〈事件〉の被害者遺族らの心境は、後悔と恥の二つに尽きる。帝国に対する報復論を掲げ、私兵集団となる一歩手前まで規模を広げていた者たちでさえ、
某議員に向けて
さらにまた違う人物は率直に“無意味な事”と
東京視察を隠れ蓑にした漫遊に
事件当時は日本中の学校が夏休みで稼ぎ時であり、また同時期にアメリカでの新しい恐竜の化石発見にあやかって恐竜展が開催される予定だったらしいが、運悪く帝国軍の標的になり恐竜の化石等の標本とその資料が
「……むなしいな」
あらゆる重機が重苦しい音とともに再建している途中の建物を見上げ、
千歩譲って自分達が享受している平和が壊れる可能性を微塵も考えない人間たちに運命付けられた天誅だとしても、自国の利益ためだけに裏切る同盟国や混乱に追い討ちをかけようとする身内など、この国は過ぎた不条理でがんじがらめな状態であり少し間違えただけで地獄に様変わりしかねない。
何よりも恐ろしいのは〈事件〉により甚大な被害を受けていながら、いつまた襲い来るとも知れない帝国軍に怯えつつ復興作業を続けなければならない事だろう。
「ああ……悔やまれるよ」
誰が、と明言しないのは倉田なりの配慮であるに違いない。二人は力無げに少し視線を地面に落として博物館に敬礼すると、ゆっくりと重い足取りでその場を後にした。