しかしながらそれぞれの比率は6対1対3といった具合で、最後の3に至っては作者の妄想が多分に含まれております。また原作は未読のアニメ勢がうろ覚えで都合よさげな設定を掻い摘んで取り出して創作料理風に仕立ててある、エッセンスとかフレーバ的なあれなのであしからず。
そしてこの作品はよう実世界を舞台として、リコリコ世界の住人のガワを被った転生者が、よう実を知らないまま転生してリコリコの設定と勘違いして生きていく、そんな感じで進んでまいりますので、リコリコもまた設定だけ。なにとぞよしなに・・・。
それでは以下本編に続く・・・
気がついたら真っ白い部屋の中にいた。
周囲を見渡せば年端もいかない幼子が並んでいる。
何とはなしに視点を落とせば、ボクも同じような幼児の体だった。
なにかがおかしい、ような気がする。
いや、それよりも時間だから。プログラムに従わないと・・・。
ボク達は白衣の大人たちに指示されるままカリキュラムを粛々とこなして・・・ひとり転んでしまったようだ。
パチクリと、瞬き一つする頃には、つまずいたあの子はいつの間にか目の前から消えいた。
ぱちぱちと繰り返す度に子供たちが減っていった。
洗脳された、選別された、排他的で不完全な被験者だけが平衡を保ち歩みを止めないでいた・・・バランスがなんだって?
恐ろしくはない。
目を閉じている間にそのような感傷もいつの間にか無くなっていた。
だってボク達は"DA"が扱う道具なのだから、道具に余計な機能は必要ない。
・・・DAってなんだ?
今更だけど、たぶんこれは夢の中だ。
泡沫のような記憶と、何処からやって来て何を根拠に思ったか定かではない確信だけが意識をつなぎとめている。
多分ボクもそのうち転んでしまうのだろう。
頑張って?追いかけてみたのかはよくわからないけど、結局ボクは玉を磨く為の捨て石に過ぎなかったみたいだ。
たとえ何か一つに秀でた、鋭くとがった石ころが紛れていたのだとしても、真ん丸に輝く宝石みたいな真珠以外、この場の誰も求めていない。
同じ手順で育て上げたのに、歪な形にしか育たなかった人工真珠に価値はないのだ。
だからきっとコイツのような、この部屋みたいに真っ白に空っぽな彼になら、大人たちが求めた傑作に足り得るだろう。
残念ながらその瞬間を見届ける前に、役不足の演者はさっさと退場しなければならないみたいだけどな。
ボクが其処にいない未来で、たぶん将来はファーストリリベルとして、ファーストリコリスの誰かさんとひと悶着起こして因縁を作るのだろう。
・・・リリベルって、リコリスって、なんだ?
そんなことよりカリキュラムを、早く何とか動かないと。でも、もう立ち上がれない。
アイツの、ガラス玉のように空っぽの瞳に映るボクの姿は、地面を這って天を仰ぎ見ていた。
なるほど。どうやらここまでのようだな。
・・・恐ろしくはない。
ただ心残りがあるとすれば、この漂白された、除菌された、健康的で不健全な偽りの天才の・・・バランスを取れなかったなぁ。
バランスが、なんだって?
ガラス玉にはもう何も映っていない。
ボクはもう既にこの世界から消えてしまったのだろうか?
また死ぬのか、そんなのやっぱり嫌だ!
まだちさたきの、推しの尊い空間の壁や天井になれてないんだぞ、一生バランス気にしてる緑パーマの松岡ボイスが聞けてないんだぞ?
ぽんこつラジアータの世話係なウォールナットちゃんのご尊顔も拝めてないし、たぶんいざ交際して結婚申し込んでも頷いてくれないめんどくさそうなタイプなミズキさんに顎クイできてないし、
リコリスだから、なのにフキとサクラの憎めない人間臭さはつらいし、店長とヨシさんのエモい関係性が・・・こんなところで終わるのか。
どれだけ未練を募らせても、意識が、遠く、消える・・・。
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
やっぱりバランスは大事だろ?
だからバランスがなんだって?
「・・・・・・・・・夢か」
忘れたごろにぶり返す、季節風邪のような悪夢で目が覚めた朝。
いまいち眠り足りないもの悲しさを紛らわすため、ボクは寝起きのおぼつかない足取りでシャワー室へと向かった。
ホテルのような調度品で整えられた、事実客船の一室ではあるが、その何もしなくてもサービスで整えてくれる部屋の中、パジャマは道中で脱ぎ散らかした。本来脱衣所で行う予定だったプロセスを見直してタスクを分散させることで虚脱感の均一化を図る、きわめて合理的な判断から編み出したライフハックの一つだ。
嘘だ。まだ寝苦しさが残ってたせいか、無意識で体が動いた結果だった。
しかし熱いな、目がぐるぐる回ってるし、頭も重い。VRで酔ったか?
