黎國関係者の常人離れした身体能力を利用し、各々の目的地へ向けて強引に突っ走るという、豪快かつ命知らずな手段でマスコミその他を回避し、
この無謀極まる危険行為に
「スーツ姿でこんな運動なんかしてますけど!膝とか足首とか、特に心臓は大丈夫なんですか!?」
衛生科に所属し医師として務める
自分を横抱きに抱え長い槍を背負う
「心配には及ばんわい。筋肉痛と関節痛が後から来るだけじゃ」
高齢者の関節痛や筋肉痛など、心配するべき事を心配するなと言ってのける自信はどこから来るのか。これには元帥たちもほとほと呆れているようで、余り言葉を発さない。
元帥たちから聞くに、年齢を重ねるとこのような激しい運動をする事は
これ以上の無理は命に関わるのもあるが、「急な運動、または移動中の事故で一国の来賓が死亡した」という最悪の事態も回避したいため、できれば運動をさせたくはない。
「なら今日の運動はこれだけにして下さい!」
と、
先ほどの門周辺の状況を見るにとても保証出来かねる案件だが、ここで一人の死人でも出せば、ただでさえ綱渡りどころか糸渡りの外交関係が更に危うくなるため、より気を引き締めて臨まねばなるまいと、視線を真っ直ぐ整えた。
とても記者が生身で着いて来れるような速さではないためか、後ろを追って来る取材用自動車の姿もない。自衛官たちがヘリコプターと呼ぶ乗り物も高く、遠くに見えるが、同行する記者は流石に操縦士の技能を把握しているようで、今は高見の見物を決め込んでいるらしい。
「げ」
街を飛び跳ねて駆け回り、いよいよ国会が見えて来る。だが、一同はその手前の道の惨状を見るや、やはり
前回の特使団派遣の際にも今回のように国会の正面入り口にマスコミが集まり、押し合い
上空から見ると人でごった返す様子が更に不快に見え、本当に今すぐにでも全員殴り飛ばしてしまいたいとさえ思う。こうも一ヶ所に寄って
「先ほどの約束は守れそうにないですね……申し訳ありません」
日本側が政府の公報を通じ、過剰な報道や取材を
ロゥリィは
決して長くはないが、上下左右に揺られまくる全力運動は、実際全身にとても負担がかかるため、通常の運動のは疲労の具合もけた違い。特にリハルドは乗り物酔いを起こし易いが、今回もかなり息苦しかったようで、顔色からもかなり気分が悪そうに見える。
「《……
だが彼らが去るのを悠長に待っていては、質疑応答の開始予定に間に合わない。かと言っていきなり国会の敷地に上空から登場すれば、ただでさえ興奮状態にある記者たちが、国会議事堂に無許可で進入するという前代未聞の大問題を起こす可能性さえある。
流石に官邸では同じような事態になっていない事を信じたいが、こちらで起こっている以上は望み薄と断言してもいい。
(だが……手段はある)
今こちらには連絡手段はなく、唯一
しかし、脳内で思案したその作戦は即座に
万一遅刻した時の言い訳はこちらででっち上げる、という
「よう、
その時、一同の目の前に颯爽と現れたのは、警察官
その後、国会前に集結していたマスコミ関係者への対応のため、予定より大幅に増員された警察官たちの助太刀で、何とか国会まで辿り着いた一行。
全員が改めて衣服の皺を整え、また
「……疲れた」
しかし、総勢38人のうち自衛官10人と元帥3人は国会での待機が決まったのだが、残る14人はまたも呼び出しを食らう。というのも当初ピニャ、
残る11人は疲れきった表情で、衆議院議場へ通じる扉を見つめている。特に
その様子にロゥリィはクスクスと小馬鹿にしたように笑い、テュカとレレイは首を傾げ、その他の大人たちは呆れと、各々反応は異なるが、それでも悪感情は変わっていない。
(大嫌いだよ、本当)