薄井家について
・明治初期につくられた弱小家系。 ・体術だけを求め、術式を持たない非術師が蔓延る。
・術式を持たない非術師が多いのに、上層部に気に入られている。
・全部噂話だが、何故か信憑性がある。
本当
・戦国後期に初代当主が設立した忍びの組織。 ・危険な任務のみを受け、必ず成功させる。
・独自の権力を持ち、建前の為上層部に従っている。
正体を知っているのは上層部と一部の家の当主ぐらいです。
上層部は何とかして薄井家を弱体化or懐柔したい。
しかし、当主は優秀、家人は裏切らない、実力も豊富、更に母数が少ないので懐柔出来ねえ。
下っ端の家人でさえ三級、上は一級の実力がある。『特級から一級に変更』
今代の当主(狼の父、透)は、戦闘面では其処まで強くないものの、対人(社会的な)が最強クラスに強い。
薄井家の弱点
人数が少ないので圧倒的物量には苦手。
しかし、一人一人が優秀なので、全盛期宿儺一人or漏瑚×4ぐらいならギリ耐えれます。
『全盛期宿儺×5人→全盛期宿儺一人or漏瑚4人』
これは逃げに徹するならと言う条件がつきます。
これはIFの話になるんですが、薄井家全勢力が薄井家にいたとします。
最終目的は当主の逃亡で、敵は全員を殺そうとするので、逃げても殺されます。
全盛期宿儺一人が屋敷を襲撃する→当主+精鋭が地下に逃げて他が外に逃げ出して時間稼ぎ→領域内で精鋭数人ずつおいて時間稼ぎ→更に精鋭を……(此処で領域壊されるかも)→梟や狼が最後の砦となる→その隙に逃亡。
これは梟が今世、狼が前世最盛期だと言う判定をします。
竜胤で無限に蘇るんで狼さんが一生相手します。
飽きるまでは稼げますね。
漏瑚四人の場合ですが、同時に漏瑚四人に極の番放たれたら狼さんでも防げませんよね。
地下に逃げるor外に逃げて時間を稼ぎ、当主を地下に逃す→領域展開とかで地下の領域を破り(4回全部で当たったら)、当主を倒す
これが漏瑚側のベスト。
多分地下に辿り着く前に一人は倒せます。
で、残り三人は精鋭や梟さん、狼さんが全力尽くしたら殺しきれるかと。
あと一人多かったら隙を突かれて当主が殺されます。
分かりにくいですよね。私もです。
門を潜った先。
其処には、広大に広がる森があった。
「此処は……薄井の森…?」
「その通りだ。かつての薄井にて、葦名の忍びは育った。お主は余り来たことはないじゃろう?」
狼には余り馴染みがない、しかし梟には小さい頃の鍛錬の記憶がある。
「幸運じゃったわ。御子様がこんなものを遺してくれておるとは。感謝してもしきれんのう」
嘗ての葦名にて大忍びと呼ばれる程の力を持った梟。
しかし、今世の方が何倍も強い。
快適かつ最善な衣食住、死ぬギリギリまで安心して籠り続けられる領域、そして熟練の忍びの経験。
有り体に言うとチートなスタートを切った梟は、現状が過去最高だと直感し、限界まで自らを鍛え上げた。
さて、他の家人だが、梟から見ても精鋭と呼べる程の力を持っている。
そも理由は代々受け継がれる特訓法にあった。
その内容は梟が前世で行ったものよりかは幾分楽だが、現代日本においては類を見ないほど過酷であり、それを乗り越えた薄井家人は総じて優秀。
「葦名の忍びでさえ苦労する程だが、この家の人間は揃って努力家かつ成長に貪欲じゃ。葦名でも生きていけるじゃろう」
実は梟、幼少期一人で特訓している所を先代当主に見られ、独自のカリキュラムを特訓法に加える事となった。
欠けていたものが嵌ったと言えば当たり前だが、上澄も上澄の忍びが編み出した特訓法。
更に過酷さが増したが、薄井家の人間は何故か揃ってノリノリで取り組み、揃って死にまくった。
アレから二十年程経つが、完璧に熟せるのは梟含め数人のみだ。
何故喜んで苦しい鍛錬を受けに行くのか。
梟は一度聞いてみた事があるが、とある忍びは『為すべき事を為せとあるでしょう?』と言っていた。
『強くなる為』ではなく『為すべきだから』。
理由などいらない、それが出来るようになるのが当然なのだ。
梟はその答えを聞き、とても感心したと言う。
「話が逸れたな。……さて狼よ」
特訓の時間だ。
数年後。
十二歳になった狼は、相も変わらず薄井の森を駆けていた。
この領域には多数の区域に分けられており、狼がいる場所は最終審査の場所だ。
薄井の森には呪具によって生み出された多種多様な幻霊がいる。
強さはピンキリだが、人間側は死んでも復活できるので、いいサンドバックとされているのが現状である。
最終審査の会場には凡そ一級に相当する幻霊が一体、二級が三体、三級以下が数十体。
これらを一人で死なずに倒しきれた者が、合格し晴れて任務に当たることが出来る。
狼は既に余裕で合格したが、任務は中一以上でないと受けれない為、日々の鍛錬を此処で積んでいる。
さて狼だが、身長は160程まで伸び、体格も嘗てより良くなったが、いかんせん上背が足りない。
こればかりはどうしようも無いが、モロに体に影響しているので、体が成熟するのを待つしかない。
そして身体面と共に狼が磨いたのは、呪力面だ。
梟の教えによって呪力を扱う事を身につけ、狼は嘗ての忍びの技を再現出来るようになった。
それと同時に、狼は自分の呪力の特異さに気づいてしまった。
◇
ある日のこと。
呪力操作を身につけ、体内でようやく回せる様になった頃。
狼は一時の思いつきから、呪力の外部放出を目論んでいた。
縛りを一時的に結べば、体外にて少しは扱えるのではないか、と言う企みである。
縛りの条件は、呪力操作時の感情の増大。
本来なら感情→呪力の増加やらだが、呪力操作→感情増幅とする事によって、呑まれる危険性を対価にした。
さて、此処で一つ。
呪力とは負の感情。
憎しみ、怒り、悲しみ、悔しさ。あらゆるマイナスの感情が呪いを増幅させる。
では、狼は如何だろうか。
主を守る事ができなかった悔しさ?
