義手忍具も最終段階まで行ってますし、技も全習得済みです。
まあ今は体できて無いので、成長次第かな?
それに従って、もしかしたら出てくるかもしれないあの人達は、最終的に心中超えます。
追記:星の観測者→星核呪界
眠りに落ちた狼だったが、ふと目を開く。
そして再び驚愕した。
其処に広がる光景は先程の白い部屋などではなく、狼にとって馴染み深い場所であった。
「此処は……」
何時もと変わらぬ荒れ寺が、其処にあった。
「荒れ寺?何故……」
狼の姿も、いつもと同じく柿渋色の忍び装束に左手の義手、腰には楔丸、背には不死切りを背負っていた。
先程までの光景は幻術か夢だったのか、と再び思いそうになるが、あの情景は生半可な者に出せるような者では無いと考え直す。
(義父上、若しくはお蝶殿なら或いは……)
それこそあり得ない。狼自らの手で育ての義父と師は斬った。
「ならば……」
そう考えていると。
「こんにちは」
背後から声が。
振り向きざまに義手忍具《瑠璃の手裏剣》を発動しようとするが、声の主を視認し動きを止めた。
「おっと、止めてくれてありがとう。狼さん」
其処にいたのは、幼い自分自身だった。
◇
「取り敢えず座って」
困惑する狼に目の前の少年が提案したのは、一回説明させて?だった。
狼も何が何だか分からない故、一先ず話を聞く事にした。
……最も、自分が気配を毛ほども感じれなかった事を警戒しての事もあるが。
「初めまして。まあ察していると思うけど、僕が君の体の元持ち主。影って呼んでね」
少年の幼い見た目とは裏腹に、言葉や雰囲気からは年不相応な知性を感じる。
「……宜しく頼む」
狼は取り敢えず目の前の少年に敵意はないと判断し、話を促した。
「えっと、何から話そっかな……まあいいや。狼さん、もう一回アレやって良い?」
「……“あれ”とは?」
「コレ」
そう言って少年はパチンと指を鳴らす。
その瞬間、先程とは比べ物にならないほどの情報量が脳裏に流れ込む。
しかし痛みは不自然な程遮断されていた。
「…………」
「そんなに睨まないでよ。眉間の皺取れなくなるよ?」
見た目に反して性格は子供らしからぬ。
彼曰く、説明が下手だからコレが一番簡単だと。
確かに情報を伝えるには良いだろう。
だが予告もせずに実行するのは、敵意があると見做されても可笑しくない。
「悪かったって。でも楽でしょ」
反省はしてない様だ。
「まあ、冗談は此処までにしておいて。どう?分かるでしょ」
狼の表情はいつにも増して不機嫌気味だが、効果は覿面。
狼が知りたいことの殆どを知る事が出来た。
まずはこの世界について。
狼たちが生きた時代の数百年後。
今は平成という時代であり、あの頃とは一変して日本は平和な世となっている。
しかし、裏では呪霊と呼ばれる悪鬼の類の物が世に蔓延り、変わらず危険な様だ。
そして呪力に関する事。
人間の負のエネルギーから発生する力であり、それを元にして呪霊が産まれる。
また術式というものについてもあるが、其処は不完全な様だ。
「術式は完全なブラックボックスだからね〜。幾ら僕でもそこそこしか分からないよ」
そうは言っているが、この情報には結構重大な秘密も混じっている気がする。
狼の忍びとしての経験がそう告げているが、余り深く考えない様にした。
「まあ、基礎の基礎だからね。詳しくは知らないよ」
あらかた知識や考え方を得られた事は大きな成果であることは間違いない。間違い無いのではあるが……
「やっぱり葦名について知りたかった?ごめんね、全部悉く消されてるんだよ」
恐らく内府の仕業だろう。
まあ仕方がない。葦名という地域自体が内府にとって大きな汚点、急所そのものであったからであろう。
◇
「どう、整理できた?」
「ああ」
数分後、目の前の少年……影は狼に話しかけてきた。
正直まだ頭が痛いが、もっと先に気になる事があった。
「俺を何故呼んだ……?」
その質問に対し、影は少し真面目な表情になって話し始める。
「そうだね……まず結論から言おう。僕の家系は竜胤の御子様の子孫だ」
「……九郎様の?」
「安心して。文献によると、彼は余生を全うしたみたいだから」
自らの主人は無事に、人として生きる事が出来た。
唯一の、そして最大の願いが叶った事を知り、
「忝い」
狼はそう頭を下げる事しかできなかった。
「礼を言うなら僕の方だよ。ご先祖様を助けてくれて有難うってね」
「いや。為すべき事を、為したまで」
お互い九郎に思いを馳せるが、ふと我に帰った影は話を続ける。
「おっと、これじゃあ一生終わりそうにないね。君がいる理由だけど……端的に言えば僕が天才だからだね」
--は?
先ほどまでの空気が嘘の様に場が凍りつく。
「嘘嘘、半分冗談。正確に言うと、僕の能力の所為だよ」
そう言って影は自身の力について語り出す。
【星核呪界】
影の術式、いや最早天与呪縛とも言えるだろう。
星に刻まれた記録を
術式発現時に圧倒的な知力を得る代わり、
本人がどれだけ呪力を持っていたとしても、表皮下でしか扱えなくなるのだ。
「どう?大分ヤバいでしょ?」
「……確かに、これは強い」
忍びとして見ても、この能力は極限までに強く思える。
少なくとも情報面では彼がいれば負けることはないだろう。
しかし……
「……負担はどれ程だ?」
「さっすが狼さん!……想像通り、人の脳は星の膨大な記録に耐えられない」
本来人間の脳は限界の半分も使われていないと言う。
だが、例え限界まで処理に回しても、星の膨大な記録には耐えきれない。
瞬く間に情報許容量を超え、脳は焼け尽きた。
「さあ此処で問題!僕の血には何が流れている?」
血は血だ。それ以上もそれ以下もない。
しかし、狼には彼が何を言いたいかが分かる。
「……竜胤」
「that's right!」
本来人返りによって断たれた竜胤の力。しかし、影の術式によって蘇ってしまった。
「詳しくは分からないけど、僕の内部に流れている呪力は普通とは違う。それが作用したみたい」
本来の呪力なら人間でも扱える。しかし、神力とも言えるほどの密度を持った力は人間に扱うことは出来ない。
「……負担が大き過ぎる」
そう、最早命と引き換えの力なのだ。
◇
「纏めると、僕は術式の出力に耐えきれず死んだ。そして、不幸な事に竜胤の血が目覚め、僕の体は生き返った」
理解した?と影。
それに頷き、狼は最も気になっている事について聞く。
「……俺の術式は、何だ?」
影はそれにニヤリと笑い、こう言った。
「期待して?君の力、中々なものだよ」
次回は狼さんの術式についてです。
SEKIRO組は全員強化するつもりでいますので、楽しみにしてて下さい。
これ以上強化したら呪術組が勝てなくなるって?
大丈夫、五条さんが増えるだけだから。