五条悟からは逃げられない!   作:創作好き

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たくさんの感想と高評価、ありがとうございます!!
こんなにたくさんの方に楽しみにして頂けて、本当に嬉しいです!

今はただ、皆さんに感謝を。

今回は久しぶりの五条と戦闘回!
戦闘シーン書いてて思い出したんですけど、そういえばもともとコメディじゃなくて魔法バトルものばっか書いてたのを今になって思い出しました。腕鈍ってないといいな・・・



特別な人よ

 

 

 

「今アイツが俺の事を考えてる。俺のサイドエフェクト(第六感)がそう言ってる」

 

「何を言っているんだ君は」

 

呪術高専東京校。その一年のクラスにて、3人の呪術師が人生ゲームをして友好を深めようとしていた。

 

「夏油、そいつの妄言はいいから早く順番回してよ」

 

順番待ちをしている家入が夏油にルーレットを回すよう促す。現在トップは彼女。できることならこのまま勝ち越したいと考えている。

 

「ああ、すまない。・・・3か。そのマスは・・・よし、財布を拾って交番に預けたら持ち主から1000万貰えた。これで家入さんの所持金を超えたね」

 

「げえッ!」

 

「それで五条、アイツっていうのは?」

 

家入がルーレットの6が出るように向けて念を送っているうちに、先程の発言について聞いてみた。スルーするには何と言うか、何とも言えない気持ち悪さがあったためだろうか。

 

「ん?ああ。誠が俺のことを考えてたってやつ?俺のサイドエフェクト(第六感)によると、『悟ならこの状況をもっとスマートに解決できただろうな』っていう感じの俺への尊敬と羨望を抱えてるらしい」

 

「なんか妙に具体的で気持ちわるぅ。その誠って人可哀そう・・・」

 

悟のニュー〇イプのような感受性の高さにドン引きし、家入は内面を覗かれているであろうまだ見ぬ誠という人物への同情を隠せずにいた。

 

「・・・誠?」

 

だが夏油は家入が反応した五条の発言の気持ち悪い点ではなく、誠という名前に反応する。

そして家入はルーレットの出目が悪く、所持金が減ってうめき声を出した。

 

「五条、その人の苗字は?」

 

「禪院だけど?」

 

「・・・え、なに?どゆこと?五条家と禪院家って仲悪いんじゃなかったっけ?」

 

所持金を数えていた家入が会話に入ってきた。五条家と禪院家の関係。その仲の悪さの原因は、1000年前の御前試合にまで溯ることとなるが、今回は割愛する。とにかく、この2つの御三家の中の悪さは呪術界では有名なのだ。

 

「それは数年前までの話。最近だと友好関係を結ぶためにちょいちょい動いてんだよ」

 

そういって五条は椅子の背に寄りかかり、ブラブラと揺れる。

 

「本当はサクッと調印して仲直りしましたー、って感じで協力体制を築きたいんだけど、呪術界のパワーバランスが崩れるのが怖くて加茂(かも)家と上層部が警戒してんだよ。要するに自分達の立場が揺れるのを怖がってる馬鹿共が邪魔なわけ。だから大っぴらには仲が悪くなくなってるのは公表されてない」

 

本来、五条家と禪院家が手を取り合うことは決してない。故に、この世界におけるその2つの御三家の関係は異常と言えるものだった。

 

「でも何で仲直りしてるわけ?流石に理由もなしに仲直りするわけないでしょ?」

 

「・・・禪院誠か」

 

「正ッ解ッ!」

 

ガタンッ、と体を前へと戻し、五条は嬉しそうに喋り出す。

 

「きっかけは俺と誠の御前試合っていう名の喧嘩で、後はあいつが禪院家の方を纏め上げて五条家(うち)と親交を深めるために色々動いたんだ。当主になりたくないとか言ってる割に結構動いてくれてさ。御前試合とか宴会やったり、すごかったぜ?なんかびっくりするぐらい全員あいつに振り回されて、いつの間にか禍根が薄まってたんだよ」

 

