五条悟からは逃げられない!   作:創作好き

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呪術廻戦のアニメ、凄かったですね。魔虚羅つええ・・・

感想、高評価をくださった方々、ありがとうございます!おかげでモチベーションが上がっております!
そして投票結果は紫なりました!

これからは『蒼 人の心』ルートをメインに、『赫 懐かしき青春』ルートを書きます!

そして今回は日常回。コメントで人物目線の一人語りが苦手な人がそこそこいたのでお試しで三人称で書いてみました!こちらの方が評判が良ければこっちに移してみようかなーと考えています。


禪院集合ー!

化け物共の宴

 

五条家の鍛錬の場にて、2人の天才が領域について語っていた。

 

「だからぁ、シュっとしてバーンだよ。シュッバーン。わかんない?センスねぇー」

 

「そんなんでわかるか!」

 

現在、悟は誠に領域展開のコツについて聞いていたのだが、呪術戦の極致の伝授は難航していた。誠の具体的な言葉が全く使われない感覚的な説明を悟は理解できずにいた。

 

「何だよシュっとしてバーンって!理解するのドラ〇もんの絵描き歌を初見で成功させるより無理難題だろ!」

 

「んなこと言ってもなぁ。結界術に関してはほとんど何となくで出来るからなあ俺」

 

「どんな頭の構造してんだお前・・・」

 

そう、悟との初戦闘時点で誠が習得していた結界術はシン陰流の簡易領域のみで、それ以外の知識はからっきしであった。それにも関わらずぶっつけ本番で結界術に改良を加えるなどの応用をしていたが、どうやっているかも感覚なので言葉による説明は向いていない。

 

「そういや俺達が初めて会った時、初めて領域展開できたんだよな?今まで出来なかったのに」

 

「出来なかったって言うか、やろうとしてこなかったんだよ。だって領域がないと勝てない場面とか普通ないじゃん?だから体術と術式の解釈を広げる練習ばっかしてた」

 

誠が目指している強さは一級呪霊を問題なく狩れ、特級呪霊からも逃亡が可能になるほどの強さだ。最初から呪術戦の極致などに興味などなく、必要だから覚えた程度の認識だ。

それを聞いたら多くの呪術師が怒り狂うだろうことは想像に難くない。

 

「それじゃあ領域展延は?」

 

領域展延。原作に置いて漏瑚と花御が披露した結界術。領域の機能を空っぽにしてそれを体に薄く纏うことで、触れた術式を中和する便利な術式だが、そもそも領域展開を習得していなければ使えないため習得難易度が異常なほどに高い。

 

「イメージしたらなんかできた」

 

「天才がよお・・・」

 

「お前に言われるとムカつく単語ナンバーワン来たな」

 

他の呪術師が見たら「どっちもどっちだ化け物共」という光景が広がっていた。

 

「後はたまに簡易領域と落花の情の練習。落花の情と十種影法術を組み合わせるのは早い段階で見つけたからそれもいじってた」

 

「それであんなに手札多いのかお前・・・」

 

「今は式神の能力の抽出を試してるんだけどこれが難しくて。疾風迅雷とかハイドロ凡夫とかやりたいんだけど難航中」

 

「ハイドロポンプってポケモンかよ。ところで疾風迅雷って?」

 

「あー・・・脳って小さな電気信号を送って体を動かしてるらしいんだけど、それを呪術の雷によってオートでやることで、超高速の動きと反応速度で相手に何もさせずタコ殴りにする技・・・かな?」

 

「何言ってるかピンとこないけどえぐい技ってことだけは伝わったわ」

 

元ネタはハ〇ター〇ンターのキ〇アという少年の技なのだが、彼らの年代ではキメ〇アント編すら始まっていないため、このような説明になった。

 

「お前の術式、汎用性の塊だからいいよな。出来ないことの方が少ないんじゃないか?」

 

「否定はしないけど、如何せん火力が足りなくてな・・・俺としてはこう、町一つを破壊尽くすような技が欲しいんだよ」

 

「お前は世界征服でもするつもりか」

 

