葦名廻戦   作:朝槿

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前回、遂にSEKIROから二人目の転生者がいる事が分かりましたね。
まあ、流石にこれ以上はいないでしょ〜(フラグ)

後狼さんについてですが、影の体に引っ張られて親しい間柄の人には結構しゃべる様になりました。
まあ、戦闘時は相変わらず無口ですが。
彼も影の代わりを頑張っているんです。
だから口調が違うなんて言わないで下さい。(本音)


薄井家

〜〜梟視点〜〜

 

 

葦名城。

天守閣にて、義父と倅は決別した。

 

『…できませぬ』

 

その目に映るのは決意。

掟に背き、御子を守る覚悟。

 

『掟は己で定める。そう決めました』

 

『我が主のように…』

 

殺し合いは梟の奇襲より始まった。

梟の人生でもかつて無い程の接戦。

互いに致命の一撃、忍殺を相手に決め、隙を晒した者は負ける。

 

斬り合いの中、梟は思う。

目の前に立つ狼は、かつて野良犬であった頃に比べ、幾倍も強くなった。

だが、負ける訳にはいかぬ…!

 

ガァインッ!

 

渾身、上段からの斬り下ろし。

それを狼は完璧に弾いて見せた。

 

ああ……倅よ……

 

『影落とし、お返しいたす…』

 

……見事なり。

 

 

 


 

 

「……懐かしい夢を見たものだ」

 

薄井家の屋敷で目が覚めた梟はそう呟く。

珍しく、前世の夢を見る事になろうとは。

 

 

此処は現代日本。

野望を狼に挫かれ、満足して逝った梟は、何の偶然か現代の薄井家に転生した。

変な偶然だと思っていたが、先祖があの竜胤の御子だと知った時は思わず苦笑いするしかなかった。

 

薄井家。

規模は小さく、発端は戦国末期だが、この家は呪術界に於いて確かな立場を持っている。

その理由とは、隠密の腕にあった。

脈絡と受け継がれてきた忍びの技。

呪力ではなく、身体の技の極地。

 

その特異性、危険性から、薄井家は代々細々と継がれている。

秘匿の為、原則子供は二人までであり、薄井家に婿入り、嫁入りする際は情報秘匿の縛りを結ばされる。

よって他の家系と違い、本当に重要な案件のみ指定されるのだ。

 

 

 

 

初代より受け継がれる忍びの精神。

初代当主、薄井九郎により定められた忍びの掟にもそれは現れていた。

凡そは梟が知るものだったが、最後に書かれた三文を見た時、思わず梟の中から感慨深いものが込み上げてきた。

 

『掟は絶対。しかし、時としてそれを曲げねばならぬ時がある。ならば、掟は己で定めよ』

 

恐らく竜胤は断たれ、御子様は人として生きたのだろう。

つまり、狼は成し遂げたのだ。

 

梟はただ、誇らしく思うのだった。

 

 

 

 

懐かしい夢を見た故か、梟は前世に思いを馳せる。

 

「主は絶対……儂が言えた事ではないか」

 

竜胤の為に一心様を裏切り、忍軍を伴って葦名に攻め込み、殺そうとした。

恐らく笑って許して貰えるとは思うが、それを受け入れる事は出来ない。

 

自らの野望に従い、及ばずに負けたのだ。

後悔はしてないが、許されるべきではないと、梟は心に刻んでいる。

 

 

突然、外が騒がしくなる。

 

「はて?……今日は狼牙の退院日か。儂とした事が、忘れておったわ」

 

薄井狼牙。

当主であり、弟である薄井透の一人息子。

最初はただの甥としか考えてなかったが、初めて会った時、梟は大きな衝撃を受けた。

顔から体まで幼い頃の狼に瓜二つ。

それからと言うもの、覚えが早い狼牙へと、自分の持つ知識を詰め込むようになった。

透からも『師匠として教えてくれないか?』と言われ、体術も教える事となっていた。

 

しかし……術式の開花で呪力暴走。

元来薄井家には呪力持ちはいるものの、術式持ちは殆ど居なかった。

反転術式など忍びならどうにか出来る、大抵の術師には余裕で勝てる力量を持っている。

それ故に、術式について詳しい人物が足りてなかった。

 

梟はその時、所要で他所の県に出ていた為、やっと帰ってきた時には退院間近だったのだ。

 

「まだ九時か……透は仕事、桜は日課の鍛錬か?なら儂が会いに行くとするか」

 

土産話でも聞かせてやろうと思い、梟は腰を上げた。

 

 

 

 

「……義父上!?」

 

なんと……

 