「何それこわ。洗脳でもしたの?」

 

「かもな」

 

「ええ・・・」

 

冗談で言ったつもりが五条に肯定され、まだ見ぬ誠という人物にドン引きする家入。誠は泣いていい。

 

真実としては、誠は両家の親交を深める気などサラサラなく、「悟がうるせえし、取り敢えずそれっぽい事やっとくか・・・」とやってみたらクリティカルを連発させまくっただけである。誠は既に泣いていた。

 

「今となっちゃあ禪院家の半分はお祭り好きのエンジョイ集団になってるしな。一昨年なんか、夏にはくじ引きでメンバー決めて海に行ってたし、クリスマスには庭にデカいモミの木植えてたぞ」

 

「なんか私が聞いてた禪院家と全然違うんだけど・・・」

 

家入が知らないのも無理はない。なぜなら、禪院家の昔ながらの伝統を守ることを重視する、禪院家内での誠の敵対勢力である通称ミカンと、「これ絶対外に漏らしたらアカン。舐められるのは勿論やけど普通に身内の恥だわこれ」と直哉によって情報規制が行われていたからだ。彼らは自分達の家の風格を保つのに必死だった。ミカン達は誠への殺意を引き上げた。

 

だが悟は知っている。本当にヤバいのは誠ではなく、誠の味方をする勢力の方であることを。

 

『ねえ悟、どうしよう。あいつらすげえ勝手に暴走するんだけど。俺が軽く言った言葉を広げまくって勝手に動いて、そんでもってその功績を俺のものにしてくるから俺めっちゃ悪目立ちするらしいんだけど。どうすればいい?』

 

『どうするって、あのモミの木とかもお前の指示で植えたんだろう?だいたいお前が絡んでるって直哉から聞いてるけど』

 

『クリスマスツリーっていいよねってテレビ見ながら呟いたら次の日には生えてたんだよあれ』

 

『マジ?』

 

『俺、あいつらの手綱握りきれねえよ・・・』

 

『じゃあ見捨てればいいじゃん』

 

『それだと可哀そうじゃん。出来るだけ好きなことやらせてあげたいし・・・』

 

『お前が一番めんどくせえ』

 

本来、禪院家内で勝手なことをしたら上の立場の者達に目を付けられ、碌な目には合わない。だが、それを全て誠が庇っていた。庇ってしまった。結果、法を犯すようなことはしないが家の面子が潰れそうなことをする厄介ごとの種にして禪院誠を支えようとする勢力、諸悪の根源が誕生した。誠の自業自得である。

 

「・・・五条、君は禪院誠と仲がいいんだよね」

 

先程から静かに話を聞いていた夏油が口を開いた。その問いに対し、五条は嬉しそうに口を開く。

 

「ああ。ガキの頃から親友だよ」

 

それを聞いて、夏油は更に問いを重ねる。

 

「君から見て、禪院誠という人間はどんな人物だ?」

 

「どんな人物?うーん・・・」

 

腕を組み、天井を仰いで考える。3秒で答えがでた。

 

「自尊心が低いわりに舐められるのが嫌いで、自分のものに手を出されると秒で怒る短気。そのくせ自信が無くてコミュ障、ってところかな」

 

「これまでの情報がまるで参考にならないんだが」

 

夏油は褒められる要素が全くなく、予め他の人物から聞いていた情報や五条が語っていた内容から想像した人物像とはかけ離れる評価に困惑した。なんで親友やってるんだコイツと。だが五条は「でもさ」と続ける。

 

「あいつ、優しいんだよ。だから俺は誠が好きだ」

 

これは、五条悟の心の底から出た本音。

自分に10億使わせる価値があると吹っ掛けてきたことがあると禪院家の当主に聞かされたことがあったが、本人曰く「あれは取り敢えずお金が必要だったから大見得切っただけだし適当に考えた俺の肉体の才能の価値でしかないよ。総合で言えば一億いかない」とまでいうほど自分を信用していない親友。

 