不甲斐ない自分に対する怒り?
殺す相手に向ける慈悲?
どれも違う。
狼を渦巻くのはもっと深く、強く、激しい感情。
「これは……!?」
一瞬のみ腕に纏われた、しかしハッキリと目に焼きついた
「怨…嗟……!」
仏師を苦しめ、最終的に《怨嗟の鬼》と堕ちる原因となった炎、怨嗟であった。
◇
それからと言うもの、狼は必死に呪力の操作を行なう様になった。
体を蝕む痛みを無視し、ひたすらに自らの呪力の素、怨嗟と向き合う。
其処で分かった事が幾つかある。
狼の呪力の特異さ。
それは怨嗟にあるが、何故自分に宿ったのか。
「……心当たりがある」
かつての狼の進んだ道。
何回も繰り返された結末の内の一つ。
「俺は…‥修羅へと堕ちた事があった」
ありし日の記憶。
完全に記憶から消されていたソレが今狼に蘇った。
様々な敵と戦い、天守閣に戻った狼。
彼を待っていたのは義父である梟だった。
「義父上…。生きておいで…だったとは…」
あの夜、狼は平田屋敷で梟を看取った。
「謀よ」
謀。臆面もなく、梟はそう言ってのける。
「お前こそ、あの夜死んだと思うておったがな」
「御子様のお力にて、死人より帰りました」
「それよ」
は…?
狼は何のことか分からず、一瞬呆ける。
「儂はあの御子の力を…竜胤を手中にしようと思う」
目の前の梟はそう告げる。
しかし、竜胤の御子は狼の主。
「ですが…」
思わず言葉を洩らす。
「…分かっておる。第一の掟により、父が命ずる」
「主を捨てよ。今より、あの御子はお前の主ではない」
「御子様を…捨てる?」
狼は愕然とするしかない。かつて命をとして御子を守れと命じた義父。
しかし彼は今、御子を捨てよ、と言った。
「そうじゃ、狼よ…父の言葉に従い、御子を捨てよ」
御子様を、捨てる。
狼にとって、主は何よりも大事なものであった。
彼の為に命を賭け、彼も狼を信じ力を授けた。
このまま、狼は彼に従うつもりであった。
しかし。
「……御意」
「父の言葉に従い、御子を捨てる…それで良いのだな?」
「…はい。掟は絶対。主を…御子を捨てまする」
狼にとって、一番大きいもの。
それは、忍びの掟であり、育ての義父だった。
◇
その後、狼は義父に従い、エマを、そして一心を斬った。
『しゅ…ら…』
『隻狼よ…斬って…やれぬか…』
そして……
『何故…お前が…!?…修羅…!』
自らの手で、義父を、兵を、民草を…全てを斬った。
かつて一心様はこう語っていた。
『斬り続けた者は、やがて、修羅となる』
『何のために斬っていたか…。それすら忘れ、ただ斬る悦びのみに、心を囚われるのじゃ』
今だからこそ思い出せる。
二人を斬った時、確かに。
追記:修羅のフォント 《font:348》
解説。
・地下修練場
薄井家の人間、それも当主ら数人によって信用性があると認められた家人のみが出入り出来る特訓場。
忍びとしての訓練をし、どの様な状況でも生き残り命を遂行する力をつける為、此処でひたすら鍛錬する。
・特級呪具 『薄井霧鴉ノ森』
遥か昔、薄井家のルーツであるとある国の森に、霧鴉という存在がいたと言う。
かの存在はは初代当主の願いを受け入れ、この呪具となった。
今も薄井家の地下深くの空間で、人知れず漂っているらしい。
九郎が葦名に一回帰ってきた時、薄井の森に立ち寄って、何の偶然かぬしの霧鴉に遭遇した。
何やかんやあって呪具を手に入れ、子孫の為に修練場を作った。
この領域内で死ぬと、領域内で起こった事は全て幻となり、時間だけが過ぎる。
逆に死なずに出ると、中で起こったことは全て現となる。
要約
領域内で死んだらリセット。死なずに出れたらクリア!頑張って死ぬギリギリを攻めて特訓してね!死んだら全部無駄になるよ!
*この呪具、存在が幻と現の間を彷徨っているので、壊される事も干渉される事も、ましてや見つける事も出来ません。
薄井家の人達は安心して死にまくる事が出来ます。(結果が幻になるだけで普通に死んだら痛い)
これのお陰で、薄井家の忍びは引き際を覚え、結果、危険な任務でも9割が生還しています。