原作でも色んな意見があった気もしますが、今は悪感情→呪力→呪霊という事にしてて下さい。
さて、葦名では悪感情→呪力が、悪感情→怨嗟だった。
これは葦名の特色の所為です。
源の水含め、あそこは従来の何倍もソッチ方面に近かったんです。
仙峯寺や落ち谷が良い例ですね。
で、葦名の人々はそれらに日常的に触れていると。
そのせいで、彼らの恨みは全て怨嗟に成り果て、仏師殿や狼さんに積もっていった。
まあ、呪霊が出てくる訳ない。
全部怨嗟だもの。
しかし、狼さんの不死断ちや仏師殿の介錯によって受け皿が消えた。
じゃあどうなる?
呪霊出てくるよね〜と言うわけ。
数日後・・・なのかは分からない。
確かに時間は過ぎている様に感じるが、此処での時間は曖昧だ。
一心様や弦一郎殿もどれだけ経ったか覚えていないと言っている。
「確かに時は過ぎた・・・しかし、昼夜が巡り年が変わろうとも体は老いる事はない。少々不可思議じゃな」
現実ではもう数百年も過ぎたが、彼等の体感ではまだ百年も経っていないとの事。
時空が歪んでいる・・・?
(・・・影に任せるか)
狼は早々に考えるのを諦めた。
それは兎も角、弦一郎より任務が下った。
「仙峯寺の調査だ。あの寺から音沙汰もないのはいつもだが、少々怪しい」
「・・・承知」
◇
金剛山仙峯寺。
峻険な山地に建つ、由緒正しき寺院。
葦名の中でも取り分け景色が良く、狼も初めて来た時には感動したものだ。
葦名においての仏教の礎であり、修験者が独自の生活圏を築いている。
彼らは日々修行に邁進し、功徳を積むが為に仙峯寺拳法と言う流派を築いた。
しかし、彼等は死なずに魅入られた。
蟲を体に憑かせて不死を追い求め、堕落した。
更に変若水を使い、人体実験を繰り返し、竜胤を産み出そうとした。
仙峯寺ほど死なずに狂った者は居ないだろう。
彼らは仏道を外れ、畜生に堕ちた。
さてそんな仙峯寺に、狼は行かなくてはならない。
金剛山への行き方は3つ。
本城から捨て牢に入るか、水手曲輪から捨て牢に合流するか。
そして落ち谷から鉤縄で飛ぶ。
今の狼生身故、たとえ呪力で強化したとしても届かない。
ならば捨て牢を経由するしかないだろう。
本城から捨て牢への入り口は防がれている。
どんなモノが攻め入って来るか分からないからだ。
という訳で、狼は水手曲輪に向かった。
◇
昨日一心が全てを斬った事により、敵は一体もいない。
何の滞りもなく入り口に辿り着いた。
全ての始まり。
主を奪われ、失意の底にいた狼が三年間眠っていた場所。
再び戻って見れば、孤影衆が見物に来ていた。
その時は流石に愕然としたものだ。
敵同士故斬ったが、中々強敵だった。
足技が強く、菩薩脚を組み合わせた強力な蹴りは参考に値する。
さて、そんな事を思い出しながら捨て牢へと入って行く狼。
狭い道を抜けてみれば、少し開けた広場に出る。
嘗ては七面武者と言う強敵が居た。
国を獲られた葦名衆の怨霊の集合体であり、刀が全く効かない。
そして怖気を持つ攻撃をしてくる為、何度も死んでしまった。
あの時は鳳凰の紫紺傘があったから良かったものの、今遭遇してしまえば危険な戦いになるだろう。
そう、あの時もこの様に紫の光が・・・
広場にいるのは七面武者。
それも嘗てより大きい個体だ。
「・・・」
目が合った。
逃げる事敵わず。
覚悟を決め、狼は楔丸を抜いた。
◇
楔丸。
狼が九郎の忍びになった時、賜った刀。
他の刀と違う所は大量にあるが、その中でも特に素晴らしい利点。
それは、ただただ頑丈である事だ。
炎、雷、瑠璃の炎、血、毒。
何を付与しても傷一つ付かず、
狼の一番の牙であり、無くてはならないもの。
さて、そんな楔丸の唯一の欠点。
余り斬れない。
この刀は一心のものの様な名刀ではなく、折れない代わりに斬れ味を捨てた、言わばなまくらだ。
木の盾や、赤備えの重吉などの鎧にはイマイチ通らない。
仕込み斧や槍で引き剥がす方が普通に早い。
七面武者には普通の斬撃は効かない。
では、どうすればいいのか。
一つ、纏い斬り。
火吹き筒の最終進化である、とある忍具による纏い斬りは、浄化の炎を纏わせる。
そしてもう一つ。
空中より取り出した、紅桜色の吹雪。
【神ふぶき】
『怨霊払いの加護を持った紙ふぶき
紙を抄くというが、源の水で行うそれは、神を掬うことでもある
神宿りの紙ふぶきは、浴びた者に加護を降ろす
怨霊の類にも、攻撃が通じるようになる』
刀は鮮やかに燃える。
呪力にはまだまだ余裕がある。
神ふぶきぐらいならば何十回も使えるだろう。
使う隙がある場合に限るが。
◇
一歩。
力強い踏み込みと共に、放たれるは。
【奥義・大忍び刺し】
『大忍びが編み出した流派技
これは、忍び技の奥義である
遠距離から届くから鋭い突きを繰り出し、刺さった敵を踏み台にして高く飛びあがる
敵を穿ち、再び舞い上がる様は、梟の狩りの如し』
例え防がれようと、遠距離を詰める事には一番の技だ。
ガンッ
杖で防がれるが、そのまま斬りかかる。
怨霊系以外もだが、完璧に弾かない限り、神ふぶきは相手を蝕む。
ひたすら攻めるのみ・・・!
