葦名廻戦   作:朝槿

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お久しぶりです。
魔神任務やったり世界任務やったり探索したりで書く暇作れなかった朝槿です。
あ、ちなみに新マップ100%98%、世界任務オールコンプリート。
フォンテーヌは素晴らしいね。
ストーリーも背景設定も景色もキャラも探索も全てが一番気に入りました。

それはさておき。
この数日間で書きたい小説が一気に増えました。

①オリジナル。構想は進んでいるけどいまいち固まらない。まだまだ先になりそう。
②原神。魔神任務でフリーナちゃんとフォカロルスを救いたい欲が出てきたので、書きたい。
③シャンフロ。夏休み辺りにちょこっと書いて後は埋もれてた(当時は投稿する予定なかった)。オリ主と鉛筆のお話。

どーしましょ。
まあ取り敢えず、葦名廻戦楽しんで下さいね。


亡霊

廃墟となった大きな屋敷。

そこで肝試しをした一般人が数人、行方不明となっている。

その実態を探る為、狼、悟、傑の三人は調査に乗り込んだのだが・・・

 

「はぁ・・・めんどくせーなー」

 

「後残っている部屋は・・・」

 

「3階の客室だ」

 

かれこれ一時間以上、屋敷を探索し続けている。

3階建かつ通路は入り組んでいて、部屋は山の様にある。

 

気配を探すのに慣れている狼はともかく、六眼をフル稼働させている悟は大いに消耗していた。

 

「悟、一回休んだらどうだい?」

 

「・・・二人でもどうにかなるぞ」

 

「そんなこと言ってる暇ねーだろ」

 

もう三十体以上は斬っているだろう。

だが一向に気配は定まらない。

 

「後少し・・・」

 

三人ともども疲れ果てていた。

 

 

3階の部屋を全て見回り、部屋から出た瞬間。

 

「・・・!おい、今の」

 

悟が何かに気がついた。

今まで毛程も感じていなかった気配が、とある方向から強く伝わってくる。

 

「ああ。これは・・・地下か?」

 

「今までのは全部無駄だったと・・・?」

 

関係ない場所をひたすら探索していた事に崩れそうになる傑。

 

「いや、あいつの分体を減らしたお陰で気配を隠すものが無くなった」

 

地下から感じる気配。

3階でも感じられるほど、強い。

 

「早く終わらせようか」

 

三人は急いで階段を駆け降りた。

 

 

 

 

 

一階の端の物置の裏に隠された階段。

完璧に隠されているが、酷使で半ば覚醒した六眼でいとも容易く見つけられた。

さて、少し降ると地下室に出る。

降りてきた扉から反対側には、また階段への入り口が。

降ろうとする三人。

 

すると・・・

 

「「「・・・ッ!」」」

 

何かを越える感覚。

後ろを振り向いても、そこは壁。

 

領域に、入ってしまった。

 

「・・・やばいな、これは」

 

傑は思わずそう呟く。

 

「もう生存者残ってないんじゃね?」

 

悟も目に見えて警戒する。

気配が段違いに強くなっている。

慎重に降り続ける三人。

 

数分後、少し開けた場所に出る。

そこは、墓地だった。

一面に置かれている墓石。

更に床には彼岸花が咲いていた。

 

そして目の前には・・・

 

「黒い、何か・・・」

 

「・・・傑!避けろ!」

 

いつの間にか現れた黒い人影。

最初に気づいた悟の警告も虚しく、手に持つ何かが傑に振り下ろされた。

 

ガァィイイン!

 

間一髪で弾いたのは狼。

しかし不安定な姿勢で吹っ飛ぶ。

だがその隙に傑は体勢を立て直した。

 

「行けっ!」

 

三、四級呪霊を幾つか放ち、対処させる。

その間に狼は復帰した。

 

「危ない・・・助かったよ、狼牙」

 

「ああ」

 

「アイツ何モンだ?全身呪力で出来てるぞ・・・」

 

そんな事を話しているうちに、放った呪霊は全て祓われ、やっと黒い人影の姿が見えた。

 

「・・・!あれは・・・」

 

「知っているのか、狼牙」

 

「・・・俺は、七面武者と呼んでいる」

 

色は黒く、出立も大きく違うが、その姿は七面武者にそっくりであった。

 

「悟、傑。生存者の確認を」

 

「一人で大丈夫かい?」

 

「ああ。これの相手は・・・」

 

「慣れている」

 

そう言って一歩前に出る狼。

つい数ヶ月前戦ったばかりだ。

それも何度も。

 

「しょーがねぇな。傑、いくぞ」

 

その姿に悟は頷き、傑を急きたてる。

二人が離れ、目の前の人影の注意が完全に自分に向かったのを確認し。

 

 

祓い

 

 

神ふぶき。

紫の炎を纏った楔丸をいつもの様に構え、相手を睨みつける。

 

 

強敵 『七面亡霊』

 

 

「参る」

 

 

 

 

先手は黒い人影。

消えたかと思うと目の前に現れ、素早く振り下ろしてきた。

 

ガンッ!

 

(重い・・・!)

 

七面武者、それも最近戦った方よりも強い一撃。

 

ギンッ!ギャンッ!ガィンッ!