頭を締め付けるようなモヤモヤを取り除きたくて両手でヘルメットを持ち上げるような動作をしたら、空ぶった。
・・・ああ思い出したよ、この部屋にゴーグルはないんだったな。あと何ポイント集めればいいんだっけ?いい加減タブレット一つでいろいろこなすのはなんだか無理な気がしてきたし、そろそろ欲しいなぁ。
ふふっ、このボクが無理だなんて、随分と弱気じゃないか。でも実際頭がぐるぐる回ってるのに知恵が働かないし、やっぱり無理じゃないか?いや無理じゃないが。
このボクに無理だなんて言葉、100年早いわ。でもここで強がるのはキャラが違う気がするな、ロボ太じゃあるまいし。
ロボ太って誰だっけ、いやもうロボ太でもいいから少しぐらい原作キャラと会わせてくれ。
うっぷ、気持ち悪い・・・あと節々が痛い、悪寒がする。やっぱこれ風邪だな。シャワーはいいからせめて顔洗いたい、あと水が飲みたい。
そもそもボクは電脳戦専門だから。
別にここで無理する必要はないよなと、相部屋の隣人が都合よくそろそろ帰ってくる頃合いだと分かっていれば、もう床でゴロゴロしていても許されるんじゃないかー?
「くるみー、帰って来たわよ・・・ってなんてひどい恰好!
ダメじゃない、まだベッドで眠ってなきゃ」
「うう・・・頼むハルカ、起こしてくれ」
「もう、こんなに脱ぎ散らかして、微熱だから看病は必要ないって、全然ダメじゃない。これじゃあ治るものも治らないでしょ。
・・・シャワー?無理無理やめときなって。代わりに身体拭いてあげるから」
まるで真夏の炎天下で、着ぐるみに身を包んでバイトでもしてるかのような感覚をおぼえる。あの時は死ぬかと思った、ワンオペで原作ごっこなんてやるものじゃないな。
「バイト?そんなことしてたんだ、意外ね。
・・・って、いや中学生でバイトなんて、それだけでもすごいのに、よく採用されたわね」
おっと、うっかり口が滑ってしまったらしいな、気を付けないと。
それより、体を拭いてくれているのはありがたいが、いったいどこを見て何を思ってそのような結論に至ったのか、おねーさん怒らないから正直に言ってくれないか、うん?
「いやだって、小学生にしか見え、ってごめんって。
余計にひどくなったら困るでしょう?だから暴れないの」
ぼ、ボクが小学生みたい、だと・・・?!
確かに抜群のプロポーションを持つハルカやアイリなどからすれば全然なのだろうが、むしろ君たちが恵体すぎるというべきか、いったい何を食べたらそんなに育ってしまったんだよ。
つまりベンチマークの比較対象に恣意性が感じられる次第なので、だから中央値を当てはめれば標準偏差の誤差範囲に収まること間違いなしなので、要するに一般的な水準に収まっているといえるであろう。
その証拠に、見よ、そこの瓶底ぐるぐる丸眼鏡を。漫画でしかお目にかかれない一般的インテリキャラのテンプレート装備だぞ。ズバリほにゃららでしょう、なんてセリフが決めセリフな、どこかノスタルジーを感じさせる古き良き伝統のモブキャラ装備を、しかとその目に焼き付けるがよい。あとはいつものように三つ編みおさげにすれば昭和レトロの完成だ。ああ、これでこの学校の制服がセーラー服だったら完璧だったんだがな。機関銃もつけてこのお値段、ヨーヨーもおまけとしてありだな。
「はいはい、話がどんどん逸れて行っちゃってるわよ。
大体ね、そういうのは黒髪で文学少女って相場は決まってるの。
ほら、クルミって金髪だし、ぶっちゃけソレあんまり似合ってないよ」
さて、終わったわよ、ほら。っと、後ろからなかなか良いものをこれ見よがしに押し付けられながらも、だるさに身を任せて身の回りの世話をお願いしていたハルカから、背後から手鏡を目の前にかざされて向き直る。
鏡面に映し出されたのは金髪翠眼の洋モノ少女だった。どこか気だるげに、いや今日は実際にしんどいのだが、見えるその姿は熱っぽく赤らんでいて、まるで今の心境を代弁してくれているかのように不満げな感じだ。
まあつまりはボクの姿なわけだ。
「クルミもさ、愛里もだけど、前髪あげてあの野暮ったい眼鏡やめたら?