ガンッ、ギィンッ、ガインッ!
七面武者の防ぎと狼の弾き。
弾きは一層音が響く。
敵の得物の芯を捉えているからだ。
斬り結び続け、順調に体幹を削っていく。
しかし。
(!!)
七面武者は後ろに飛び上がり、剣戟は途切れる。
追い打ちをかける寸前、杖を掲げられた。
「魂よ」
記憶にある物より明らかに大きい、紫の人魂が何発も放たれた。
後ろに下がりつつ避けるが、玉は追尾してくる。
三発程喰らった所で怖気が体を侵蝕しきり、記憶は途切れた。
しかし。
狼は死なない。
静かに起き上がり、後ろを向いていた七面武者の背中を刺し貫いた。
致命的な一撃。
喜ぶ間も無く、七面武者は姿を消した。
それと同時に広場全面を先程より大きい人魂が漂う。
ゆっくりと追尾するソレを避けながら、いきなり飛んでくる光束を躱す。
十数秒後、広場の反対側に現れた七面武者は杖を掲げる。
漂っていた人魂は消え、杖の先端は紫に光り輝く。
一拍。
人二人余裕で飲み込める程の光束が放たれた。
(・・・ッ!)
横に跳んで避ける・・が、先程と同じぐらいの速さで追ってくる。
何とか逃げ切り接近するが、再びの光束。
避ける間もなく、怖気に飲まれて息絶えた。
再び回生。
今度は斜めに全速力で走り、飛び上がった七面武者を空中忍殺。
またもや消え失せる姿。
漂う人魂、横切る光束。
先程と同じ。
ひたすら避け続ける狼だが、ふと違和感を感じた。
様子が可笑しい。
地面に杖を突き立て、微動だにしていない。
普段なら斬りかかるが、妙なものを感じ、足を止めた。
いや、
「死者よ」
漂っていた人魂が消える。
そして、杖の先に灯る。
狼は動き出したが、もう遅い。
まだまだ人魂の奔流は止まらない。
更に紫は濃くなり、広場一面を埋め尽くす。
一瞬、光が消えた。
思考より先に、跳ぶ。
その瞬間、広場全域を紫紺の閃光が包み込んだ。
「・・・ッ!!」
かくも恐ろしく、美しい紫。
一瞬遅れれば、たちまち呑まれてしまう。
空中で身を翻し、空いた隙間に着地した。
受け身を取れず、数秒遅れて起き上がった狼。
目線を上げた瞬間、思わず固まった。
広場に一面に漂う無数の人魂が、七面武者が持つ杖に引き寄せられていた。
先端に収束する紫の光は、やがてどんどんと濃くなっていく。
一瞬の静寂。
「生者に報いを」
視界一面を、怨霊の奔流が埋め尽くした。
第三形態はオリジナルです。
やっぱりああ言う攻撃を使うならこうでなくっちゃ!
一つ目
人魂を呼び出し、そっちに気を惹きつける。
地面に杖(?)を突き立て力を溜め、一気に放出。
一秒足らずで床一面を怨霊の奔流で埋め尽くす。
2つ目
一つ目は前座。
床一面を埋め尽くす人魂を直接凝縮。
杖の先端に灯し、ひたすら力を込める。
そして放った人魂は、広場全域を埋め尽くす程の範囲で爆発する。
言わば、下段と全体攻撃の合わせ技ですね。
床一面を一掃して、生み出された怨霊を収束&発散。
七面武者を出すって決めた時には思いついてました。
対策はないです。
下段は狼さんみたいにジャンプ。全体は・・・奔流を吹き飛ばせば出来るんじゃないですか?
狼さんには無理ですけど、一心様ならやりそう。
傘?
流石に全方位360°からの判定は防げないよね・・・?(震え)
ちなみに七面武者だけでなく、葦名元来のもの(瑠璃の炎、神ふぶき、怨霊攻撃、怨嗟)は、厳密には呪力ではないです。
違うものですが、“狼さんにとっての”効力が同じなだけです。
ここテスト出ます。