控えめに言ってひねくれすぎてたまにめんどくさいと感じる。だが、親友は人が笑うのが好きなことを知っている。人が泣いているのが嫌なのを知っている。戦ってる時とは違って、普通に笑うと子供っぽいことを知っている。

お礼を言われるとちょっときもいのも知っている。

 

それらを含めて、五条悟は禪院誠という1人の人間を愛おしく思っていた。

 

五条の言葉に含まれていた全ての意味を理解したわけではない。だが夏油は「そうか」と言って飲み物に口をつけた。禪院誠という人間に対する自身の認識を改めようと考えた。

 

「なら、狂ったように笑いながら必要以上に人を痛めつけるという噂はデマか」

 

「一言一句本当だぞ?」

 

「その人流石に属性盛り過ぎじゃない?」

 

もう一度飲み物に口を付ける。夏油は考えるのを止めた。

 

 

 

 

「どきなさい!!」

 

目の前に立ちはだかる巨大な目玉に足が生えた呪霊を刀で祓う。止まらず少女と共にその道を駆けていく。

 

【ようぼそあにょしっいとっも】

 

後ろから聞こえてくるのは、地面を揺らすほどの大きな足音と、理解不能の言語。

 

「っ、振り切れない・・・!」

 

「いつもより速い、なんで!?」

 

現在、八乙女達はこの結界の主といる呪霊に追われていた。身長は2メートルを超え、背中から4本の肉のチューブが生えた、ガタイがいい怪物の姿が後ろにはあった。

 

 

 

彼女たちは呪霊たちに会わないように誠を探していた。八乙女には玉犬のような探索能力はなかったが、遠くから誠の呪力を感じ取ることができた。そのため、感じ取った方向に歩いていたのだが、突如として異変が起きた。

 

「ヒッ!なに、これ・・・」

 

「・・・愉しむのを止めたのね」

 

廊下の壁一面に目が現れたのだ。それらは辺りを見渡し、一斉に彼女たちへと焦点を当てた。

 

【ひゃひゃひゃひゃひゃげ】

 

えものみぃつけたぁ。

 

そう言いたげな嗤い声だった。

直後、何かの足音が聞こえてきた。悪寒が八乙女を襲った。

 

「お姉さん、あれが来ます!早く逃げないと・・・」

 

【ょしまーびそっあ】

 

それはまるで、首元に死神の鎌を当てられたような感覚だった。呪いに関わらない日常では決して味わうことはないであろう感覚。

 

濃厚な死の香りがした。

 

 

術式開放  須佐之男命(スサノオ)

 

 

鎌鼬(かまいたち)!」

 

八乙女は振り向きざまに刀を振るい、不可視の斬撃を放つ。人体ならば容易に断ち切り、二級以下の呪霊はこれだけで倒せる程の切れ味を持った技。

 

使うのならば周りの被害も考慮しなければならない危険な技だが、彼女たちがいるのは結界内で、民間人は勘が正しければ両名救出済み。誠ならば体が上下に分かれても死なない、もしくはパワーアップして蘇りそうという謎の信頼のもと、八乙女は躊躇なく最大出力の鎌鼬を放った。

 

結果、後ろにいた大男の呪霊は胸を斜めに切り刻まれ、紫色の血しぶきが舞った。

 

「!!」

 

切り傷しか、入らなかった。

 

【■■■■■■!!】

 

傷を一瞬で修復した呪霊は、雄たけびを上げる。

怒っているのではない、喜んでいるのだ。新しいおもちゃがやってきた。その喜びを表す咆哮だった。並の人間ならば、これだけで足がすくみ、動けなくなっていたであろう威圧感。

 

「走って!!」

 

「っ!はい!」

 

幸いなことに、ここにいる2人は生き残る覚悟が出来ていた。だからすぐに動き出すことができたのだった。

 

 

 

「ここを右!」

 

少女の指示に従い、右の通路を選ぶ。少女は二日もこの結界内を走り回っているため、ある程度なら土地勘があった。だからこそ先程まで呪霊たちに見つからなかったのだ。

 