「その点お前は良いよな。六眼で呪力操作は完璧、呪力量も俺より多いし、何より無下限呪術だよ。無敵バリアと広範囲高火力とか今俺が一番欲しいのだよ寄越せ」

 

「それを平気で突破したり躱す奴がよく言う」

 

「いつも命懸けだわ馬鹿野郎」

 

「馬鹿って言った方が馬鹿なんですー」

 

「・・・上等。ならその頭かち割って馬鹿な頭をもっと馬鹿にしてやるよ」

 

「やれるもんならやってみろ!」

 

最初は領域の話をしていた二人はいつの間にか喧嘩を始めた。二人とも血の気が多かった。

これより数分後、五条家の修練場が消え去ったことに気づいた当主が膝から崩れ落ちることになる。

 

 

 

 

ラップ

 

誠は次の年には中学生になるであろう年齢にまで成長していた。なお、命を狙われる立場なので下手に外に出れず、友人が人質にされたら目も当てられないため学校には通っていない模様である。青春なんてものは無かった。

そして誠と甚爾が和菓子を食べていたある日のこと。

 

「いやー、師匠にまさか彼女がいたなんて。それも結婚まで話が進んでいるとは、流石は師匠」

 

誠は甚爾がちょいちょい外に出ていたのは知っていたが、リア充になっているのはつい最近知った。その話を詳しく聞くためにこの場を設けたのであった。

 

「流石って程でもないだろ。お前もその気になれば・・・いや、なんでもない」

 

「え、いくら何でも酷過ぎません?泣きますよ?」

 

誠の言葉を無視しつつ茶をすする。こいつに本当の意味で尽くせる奴なんていないだろうな、と考えながら。

 

「でも師匠が結婚かー。あ、式辞俺やりたいです」

 

「式は挙げねえぞ」

 

「えー、何でですかー。挙げましょうよー」

 

「挙げたとして誰がくるんだよ。あいつ親戚いねえし人が少なすぎるぞ」

 

あいつというのは甚爾の彼女のことだ。彼女の親戚の話を聞いたことは無く、甚爾の結婚を祝いに来るのも弟子2人と直毘人くらいだとふんでの発言であった。

 

「少なすぎるって、一体どんだけ大きな式を挙げるつもりですか。彼女さんドン引きしますよ?」

 

「は?」

 

「え?」

 

「「・・・」」

 

2人はここで話がかみ合っていないことに気づく。その正体を探るべく、先に甚爾が口を開いた。

 

「式に来るのは、お前と直哉、直毘人の三人だよな?」

 

「少なっ!?なんでそれだけだと思ったんですか!?諸悪の根源達は勿論、悟含めた五条家の一部も来ますよ!最低でも100はくだらないです!」

 

「いくら何でも多くないか?」

 

大きな声で反応した誠が提示した人数の多さにドン引きした。確かに誠を慕う者たちとはそれなりに話したり手合わせをすることもあったし、誠に連れられて五条家で試合をすることもあったが、関わってきた者全員が来るわけがないというのが甚爾の考えだった。

 

「かぁー!!これだから無自覚天然タラシ系主人公は!」

 

「大丈夫か?投げたブーメランが頭に突き刺さってるぞ?」

 

「いいですか師匠!あなたという人は魅力に溢れている!あなたを尊敬する人は多いですし、あなたにホの字の女性も多くいるんですよ!一種のカリスマです!自信をもって!」

 

「・・・いやねえだろ。どこかの誰かの評判と間違えてるんじゃねえのか?」

 

「師匠以外いるわけないでしょそんな超人!いたら紹介してほしいくらいですよ。そいつ育て上げて禪院家の当主にだって仕立て上げます!」

 

ここで敢えて「そいつ次期当主だけどな」と言わないくらいには禪院甚爾という人間は優しかった。

 

「・・・とにかくだ、式は挙げねえ。もし本当にその人数が集まったとして、あいつの肩身が狭くなるじゃねえか」

 

「あー、確かに初対面の人達の話だけじゃ嫌か」

 

本人は気にするどころか甚爾の話を楽しんで聞く姿はすぐに思い浮かぶが、甚爾は彼女にできれば不快な思いはさせたくは無かった。自身の話を聞かせるのが気恥ずかしいという考えも含まれていたが、それは口には出さなかった。