狼牙の部屋に向かった梟。

其処に待っていたのは、確かに狼牙だった。

しかし、中身は恐らく……

 

「倅よ……久方ぶりだな」

 

前世での弟子であり、息子であった狼だった。

 

 

〜〜狼視点〜〜

 

 

紛れもない。

目の前に立っているのは、前世で斬った義父だった。

 

「狼よ……色々と聞くことはあるが、先ずは一つ」

 

そう言って梟は背に負った刀を抜き、一瞬で狼の首元に当てた。

 

「……ッ!」

 

「ふむ……目では追えているようじゃな?」

 

前世の何倍も早い……いや違う、疾い。

動きに一切の予備動作がない。

目では追えたが、今の体では太刀打ち出来ないだろう。

 

「まあそれは良い。さて狼、狼牙を何処にやった?」

 

狼牙……恐らく、影の事であろう。

 

「……義父上、説明を」

 

「ふむ……良かろう」

 

そう言って梟は刀を鞘に戻した。

しかし相変わらず隙はない。

 

「……実は……」

 

それを横目に、狼は語り出した。

影と自分の出会いを。

 

 

 

 

「……竜胤の復活か。して倅よ、どうするつもりだ?」

 

梟が問うているのは、何をするつもりか、である。

 

「……御指南を、お願いしたく」

 

「何故だ?前世での記憶があるなら、己でやるのが一番良かろうて」

 

「……義父上は、術式をご存知ですか」

 

「ふむ。儂も持っておるが?」

 

「影より、術式と体術を磨けと。それを同時に熟せるのは義父上ぐらいかと、存じます」

 

「……良かろう。透にも頼まれていた事だ、前世の続きと行こうか」

 

「はっ」

 

 

 


 

 

 

無事に弟子として再び鍛えられる事となった狼。

手始めに、薄井家について知ることとなった。

 

「御子様の子孫である家系と言うことは知っておろうな?」

 

「はっ。忍びの家系である事も」

 

「ふむ……恐らく此処からは知らぬな。狼、ついて来くるがいい」

 

そう梟に言われ、狼は屋敷の地下へと向かう。

何重にも仕掛けが張り巡らされた通路を神眼なしで通り、小さな門辿り着いた。

 

ちなみに、真眼を試しに使ってみると、呪力(仮称)が少し減り、仕掛けが全てはっきりと見える様になった。

本来呪力消費はとても多い筈なのだが、狼と影の二人分+高密度の呪力(仮称)、それも天与呪縛で大幅に増加されている故、結果減ったのはほんの微量。

しかし目の負担は途轍もなかったので、早々に切り、滅多に使わない事にした。

 

 

梟は指を刀で斬り、血を門の何処かに付着させる。

そして呪力を流し込んだ。

門は一瞬光り、狼は内部から何かの力を感じた。

 

「!?ぐっ……」

 

それと同時に、何故か狼の呪力が活性化する。

狼を呪力を扱うデメリットである痛みが襲い、思わず膝をつく。

 

それに気づいた梟は呪力を注ぐのをやめ、倒れそうな狼を支える。

 

「どうした。……もしや、共振か?」

 

 

共振。

同じ波長を持つ呪力が共鳴する事。

今、狼の呪力と扉の術式が共鳴し、両方の呪力が活性化したのである。

 

 

「……恐らく」

 

「ふむ……耐えられるか?」

 

「…‥御意に」

 

梟は再び呪力を流し込む。

すると、門の中央に家紋が浮かぶ。

 

「四つ方喰(よつかたばみ)……!これは…」

 

「御子様の遺した術じゃ。誰に習うたかは分からぬが、この先にあるものは薄井家にとって重要。ゆめゆめ、忘れるな」

 

梟が門をくぐる。

狼は一瞬止まり、呼吸を整え、同じ様に潜り抜けた。




・薄井梟雄

ちゃんと転生した義父さん。生まれつき記憶があったので、ガチガチに鍛え上げて前世より強くなりました。
術式は……まあ、幻術使いますね。(設定考えてない)

人帰りルートなので、天守閣で影落としを返された大忍びの方です。
鈴関連は並行世界という捉え方なので(本作では)、平田屋敷では普通に生きて帰りました。

前世と違いある程度平和なので、(家族には)性格は丸くなりました。
よって狼さんの事も結構気にかけています。

竜胤については……どう考えてるんでしょうね?

追記:にしてもSEKIROキャラの絡みがどう言った雰囲気なのか分からない……誰か教えてくれません?
あ、本作のSEKIRO関連の設定は、シード兄貴の考察を私が勝手に独自解釈したモノなので、解像度悪くても許して下さい。
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