「え・・・なんで・・・」

 

だがここで異変に気付く。少女はここを知らない。そこには、逃げ場のない大きな空間があった。まるで、闘技場の様だ。

 

ここには本来、入り組んだ通路が続いていたはずだ。今まではそれを利用して必死にあの呪霊を巻いていたのだ。その前提が、唐突に消え去った。

 

「どうやら、結界内の構造をいじられたようね。私達、嵌められたようよ」

 

「そんな・・・」

 

そして、彼女達が入ってきた入り口を塞ぐように、件の呪霊が嗤いながら入ってきた。逃げ道を塞がれた。ならばもう、八乙女玲子の取れる手段は一つだけだった。

 

「時間稼ぎね」

 

それは、特別一級術師、禪院誠が到着するまでの間、少女を死守すること。最初の予定では単独での撃破を考えていたが、自身のプライドと一人の少女の命を天秤にかければ、迷う理由など無かった。

 

「お姉さん・・・」

 

呪霊を警戒しているため後ろは見れないが、聞こえたその声は震えていた。少女はわかっている。八乙女ではあの呪霊には勝てないと。だからこそ、先程まで慎重に動いていたし、見つかった後も逃げていたのだから。

 

八乙女は、逃げようと思えば逃げれる。一瞬でも隙を作れれば、強引にこの空間から逃げ出せる。それだけの実力ならば持ち合わせている。

 

だがそれは、少女を見捨てる事を前提としなければならない。だから八乙女玲子は逃げない。もし見捨てれば八乙女玲子はこの先、まともに生きてはいけないから。

 

(時間稼ぎとは言っても、最初から本気でいかないと厳しい相手でしょうけど)

 

八乙女は覚悟を決める。本当に時間を稼ぐことができたとしても、自分が無事である確証はない。それでも後ろの少女を守り切る。そう心に決めて、口角を無理に上げた。自分の恐怖を隠すように。

 

「それじゃあ、勝ってくるわね」

 

背を向けながら、そう少女に言葉をかけ、風が吹いた。少女が見たものは、不安など感じさせない笑顔だった。

 

「竜巻!!」

 

刀を大きく振るい、それによって発生した風をもとに、巨大化した風の渦となって呪霊に襲い掛かる。その姿は正に、竜が天に昇っているかのようだった。

 

「■■■■!!」

 

攻撃は直撃し、呪霊の体を傷つけ続ける。だが、傷はついたそばから再生していく。呪霊の再生力に対して、火力が足りていなかった。呪霊は指に呪力を集中させ、それを弾丸のように飛ばした。

 

「っ!!」

 

それを間一髪で躱すが、髪が少し掠って切れる。後ろの壁に穴でも開いたような音がした。

 

八乙女は走りだした。遠距離の攻撃では決定打は与えられないと判断し近接戦闘へと切り替える。彼女の術式は確かに中距離と遠距離からの攻撃を得意とするものだ。だが、現在の彼女の出力では切断すらままならない。故に、相手に隙を与えず、より強い一撃を与えるならば、近距離での術式の使用が必要だった。

 

接近してくる八乙女に対して呪霊は指が数本欠けた両手を伸ばし、指先から呪力の弾丸を連射する。純粋な呪力放出ではあるが、威力は人体を貫通することは容易であろう。その弾丸の雨の中を、八乙女は躱しながら走り抜ける。急な方向転換、刀による防御、術式による加速によって距離を詰めた。

 

何度も体に呪力の弾丸が掠ったが、痛みによる苦闘の表情は決して出さず、代わりに口角を上げた。お前の攻撃など痛くも怖くもないぞと、目の前の呪霊に見せつけるように。

 

竜巻を解除した。呪霊の動きを阻害するものが無くなるが、それと同時に切っ先が呪霊に届く。

 

【■■■■!!】

 

胴体を切り付けようとし、筋肉質な両腕に阻まれる。が、それを切り落としてすぐに飛び上がり、首をはねようと刀を横に振る。

 

「! 突風!」

 