 

「じゃあ撮影はどうです?彼女さんも結婚式は無理でもせめて結婚装束とか着たいでしょ」

 

誠が提案しているのはフォトウェディングというもので、ドレスを着て写真だけを撮る結婚式のことだった。

 

「あいつがか?そんな話聞かねえけどな」

 

「女性は結婚装束着るのに憧れがあるらしいですよ。女中の人達の話ですけど」

 

「・・・そうか。一応話してはおく」

 

その後、甚爾は彼女に撮影の話を持ち掛けると二つ返事で了承した。その話を誠に話すとどや顔を返される。

 

「でしょー!やっぱり女性のビックイベントですからね結婚は!」

 

「正直あんなに喜ぶとは思わなかった。ありがとな」

 

「いや、えと、き、気にしないで下さいよ!弟子として当然のことをしたまでですから!」

 

素直な感謝の言葉に誠はキョドリだす。

 

「この借りは必ず返す。お前が結婚・・・できたら、なんか盛り上がることしてやるよ」

 

「今の間がすごく気になるんですが。まあいいか」

 

すると誠は、一瞬考え、何かを思いついた。そして真剣な表情で語り出す。

 

「じゃあ、亀〇ップして欲しいです」

 

「亀ラッ〇」

 

真面目な雰囲気から飛び出した聞いたこともない単語に甚爾は困惑する。

 

「はい。出来ることなら、直哉と一緒に。そうすれば、一生(参加者全員忘れることのない)思い出になります」

 

その真剣な表情に、甚爾は決意する。その亀〇ップとやらが何かはわからないが、恩ある弟子の願いを自分ができる限り叶えてやろうと。そう胸に誓った。

 

「・・・そうか。わかった。約束する。お前が式を挙げるときは、引きずってでも直哉とその亀〇ップってのをやってやるよ」

 

縛り(約束)ですからね!」

 

この時、直哉も道連れになることが決定づけられた。

後に甚爾はラップについて調べ、愚かな弟子を殴りに行くのであった。

 

 

 

 

サインはM

 

「やっと帰ってこれた。もうあんな任務はごめんや」

 

そう言って車から降りた影が一つ。呪霊の発生場所の往復で二日、呪霊退治に三日。計五日の長期任務から帰ってきたのは現当主の息子、禪院直哉だった。

 

14という若さで一級相当の呪霊を何体も祓って見せた彼の実力は、呪術界の中でも有名だ。『最速の呪術師』の二つ名を継ぐのは彼だ、という声は多い。だがそれでも、彼を禪院家次期当主に名を挙げる者は少ないが。

 

「大量の二級呪霊を従える一級呪霊ってなんやねん。おまけにその一級はゲリラ戦法してくるとかどんなクソゲーや。ダー〇ソウルじゃあらへんのよ!」

 

今回の任務の愚痴をこぼしながら屋敷の門を潜る。彼をよく見ると、髪はぼさぼさで普段着の浴衣もあちこちが破けていていた。

 

「どう考えても俺一人で受ける任務じゃあらへん。次からはちゃんと呪霊の数の精査もしてもらわへんと。・・・?帳が張られとる。なんでや」

 

屋敷の扉に向かうと、小さいが帳の存在に気づく。そして、その方向からチラシが飛んできた。掴んでみると、ぱっと見手作り感満載のものだった。

 

「・・・あのアホ共は」

 

手に取ったチラシを強く握りしめると、額に血管を浮かせた直哉はチラシに書かれていた場所、すなわち帳の下へと向かった。

 

 

 

 

庭に張られた帳の前には看板が建てられており、『呪術界No.1アイドルのステージへようこそ!』と書かれていた。帳の中の景色と音の情報は遮断されているが、触れてみても問題なく指が通った。どうやら出入りは自由らしい。それを確認した直哉は帳の残穢でわかった犯人を捕まえるべくそのステージとやらに踏み込んだ。

 

「みんな、抱きしめて!世界の、果てまでー!!」

 

『おー-!』

 

