂は……負けたのか」

 

「おはよ、パパ。俺の完勝やで!」

 

「……フフッ、フハハ、フハハハハッ!どんなカラクリだ!?」

 

直毘人は自分が何で負けたか分かっていなかった。

ただ、自分が攻撃を与えた直後、何らかの衝撃を受けたことは覚えている。

 

「俺のたどり着いた答え、それは……」

 

 

【秘伝・破魔鏡】

 

 

御三家に伝わる秘伝・落花の情を参考に、独自に編み出した技。

自らに触れる()()()()()の70%を吸収し、自分のモノとする。

それは相手のものでもなく、()()()()()()()()となる。

 

例を言おう。

直哉に蒼が飛んできた。

威力を100とする。

直哉は30のダメージを受け、70の分の呪力を獲得し()()()()()()()として纏う。

それを吸収して回復するのも良し、それをそのまま攻撃に転じるのも良し。

呪力を足して更に強化することも出来る。

これは物理的なものにも使え、斬撃の威力を7割防ぎ、その衝撃を足に纏わせ一時的な推進力としても使えたり。

 

纏めると、7割分のシールドを用いたカウンター技。出力は調節でき、回復にも使えると言う結構な便利技だ。

 

 

「……っちゅう訳。この先はこれをもっと極めて、10割カット……は無理でも、9割は行きたいなぁ」

 

「……直哉」

 

「ん?なに?」

 

「お前……やっぱり天才だな!」

 

「せやろ!?」

 

二人して大笑いする。

 

「だけどなあ、これは狼クンのお陰やで」

 

「ほう?それは……」

 

「狼クンは俺の攻撃を技術のみで弾いてみせた。俺はそれを呪術に落とし込んだだけ」

 

ホンマ凄いわぁ、と直哉は空を見上げる。

その頭を直毘人はワシワシと撫でた。

 

「お前も十分凄い。確実に次期当主はお前だな!」

 

「せやろか?もしかしたら十種持ち出るかもしれんで?」

 

「そしたらどうする?」

 

「正直俺は当主にあんま興味ない。やけどな、パパ。一つ決めた事があんねん」

 

「なんだ?」

 

「2年後……」

 

「俺も高専に行くわ」

 

その顔には、満面の笑みが浮かんでいた。

 

 

 


 

 

 

さて、時は進み3月末。

中学の卒業式を終え、明日狼は葦名へと旅立とうとしていた。

一日中同級生と遊んだので、少し疲れは残っているがまだ全然余裕である。

 

 

余談だが、別に狼に友達が居なかったと言うわけではない。

狼は基本物静かであり、且つ優秀である。

運動面ではとりわけ、そして学業面でも優秀だった。

文系科目は苦手だ。

現代人の思考はすこし違和感があるし、戦国時代だけが得意と言うのは難点だろう。

……古文漢文は圧倒的に得意だが。

 

話を戻そう。

言わば高嶺の花と化していた狼に近寄ってくる者は居なかった。

しかし、同じ様に優秀な男子や、狼から見れば優しすぎる女子。

彼らは狼によく喋りかけてくれた。

大分達観した狼でさえ嬉しかったのだ、彼らの善人さが分かると言うものである。

しかし、別れはいつか訪れる。

狼は高専に、優秀な彼は他県の進学校に、彼女は関西に引っ越す。

狼は久しく感じていなかった寂しさを背負い、笑顔で彼らを送り出した。

 

 

(……柄にもない……いや、それで良い)

 

彼らが幸せに生きる為にも、為すべきことを為す。

新たに決意した狼だった。

 

 

 

 

翌日、狼は早朝から屋敷の門前にいた。

 

「行って参ります」

 

「突然どうしたの、とは言わないさ。何か大事な事が有るんだろうね」

 

まだ夜も明けていないのに透は態々見送りに来てくれた。

 

「……申し訳ありませぬ」

 

「良いよ良いよ。まあ、楽しんでらっしゃい」

 

狼は透に見送られ、駅に向かって歩いて行く。

 

「……()()()()()()()()()()()

 

 

 

早速電車に乗り福島に向かおう。

今日は向こうにある薄井家の屋敷……もとい空き家を目指さなくてはならない。

別に野宿でも全然良いが、現代日本ではあまり良くない。

 

新幹線に乗り、窓から外を眺めたり駅弁を食べたりして数時間。

福島に着いた。

 