せっかくかわいいのに」
そんな事を言いながらボクの前髪をかき揚げてオールバックにして、リボンで纏めあげるハルカ。道中医務室で貰ってきたという冷却ジェルシートを額にペタリ。冷たくて気持ち良いなこれ。
まあなんだ、実のところボクにとっても実はこの姿のほうがなじむのだが、この学校に入ってからは諸事情により変装の一つとしてチャームポイントのオデコは封印している。どうせならと伊達メガネに割と好みの昭和コスプレ女としての着こなしを意識してすっかり芋臭いモブキャラとしての立ち位置を確立させているのも、その諸事情によるところも大きいが、ひとえに同じクラスの顔なじみなバケモノに少しでも見つかる可能性を無くしたかったところによるものが大きい。
いや、ある意味その諸事情と顔なじみの生徒をイコールで結んでしまっても相違ないだろう。
ボクの考えが正しければ、おそらくアイツはDAが送り込んできた刺客なのだろう。確かリリベルとリコリスは別の指揮系統で動いており、DA内で派閥を争うような険悪な関係性だったはずだ。だがその使命は国家の治安維持の為にあり、それを脅かすような事態、例えば秘匿されているDAの存在が世間に詳らかに明かされるような事態になったならば何方かの部隊を切り捨ててでも組織の秘匿性と存続を最優先にさせていたハズ、だったか?確かそんな感じだった気がする。
要するに、ファーストリリベルになったであろうアイツのミッションは、アラン機関の関連施設と思われる高度育成高等学校に潜伏しているであろうDAの脱走者を、元リコリス候補を地獄の果てまで追いつめて秘密裏に抹殺する。おそらくそんなところだろう。
まさかこのボクの足取りがDAにたどられているなんて、ネット上に情報を残すようなヘマは一切していなかったハズなのに、やはり元一般人のアニメオタクでしかないボクの死ぬ物狂いな見よう見まねのクラッキングは全部無意味だったんだよ。まだギリギリ突き止められてはいないようだが、きっと時間の問題だろう。
やっぱりアイツは人間の皮をかぶったバケモノなんだ。ぶっちゃけアランが作った生体ロボットか何かなんだろう?あの感情も何もあったものじゃない無機質な瞳、思い出しただけで今でも震えてしまうぞ、がくがくぶるぶる。
「うわっ、やっぱり熱上がってるんじゃない?
私は別に構わないけどさ、無理せず医務室に行って見てきてもらったほうがいいんじゃない?病室も少しは空きが出てきただろうし」
だだだ、だいじょうぶだ。これはただの思い出しブルブルで、いつものことだから。
それにだって、今医務室に足を運べば堀北が、彼女を背負って運営本部に連れて行ったというあの悪魔が、綾小路と出会ってしまう可能性が、無きにしも非ずと考えただけでガクガクブルブルもうだめです許してつかあさい・・・。
「いや絶対大丈夫じゃないでしょ、何よ思い出しブルブルって・・・ああ、もうわかったからさ。
いい、病人はさっさと休んで早く治して、うつすとかそんなこと考えなくていいから、むしろ風邪をうつさないように可能な限り早く感知して私を労いなさい。それが今やるべきことだから」
ちょっとスポドリ貰ってくるね。そういってハルカは部屋から去っていった。
ここは絶海に浮かぶ一隻の客船。周囲に逃げ場はなく、命を狙った殺し屋とともにお送りする真夏のレジャーのひと時を堪能できる波乱万丈のバケーションだ。
オマケに殺し屋に狙われている張本人のボクは絶賛船酔いプラスアルファ風邪をひいており、暗殺するまでもなく既に虫の息ときたもんだ、ははは・・・。
ふざけるな!なにがどうすればこんなピンチに陥れるんだよ。しかも大半が自業自得とか、笑えんな。
ボクはただ、今や妄想疑惑のある前世の思い残しをかなえるために、ちさたきてぇてぇをみたいだけの無念を晴らすために、酔狂な神とかが叶えてくれたであろうチャンスを生かしてリコリコ世界で推しの壁に最も近い存在になるため努力して、挫折して、逃げ出して、そして今その願いの対価を払えと言わんばかりに殺し屋に追われている。さては悪魔の契約だったな、知らんけど。
こんなクリティカルな状況で、君たちはどう生きるか?