振り切る直前、咄嗟に術式で自分の体を後ろに吹っ飛ばす。直後に自分がいた場所に肉の管が通り過ぎた。竜巻による妨害が無くなったことにより、肉の管を伸ばすことができるようになった様子だった。

 

(呪力の弾丸、躱すのも弾くのも問題は無いけれど、あの娘に当たる可能性がある。弾くかそもそも撃たせないように距離を詰めて戦う。肉の管、最大でどれだけ伸びるかはわからないけれど、竜巻が展開されている時に使わなかったことを考えると、そこまで強度は無いはず。つまり問題なく切り伏せられる。凄まじい再生速度、首をはねようとした時に阻止したことから見るに、やっぱり頭を潰せば倒せるのはあの呪霊も同じ。他にも手札を隠し持っている可能性、出す前に倒しきる。なら私の取るべき選択は・・・)

 

刀を構えながら、目の前の呪霊を祓う最適解を探し、導き出した。

 

(短期決戦、そして近距離による最大出力のあれ(・・)を使う)

 

作戦を立てた後の八乙女の行動は早かった。刀を鞘に納め、しゃがみ込む。呪霊はその隙を見逃さない。4本の肉の管を八乙女へ伸ばす。もはや回避不能。戦いの様子を見ていた少女は八乙女の行動を理解できず、恩人の死を受け入れられず目を伏せた。

 

― シン・陰流複合術 居合「夕風(ゆふ)」 ―

 

4本の肉の管は切り裂かれ、切断面より内側に血しぶきが上がり、呪霊本体へとその異変は伝達していく。呪霊の一瞬の動揺。それを見逃さず、八乙女は風のごとく走り出した。

 

今この一瞬だけ、呪霊の肉の管は使い物にならない。つまりは呪霊を守るのは腕だけであった。だが、それも刀に風を纏わせた斬撃ならば切断可能なことは確認済みであった。笑顔を作って間合いを詰める。それ姿はまるで、命を刈り取る死神のようだった。

 

呪霊は守りを捨てて、殴りかかった。それは正しい。防御など無意味なのだから。だが、その選択は無謀でもあった。彼女相手に呪霊の大振りの拳など当たるわけもない。八乙女を潰さんと迫る拳を飛び上がって回避。そして術式の発動し、刀は首を刎ねるように振るわれた。

 

 

 

 

「あ、れ・・・?」

 

今、私は何をしているんだろう?呪霊の首を刎ねようとして、それで、えっと・・・

 

「お姉さん!お姉さん!」

 

私が助けた娘が泣きながら私の傍にいる。顔がくしゃくしゃだ。危ないから離れてなさいって言おうと思ったけれど、上手く言葉が出ない。何でだろうと思ったら、何だか体のあちこちが痛かった。呪霊を見ると、ニヤニヤしながらこちらを見ていた。その表情を見てようやく理解した。

 

ああ、私負けたんだ。

 

首を刎ねようとした瞬間、呪霊の肩から腕が生えてきたのだ。その一撃をもろに食らった。咄嗟に左腕で守ったけれど、そこまでちゃんと呪力を纏えなかったから、衝撃を全く流せていなかったのだ。おかげで左腕はもう使い物にならない。見るも無残にひしゃげていた。

 

呪霊の嗤い声と、少女の泣く声がする。私は呪霊を祓えず、女の子1人もまともに守れなかった。情けないなあ。悔しいなあ。この程度で彼に並ぼうだなんて、私の姿はお笑いだったわね。

 

彼なら・・・禪院君なら、こんな事にはならないのになぁ。

 

私があの日見た理想は、あまりにも遠すぎた。

私では、あの背中に届かない。

 

 

 

 





次回、過去回想です。
今回の話で主人公がどんなキャラなのか推察するのに必要な情報は出し切りました。次の過去回想はその答え合わせですね。

まだわからないよって方は楽しみに待っていてください!
もうわかった方は、答えを感想に書かないでください。あ、でも感想はすごく欲しいです。何ならここすきも欲しいです。(強欲)
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