本当に来たのだな、と思うと共に、気持ちを引き締める。

葦名にたどり着けるだろうか。

 

(……行くか)

 

 

 

 

少し小話をしよう。

 

葦名の国。

我々の世界では、福島の上あたりに蘆名氏という戦国大名があった。

相模、会津蘆名氏として栄えた蘆名家の発端は、平安末期の三浦義継まで遡る。

 

今回は福島の会津蘆名氏について。

蘆名盛氏の代に最盛期を迎えるも、彼が没した後より蘆名家の衰退が始まる。

家中の統制に苦労し、後継者も次々に病死や暗殺されてしまう。

最終的に奥州統一を目指す伊達政宗に滅ばされ、逃げ延び生きながらえるも、またもや後継者の相次ぐ逝去により、家系は断絶した。

 

 

ではSEKIROではどうだろうか。

葦名の国は滅びてしまったが、それは伊達家ではなく内府によって。

尚且つ内府の兵の装備から、恐らく豊臣公の時代だろう。

有名な大名では、北条が最後の方まで生き残っていた。

本作ではその後に滅びたとさせてもらう。

 

さて、葦名の特色といえばその環境である。

水と深い関わりを持ち、峻険な山脈に各地が阻まれた厳しい山国である。

勿論実際にその様な土地はない。

しかし、本作では実際に葦名は存在する。

 

さあ、此処で一つ疑問に思ったことはないだろうか。

()()()()()()()()()()()()()()()()()()

と言う事である。

内府に消されたとは言え、呪術界までにも情報が残っていないのは可笑しい。

影の神眼でも見つける事は容易ではなかった。

さてはて、どう言う事やら……

 

 

 

 

『恐らく、葦名は巨大な領域と化しているんだと思う』

 

は数年間葦名について調べ続け、一つの結論に至った。

曰く、葦名に流れる源の水を利用した巨大な領域だと。

また、それを為したのは九郎様ではないかとも。

 

『内府は別にご先祖様の事を知らなかった筈。あれ程孤影衆がいたのに攫いに動いてないからね。

もしくは余裕がなかった。

ま、それは置いといて』

 

大切なのはどう言う領域と化したのかだ。

 

『竜胤だけでなく変若水や仙峯寺、葦名の底や菩薩谷など。

まあ、色々利用されてもおかしくないから隠そうとしたんだろうね。と言う事で、あの領域は絶対的に隔絶されている。

言わば一つの世界とも言えるかもね』

 

葦名の存在を隠す。

 

『どういった方法かは分からないけど、恐らく葦名の土地を()()()()()離れさせた。つまり僕達の時空には無いものだとも言える』

 

では、どうやって入るのか。

物理的に、そして呪術的に切断させられている。

 

『時空を渡る為には、幾つか方法がある。今回は慣れている方法を使うよ』

 

それは……

 

 

 

 

時間は変わり夜。

空き家に辿り着いた狼は、もう遅いのにも関わらずフル装備だ。

そして術式を使い呼び出したのは、鬼仏

 

『簡単な事だよ。飛べばいい』

 

思わずそれを聞いた時は、は?と声を出してしまった。

試したことは無かったものの、流石に出来るとは思えない。

まあ、一応試してみよう。

 

 

鬼仏を前に腰を下ろし、坐禅を組む。

 

 

鬼仏見出

 

 

青い炎を前に目を閉じる。

数秒後だろうか。

頬に感じる風に目を開く。

 

 

薄暗い天井。

山の様に彫られた仏像。

そして置かれた鉋と金槌。

 

そこは確かに、懐かしき荒れ寺だった。




第一章完!

という事で答えは、天穂のサクナヒメの武技、破魔鏡でした〜!
本来はダメージを完全に防ぎ、カウンターで術系の追尾弾を発射。
そして25%の体力を回復します。
技ゲージの使用量が少し多いんで多用は出来ないですね。
ちなみに一番好きな武技は飛燕です。

《font:520》《color:#baa014》
鬼仏のフォントです。
なんか他に和風のフォントあったら教えてください。
全部見れねえ。

さて、葦名についてですが、だいたい本文通りです。
簡単に言うと、九郎様が葦名を切り離して物理的に遮断したと。
まあ利用されない様にとか、葦名を守りたかった弦ちゃんの意を汲んでですかね。

さて狼さんですが、鬼仏というチートじみた物品を使って葦名に辿り着きました。
どうなるんでしょうね……?
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