とりあえずボクはダイイングメッセージでも書いてみるか。初手からあきらめんな!
だがしかし、状況を整理するためにも、いったん書き出して思考の見える化を行ってみるほうが良いだろう。
さて、最初は何から書くべきか、そうだな。ボクがこの学校に入学した直後から遡って書いてみようか。きっと何か問題解決の手がかりにつながってくれるだろう。
あとがき
厨二病ヒャッハー勢である作者はハザマやテルミとかマキシマム先輩などのキザで尖った緑髪キャラが大好きなわけであるからして、久方ぶりに癖を刺激してくるクソガキ、もとい理解らされる側、じゃなくてどちらかと言えば最終的に噛ませ犬扱いされがちな新たなる贄が、まあそれは別にいいか。
よってプレーンな真島さんをそのまま投入して盛大にハジけさせる構想も検討してみたのではあるが、どう見繕ってもあのアンバランスな世界観を、あるいはシンメトリーでは無いという世人には想像もつかない感性の違いなどを理由として、取り敢えず全部爆破してみるかっていう短絡的な結末でもって物語を締め括るビジョンしか思い浮かばなかったので、そりゃ無いだろうと一応の妥協点を探ってみるも、Cクラスで龍園相手に情緒のバランスとか力関係の均整を取ることに腐心してやっぱり物語が一向に進まない上解釈不一致だったので諦めた。そもそも活躍する世界観が違うなって思いまして、何処か別のところでのご活躍をお祈りする所存。
もう一つの草案としてはブラッディマンディ的なITチートキャラを使って、ついでに原作知識の悪魔の組み合わせで、はじめからクラス編成もぶち壊した状態でスタートしてみるかと妄想を高めると、まず綾小路くんのエンジンが最初からアクセル全開か、もしくは終始イグニッションオフな状態の両極端なパターンしか思い描けず、間を取るためには初手バス事故に巻き込んで怪我を負わせてナーフするか、はたまたレディの扱いに対する美学に反したとして高円寺の琴線とか逆鱗に触れてチートキャラ同士で蠱毒の壺よろしく二人でネッチョリ仲良く絡みあってしっぽりやってもらうしか無いよなと、作者の足りない頭ではそんな事しか思い浮かばなかった。
坂柳などは共にDクラス行きとなった龍園に一生理解らされるだけのサンドバッグ係になってしまうし、一ノ瀬に関しても配慮のない大人の事情で社会の厳しさを知ってこいと云ふ理不尽な理由のもと、自身のトラウマが容赦なく刺激される修羅の国Dクラスで心を病んで一生引きこもりルート確定になりそうだし、神室は良くて普通に万引きがバレて補導されるか、運が悪ければ電気屋の店員と薄い本ルート入りそう。
幸村やら堀北やら金田やら椎名やら、その他諸々の秀才キャラは一般校の基準にてらし合わせて最初からAクラス。育ち過ぎた天狗の鼻を早々とへし折られて、後は内輪揉めでギスギスしながら気がつけばDクラスに降格してなお足の引っ張り合いして、盛大に自爆してそう。
戸塚とか山内とかは実は相性が良いのでは?退学への片道特急列車に誰が一番早く近づけるかのチキンレースをして仲良くホームに飛び込んでくれそうなRTA走者としてのパッションを感じている。
そもそも原作のクラス編成に思うところがある作者としては真島さんの無念を晴らすためにもやっぱりバランスを取らねぇとなってな具合でチーム編成から調整を入れたら何やかんや五月に全クラスで0ポイントが達成出来そうな気がしたので、つまり真島さんをハッカーにジョブチェンジさせたらイケるのでは?でもそれは既に真島さんでは無いよね、まあええかと着想を得て今に至っているわけだ。したらば考えれば考えるほど原作のバランスが良すぎてこまっちゃう。まあええか。
せっかくならよォ、作者のオリキャラよりもリコリスリコイル繋がりでハッカーキャラでもあるウォールナットちゃんの方が良いのでは?でも何でもありにしちゃうとミサイル発車基地をジャックしてデスゲームでも何でもござれな作風になりそうだから、ある程度バランス調整は必要だろうと思い、結果原作知識は廃止して、代わりにリコリコ知識やら前世知識を足枷代わりにインストールすればしっちゃかめっちゃかになり良い感じになるだろうと。
つまりコレはソレやといふわけです。