そこには、ペンライトを振る禪院家の男、女中、子供らの姿と、羽ばたく鵺の上で立ちながら歌っている禪院真依の姿があった。

 

「ほんまに何やっとんねんこいつらは・・・」

 

禪院家は昔、かなり陰湿な場所であったのを直哉は覚えている。他者を見下すのは当たり前、何処からでも陰口は聞こえ、血のつながりがあろうとも命の奪い合いが発生するゴミ溜めのような場所だった。いつの間にか諸悪の根源(愉快なサークル)が大半を占めるようになっていたが。

取り敢えず状況を確認しようと、帳の中にいる知人に声をかけた。

 

「なあ蘭太」

 

「おー!おー!・・・あ、直哉さん。おかえりなさい。長期任務お疲れ様です」

 

「ありがとさん。ところでこれ、なにしとるん」

 

「ご存じないのですか!? 彼女こそ、チャンスを掴み、御三家スターの座を駆け上がっている、超時空シンデレラ、()ちゃんです!」

 

『キラッ☆』

 

欲しい情報が何一つ手に入らず、ゴミみたいな情報を流し込まれた直哉は、取り敢えず目の前の男の腹を殴り気絶させた。どうしてこんなオタク気質になってしまったのかと悩みながらも、元凶はどこだとあたりを見渡す。

 

「・・・見つけた」

 

この謎イベントの立案者らしき2人を目で捉え近づく。小柄な緑髪の少女がぱっとしない青年に肩車をされて真依を眺めていたが、あちらも気づいたらしく、目が合った。

 

「「あ、ドブカス」」

 

「いてこますぞお前ら」

 

犯人であろう誠と真希はまるで悪びれてなく、それがさらに直哉の怒りのボルテージを上げた。

 

「何ライブやってんねん。後で老害共にネチネチ言われるネタにされるんやからさっさと止めろや」

 

「うちの妹が気持ちよく歌ってんだから邪魔すんじゃねえ」

 

直哉の言葉に真希が噛みつく。彼女にとって直哉や誠の仕事が増えるよりも妹の願望を叶えることが遥かに優先されるべきことだった。

だが直哉は真希の言葉をまともに受けるつもりはない。

 

「お前には聞いとらん。雑魚は黙っとれ」

 

「んだと!」

 

直哉はゴミを見るような目で見ながらシッシッと追い払うジェスチャーをする。誠の上でカンカンに怒る真希だが、幼女の怒りに怯むようなたまではなかった。

 

「俺がいっとんのは誠君だけや。面倒な目に合うのは俺だけやなく君もなんやで?それに真依ちゃんも危ないし早く下ろした方がええと思うけど」

 

「問題ない。真依ちゃんの足と鵺を陰で固定してるからまず落ちることは無い!」

 

「また技術の無駄遣いを・・・ほら、とにかく俺まで面倒を被るのはごめんゆうとるんや。ほら全員帰った帰った」

 

直哉の号令にその場にいた者達は渋々帰っていく。真依も流石に無理があると思い鵺に「お姉ちゃんのところまでお願いね」と言って降りた。

 

「ごめんな真依。このゴミが邪魔するから・・・」

 

「おい」

 

「ううん、平気。私楽しかったよ。誠おにいちゃんも今日はありがとう!」

 

「楽しんでくれたのならよかった」

 

その会話を聞いて直哉は頭を抱えた。誠が真希達の言いなりになっている理由がわからないのだ。大抵の頼み事は聞いていて、不審に思い理由を聞いたが「生存確率を上げるためだ。俺だってこんなつもりじゃ・・・」と意味不明なことを言っていた。

直哉の中では最終的に誠はロリコンではないかという考えに至っている。頭も抱えたくなる。

 

その後、犯人たちはすぐに逃げ、代わりにミカン共にネチネチ言われる羽目になる直哉であった。

 

「ホンマ誠君ホンマ・・・当主になったら死ぬまでこきつこうてやるさかい覚えとれよ・・・」

 

直哉の嘆きは空に溶けて消えていった。

 

 




追記 アニメ勢の方への補足です。ハイドロ凡夫は原作呪術廻戦のネットミームです。

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