 

体幹に響く衝撃。

だが、どれだけ削られようと、狼は体幹を保ち続ける。

果てしなく思える程続いた剣戟は、人影が大きく仰け反った事によって終わりを迎える。

 

隙だ。

 

狼は後ろに回り、背中に刀を突き立てた。

声にならない叫びが場を震わせ、人影は倒れ伏す。

確実に仕留めようと再び胸を貫き・・・

 

 

 

 

脳内に響く警鐘。

狼は咄嗟に無理矢理体を捻り、後ろに倒れた。

その瞬間、人影の周囲が、黒く染まった。

 

熱い。

そう感じる前に、空間は燃え上がった。

逃れられなかった狼の左腕ごと。

 

「ぐぉっ・・・!」

 

狼の左腕を燃やす黒い炎。

色も、様子も違う。

だがその痛みは、湧き上がる感情は、かつての苦しみ(怨嗟の炎)と同じであった。

 

頭を埋め尽くす怒り、憎しみ、悲しさ、虚しさ。

抑えた筈の、斬った筈の修羅の影が、目に写る。

 

だがその影は、亡霊の一撃で狼ごと殴られる。

衝撃で正気に戻った狼は、瓢箪を口に含み体を癒した。

今はこの苦味が有難い。

鬱憤をぶつける様に、狼は再び斬りかかった。

 

 

 

 

更に激しく交わされる剣戟。

先程と打って変わり、狼は猛然と攻めていた。

鈍い鋼の音。

清らかな紫の炎は亡霊を蝕み、黒い怨念は狼の左腕を灼く。

 

痛みに耐えながら、刀を振るう。

体幹が削れようとも、左手の感覚が薄くなっていたとしても。

 

果てしない剣戟。

両者は突然、示し合わせた様に飛び退く。

亡霊は消えかかっていた黒い炎を呼び覚まし、狼は再び神ふぶきを纏わせる。

そして斬りかかってくる亡霊を前に、狼は構えた。

 

 

【御霊降ろし】

夜叉戮

 

 

体幹を大きく削ってくる相手を前に、夜叉戮を降ろす。

自殺行為とも言えるその行為を、狼は迷いなく実行した。

だがそれだけではない。

狼は、更なる暴挙に出た。

 

 

【御霊降ろし】

阿攻

 

 

御霊降ろしの重ねがけ。

修行を重ね、飴を生み出した仙峯寺でさえ禁じた手段。

 

確かに強力だ。

だが途轍もないリスクを孕んでいる。

体は恐るべき速さで軋んで行き、常人なら死に絶える程の怨念が精神を蝕む。

 

だが狼はその一切を無視し、鬼気迫る形相で斬りかかった。

効果は絶大。

二重に強化された連撃は、瞬く間に亡霊の体幹を削り取った。

そして飛びかかった狼は、首に刀を差し込み、一気に捻じ斬った。

 

 

忍殺(SHINOBI EXECUTION)

 

 

そして狼は、晴れていく領域を捉える事なく、地面に倒れ伏した。

 

 


 

 

任務報告書

 

屋敷の地下に未完成の領域有り。

五条悟、夏油傑、薄井狼牙の三者は屋敷内の調査を終え、地下へと侵入。

領域内にて特級相当の呪霊と接敵。

薄井一級術師は戦闘、残りの2名は生存者の救助、及び周辺の呪霊の殲滅を受け持った。

それぞれ無事完了。

しかし、薄井一級術師は疲労によって気絶。

五条特級術師及び夏油特級術師によって救助され、被害者と共に搬送。

2日間昏睡状態にあった。




疲れた・・・
戦闘描写やっぱ難しいですね・・・

今回の顛末。
大正時代のそこそこ裕福だった一家は、とある土地に屋敷を建設。
豪華で絢爛な、裕福さを如実に表す素晴らしい屋敷・・・の筈だった。
屋敷を建てる為に潰されたのは墓地。
それもお祓いなどの対処もせず、物理的に潰した。
壊された墓からは死者の怨念が漏れ出し、どんどん一つになって行く。
しまいには一つの都市の怨念を全て吸収してしまった。
まず被害を被ったのは屋敷の持ち主の一家。
一族全員様々な形で死を迎え、一家は没落。
取り壊そうとした者は更に悲惨な死に様を晒す。
その一家を知る者は誰も居なくなり、次なる犠牲者は不用意に入った一般人。
地下の領域に囚われ、繋がりを怨念に絶たれる。
そして最終的に、特級相当へと進化した。

と言う訳で、罰当たりな行いをした一家への報いが止まらなかった結末です。
特急相当とは書いていますが、まだなりきれていませんでした。
ギリギリ一級ぐらい。
一家皆殺しで目的を達成してしまった事で少し勢いが衰えてしまいました。
もし何らかの形で生き残っていれば、一家に対する恨みで余裕で特級になっていたでしょう。

あの黒い炎は怨念の塊。
恨みつらみの凝縮体は、奇しくも怨嗟と似ていました。
かつて灼かれた怨嗟の炎の様に、狼さんの左手は侵食されました。
幸い炎は消えたものの、怨嗟を止めていた堤防は削られました。
さあ、どうなるでしょうか。
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